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アイヌ語とは?

アイヌ語

アイヌ イタク
【発音】
IPA: [ai̯nu itak̚]
【話される国】
日本
【地域】
北海道
過去には、樺太千島列島東北地方
【話者数】
1996年の調査で15人、2007年の調査で10人
言語系統
孤立した言語
  • アイヌ語

【言語コード】

ISO 639-1
なし
ISO 639-2
ain
ISO 639-3
ain
SIL
AIN
【消滅危険度評価】

千島アイヌ語
消滅
樺太アイヌ語
消滅
北海道アイヌ語
極めて深刻 (UNESCO)
 | この項目には、JIS X 0213:2004 で規定されている文字が含まれています(詳細)。

アイヌ語(アイヌご、アイヌ語ラテン文字表記: Aynu itakアイヌ語仮名表記: アイヌ・イタㇰ)は、日本列島関東以北に居住するアイヌ民族(アイヌ)言語である。

話者は、アイヌ民族の主たる居住地域である北海道樺太千島列島に分布していたが、現在ではアイヌの移住に伴い日本の他の地方(主に首都圏)にも拡散している。言語学では「孤立した言語」である。国際連合教育科学文化機関によって、2009年2月に「極めて深刻」な消滅の危機にあると分類された、危機に瀕する言語である。危険な状況にある日本の8言語のうち唯一最悪の「極めて深刻」に分類された。

目次

  • 1 概説
  • 2 現状
    • 2.1 消滅危機言語
    • 2.2 保存活動
    • 2.3 新語の創造
  • 3 アイヌ語の研究
  • 4 文字による記録
  • 5 音韻
    • 5.1 母音
    • 5.2 子音
  • 6 文法
  • 7 方言
    • 7.1 概要
    • 7.2 下位区分
  • 8 文章
    • 8.1 文章化の試み
    • 8.2 文字(カナ表記)
    • 8.3 文字(ローマ字表記)
    • 8.4 文学
  • 9 語彙
  • 10 アイヌ語に起源を持つと推測されている地名
    • 10.1 北海道島の地名
    • 10.2 本州島の地名
      • 10.2.1 青森県
      • 10.2.2 岩手県
      • 10.2.3 秋田県
      • 10.2.4 宮城県
      • 10.2.5 福島県
      • 10.2.6 新潟県
  • 11 アイヌ語に由来する地名以外の単語
    • 11.1 日本語に溶け込んだアイヌ語
    • 11.2 学名
    • 11.3 その他
  • 12 脚注
    • 12.1 注釈
    • 12.2 出典
  • 13 参考文献
    • 13.1 入門書
    • 13.2 辞書
    • 13.3 解説書、特定分野の辞典
    • 13.4 読み物
  • 14 関連項目
  • 15 外部リンク

概説

地理的に近い位置で話され、古くから互いに経済的、文化的な交流があったにも関わらず、大和民族の日本語との間には、語彙の借用(例、女 menoko)を除いてそれほど共通点(例、皮 kapkapa)が見いだせない。アイヌ語の系統や語族に関しては、学術的に確実なことはいえない状況であり、孤立した言語であると考えられている。

北海道以北のアイヌの民には強力な支配者や中央政府が存在しなかったため、標準語・中央語のようなものは無く地方によって多くの方言がある。

現状

消滅危機言語

現在アイヌ語を継承しているアイヌの数が極めて少ないため、アイヌ語は近いうちに消滅してしまう『消滅危機言語』の一つとなっている。2007年の推定では、約1万5000人のアイヌの中で、アイヌ語を流暢に話せる母語話者は10人しかいなかった。さらに別の推定では、アイヌ語を母語とする人は、千島列島では既に消滅し、樺太でもおそらく消滅していて、残る北海道の母語話者も、平均年齢が既に80歳を越え、母語話者数も10人以下となっている。アイヌ語の消滅危惧のレベルは「おそらく消滅した言語」と「消滅の危機に厳しくさらされる言語」の間の「消滅に近い言語」となっている。2009年(平成21年)、ユネスコにより「危機に瀕する言語」として、最高ランクの「極めて深刻」の区分に分類され、数年後には母語話者の死亡により消滅すると見られている。

保存活動

1980年代以降、萱野茂らアイヌ語を残そうとするアイヌ自身の努力の結果、アイヌ語教室が各地に開設され、1981年には山本多助がアイヌ語小事典を発行した。2007年現在、北海道内14箇所にアイヌ語教室が設置され、多くの人がアイヌ語を学んでいる。また関東地方にも、関東在住のアイヌまたは和人がアイヌ語を学ぶ集まりがいくつか存在する。1987年にはSTVラジオが「アイヌ語講座 イランカラプテ」(現在の「アイヌ語ラジオ講座」)の放送を開始し、2016年現在も放送中である。

1986年には、田村すず子の教え子、北方言語研究会が上智大学学生などと共催で早稲田大学において第一回「アイヌ語祭」を開催し、和人による全編アイヌ語による演劇などがアイヌ民族や元北海道新聞社員でアイヌ語地名研究家などの前で披露された。

アイヌ文化振興財団主催のアイヌ語弁論大会(イタカンロー)には毎年多くの人が参加し、アイヌ語による弁論や、口承文芸の披露が行われている。

また、1990年代から、アイヌではない人の中にもアイヌ語を勉強しようとする人が増えてきている。アイヌ語の辞典も各種出版されている。特に東北地方では、アイヌとの歴史的連続性や地名研究の必要からアイヌ語への関心は伝統的に高い。

アイヌ語は「危機に瀕する言語」と呼ばれる言語の中では、例外的と言って良いほど、大量の録音資料が残されている言語である。オープンリールカセットテープに記録され、現在まで残っているアイヌ語の音声資料は豊富である。しかし、その音声資料については、内容が不明なものも多く、調査は発展途上であるため、アイヌ語学習に使用できる資料は限られている。今後のアイヌ語学習には、この音声資料の活用が課題となっている。

新語の創造

2000年代になり、北海道教育大学旭川校等でアイヌ語を刷新する兆しがある。実際「アイヌ語旭川方言会話辞典」では現代に不足している語彙の補完が試験的に行われており、imeru(神が放つ光。転じて電気の意)からimeru inaw またはimeru pasuy(前者は固定電話で、後者は携帯電話の意。inawイナウpasuyを意味する。アイヌの信仰では、イナウや箸は神と人間との仲立ちをすると考えられていて、ネットの中とリアルを仲立ちする例えから)、imeru kampi(電子メールkampiは紙、または手紙を意味する。)等の造語を作り、現代生活で不足している語彙を補完し、「現代の言語として」使える様にする努力が行われている。2008年7月4日に開催された「先住民族サミット」アイヌモシリ2008では、「アイヌ語を公用語とし、義務教育でも学べる言語とすること」を日本政府に提言している。

アイヌ語の研究

明治時代になってから、アイヌ語は科学的に研究されるようになったが、最初期には外国からのしかも言語学者ではない人々による研究が先行したのが特徴的である。たとえば東洋学者のアウグスト・プフィッツマイアー、ロシアの医師であったミハイル・ドブロトウォルスキー(Михаил Михайлович Добротворский)、ポーランドの社会運動家で亡命者であったブロニスワフ・ピウスツキ、宣教師であったジョン・バチェラーなどがそれにあたる。

日本の言語学者たちがアイヌ語を研究し始めた頃にはアイヌ語の話者は非常に少なかったが、先にあげた外国の研究者とはほとんど交渉を持たず、活発に研究されてきた。金田一京助とその弟子である久保寺逸彦や、アイヌである知里幸恵知里真志保姉弟らがまず挙げられる。

その後、田村すず子、浅井亨、村崎恭子魚井一由キーステン・レフシン中川裕、切替英雄、佐藤知己、奥田統己らの研究者がそれぞれ研究を進めてきた。

文字による記録

札幌市のアイヌ文化交流センター。サッポロピㇼカコタンというアイヌ語が片仮名で併記されている。(「札幌の美しい村」という意味であり、日本語の片仮名に元来は存在しない「小書き片仮名の "リ"」が用いられている。)

アイヌ語は漢字が伝わる前の日本語と同様、口承のみによって受け継がれてきた。そのため文字による古い記録は、ヨーロッパ人や和人によって書かれたものが残されている。古くは17世紀初頭に松前を訪れた宣教師ジロラモ・デ・アンゼリスラテン文字による記録が残されている。日本の史料としては平仮名でアイヌ語が記録された『松前ノ言』が最も古く寛永年間頃のものと推定されており、年代の明確なものとしては宝永元年(1704年)に蝦夷地を訪れた禅僧である正光空念の記録が古い。

正徳2年(1712年)に刊行された『和漢三才図会』では、50ほどのアイヌ語の単語とその日本語訳が記されている。蝦夷通詞(アイヌ語通訳)の上原熊次郎は、寛政4年(1792年)に刊行されたアイヌ語の辞書『もしほ草』(書名は蝦夷方言とも)の著者として知られており、自筆稿本である『蝦夷語集』(国立公文書館所蔵)や『蝦夷地名考並里程記』(東京国立博物館所蔵)が伝わっている。

アイヌ自身による記録は、大正時代からラテン文字などを用いて書かれるようになったといわれている。ピウスツキと親交があった千徳太郎治は、キリル文字によってアイヌ語を表記していた。

音韻

アイヌ語の音節はCV(C)(すなわち義務的な声母と義務的ではない韻母)からなり、子音群は少数しかない。

母音

アイヌ語は五つの母音を持つ。樺太方言では開音節で長短を区別する。

【】
前舌
中舌
後舌
[i] i |  | [u] u
中央 [e] e |  | [o] o
 | [a] a | 

子音

子音は 「p」、「t」、「k」、「c」、「n」、「s」、「r」、「m」、「w」、「y」、「h」、「'」の12種が数えられる。無声音有声音の区別は存在しない。

両唇 両唇軟口蓋 歯茎 硬口蓋 軟口蓋 声門
破裂 [p] p |  | [t] t |  | [k] k | [ʔ] '
破擦  |  | [ts] c |  |  | 
[m] m |  | [n] n |  |  | 
摩擦  |  | [s] s |  |  | [h] h
接近  | [w] w |  | [j] y |  | 
はじき  |  | [ɾ] r |  |  | 

日本語にはほとんど現れない閉音節が多く存在し、北海道方言では音節末にはch' を除く任意の子音が立つことができる。いっぽう多来加を除く樺太の方言では音節末に立つ子音は限られ、音節末子音/m//n/との区別を失い、/k/, /t/, /p/, および/r/の一部は摩擦音化し/h/(xとも表記された)になる。例えば北海道のsések(「セセク」のように発音。「熱い」の意)は樺太ではsēseh(「セーセヘ」のように発音)となる。

u は、日本語の「ウ」と発音が異なり、日本語を母語とする者には「オ」のようにも聞こえることもある。そういったこともあり、かつてはaynuアイノkamuyカモイinawイナオと書かれることが多かった。

cはチャ、チなどにあらわれる破擦音で濁って発音されることもある。

sの摩擦音。方言によってはシャと発音されることもある。また、有声で発音されることはない。

'」は声門閉鎖音で、たとえばteetaで母音の連続を回避するために、はっきりと区切ってテエタと発音するときの間に入る音である。

音節tiは存在せず、tiが結びつくと必ずciに変わる (kot + -ihikocihi)。

音節wiはごく少数の擬音語擬態語にしか現れない(siwiwatki風がビュウビュウ吹く。siw-iwは風の音を表す語根の反復)。

音節yi、「wu」を「'i」、「'u」と別の音節として認めるか否かは研究者によって異なる(yairayke/yayiraykeaun/awunya(y)inkarpirkare <yay-inkar-pirkare 自分の・見る(こと)・を良くする)。

開音節の「'i」や「'u」は他の母音の後に来たとき、母音の連続を回避するため軽く発音され、ywとなることがある。表記としてはukoytakのようにywになる。閉音節の場合はこの変化は起きない。

母音iuの後に他の母音が来たときは、母音の連続を回避するため渡り音ywが挿入されることが多い。このywは表記される場合とされない場合がある。例えば、uepekerという語はしばしばuwepekerと書かれる。ただし、uの後にiが来た場合だけは*uwiとはならず、u'iまたはuyとなる。

音節末のtpk朝鮮語の閉音節のptk と同じく内破音であり、日本語のみを使う者にとっては聞き分けが難しい。たとえばpの場合、「アップ」と言った時の「プ」の直前の「ッ」のような感じの音になる。音節末tも同様に「ハット」の「ッ」、kも「メッカ」の「ッ」音である。

音節末sもシの前で詰まる音に近いが場合によりスの前で詰まる音のように聞こえる場合もある。

音節末のmは、日本語と異なりnと区別して発音しなければならない。

音節末のrについては直前の母音の音色が影響することが多く、日本語のラ行子音に近い歯茎はじき音で、且つ舌先が略平らで微妙にしか舌先が上がらない為、arrは口の中で発音されたあいまいなのように、irrは軽いのような音となることが多い。樺太方言には音節末のrは無く、hr+母音のいずれかで発音される。例えば北海道方言のutar(人々、〜たち)は樺太でutahまたはutaraと発音される。

アクセントは、語頭に閉音節があればここに付く。語頭の音節が開音節であれば、原則としてその次の音節に付く。例えばpírka(美しい)は最初の音節pirが閉音節なのでここにアクセントが付く。一方kamúy(神、ヒグマ)は最初の音節kaが開音節なので、次のmuyにアクセントが付く。

なお、アイヌ語では文法上他の母音の後のイ、ウも子音ywと見なされ閉音節として扱われる。例えばáynu(人間)はではなくにアクセントが付く。

ただし例外的に最初の音節が開音節であってもそこにアクセントが付く単語もある。例えばyúkar(ユーカラ)がこれである。

なおアイヌ語のアクセントは高低アクセントで、アクセントのある音節は高く発音される。また、樺太方言で語頭の開音節にアクセントが付いた場合、その母音は長く発音される。例えば先の例のyukarは北海道方言では「ユカラ」に近いが樺太ではyūkara「ユーカラ」に近い。

文法

基本的な文型はSOV(主語目的語動詞)の順で、この点では日本語と同じである。これは、動詞に主語および目的語(授与動詞では間接目的語も)の人称および数を示す接辞が付けられ、さらにその他の意味を加える接辞(動詞の、先行名詞との関係を示す関係詞的なものなど)が付加されて、動詞だけでも文に相当する表現が可能なためである。なお名詞でも、体の部分など、特に個人と切り離せない関係にあるものには、所有者を示す所有接辞が必須的に付加される。

たとえば1つの例として、

これを直訳すれば

つまり「いろいろのうわさについて、私は遠く自分の心を揺らし続ける=思いをめぐらす」という意味になる。これは単語としては2つしか含まないが長い文に相当する意味を表している。2番目の動詞は語根suyに主語などを示す接辞副詞、さらには目的語やそれを限定する接辞がついて1つの長い単語になっている。

方言

アイヌ語の方言は大きく北海道、千島、樺太に分けられる。

なお東北北部にも18世紀まで本州アイヌが居住していたが、彼らの方言については詳らかでない。また中世以前の蝦夷がアイヌ語を話していたとする説もある(エミシアイヌ語)。

概要

アイヌコタン毎に生活をしており、コタンは主に川筋か海岸線に沿って分布したため、川筋ごとに方言が少しずつ異なる場合が多く、また海岸部と内陸部でも差異が見られた。

かつて大きくは北海道千島(北千島)・樺太(南樺太)の三方言があった。北海道方言は、さらに北東部方言と南西部方言の二つに分類したり、もっと細かく分類されることもあるが、方言間の詳細な比較研究が進んでいないため定説はない。千島方言は日本の千島領有以後急速に廃れ、第二次世界大戦後には既に話者が見つからなかったとされる。樺太方言は1994年に最後の話者とされる浅井タケが亡くなった。北海道内でも和人の移住が早くから進んだ渡島地方石狩川下流域などの方言は記録がほとんど残っていない。

アイヌは独自の国家を形成せず、自らの言葉を文字に記すこともなかったので、アイヌ語には標準語ないしそれに近い中央語が存在しない。アイヌ語を学ぶ場合は沙流方言や千歳方言の資料が比較的手に入りやすい。

下位区分

括弧内は使用地域。話者、教材を後述。

文章

文章化の試み

20世紀よりも前の時代にアイヌ自身がアイヌ語の文章を記したテキストはみつかっていない。近年はアイヌタイムズを例として、カタカナやラテン文字、キリル文字による文章化の試みが浸透しつつある。

アイヌ語には多くの方言体系の存在が知られている(「アイヌ語方言」を参照)が、伝統的なアイヌ語話者全体あるいはその大部分を統べるような中央集権的支配者、宗教的権威、あるいは文化的中心が歴史上存在しなかったこともあり、他を圧倒する方言(あるいは言語変種)の体系が存在しない。その為、アイヌ語を文字を使って体系的に表現する場合すなわち文章化する際には、規範となりうる共通語あるいは規範的な書記体系(書記言語)や正書法が存在しないという困難がある。

アイヌ語には文章化する際のオーソライズされた形式・体系が存在しないもののそれに準ずるとみなし得る試みがみられ、北海道ウタリ協会が編集したアイヌ語テキスト『アコ イタ』が出版されて以降は、『アコ イタ』で範示されている文章表記に基づいた、各方言の文章化が多くなされている。

また、英語などを通じてローマ字表現に慣れ親しんでいる人たちを除いて、カタカナ表記に慣れ親しんでいる日本語母語話者を中心にした日本語を使用する人々には、ローマ字よりカタカナによるアイヌ語表記が好まれる場合が多い。ただし、カタカナ表記は、出版物やワープロやパソコン上で音節末の子音を表現するための小さいカタカナを記す際、わざわざ活字の大きさを小さくしなければならないなど、大きな問題点があった。

文字(カナ表記)

アイヌ語の仮名による統一された正書法が存在するわけではないが、各方式が大きく異なるわけではない。日本語にない音を表記するために、いくつかの専用の文字を使用する。

「ca・cu・ce・co・ye・we・wo」などは日本語と同様に「チャ・チュ・チェ・チョ・イェ・ウェ・ウォ」と表記する。

tuは、「トゥ」、または「ト」に半濁点がついた「 ト゚」(ト゚)、あるいは「ツ」に半濁点がついた「 ツ゚」(ツ゚)(括弧内は代用表記)で表記される。

音節末のtkpmnはそれぞれ、「」、「 」()、「 ㇷ゚」(プ)、「 」()、「ン」(括弧内は代用表記)で表記される。

音節末のsは多くの場合「 」()と表記するが、発音の状態によって「 」()と表記される。

音節末のrは直前の母音に則した書き分けをし、それぞれ「 」()、「 」()、「 」()、「 」()、「 」()(括弧内は代用表記)で表記される。

単語は分かち書きする。人称接辞は中黒「・」で区切って書かれることがある。それ以外の記号は日本語と同じつかい方をする。

2000年1月にJIS規格としてJIS第三水準漢字(記号類を含む)・JIS第四水準漢字が新規に制定され、このうちのJIS第三水準漢字にアイヌ語カナ表記用の拡張カタカナ(日本語の文章に通常使用される範囲外での小文字カタカナや半濁音付きカタカナ)も含まれている。

ISO規格に採り入れられている Unicode では、2002年3月に改定された Unicode 3.2 から JIS X 0213 に追随する形でアイヌ語カナ表記用の拡張カタカナ (Katakana Phonetic Extensions) が追加されており、同規格に対応したソフトウェアでアイヌ語カナ表記が扱える枠組みが整えられた。ただし、一部の文字は合成を用いないと表現できないという Unicode 特有の問題があり、ソフトウェアによってはきれいに表示できないことがある。

代用表記に関しては、小文字カタカナは通常サイズのカタカナの縮小表示、半濁音は通常の全角半濁音記号を付与。
【文字】
【代用表記】
【】
【文字】
【代用表記】
【】
【文字】
【代用表記】
【】
【文字】
代用表記
 |  |  |  |  |  |  |  |  |  | 
 |  |  |  |  |  | ㇷ゚ | プ
 |  |  |  |  |  | セ゚ | セ゚
 |  |  |  |  |  | ツ゚ | ツ゚
 |  |  |  |  |  | ト゚ | ト゚
JIS X 0213非漢字一覧#1面5区」も参照

パソコンでアイヌ語カナ表記(Unicode 3.2準拠)を扱う場合、

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