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ダムとは?

発電出力が世界第1位の三峡ダム
貯水量が世界第1位のカリバダム
堤高が世界第2位のヌレークダム

ダム(: Dam)または堰堤(えんてい)は、水力発電治水・利水、治山砂防廃棄物処分などを目的として、を横断もしくは窪地を包囲するなどして作られる土木構造物。一般にコンクリートなどによって築く人工物を指す。大規模なダムで川を堰き止めた場合、上流側には人造湖(ダム湖)が形成される。

人間以外にダムを造る動物としてビーバーがおり、また土砂崩れ地すべりによって川が堰き止められて天然ダムが形成されることもある。また、地上だけでなく、地下水脈を堰き止める地下ダムもある。このほか、貯留・貯蓄の比喩として用いられることがあり、森林の保水力を指す緑のダムという言葉がある。

(せき、い、いせき)ともいう。この場合は取水や水位の調節などが目的で、砂防ダムは除く。

日本のダムについての詳細は日本のダムを参照のこと。

目次

  • 1 語源
  • 2 概説
  • 3 歴史
    • 3.1 ダムの黎明
    • 3.2 技術の進歩
    • 3.3 多目的ダムの登場
    • 3.4 大ダムの時代
    • 3.5 ダム技術の革新
  • 4 型式別によるダムの種類
    • 4.1 型式一覧
    • 4.2 地下ダム
    • 4.3 鋼製ダム
    • 4.4 木材ダム
  • 5 ダム諸元に関する表記
    • 5.1 諸元
  • 6 世界の主なダム
    • 6.1 堤高ランキング
    • 6.2 総貯水容量ランキング
    • 6.3 発電出力ランキング
  • 7 ダムの名称
  • 8 ダムの諸問題
    • 8.1 ダム湖化による地域の水没
    • 8.2 土砂・水の排出量管理
    • 8.3 ダム新設の終焉や見直し論
    • 8.4 防災での限界と決壊事故
    • 8.5 主なダム事故
  • 9 ダムが登場する作品
  • 10 ダムに関連する人物
  • 11 脚注
  • 12 関連項目
  • 13 参考文献

語源

英語の dam という言葉は中英語に既にみられ、おそらくは中世オランダ語の dam から派生したと考えられている。北海に面した低地が多いオランダでは、河川の水位調整と海水浸入防止のためダムや堤防を築くことが多かった。ダムができるとその地点での渡河が容易となるため、しばしば都市の形成へと繋がった。たとえば、アムステルダムアムステル川に、ロッテルダムはロッテ川にダムが設けられたことを契機として形成された街である。

概説

ダムの定義は各国により異なるが、1928年(昭和3年)に創設され、現在88か国が加盟する国際大ダム会議における定義では堤高が5.0メートル以上かつ貯水容量が300万立方メートル以上の堰堤を「ダム」として定めている。そのうち、高さが15メートル以上のものをハイダム、それに満たないものをローダムという。日本の河川法でいうダムとはハイダムを指し、これ以外の堰堤についてはたとえ「ダム」という名称が付いたとしてもとして扱われる。ちなみに、明確な定義が無かった時期は、山に接して設けられるものや積極的に流水を制御できる堰堤を「ダム」、堤防に接して設けられるものや常に越水するなど受動的にしか流水を制御できない堰堤を「堰」として分類していた。しかし、堰の中にもダムと同様に洪水調節・流水機能維持を目的に積極的な流水の制御を行う施設も建設されるようになり、ダムと堰の区別が曖昧になってきた。これにより、明確な定義を定める必要性が生まれたと考えられている。なお、ダムを上流から見た時、右側を右岸(うがん)、左側を左岸(さがん)といい、ダムの下流側の面を背面(はいめん)という。

ダムの建設目的は多岐にわたる。主なものとしては治水(洪水調節不特定利水)と利水(灌漑用水や上水道用水、工業用水、消流雪用水の供給、水力発電レクリエーション等)がある。治水を目的とするダムを治水ダムといい、利水を目的とするダムを利水ダムという。複数の利水目的を持つ利水ダムや、治水・利水両方を目的とするダムを多目的ダムという。治山を目的とする治山ダムや砂防を目的とする砂防ダム鉱山鉱滓貯留を目的とする鉱滓ダム、廃棄物埋設処分を目的とするダム等は河川法のダムとは別扱いとなる。

本項では国際大ダム会議で定義されたダムのうち、日本の河川法、河川管理施設等構造令の基準にも援用されている高さ15.0メートル以上の、いわゆるハイダムについて説明する。治山ダム砂防ダム鉱滓ダム天然ダム地下ダムについては、それぞれの項目を参照されたい。

日本語においてダムの数え方は「基」であり、1基、2基という呼び方で数える。

なお、2011年時点、世界で最も多くのダムを保有しているのは中華人民共和国である。その数は8万7千基に及ぶ。

歴史

日本のダムに関する詳細な歴史は日本のダムの歴史を、年表の一覧は日本ダム史年表を参照のこと。

ダムの黎明

人類史上、初めてダムが建設されたのは古代エジプトエジプト第2王朝時代の紀元前2750年に建設されたサド・エル・カファラダム(en:Sadd el-Kafara、意味は「異教徒のダム」)と考えられている。このダムは堤高11.0メートル、堤頂長が106メートルで、石切り場の作業員や家畜に水を供給する上水道目的で建設された。その後の発掘調査などから石積みダムであったと考えられているが、洪水吐き(放流設備)を持たなかったため建設後40年目にして中央から河水が越流し、決壊したと推定されている。このため、このダムは現存しない。またエジプト第12王朝時代のアメンエムハト4世(アンメネメス3世)の治世には干拓により形成された農地に灌漑用水を供給するためのダムが建設されたとされている。現存する最古のダムはシリアホムス付近に建設されたナー・エル・アシダムと考えられている。このダムは堤高2.0メートル、堤頂長2,000メートルのダムで、推定で紀元前1300年頃に建設されたとしている。現在でも上水道目的で使用されており、建設以来約三千年もの間、修繕を重ねながら稼働している貴重な遺産でもある。

現在高さ200メートル級のダムが多く存在する中近東では、メソポタミア文明時代においてチグリス川ユーフラテス川にダムが建設されたという記録が残されている。東アジアでは紀元前240年頃、黄河流域で建設されたグコーダムが初見である。戦国時代末期、現在の中国山西省付近にあったの領内に建設された堤高30.0メートル、堤頂長300メートルのダムである。このダムは12世紀初頭までの約1300年間、ダムの高さでは世界一であったとされている。その後前漢時代には軍事的観点でダムが建設された例が司馬遷の『史記』に記されており、「劉邦の三傑」と呼ばれた韓信項羽との戦いにおいて戦場の近くを流れる河川にダムを建設、意図的に破壊して城塞や項羽軍に大打撃を与えた。日本では616年飛鳥時代河内国(大阪府)で狭山池が建設されたのが初見である。また、多目的ダム(後述)として奈良時代731年摂津国(現在の兵庫県伊丹市)で治水と灌漑を目的とした昆陽池が建設されている。

技術の進歩

古代ローマのコルナルボダム

ヨーロッパではローマ帝国時代に上水道供給を目的としたダム建設が盛んとなり、現在でもフランスイタリアなどに堤高20メートル規模のダムが現存、あるいは廃墟として残っている。この頃に初めてダム建設にコンクリート(ローマン・コンクリート)が使われ、止水用にモルタルが用いられた。日本においては灌漑用として稲作の発展と共に多数のダムが建設され現存しているが、1128年(大治3年)に大和国(奈良県)に建設された大門池は高さ32.0メートルと当時としては世界一の高さであった。14世紀頃になるとスペイン各地でダム建設が行われ、特に14世紀末に建設されたアルマンサダムはそれまで世界一であった大門池の高さを塗り替えて世界一に躍り出た。さらに1594年に完成したアーチ式コンクリートダムチビダム(別名アリカンテダム)は高さ41.0メートルとアルマンサダムの記録を塗り替え、以後300年間に亘って記録が破られることがなかった。このように中世においてはスペインが、ダム技術で世界屈指を誇っていた。

この時期まで世界で建設されたダムはおおむね上水道や灌漑といった利水目的で、洪水調節を行う治水目的のダムは建設されていなかった。だが、17世紀に入るとヨーロッパ諸国で治水目的のためのダム建設が計画され、さらに洪水に耐えうるだけのダム型式としてダムの自重と重力を利用して堤体を安定化させる重力式コンクリートダムの技術が研究・開発されだした。フランスではナポレオン3世により河川開発が強力に推進され、1858年にはロアール川に洪水調節用ダムが建設された。プロイセンでは1833年以降に比較的巨大なコンクリートダムの建設が進められるようになった。日本では遅れること1920年代にコンクリートダムの建設が盛んになり、1924年(大正13年)には当時「世界のビッグ・プロジェクト」と称えられた大井ダム(木曽川)を建設。日本の支配下にあった外地でも大型ダム整備を進めた。台湾では1930年(昭和5年)に烏山頭ダムが完成して嘉南大圳(嘉南平原を沃野に変えた水路網)の要となった。1937年(昭和12年)には旧満州で当時東洋一といわれた豊満ダム(高さ90.0メートル)が、朝鮮半島鴨緑江では水豊ダム(高さ107.0メートル)が1942年(昭和17年)に竣工し、世界のダム技術に追いついて行くようになった。

多目的ダムの登場

水力発電ダムの横断面
発電用水車及び発電機

治水を目的としたダムが建設されると、今度は治水と利水双方の機能を組み合わせた多目的ダムの建設が志向されるようになった。既に731年日本において僧・行基が治水と灌漑を目的とした昆陽池を建設していたが、理論自体は提唱されていなかった。多目的ダムの理論を提唱したのは1889年、プロイセンのオットー・インツェが最初であり、それを1902年にマッテルンが経済性と技術的理論を結合した形で体系化した。こうしたプロイセンの治水・利水理論は1913年にプロイセン水法として纏められた。これは治水と利水を総合的に運用する法整備として近代における河川関連法規の模範ともされ、その後1918年スウェーデン水法、1919年のフランスにおける利水関連法規、1920年アメリカ連邦水力法、1934年オーストリア水法など諸外国に多大な影響を与えた。

こうした多目的ダムによる治水・利水の総合的な運用は、河川総合開発事業として発展するに至った。一つの河川にダムをはじめ用水路水力発電所を建設し、治水や灌漑、水道供給、発電を行うことで農業・工業生産力の向上を図り、雇用を安定化させ国力を高めることを最終目的にした事業であり、流域の広範囲に亘って大規模に実施された。特にアメリカにおいては金融恐慌の後、雇用の拡大と工業生産力向上を目指して大河川の総合開発を開始した。1936年にはコロラド川に当時としては世界最大級のフーバーダムを完成させ、さらに大統領フランクリン・ルーズベルトミシシッピー川の支流・テネシー川に多数のダムを建設して洪水調節と水力発電を行うテネシー川流域開発公社(TVA)を設立、ニューディール政策の一環として総合開発を行った。

このTVAの成功は諸外国を刺激し、第二次世界大戦に前後して各国で河川総合開発が加速した。代表的なものとしてはソ連五カ年計画に基づくエニセイ川(ブラーツクダムクラスノヤルスクダムなど)、ヴォルガ川ドニエプル川の総合開発、インドにおけるダモタル川総合開発事業、オーストラリアにおけるスノーウィーマウンテン総合開発事業などがある。日本では1938年(昭和13年)に物部長穂が「河水統制計画案」として提唱し、その理論は戦後打ち続く洪水に対処するため利根川淀川など主要7水系において「河川改訂改修計画」の策定へつながり、利根川水系8ダムなどの大規模河川総合開発が行われた。

大ダムの時代

フーバーダム

第二次大戦後、ダム建設技術はさらに向上し、高さ200メートルを超える巨大ダムが各国で続々建設されるようになった。1962年には重力式コンクリートダムとしては世界一であるグランド・ディクサーンスダム(スイス)が完成。1968年にはカナダケベック州においてマルチプルアーチダムとしては世界一となるダニエル・ジョンソンダムが完成した。そして1980年にはソ連(現在はタジキスタン)がヌレークダムを建設し、高さ300メートルという既設ダムとしては世界最高のダムを建設した。現在はタジキスタンのヌレークダム上流に高さ335メートルのログンダムが建設されており、完成すれば世界一の高さになる。

貯水容量においても莫大な容量を有する人造湖が続々と誕生した。フーバーダム総貯水容量が348.5億立方メートルと日本にある全てのダム貯水容量を凌駕する容量を有するが、ジンバブエザンビア国境にあるカリバダムは総貯水容量が1,806億立方メートルと琵琶湖の約67倍の容量を誇り、人造湖単体としては世界最大の人造湖を生み出した。1957年ウガンダに建設されたオーエン・フォールズダムが世界最大ともいわれるが、総貯水容量2兆7000億立方メートルの大半はヴィクトリア湖の容量であり、ダムによる増量分は2,700億立方メートルである。このほか世界有数の大河川の本流にもダムが建設され、1958年に黄河で完成した三門峡ダム1970年ナイル川で完成したアスワン・ハイ・ダム1991年パラナ川で完成したイタイプダムなどはダム・人造湖の規模においても世界有数であり、2009年長江に完成した三峡ダムはダム・人造湖のほか世界最大の水力発電所を擁する。

ダム技術の革新

ダムの建設技術についても、20世紀に入り様々な手法が開発・導入されるようになった。20世紀前半はコンクリートが高価であり、工費圧縮のためコンクリート使用を抑制する工法が開発された。代表的なものとしてはバットレスダムがあるが、この型式では地震や洪水に弱いという難点があり、盛んに建設されることは無かった。こうした問題を解決したのが中空重力式コンクリートダムであり、重力式コンクリートダム内部に空洞を設け、ダムと基礎地盤との接地面を広く設けることで少ないコンクリートで重力式と同程度の安定性を保つ型式である。これはマルチェロによって理論が纏められ、彼の母国イタリアで盛んに建設されたが日本でも導入され、単体のダムでは世界で最も高い畑薙第一ダム(大井川、125メートル)をはじめ多くの大ダムが建設された。ただし空洞を形成するための型枠や人件費が高騰し、現在では施工例を見ることは極めて少ない。

コンクリートを打設する技術については、従来は区画毎に分けてコンクリートを打ち増す「ブロック工法」が主流であったが、大型機械の導入や組み合わせの試行錯誤によってスムーズなコンクリート打設を図る技術が進んだ。1967年に完成したクラスノヤルスクダム(エニセイ川)ではコンクリート製造プラントからダム現場までをベルトコンベアで結び、休みなく連続して打設できる手法を導入した。こうした手法は世界各地のダム工事で採用され、工期の短縮と工費の縮減に貢献した。

さらなる合理化を図るために開発されたのがRCDコンクリート(Roller Compacted Dam Concrete)によるRCD工法であった。これは超硬練りのコンクリートをベルトコンベアやダンプカーで運搬し、ブルドーザーで敷きならした後にロードローラーで水平に薄く何層も締め固めるという工法である。コンクリートの量を少なく抑える他、ブロック工法のように継ぎ目を設けないので亀裂(クラック)を起こさず、安定性と経済性で従来の工法よりも優れることが確認された。この工法が世界で初めて本格的に手掛けられたのは日本で、1972年(昭和47年)より山口県において建設省が施工した島地川ダム(島地川)が初例である。この後、RCD工法は大規模なダム建設で採用され、中小規模のダムにおいてはRCD工法を中小規模用に改良した拡張レヤ工法が取り入れられた。ロックフィルダムについても大型機械の導入によって原材料の掘削や運搬、締め固め工法の技術が向上したことで大規模な体積を有するダムが多数建設された。

そして近年では、よりコンクリートの量を減らして工費縮減と工期短縮を図る型式の改良が進み、1999年(平成11年)には日本で台形CSGダムという新型式が開発された。これはセメントと土砂と水を最適な含有量で混ぜ合わせることでコンクリートに近い強度の骨材を作り、台形に仕上げることで強度を補強するものである。従来は骨材を選別するのに良質のものを選ばなければならなかったが、この型式だと品質に関係なく骨材を使用できるので工費削減と工期短縮に貢献できるとされている。2002年(平成14年)より沖縄県億首ダム(億首川)で本格的な施工が開始されたが、洪水の処理や地震への耐久性が課題として残されている。

型式別によるダムの種類

重力式コンクリートダムの断面模式図
アーチ式コンクリートダムの断面模式図

ダムのタイプ、いわゆる型式(かたしき)によるダムの分類としては、大別すると岩石を積み上げて建設されるフィルダムと、コンクリートを主原料として建設されるコンクリートダムの二種類があり、おのおの細分化した型式が存在する。このほか両者を連結・複合させたコンバインダム(複合ダム)や、日本で開発された新型式である台形CSGダムがある。いずれもアルファベットの略号で表されることもある。

ただしロックフィルダムとアースダムについては、世界的に見ると明確な区別がなされてはいない。外観がロックフィルダムであってもアースダムとして分類される(カナダのマイカダムなど)ことがあり、材料を混成して施工されることが要因となっている。したがって両方の型式を包括してフィルダムまたはフィルタイプダム、あるいはエンバクトメントダムと呼称される。ロックフィルダムを細分化した亜型で分類するのは日本が代表的である。

地形地盤気候河川流量、さらには地震の有無などにより採用される型式が異なり、地域によって特性が見られる。一般にアルプス山脈一帯や中近東は基礎岩盤が比較的堅固であるためコンクリート量を節減し経済性に優れるアーチ式コンクリートダムが多く建設されている。一方、日本のその他の地域(一部を除く)やアメリカ合衆国西海岸(カリフォルニア州)のような地震多発地域では地震や洪水に最も強い重力式コンクリートダムが多い。

型式一覧

分類 小分類 略号 解説
コンクリートダム | 重力式
コンクリートダム
 | G | ダムの自重と重力を利用して水圧を支えるダム型式。
中空重力式
コンクリートダム
 | HG | ダムの堤体内が空洞になっている重力式コンクリートダム。
イタリア日本に多く見られる型式。
アーチ式
コンクリートダム
 | A | 河川両側の堅固な岩盤に水圧を分散させて支えるダム型式。
全世界における堤高200メートル以上のハイダムで多く採用されている型式である。
重力式アーチダム | GA | 重力式とアーチ式の両型式の特性を備えたダム型式。
マルチプル
アーチダム

(多連式アーチダム) | MA | 複数のアーチが連なるダム型式。
扶壁で支える点からバットレスダムに比較的近い。
バットレスダム | B | 水を遮る壁(遮水壁)を垂直に扶壁で支えるダム型式。
地震や洪水に弱いため余り堤高を高くできない。
フィルダム | アースダム
(アースフィルダム) | E | 台形状に盛り土を行って建設されるダム型式。
地震の少ない地域では堤高200メートル以上のハイダムも存在する。
ロックフィルダム | R | 土砂と岩石を主体として建設されるダム型式。遮水壁の位置・種類によって種類が細分化される。
コンバインダム(複合型ダム) | GF | 重力式と、アースまたはロックフィルダムが複合したダム型式。
台形CSGダム | CSG | 日本で近年開発されたダム型式。事業費削減に貢献することができる。

地下ダム

地下水を貯水するため、地下に設ける止水壁地下ダムという。これは、地下水の流れを土中で塞き止め、そこから汲み上げて使用する。地下に空洞を作って地底湖のように貯水をするわけではない。

例えば、海岸部においては海水が地下水へ侵入するのを防ぎ、地下水の塩水化を防止する役割を果たすものとなっている。また、内陸部の場合は、帯水層の水が分散するのを塞き止めて、地盤内の隙間に水を貯える構造のものとなる。具体的には、サンゴ礁の島々など山岳地帯の少ない離島・海岸部の地点や、内陸部では自然の止水層が多くあり人工止水壁が少なくてすむ地点などに用いられる。

世界的にはワジが多く存在するサハラ砂漠など乾燥地帯に集中する。これは日本と異なり降雨量に対して蒸発量が大きく無視できない地域においては、貯水表面が外気に曝されないため、貯水の損失を防ぐ観点から有効である。日本(日本ダム協会調べ)では主に沖縄県を中心とした島嶼部や海岸沿いの地域に集中しており、福里ダムなど14基建設されている。

鋼製ダム

ダム本体がステンレスなどのいわゆるで形成されているダム。人造湖側は水を遮る壁(遮水壁)を設け、支柱などで基礎地盤と連結して貯水し、下流部をステンレス鋼で形成する型式のダム。断面の形状としてはバットレスダムに似る。安定性を保つために地中にアンカーを設置し、水圧に耐える構造を採っている。アメリカでは1898年完成のアッシュ・フォーク・ダムをはじめ20世紀初頭に幾つか建設されたが、現在施工例はない。日本国内ではハイダムの施工例は存在せず、2006年に竣工した大阪府泉南農業公園調整池が唯一の施工例である。

木材ダム

ダム本体を木材で形成したダム。木材を組み、隙間に石や土砂を充填して堰堤とした。セメントの輸送が困難であった産業革命期に、北米の林業の盛んな地域で建設された。木材の性質上腐食しやすく、規模の拡大にも限界があったため、その多くがアースダムなど別の方式に建て替えられた。北米ではいくつかの木材ダムが残されている。

ダム諸元に関する表記

諸元とは、高さや、重量などのいわゆる概要であり、高さ等呼称は下記の通り。

諸元

諸元 単位 解説
堤高 | m | 「ダム高」とも呼ぶ。基礎岩盤接地部からのダム堤体の高さを指す。
岩盤を深く掘削して建設しているダムでは見かけ上低く見える。
堤頂長 | m | ダム頂上部の長さ。一般に堤高に比して長い。
まれに堤高と堤頂長の比が逆転しているダムもあり、
この場合ダムの外観は縦長となる
堤体積 | m | ダム堤体の体積。
ロックフィルダムでは体積が大きくなる
総貯水容量 | m3 | 満水時にダム湖に貯水される河水の総量。
洪水調節容量・利水容量・堆砂容量・死水容量の総和で量られる。
(注:死水容量 … 堆砂の最上面と最低水位が合わない時の貯水容量。)
有効貯水容量 | m3 | 総貯水容量から堆砂容量と死水容量を差し引いた容量。
実際に治水・利水に利用される貯水容量である。
流域面積 | km | ダム湖に注ぐ全ての河川が流れている地域(流域)の総面積。
面積が極端に狭いダムは揚水発電の上池であったり、
他河川より導水して貯水するダムであることが多い。
湛水面積 | ha
km2 | ダム湖の満水時における表面積。
湛水面積が広いからといって総貯水容量が多いとは限らないが、
堤高が低いダムでは比較的面積と容量の大きさが比例する。

世界の主なダム

現在、世界における最大の堤高を有するダムは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

出典:wikipedia
2019/10/17 09:10

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