このキーワード
友達に教える
URLをコピー

ハンセン病とは?

【ハンセン病】

ハンセン病を患ったノルウェーの男性
(1886年、当時24歳)

【分類および外部参照情報】

【発音】
[ˈlɛprəsi]
ICD-10 A30
ICD-9-CM 030
OMIM
246300
DiseasesDB
8478
MedlinePlus
001347
eMedicine
med/1281 derm/223 neuro/187
Patient UK
ハンセン病
MeSH
D007918

ハンセン病(ハンセンびょう、Hansen's disease, Leprosy)は、抗酸菌の一種であるらい菌 (Mycobacterium leprae) の皮膚マクロファージ内寄生および末梢神経細胞内寄生によって引き起こされる感染症である。

病名は、1873年にらい菌を発見したノルウェー医師アルマウェル・ハンセンに由来する。かつての日本では「癩(らい)」、「癩病」、「らい病」とも呼ばれていたが、それらを差別的に感じる人も多く、歴史的な文脈以外での使用は避けられるのが一般的である。その理由は、「医療や病気への理解が乏しい時代に、その外見や感染への恐怖心などから、患者への過剰な差別が生じた時に使われた呼称である」ためで、それに関連する映画なども作成されている。

感染経路は、らい菌の経鼻・経気道よりのものが主であるが、他系統も存在する(感染経路の項にて後述)。らい菌の感染力は非常に低く、治療法も確立した現状では、重篤な後遺症を残すことや感染源になることは無いものの、適切な治療を受けない・受けられない場合、皮膚に重度の病変が生じ、他者への二次感染を生じる事もある。

2018年のWHOによる統計では、世界におけるハンセン病の新規患者総数は、年間約21万人である。一方、日本の新規患者数は年間で0〜1人に抑制され、現在では極めて稀な疾病となっている。

呼称

ハンセン病は古くから世界の各地に存在していた病気で、多くの古文書や宗教にハンセン病を思わせる記述が残されている。ただし、古文書に登場するleprosy、癩病と呼ばれたものはハンセン病以外の病気も含む可能性があることや、歴史的経緯からみると医学用語ではなく宗教的要素も加わった言葉であること、また聖書の翻訳に見られるように混乱を引き起こすように訳された結果を考慮すると、ハンセン病と同義にならない。古文書でのleprosyやレプラの記述の意味を確認することは容易でなく、ハンセン病の起源、歴史の研究を難しくする要因となっている。

日本では「癩(らい)病」、「ハンセン病」の両方の呼称がある。上述したとおり、公的な場での前者の使用は忌避される傾向がある。近代以前の「癩(病)」は一つの独立した「ハンセン病」という疾患以外の病気も含む概念であり、断りを併記して使用されることがある。

英語圏では leprosy, Hansen's disease の両方が使用される。患者は leper(らい者)とも呼ばれるが、1953年に開催された第6回国際らい会議では、患者は leprosy patient と呼ぶことが推奨された。

従来、らい療養所は「レプロサリウム、Leprosarium」と呼ばれたが、「サナトリウムsanatorium」の方がより一般的である。

以下に、ハンセン病の主な別称を概観する。

西洋における呼称と歴史

英語の「leprosy」や近代西洋語の同等の語、また日本語の「レプラ」は、古代ギリシア語で 「λέπρα (leprā)」、ないしはその借用語であるラテン語の「lepra」に由来するが、その語史は次のように辿ることができる。「λέπος (lepos) 皮・鱗」→「λεπερός (leperos) 皮・鱗を持った〜」→「λεπρός (lepros) 鱗状の〜、かさぶた状の〜、レプラの〜」→ その女性形「λέπρα (leprā)」。この語の意味を巡っては議論が絶えない。少なくとも古代ギリシアにおいては、語源に見えるように「皮膚が鱗状・かさぶた状になる症状群」を指し、乾癬湿疹など幅広い皮膚疾患がこの名で呼ばれていた。ハンセン病の症状を含んでいたかどうかについては諸説ある。紀元前54世紀の古い使用例として、ヘロドトス歴史』〈1巻138節〉、アリストファネスアカルナイの人々』〈724行〉などがあり、またヒポクラテス集成の中では『予知論 II』〈43章〉などがある。

アリストテレスが「サテュリア」と呼んだものは、ハンセン病であったかもしれない。また、エフェソスのルフスによれば、ギリシアの医者エラシストラトスの弟子ストラトンが「カコキミア」と呼んだものは「象皮病」(後述)であったというが、いずれの場合もはっきりしない。

やや時代を下り、紀元前1世紀ころから、ギリシア語ないしはラテン語で「象 ἐλεφας , elephas」または「象皮病 ἐλεφαντίασις , elephantiasis」と呼ばれていたものは、おそらくハンセン病であったと考えられている。

この病気は全身を冒すため、骨も悪くなるといわれている。身体の表面にさまざまな斑点や腫瘍ができ、それらの赤い色が徐々に黒褐色に変わっていく。皮膚の表面が均一的ではなく、厚かったり、薄かったり、硬かったり、柔らかかったりし、あたかも何かの鱗のように粗くなり、身体がしぼんでくるが、顔やふくらはぎや足首が腫れてくる。病気が古くなってくると手や足の指が腫瘍で隠れてしまうほどになる。熱が出ると、そうしたひどい状態の病人は容易に死へと追いやられてしまう。 — ケルスス 『医学論』 第3巻25章より、

聖書のツァラアトの日本語訳

七十人訳聖書(ギリシア語訳の旧約聖書)では、皮膚上の「צָרַעַת ツァーラアト」(レビ記13-14章 他)に対し、"λέπρα の訳語を与えている。ヘブル語の「ツァーラアト」もまた、具体的にどういった病気を指していたのかは特定困難であるが、レビ記13章の記述では「体毛や皮膚の白変、肉がくぼんだりくずれたりする、そして患部が広がっていく。」というような症例が人間に対してのツァーラアトで、これ以外に無生物(布・皮革など、他に14章にも「家屋」に対する説明もある。)に対するツァーラアトの例もあり、こちらは「赤や緑の染みが放置すると拡大していったり、洗濯してもおちない。」といった症例になっている。

日本聖書協会発行する『文語訳聖書』で「癩病」、『口語訳聖書』や『共同訳聖書』でも「らい病」と訳されているが、『口語訳聖書』の2002年版以降のもの、および『新共同訳聖書』では、別の日本語翻訳し直して対応している。旧約聖書『レビ記』13章の無生物に対するものは衣服につくカビと解釈して「悪性のかび」などとしたが、ほかは、ほぼすべて「重い皮膚病」とした。

国立療養所長島愛生園長島曙教会牧師大嶋得雄らは、この「重い皮膚病」を不適訳で、真実・愛・真心のある訳でないものであって聖書が差別 偏見を与えるものとなり、社会に悪影響を及ぼすとして不買を求めている。

2018年に刊行された『聖書協会共同訳聖書』では「規定の病」(律法で規定された病の意味)に変更された。

いのちのことば社発行する『新改訳聖書』第三版では「ツァラアト」と日本語に翻訳した。元来、旧約聖書原典に用いられたとみられるヘブル語であるが、原典がギリシヤ語である新約聖書での日本語訳版もこれに統一されている。

キリスト教会以外では、ものみの塔聖書冊子協会の発行する『新世界訳聖書』1985年版が「らい病」「らい病人」などとしていたが、聖書の中で「らい病」と訳されている原語(ヘブライ語のツァーラアト、ギリシャ語のレプラ)が、今日のハンセン病に限定されていないことから、マタイによる福音書分冊や2019年改訂版では「重い皮膚病」に改められている。

日本の古い呼称

奈良時代に成立した『日本書紀』、「令義解」には、それぞれ「白癩(びゃくらい・しらはたけ)」という言葉が出ており、現在のハンセン病ではないかとされている。「令義解」には「悪疾所謂白癩、此病有虫食五臓。或眉睫堕落或鼻柱崩壊、或語声嘶変或支節解落也、亦能注染於傍人。故不可与人同床也。」と極めて具体的な症状が書かれており、これが解釈の根拠になっている。この解釈が正しいとすると、これが世界最古の感染症に関する記述となる。ただし、ハンセン病以外の皮膚病を含んでいるという可能性も指摘されている。

鎌倉時代になると、漢語由来の「癩(らい)」や「癩病」が使われるようになった。

江戸時代になると、やまとことばで「乞食」を意味する「かったい(かたい)」という言葉も使用されるようになった。この言葉は、一般には江戸時代まで使われたが、第二次世界大戦後まで使用された地域もあった。方言としては「ドス」、「ナリ」、「クサレ」、「ヤブ」などの蔑称も使用された。沖縄においてハンセン病、あるいは患者は「クンキャ」と呼ばれ、忌避される存在だった。

昭和時代に入ると、ドイツ語またはラテン語である「lepra(レプラ)」の言い換え語として、片仮名表記のレプラという言葉も使用された。「レプラ」は島木健作織田作之助の作品などに散見される。また、日本癩学会が発行する機関誌名にも使用された。

Hansen's disease(ハンセン病)への改称

1873年にアルマウェル・ハンセンらい菌を発見したことにより、「Hansen's disease, HD」という名称が使われるようになった。1931年のマニラの国際会議における発言をきっかけとして、アメリカ合衆国のカーヴィル療養所入所者が発行している「The Star」誌(1941年創刊)を中心に活動が行われた。1946年にスタンレー・スタインがらい諮問委員会に提言したが受け入れられず、1952年にアメリカ医師会が「leprosy」を「Hansen's disease」に変更することで改名が実現した。

日本でも、療養所入所者を中心に「癩病」から「ハンゼン氏病」への改名の動きが現れた。当初の名称が「ハンゼン氏病」と濁音表記になっているのはドイツ語訳の影響である。1953年(昭和28年)2月1日に「全国国立癩療養所患者協議会(全癩患協)」は「全国国立ハンゼン氏病療養所患者協議会(全患協)」に改称した。しかし厚生省はその後も「癩」を平仮名の「らい」に変更するのみにとどまり、専門学会も「日本らい学会」と呼ばれ「らい」が使用され続けた。その一方で、大阪皮膚病研究会や、那覇宮古島のハンセン病外来施設である皮膚科診療所などでは、「らい病」の使用は忌避された。1959年(昭和34年)に全患協はより一般的な英語読みの「ハンセン氏病」に改称し、さらに1983年(昭和58年)には、「氏」を削除して「ハンセン病」へと改称した。1996年(平成8年)のらい予防法廃止後は、官民ともに「ハンセン病」が正式な用語となり、「日本らい学会」も「日本ハンセン病学会」に改称された。

東洋医学では、元来、「大風(麻風)」や「癘風」(れいふう)とも呼ばれていたが、アルマウェル・ハンセン(漢生)の名を取った「漢生病」が一般的な呼称となった。2008年には台湾でも名称を「漢生病」とする事が法的に定められた。

ハンセン病の原因

抗酸菌染色の像。らい菌は赤色に染色されている

らい菌について

細菌学的特徴については「らい菌」を参照

らい菌のヒト以外の自然感染例には、3種のサル(チンパンジーカニクイザルスーティーマンガベイ)とココノオビアルマジロがある。アルマジロは正常体温が30〜35℃と低体温であり、らい菌に対し極めて高い感受性があるとされている。

1971年にらい菌に対する感受性があることが明らかになって以降、ココノオビアルマジロはハンセン病の研究に用いられてきたが、1976年、突然変異により胸腺を欠いて免疫機能不全に陥ったヌードマウスに感染・発症することが明らかになり、現在の研究は主に当該マウスで行われるようになった。

感染源

感染源は、菌を大量に排出するハンセン病患者(特に多菌型、LL型)である。ただし、ハンセン病治療薬の1つであるリファンピシンで治療されている患者は感染源にはならない。

昆虫、特ににらい菌が感染して、ヒトにベクター感染することもあるため、昆虫も感染源になり得るという報告がある。ゴキブリによる結核菌の移動実験により証明されたという報告もあるが、否定的な意見も多い。

その他、ルイジアナアーカンソーミシシッピテキサスの低地のココノオビアルマジロかららい菌が検出されており、アルマジロから人間に感染するルートの検討や、自然界、特に川などに存在するらい菌が経鼻感染にて感染するルートの検討もある。

感染経路

感染は、未治療のらい菌保有者(特に菌を大量に排出する多菌型、LL型患者)の鼻汁や組織浸出液を感染源とするルートが主流となっている。ヌードマウスに菌のスプレーを与えた動物実験により確認された。飛沫感染 (droplet infection) とも呼ばれる。また、経鼻・経気道感染とは別に接触感染のルートも存在する。傷のある皮膚(: abraded skin)経由説と呼ばれ、刺青部や外傷部に癩の病巣ができる病例より証明されている。

前述したとおり、その他の感染経路として昆虫からのベクター感染の経路の研究もあるが、否定的な意見も多く証明されていない。

伝染力

たとえ菌を大量に排出するハンセン病患者(特にLL型)と接触しても、高頻度に感染が成立する訳ではない。濃密な感染環境下に置かれる等の特殊な条件が必要であり、感染力は非常に低い。らい菌と接触する人の95%は、自然免疫で感染・発症を防御できるためである。感染時期は小児が多く、大人から大人への感染及び発病は、極めて稀である。

患者から医療関係者への伝染に関しては、一般的に「医療関係者に伝染発病した事実はない」と言われている。ただし、流行地で幼児期を過ごした人であれば発病する可能性がゼロではないこと、実際に患者に接触して感染した医師や神父(ダミアン神父など)も存在することを考慮する必要がある。

潜伏期間

感染してから発症するまでの潜伏期間は長く、3〜5年とされているが、10年から数十年に及ぶ例もある。

らい菌発見の経緯

らい菌を発見したアルマウェル・ハンセン

1869年、ノルウェーのアルマウェル・ハンセンはハンセン病患者の癩結節の中に大きな塊状のものがあることを顕微鏡で発見し、1873年2月28日に細菌によく似た小さな桿状の物体を発見した。1873年、オスロで「眼の癩性疾患」と題した発表の中でハンセンが癩菌をスケッチした図を残した。ただし当時は染色法もなく、らい菌の形態を正確に描いたものではなかった。その後、1874年オスロのクリスチャニア医学会で「癩の発生原因について」と題した講演とノルウェーの医学雑誌上での発表を行った。1875年には英国の医学雑誌へ再掲載し、英文で初めて発表を行った。

1879年、ドイツ帝国の細菌学者であるアルベルト・ナイサーは、ハンセンから標本を分与されたらい菌の染色に成功し、らい菌の正確な形態を明らかにした。追随してハンセンも1880年に発表を行った。ちなみに、らい菌を最初にスケッチしたハンセンと、初めて染色に成功してらい菌の形態を明らかにしたナイサーは「らい菌の発見者」であると共に主張し論争が起こった。その後、ハンセンがらい菌を1873年に発見したということで決着した。

疫学

人獣共通感染症でも知られるが、自然動物ではヒト、霊長類(マンガベイモンキー)とココノオビアルマジロ以外に感染した例はない。以下、ヒトの感染状況について説明する。

世界

(参考)2003年当時のハンセン病の新規患者数(罹患率)の分布

2018年初頭の登録患者数(治療中の患者)は184,238人、2018年の新規患者数(年間罹患者数)は208,641人である。登録患者数は一定の治療を終えた患者は治癒の有無に問わず、登録から除外されている。そのため年次報告の性質上、年内に治療が完了すると登録者から除外されるため、新規患者数(年間罹患者数)は登録患者数を上回る。MB型では1年でなく2年以上で治療しているので例外がある。

注意点としては、ハンセン病と診断されて、適切に治療している人数のみをカウントしているため、ハンセン病と診断されず、治療されていない患者も相当数存在すると思われる。

表1に、地域別の2018年初頭の登録患者数、2001-2018年の新規患者数の動向を示した。2001年と2010年とを比較すると新規患者数は534,000件余 (70%) 減少し、その後も減少傾向にある。表2には2018年の国家別新規患者数で患者数が1,000人以上の国家を降順にリストアップした。2018年現在、インドで新規患者数が最も多くなっている。

表1:2018年初頭の登録患者数、2001–2018年新規患者数の動向(2014年まではヨーロッパ地域を除く)
地域 登録患者数(人)
[] は人口10,000当たりの有病率 新規患者数(年間罹患者数)(人)
【2018年初頭】
【2001年】
【2004年】
【2007年】
【2010年】
【2013年】
【2016年】
2018年
アフリカ州 | 22,865 [0.21] | 39,612 | 46,918 | 34,468 | 25,345 | 20,911 | 19,384 | 20,586
アメリカ州 | 34,358 [0.34] | 42,830 | 52,662 | 42,135 | 37,740 | 33,084 | 27,356 | 30,957
ヨーロッパ | 39 [<0.0] |  |  |  |  |  | 32 | 50
東南アジア | 114,004 [0.58] | 668,658 | 298,603 | 171,576 | 156,254 | 155,385 | 161,263 | 148,495
中東近東 | 5,096 [0.07] | 4,758 | 3,392 | 4,091 | 4,080 | 1,680 | 2,834 | 4,338
西太平洋 | 7,876 [0.04] | 7,404 | 6,216 | 5,863 | 5,055 | 4,596 | 3,914 | 4,193
計 | 184,238 | 763,262 | 407,791 | 258,133 | 228,474 | 215,656 | 214,783 | 208,641
表2:2018年の国家別新規患者数(降順)
【国家】
新規患者数(人)
インド | 120,334
ブラジル | 28,660
インドネシア | 17,017
バングラデシュ | 3,729
ネパール | 3,249
コンゴ民主共和国 | 3,323
エチオピア | 3,218
ソマリア | 2,610
モザンビーク | 2,422
ミャンマー | 2,214
フィリピン | 2,176
ナイジェリア | 2,095
スリランカ | 1,703
タンザニア | 1,482
マダガスカル | 1,424

WHOによるハンセン病制圧の定義は、1991年5月に開催された第44回世界保健総会で決定され、人口100万人以上の国で、登録患者数が人口1万人あたり1人を下回る(有病率が1.0を下回る)こととされた。この定義を遵守すると日本では1970年前後に制圧を達成している。2005年初頭はインド・ブラジルコンゴ民主共和国アンゴラモザンビークネパールタンザニア中央アフリカの9カ国が未制圧国であったが、2006年初頭にインド・アンゴラ・中央アフリカが、2007年初頭にマダガスカルとタンザニアが、2007年末にコンゴ民主共和国とモザンビークが制圧を達成した。現在の未制圧国はブラジル・ネパールと、新たに加わった東ティモールの3カ国となっている。東ティモールは以前より有病率が1.0を超えていたものの、人口100万人未満であったために定義より除外されていた。しかし2008年、人口100万人を突破したことにより加わった。

表3には未制圧国のブラジル・ネパール・東ティモール、最近まで未制圧国であったモザンビーク・コンゴ民主共和国・タンザニア・マダガスカル・インドの登録患者数と新規患者数の最近の動向をまとめた。

表3:主要国家における登録患者数と新規患者数(年間罹患者数)の推移
国家 登録患者数(人)
()は人口10,000人当たりの有病率 新規患者数(年間罹患者数)(人)
()は人口10,000人当たりの罹患率
【2004年初頭】
【2005年初頭】
【2006年初頭】
【2007年初頭】
【2008年初頭】
【2003年】
【2004年】
【2005年】
【2006年】
2007年
ブラジル | 79,908
(4.6) | 30,693
(1.7) | 27,313
(1.5) | 60,567
(3.2) | 45,847
(2.40) | 49,206
(2.86) | 49,384
(2.69) | 38,410
(2.06) | 44,436
(2.4) | 39,125
(2.05)
ネパール | 7,549
(3.1) | 4,699
(1.8) | 4,921
(1.8) | 3,951
(1.4) | 3,329
(1.2) | 8,046
(3.29) | 6,958
(2.62) | 6,150
(2.27) | 4,253
(1.53) | 4,436
(1.57)
東ティモール | * | * | 289
(3.1) | 222
(2.2) | 131
(1.2) | * | * | 288
(3.04) | 248
(2.46) | 184
(1.72)
モザンビーク | 6,810
(3.4) | 4,692
(2.4) | 4,889
(2.5) | 2,594
(1.3) | no data
(制圧) | 5,907
(2.94) | 4,266
(2.20) | 5,371
(2.71) | 3,637
(1.80) | 2,510
コンゴ民主共和国 | * | 10,530
(1.9) | 9,785
(1.7) | 8,261
(1.4) | no data
(制圧) | 7,165 | 11,781
(2.11) | 10,737
(1.87) | 8,257
(1.39) | 8,820
タンザニア | 5,420
(1.6) | 4,777
(1.3) | 4,190
(1.1) | no data
(制圧) | no data
(制圧) | 5,279
(1.54) | 5,190
(1.38) | 4,237
(1.11) | 3,450 | no data
マダガスカル | * | 4,610
(2.5) | 2,094
(1.1) | no data
(制圧) | no data
(制圧) | 4,266 | 3,710
(2.05) | 2,709
(1.46) | 1,536 | 1,644
インド | * | 148,910
(1.4) | 95,150
(0.87)
(制圧) | no data
(制圧) | no data
(制圧) | 367,143 | 260,063
(2.39) | 161,457
(1.46) | 139,252 | 137,685
(補足) | a) 制圧とは人口10,000当たり1件以下の患者数であること。
b) *印はデータなし。
c) マダガスカルは2006年9月に国家レベルでハンセン病を制圧した。
d) ネパールは統計期間が異なり2004年11月中旬–2004年11月中旬である。
e) コンゴは2008年に2007年末をもって制圧に達したとWHOに公式に報告している。

ハンセン病は全世界に見られるが、分布は一様でなく、度々、流行も生じる。代表的なものとしては、1850〜1920年のノルウェー・1920年代のナウル島・1980年代のカピンガマランギ島での流行がある。流行の原因について多種多様な検討も行われているが、実際には明確になっていない。

男女比に関しては、全世界を通じて男性が女性より多い。男性は小児期から活動的であり、感染しやすいと言われているが、明確には原因が分かっていない。ただし日本の全国の療養所では、一般的に男性の方が女性より寿命が短いために男女比はほとんど同じまたは逆転している。

貧困層と富裕層の比較に関しては、インドの調査によると、貧困層に発症率が高い。ハンセン病患者は、亜鉛カルシウムマグネシウムが正常の人に比べて著しく低値であった。

日本

表4は1996-2018年までの日本国内の新規患者数である。日本で発見された日本国籍の新規患者は減少し続け、2005年に初めてゼロになった。よって日本で発見された新規患者は、殆どが世界で過ごして来日した在日外国人である。

表4:日本国内の新規患者数 (人) *2019年4月1日現在
【年】
【1996】
【1997】
【1998】
【1999】
【2000】
【2001】
【2002】
【2003】
【2004】
【2005】
【2006】
2007 2008 2009 2010
日本人 | 6 | 6 | 5 | 8 | 6 | 5 | 7 | 1 | 4 | 0 | 1 | 1 | 3 | 0 | 0
在日外国人 | 18 | 8 | 5 | 11 | 8 | 8 | 9 | 7 | 8 | 7 | 6 | 10 | 4 | 2 | 4
合計 | 24 | 14 | 10 | 19 | 14 | 13 | 16 | 8 | 12 | 7 | 7 | 11 | 7 | 2 | 4
【年】
【2011】
【2012】
【2013】
【2014】
【2015】
【2016】
【2017】
2018
日本人 | 2 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0
在日外国人 | 3 | 3 | 2 | 4 | 6 | 3 | 1 | 3
合計 | 5 | 3 | 3 | 5 | 7 | 3 | 2 | 3

在日外国人の中では、ブラジル出身者と東南アジア出身者がほとんどである。

一方、登録患者数は日本では1997年(平成9年)以降、公表されていない。日本国内の療養所入所者数は、2019年現在1,215人であるが、ハンセン病が治癒しても障害を負った人々が、施設で暮らしている。

世界保健機関に定義されるように「診断されて適切に一定期間治療を行い、その後は患者登録から除外される」という観点で、日本の登録患者数を推定すると、新規患者数と同程度である数名となる。

しかし、日本では菌をゼロにするまで治療を行う治療基準が設けられており、WHOが規定している治療期間より大幅に治療が長期化しているケースや、一旦治癒したが菌検査で少しでも陽性がみられれば治療を行うというケースも考えられるため、実際に治療を行っている患者数に関しては、WHOで定義している登録患者数に比べるとかなり多いと推定される。しかし実際のところは、治療を行っている患者数に関する統計を行っていないので、詳細は不明である。

病型別では、昭和前半の統計ではあるが、日本では多菌型が多く、癩性禿頭症や失明が多かった。光田健輔によると、1911年に公立療養所第一区府県立全生病院(現、国立療養所多磨全生園)では58.63%に禿頭症がみられた。沖縄県や東南アジアの様な流行地では、症状は一般的に軽いといわれている。

分類

ハンセン病の分類に関しては様々な分類法がある。一般的な病型分類は、WHOのMB型・PB型分類法であり、この分類が望ましい。以前は、1962年提唱のRidley & Joplingの分類法が一般的に使用された。

WHO治療指針の病型分類法

WHOは、多剤併用療法による治療方針決定上の簡便な病型分類として、MB型(多菌型、multibacillary)とPB型(少菌型、paucilbacillary)の2分類を採用している。MB型はおおむねLL型、BL型、BB型および一部のBT型に相当する。一方、PB型はおおむねI群、TT型および大部分のBT型に相当する。菌スメア検査のBI (bacterial index)(菌指数)と皮疹(皮膚の発疹)の数によって分けられる。BIについては検査の項を参照。

Ridley & Joplingの分類法

1962年に提唱された分類法である。分類の方法は、らい菌に対する生体の細胞性免疫の強弱に基づいている。LL型(らい腫型、lepromatous type)、TT型(類結核型、tuberculoid type)、B群(境界群、boderline group)、I群(未定型群、indeterminate group)に分け、さらにB群はLL型に近いBL型 (borderline lepromatous type)、TT型に近いBT型 ( ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

出典:wikipedia
2020/06/06 22:32

HAPPY Wikipedia

あなたの考える「ハンセン病」の意味を投稿しよう
「ハンセン病」のコンテンツはまだ投稿されていません。
全部読む・投稿 

ハンセン病スレッド一覧

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ハンセン病」のスレッドを作成する
ハンセン病の」
友達を探す
掲示板を探す
このページ
友達に教える
URLをコピー

注目のキーワード

錦織圭/北島康介/2014_FIFAワールドカップ・アジア予選/サッカー日本女子代表/消費税/東京スカイツリー/ダルビッシュ有/イチロー/香川真司/野田内閣/復興庁/石川遼/HKT48/AKB48/ワールド・ベースボール・クラシック日本代表/黒田博樹/尖閣諸島/バレンタインデー/ONE_PIECE

キーワードで探す

 
友達を探す
掲示板を探す
ハッピーWiki
ハッピーメール
ハッピーランド
HAPPY NEWS
2010Happy Mail