オリンピアン、母国で金1号=不屈の闘志、ペラトナー―スノーボード〔パラリンピック〕
3/9 08:57 掲載
開催国イタリアに金メダル1号をもたらしたのは、オリンピアンだった。スノーボードクロス男子の下肢障害LL2を制したエマヌエル・ペラトナーは「夢のようだ。このために努力してきた」。表彰式で大歓声を浴びると、感極まった表情を見せた。
障害を負う前はスノーボードクロスで五輪に2度出場し、2019年世界選手権では3位に入った。しかし、22年北京五輪を目指していた練習中、ジャンプで失敗して脛骨(けいこつ)を折る大けがをした。何度も手術を受けて脚に人工関節を入れ、歩けるまでに1年半もかかった。
「五輪という夢が消えた」。悲しみに暮れたが、パラリンピックの出場資格があることを知り、必死にリハビリに励んだ。競技に復帰するとすぐに頭角を現し、昨年の世界選手権は2種目で優勝。初のパラリンピックも2位に大差をつけ、「重圧はあったが、それが力になった」。
健常者だった頃の競技歴を生かそうと思っていた時期もある。ただ、今は「キャリアを比べるのは無意味」と達観し、目の前のことだけに集中するようになった。「メダルを手にする姿は想像していなかった」。不屈の闘志を持つ39歳。劇的な人生に思いをはせた。(時事)