“断酒49年”アンソニー・ホプキンス、お酒やめた理由「人を殺してしまうかも」

11/4 00:50 掲載
“断酒49年”アンソニー・ホプキンス、お酒やめた理由「人を殺してしまうかも」

アンソニー・ホプキンス(87歳)は、自分が「人を殺してしまうかもしれない」と気づき、断酒の決心をしたそうだ。

昨年12月で断酒49年を達成したアンソニー。記憶喪失の状態でカリフォルニアを車で走行中、突然、自分がアルコール依存症と実感し、お酒をやめる必要があると悟ったという。

米紙ニューヨーク・タイムズのポッドキャスト「ジ・インタビュー」で、アンソニーはこう話す。

「私は酔っ払っていて、記憶が飛んだ状態でカリフォルニアを車で走っていた。どこに向かっているのかも全くわからなくて、誰かを、あるいは自分自身を殺しかねなかったことに気づいた」
「私は正気に戻り、ビバリーヒルズでのパーティーで、元エージェントに『助けが必要だ』と伝えたんだ」

そして、自分の内側から「明瞭で理性的、ラジオの声のような男性」が語りかけてきて即時に飲酒欲求が消えたそうだ。

「ちょうど11時だった。腕時計を見たんだ。恐ろしい経験さ。深く、力強い思考か声といったものが内側から語りかけてきた。『全ては終わった。今こそ生き始めろ。これらには全て意味があった。一瞬たりとも忘れるな』とね」
「お酒への渇望は奪われた、もしくは消えた。今の私は神性か、生まれながらに私たちを形成する内なる力、生命力といったものだ、その他の理論は持ち合わせていない」
「それが意識なんだろう。それだけさ」

孤独な幼少期を過ごし、いじめも経験したというアンソニー。その不快感や内なる何かを「無効化しようと」お酒に走ったと回想している。

「お酒は自分を大きく感じさせてくれた」
「お酒は素晴らしいよ。一瞬で別の空間にいるような気分にさせてくれるから」
「当時の俳優たち、ピーター・オトゥールやリチャード・バートン、皆そうだったよ。あの頃のお酒の席では、『これが人生だ。私たちは反逆者で異端者、祝杯を挙げよう』と思ったものだ。でも心の奥では『こういった行為が命取りになる』と分かっていた」

そんなアンソニーは今も生きていることに感謝しているという。

「一緒に仕事をした連中は皆、もうこの世にいない」
「人生には途方もない困難が待ち受けていて、それに気づかされることがある。だが結局、88歳に近づいた今、朝目を覚ますとこう思うんだ。『私はまだここにいる。一体なぜだ?』」
「理由はわからない。でも、私をここに留めてくれている何かに、心から感謝している!本当にありがとう!」

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