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イソギンチャクとは?

出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2011年5月)
イソギンチャク
イソギンチャク

分類
 | : | 動物界 Animalia
 | : | 刺胞動物門 Cnidaria
 | : | 花虫綱 Anthozoa
亜綱 | : | 六放サンゴ亜綱 Hexacorallia
 | : | イソギンチャク目 Actiniaria

和名
イソギンチャク
英名
Sea Anemone
亜目

イソギンチャク(磯巾着菟葵, Sea Anemone)は、刺胞動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イソギンチャク目に属する動物の総称である。柔らかい無脊椎動物で、口の回りに毒のある触手を持つ。

特徴

岩の上などに定着して生活する動物で、体は基本的には円筒形である。上の面を口盤とよび、その中央には口がある。口盤の周辺には多数の触手が並ぶ。触手は普通、円錐形だが、先端部が膨らんだものや、多数の枝をもつ場合もある。体の側面は滑らかなものが多いが、状の突起を持つもの、多数の房状の突起を持つものなどもある。下面は足盤とよばれ、ここで岩などに吸着する。あまり動くことはないように思われるが、イソギンチャクはこの足盤を使って、普通は時速数cm程度の速度で移動することができる。この移動性は六放サンゴ類の中でイソギンチャクの足盤が筋肉質に富むことから可能なことで、他の六放サンゴ類ではあまり見られない特徴である。内田はむしろイソギンチャクはポリプ歩く能力を発達させた唯一の例と見るべきと言っている。

これらの特徴は、定着性の刺胞動物にはほぼ共通するものである。しかし、他の定着性の刺胞動物門は、無性生殖によって数を増やし、多数が集まった群体を形成する場合が多い。イソギンチャク類は、すべてが単独生活であり、群体を作らない。後述のように無性生殖によって増殖するものもしばしば見られるが、先述の筋肉質の足盤による移動能力によって新生個体が互いに密着して群体を作るのではなく、移動して互いに距離をとるようになることが多い。個々の動物体は、したがって群体を作るものよりは大きなものが多い。大きいものでは、口盤の径が60cmにもなる。

普通は雌雄異体であり、体外受精する。受精卵は孵化すると楕円形で繊毛を持ったプラヌラ幼生となり、これが定着して成長し、成体となる。中にはプラヌラ幼生を親の体内で育てるものもある。無性生殖を行うものも多く、分裂出芽をするものが知られている。

触手と刺胞

触手は、イソギンチャクで最も目立つ部分である。普通、触手は口盤の周辺に沿って並んでおり、放射状に広がっている。敵などに触れると触手を縮め、強く刺激すれば口盤をも縮め、てっぺんがすぼまった形になる。そっとしておけば、また触手を伸ばし始める。

触手の形で変わっているものとしては、ハナブサイソギンチャクなど、触手に横枝があるものがある。触手の形は普通でも、口盤が波打っていたりすると、見かけは随分変わった形になる。ハタゴイソギンチャクやヒダベリイソギンチャクなどがそういったものである。触手に枝があるような特異な形のものは、サンゴ礁に見られるもので、そのような環境の生物多様性の表れと見ることも出来る。

餌になる小動物が触れた場合には、触手がそれに触れて餌が毒で麻痺してから、口に運んで丸のみにする。微小な餌を捕らえるものは、口盤の表面の繊毛によって餌が口に運ばれる。餌は胃腔に取り込まれ、消化液で分解され、吸収される。未消化物(など)は再び口から吐き出される。

ただし、予想されるほどの餌を取ってはいないとの報告もあり、海水中の有機物を直接取り入れる仕組みがあるのではとの説もある。ただ、実際に捕食しているのは書籍などで紹介されているような大型の魚類などよりも小型のプランクトン性の甲殻類などであることが多いようである。また、近縁のイシサンゴ類と同様に体内に褐虫藻と呼ばれる渦鞭毛藻類に属する藻類を共生させており、ここから多くのエネルギーを得ている種も多く知られている。本州や九州など日本列島中央部の岩礁潮間帯で普通に見られるヨロイイソギンチャクが褐色をしているのがこの共生藻類の色によるものであるし、サンゴイソギンチャクなど珊瑚礁域などでクマノミと共生しているような大型のイソギンチャクもこうした共生藻類による栄養摂取に多くを依存しているものが多い。

触手には刺胞と呼ばれる小さな袋状の構造が多数並んでいる。この刺胞には長い針が、巻き込まれるか折り畳まれるかして入っており、何かに触れるとその針が打ち出される。いくつかの種類があり、長い針が刺さってくっつくようになっているものもあれば、毒液を注入するものもある。これらが餌を捕獲する時や敵からの防御に働く。また、刺胞は、触手以外にも、体表面の突起部分にそれを持つ種もある。また、体内にある隔膜糸や槍糸というものにも刺胞があり、タテジマイソギンチャクなど、種によってはこれを体外に出して攻撃用に用いる。

大部分のイソギンチャクの毒は、人間には影響を与えない程度のものであるが、日本の珊瑚礁海域にも生息するウンバチイソギンチャク(海蜂磯巾着の意)など一部にとても毒が強いものがあるので、該当海域では注意を要する。

変わり種

一般にイソギンチャクは移動速度が遅く、足盤を使ってわずかずつ移動するが、もっと素早い移動を行うものもある。

ほとんどのイソギンチャクは、岩の上に体を固定させる。そのため、砂地や泥の海底には生息しづらいが、さまざまな方法でそういった場に生息するものがある。

ヤドリイソギンチャクは、幼生時にオワンクラゲというクラゲ寄生生活するという変わった性質がある。成長後は海底に沈んで生活する。

他の動物との共生

カクレクマノミとイソギンチャク
ヤドカリとイソギンチャク

イソギンチャクは、さまざまな動物と共生していることが知られている。

毒性

イソギンチャクは、魚などを捕まえるための刺胞を持っているが、ほとんどの種では人間に影響を与えるほどのものではない。日本本土周辺では、スナイソギンチャクやハタゴイソギンチャクが、ある程度強い毒を持つ。

しかし、沖縄以南では、ウンバチイソギンチャクという種があり、極めて危険である。このイソギンチャクは、昼間は触手を引っ込めており、体壁の突起が一面に広がった姿であるが、これが、岩に着いた海藻の固まりにしか見えない。もしこれに触れれば、非常に激しく痛み、火傷のような傷を生じる。急性腎不全による死亡例も知られている。ウンバチとは海の蜂の意で、徳之島では古くから漁民に恐れられたというが、近年は沖縄付近でも度々見つけられており、警戒が呼びかけられている。他にも、似たような房のような突起や触手を持つものには毒の強いものがいくつかある。

利用

近代の商業的漁業においてはあまり利用価値はない。

日本でイソギンチャクの食用が一般的なのは有明海沿岸で、干潟に生息するヨロイイソギンチャク類の一種、イシワケイソギンチャクなどが食用として市場流通しており、調理法には味噌煮や唐揚げなどがあり、郷土料理飲食店でも供される。ほか、千葉県東京湾沿岸でも、戦後埋め立てが進む前は同様に同種と考えられる干潟性のヨロイイソギンチャク類を潮干狩り味噌汁の具として採取し、家庭内消費することは盛んであったので、他にもかつて干潟の発達していた地域で聞き取り調査を行えば、かつての食習慣の事実が明らかになる可能性もある。海外でも、食用にする例はあるが、大規模に市場に出荷するほどの利用はほとんど見られない。

むしろ、水族館で鑑賞されるのが最大の利用であろう。近年は、アクアリウム技術の進歩によって、家庭でも楽しめるようになっている。特に、ヨロイイソギンチャク類やウメボシイソギンチャクのように過酷な潮間帯の環境に生息するイソギンチャクは、比較的丈夫なもので、飼育は難しくない。小型のものなら、コップ程度でも飼育できる。珊瑚礁に生息する大型の種の場合は共生藻類の光合成への依存度が高いので、イシサンゴ類の飼育と同様に水質や照明に注意を払う必要がある。

名前の由来

日本名のイソギンチャクという名は、磯巾着であり、触手を縮め、口盤の縮んだ姿が巾着に似て見えることからその名がついたものと考えられている。何かぬるぬるして、触ると引きずり込むような感触が卑猥な想像を呼び、イソツビ(磯の女性器の意)という古名もあって、そのような方面でその名が使われる場合もある。先述の有明海沿岸で食用になっているイシワケイソギンチャクの本来の地方名はワケノシンノスであり、これは「青年の肛門」を意味している。これも近代以前に一般的であった衆道(男色)の慣習との関連が疑われる。

英名はSea Anemone すなわち「海のアネモネ」であり、また、ドイツ名は Seerose(海のバラ)と、いずれも触手の広がっている様子を花びらにたとえたものと思われる。

分類

内腔亜目 Endocoelantheae

イマイソギンチャク亜目(新磯巾着亜目) Nynantheae

古磯巾着亜目 Protantheae

Ptychodacteae

脚注

  1. ^ 内田(2001)、p.84
  2. ^ 内田(2001)、p.102
  3. ^ 内田(2001)、p.50
  4. ^ 内田(2001)、p.65

参考文献

 | 
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2013年6月)

関連項目

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出典:wikipedia
2020/07/06 11:33

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