女子小学生の“ChatGPT活用事情”、画像加工・宿題・創作活動・悩み相談など

小学館「JS研究所」は、イマドキ女子小学生のリアルな本音を聞いた、「ChatGPT」「テレビの視聴実態」「各種SNS・動画プラットフォームの利用時間」に関するアンケート調査の結果を発表した。
今回の調査は、高学年JSが中心の少女まんが誌「ちゃお」2025年6月号にて、JSを中心とした読者に実施した「メディアの利用状況」に関するアンケート調査の結果を分析・考察したもの。
総務省の調査(令和7年版情報通信白書より)によると、国内における生成AIの個人利用率は26.7%で、20代では利用経験者の割合が約45%と最も高く、若年層を中心に生成AIが急速に生活や業務に浸透している。また、10代のテレビ(リアルタイム)平均視聴時間が46.0分であるのに対し、インターネット利用時間は193.3分に達するなど、スマートフォンやタブレットが当たり前の存在となり、子どもたちを取り巻くメディア環境は日々変化していることが分かる。
JS研究所が行ったアンケート調査では、まず、最新の生成AIであるChatGPTの利用状況について質問。すると、10.5%が「使ったことがある」と回答し、「使ったことはないが興味はある」(22.6%)と合わせると、約3人に1人が関心を持っていることが分かった。
「使ったことがある」と回答したJSに具体的な使い方を聞くと、最も多かった回答は「画像を加工したいとき」だったが、その他にも活用法は多岐にわたる。「宿題の問題について聞く」といった学習サポートから、「4コマまんがの作成」といった創作活動 、さらには「悩みを相談する」というパーソナルな使い方や、「献立作成」といった日常の手伝いまで、すでにAIを生活のパートナーとして様々な場面で役立てている実態が明らかとなった。
また、1日におけるテレビの視聴時間に関する質問では、「1時間以上〜2時間未満」(30.0%)が最多となり、「2時間以上〜3時間未満」(16.0%)と「3時間以上」(17.6%)を合わせると、実に63.6%のJSが毎日1時間以上テレビを視聴していることが分かった。他方、「ほとんど見ない」と回答したのはわずか2.8%に留まっている。
続けて、1日のスマートフォン・タブレットの利用について、SNS・動画プラットフォーム別の利用時間を調査した。その結果、YouTubeを利用しているJSは82.8%にのぼり、「1時間以上〜2時間未満」(22.2%)、「2時間以上〜3時間未満」(10.4%)、「3時間以上」(6.6%)を合わせた1時間以上視聴している人の割合は39.2%となった。
一方で、TikTok・X・Instagramを利用している人の割合を見ると、TikTokは24.8%、Xは15.8%、Instagramは23.0%に留まり、その多くが「30分以内」のライトな接触であることが明らかになった。
こうした調査結果から、今回の調査で82.8%のJSがYouTubeを利用していることが明らかになったが、これは趣味や好きなアイドルの動画など、自身の興味を深掘りするためのメディアとして活用している姿を反映していると考えられる。一方で、TikTokやInstagramの利用が「30分以内」のライトな接触に留まる傾向にあるのは、友人とのトレンドチェックや気分転換といった、気軽な交流ツールとして使っている可能性がある。このことから、イマドキのJSは「じっくり楽しむYouTube」と「手軽なSNS」を無意識に使い分けていることがうかがえる。
今回の調査結果を受け、「ちゃお」の編集長は「JSのメディア接触は『新旧のハイブリッド』になっていることがわかります。テレビは『家族で同じ時間を共有する場』として根強く支持されており、一方でYouTubeは『自分の好きな世界に没入する場』として圧倒的な存在感を示しています。つまりJSのみんなは『家族と一緒に楽しむ時間』と『自分だけの世界を楽しむ時間』を上手に使い分けていると言えます」と分析。
そして「生成AIの関心はまだ一部にとどまっていますが学習や悩み相談などに活用している子もいて、未来のメディアとの付き合い方を先取りしている姿が見えます」と話し、「ちゃおとしてはこのJSの変化の目をみのがさず、紙やデジタルのコンテンツ作りに活かしていくつもりです!」と語っている。