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バット_(野球)とは?

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野球用木製バット

バット (bat) は、野球ソフトボール打者投手の投球を打つために用いられる棒状の用具。

バットの形状

バットの形状は先端のボールが当たる部分(ヘッド)が太くなっており、手で握る部分(グリップ)は細く、さらに手元のグリップの端にグリップエンドと呼ばれる直径の太い部分が付いている。また、バットのグリップ側にはテープを巻くなどの滑り止め加工が施され、ヘッドの部分にはメーカー名などの刻印がされている。

一般成人男性向けに市販されているものは、多くは長さ83cm~85cm程度。また重さは硬式用なら900g前後である。

バットの材質

バットの材質には金属(超々ジュラルミンなどのアルミ合金)、炭素繊維強化プラスチック(俗に「カーボン」と呼ばれる)、などがある。

木製バット

特に木製バットを使用する際には、ボールがバットに当たる際にヘッドの刻印部分が上もしくは下を向くように持たなければならない。これは木目に対して平行に力が加わるようにして、折れにくくするためである。

木製バットの材料には、アッシュ材や、ハードメイプル、ヒッコリーなどが使用されている。長らくメジャーリーグでは硬い(反発力の強い)ホワイト・アッシュが使われ、近年ではハードメイプルも多く使われているが、ヒッコリーは重いためあまり使われなくなっている。一方、日本のプロ野球では「材質が柔らかく、振ったときにしなりが出る」としてヤチダモアオダモといったタモ系の木材がよく使われ、特に良質なバット材として北海道産のアオダモが好まれている。これは、寒冷地産であればあるほど反発力と弾力性、耐久性に優れるとされるためである。メジャーリーグへ日本人野手が移籍することが多くなった2000年代からは、ボールの材質や気候が違うことから日本人選手もホワイトアッシュなどを使用し始め、日本球界でもアオダモ以外の材質バットを使用する選手が増えている。

松井秀喜イチローピート・ローズなどのバットを手掛けていたミズノテクニクスのバット職人・久保田五十一は、7cm角の角材を3-4ヶ月間自然乾燥した後、40時間真空乾燥し、機械で荒削り後、職人が30分程度手仕上げする方法でバット製作を手掛けていた。


木製バットの場合、バットの含水率は7 - 10%程度が理想と言われている。日本のように夏季の湿度が高い環境では、バットを裸のまま放置すると空気中の水分を吸い込んでしまい、含水率が理想の状態よりも高い値(最大で12 - 13%程度)になってしまう。含水率が高くなると当然ながらバットの重量が重くなり選手の感覚を狂わせる上、バットにボールが当たった際の反発力にも影響が出る。一方で冬季にエアコンのそばにバットを放置した場合など、バットが乾燥して逆に含水率が低くなり、事実上使えなくなるほど折れやすくなることもある。これらの要因から、近年プロ野球選手の間では、シリカゲル入りのジュラルミンケースにバットを入れて持ち運ぶことでバットの含水率を一定に保つことが一般的となっている。

日本国内産の木製バットの半数は富山県南砺市福光地域で作られており、日本一の産地となった理由としては、冬場の湿度が高くバットの製造に適していたことや、原材料の主産地の北海道・九州と、販売先の中心であった大阪・東京の中間地であったことが挙げられている。なお、当地には、往年のプロ野球選手の約500本のバットが展示されている「南砺バットミュージアム」が存在する。

バット材料の不足

2000年代以降、ホワイトアッシュなど、アオダモ以外の材質バットが日本プロ野球でも一般的に使用されているが、これはアオダモの不足が一因となっており、計画的な植林・伐採がされてこなかったため、バット材料として使用されてきた樹齢80年以上の原料木材確保が困難となり、プロ野球選手でも使用を断念せざるを得ない状況となっている。

そのため、豊田泰光ら野球関係者が行政やバット生産関係者と「アオダモ資源育成の会」を立ち上げ積極的な植樹活動を行っている。また、折れたバットを靴べらなどの別の品物を作る材料に用いるリサイクル活動も展開されており、日本プロ野球で試合中に折れたバットは、職人の手により5 - 6本の箸に再生され、「かっとばし!!」の商品名で販売されている。

日本野球機構では、日本シリーズオールスターゲームなどの特別試合の試合前に、選手によるアオダモの記念植樹など、植樹活動も行っている。

金属バット

アルミニウム亜鉛を加えた合金などの金属パイプを成形・焼入れして作られる中空のバットである。一般には、木製バットと比べ、ジャストミートできる「芯」が広く、強い打球を打てるとされる。耐久性も木製バットを上回るため、予算の乏しいアマチュアで使用が認められることがある。アメリカでは事故防止などのために、リトルリーグから高校野球、大学野球までにおいて、反発係数を木製バットと同等程度に制限している。

金属バットは、芝浦工大学長も務めた大本修(平成24年度野球殿堂入り)が、1960年代に米国メーカーよりも先に考案したと言われている。大本は通商産業省による金属バットの安全基準作りにも関わった。金属バットで硬球を長期間打ち続けると、打球音の影響で聴力が低下することが指摘されている。練習場周辺に対する騒音の問題もあり、日本の高校野球では1991年以降バット内部に音響放射を低減させる作用を持つ防音・防振材が貼り付け又は充填されるようになった。

その他

接合バットは竹の合板を軸として打球部分にメイプルなどの木材を貼り合わせている。ラミバットとよばれる。

竹バットや接合バットは、金属バットより「芯」が狭い、「芯」を外した時には衝撃がくる、1本の木材から作られたものより丈夫であり安価である、ということからアマチュア野球の練習用バットとして使われている。

ミズノなどから軟式野球用に外側がゴム(エーテル系発泡ポリウレタン)のものも販売されている。これらは軟式ボールの変形をおさえ、反発係数を高めることで飛距離を増すというものである。

バットの種類

試合用

硬式球を打つための硬式用バットと、軟式球を打つための軟式バットがある。打者のタイプによって重心の位置が異なっており、長打を狙う選手はグリップが細く、ヘッドが太い先端に重心があるバット(トップバランス)、短打を確実に狙う選手にはグリップが太く、ヘッドが細いバット(カウンターバランス)が好まれる。プロ野球選手の場合には特注されることが多く、実際に使われているものに似せたバットが、その選手名を冠して「○○モデル」として市販されている。

練習用

練習用として、投手の投球を打つことを目的としないバットがある。ノックの打球を確実に打つため、細く軽量に作られたノックバット、スイングの矯正などに用いられる長尺バットなどがある。筋力を付けるために重く作られたバットをマスコットバットと呼ぶ。また、素振りの際に鉄製のリングをバットに取り付け、錘としてボールを打つ時の感触に近づけることがある。

サイン用(サインバット)

サインバットはもっぱらサインを記念として残す目的で製作されているバットである。

規則

公認野球規則には1.10にバットについての規則がある。公認野球規則をもとにプロ野球、社会人野球、高校野球、軟式野球についてバットの基準が定められている。このほか各大会で使用できるバットの材質、色、形状などがそれぞれ規定されている場合もある。いずれも異常に打球が飛ぶような細工などの不正行為を防ぐため、細かな規定がある。

公認野球規則

形状

材質

公認野球規則はバットの材質について1本の木材で作られるべきであるとしている(公認野球規則1.10 (a))。

日本のアマチュア野球では、各連盟が公認すれば、金属製バット、接合バット(木片の接合バット及び竹の接合バットで、バット内部を加工したものを除く)の使用を認めることになっている(公認野球規則1.10 (a) 及びその注2)。認められる範囲は高校野球と社会人野球で異なる(後述)。

公認野球規則はプロフェッショナル野球では規則委員会の認可がない限り着色バットは使用できないとしているが、日本のプロ野球では着色バットの色について別に定める規定に従うこととしている(公認野球規則1.10 (d) 及びその注1)。

オリンピック

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五輪では圧縮バットの使用が認められており、その使用の有無は各選手たちに委ねられていた。

日本のプロ野球

日本プロ野球では、金属製バット、木片の接合バット及び竹の接合バットは、コミッショナーの許可があるまで使用できないとされている(公認野球規則1.10 (a) 及びその注1)。ジュン石井社が1950年代後半に、いずれ上質な木材が大量供給できなくなる可能性を考えて、木目を樹脂で固めた「圧縮バット」を作成した。やがて各社の開発競争によりその反発力が高められ打者が有利になりすぎているのではないかと指摘されるようになり、1981年のシーズンより下田武三コミッショナーによって圧縮バットの使用は禁止された。

また、日本のプロ野球では着色バットの色について別に定める規定に従うこととしている(公認野球規則1.10 (d) 及びその注1)。2002年から着色バットが認められたが、2005年からは国際規格に合わせて淡黄色が禁止され、自然色と合わせて、こげ茶、赤褐色、黒の3色が認められている。2011年からは、着色する場合でも木目の確認しやすい程度の色の濃さにすることが定められた。

日本の高校野球

日本の高校野球では、木製バット、木片の接合バット、竹の接合バット、金属製バットの使用が認められている。現在では、使いやすさや耐久性の点から金属製バットの使用がほとんどである。というのも、金属製バットは芯が木製バットよりも広いために使いやすく、また、木製バットより折れにくく経済的だからである。そして、その経済性から1974年の大会から使用が認められた。とはいえ、金属製バットはすぐに広まったわけではない。当初は、甲子園でも5分の3くらいの選手しか使用していなかった。金属製バットが一気に広まるのは、1982年に蔦文也監督が率いる池田高校が金属バットの特性を生かして甲子園を席巻してからである。なお、現在でも、強豪校では練習に竹の接合バットを用いることも多い。これは、いわゆる「竹バット」は芯が狭く、芯を外したときの衝撃も大きいため、逆に芯をとらえる練習に有用であること、また、木製バットより折れにくく、価格的にもより安価であることが理由である。

バットの色は木目色、金属の地金の色、黒色のみとされ、それ以外の着色バットは認められていない。

金属製バットは甲高い打球音が球審や捕手の難聴の原因になるとされ、1991年には打球音を抑えた消音バットを採用している。その後更に過度な軽量化がなされた結果、バット自体の破損や強すぎる打球により、プレーへの安全性が懸念された為、2001年より900g以下のバットの使用が禁止されている。

日本の社会人野球

社会人野球では、2005年シーズンからはすべての大会で木製バットの使用が義務付けられ、接合バット、樹脂加工バット、着色バット(ダークブラウン、赤褐色、淡黄色で、木目が目視できるもの)の使用が認められている。

かつても木製バットが使用されていたが、野球の国際的な普及を目的に、国際大会で金属バットが導入されたことから1979年シーズンから金属バットの使用が認められていた。しかし、オリンピックにおけるプロ参加が解禁されるようになり、国際大会でも木製バットが使用されるようになったことから、2002年シーズンからは木製バットを使用している。ただし、バットの折損からくる負担を考慮し、全日本クラブ野球選手権大会とその予選、クラブチームのみ参加する大会では、引き続き金属製バットの使用が認められていた。

トピック

形状

材質

重量

その他

野球以外での使用及びその法規制

バットは凶器となりうることから、公共の場所や乗り物において、人に不安を覚えさせるような方法で携帯すること等は迷惑防止条例などで禁止されている。

釘バット」および「棍棒」も参照

脚註

  1. ^ バットが米野球の殿堂に飾られている。
  2. ^ 「強打者と歩んだ職人魂 久保田五十一」日本経済新聞2014年2月10日7面
  3. ^ 小笠原 湿度一定に保って“エコバット宣言”(2014年4月12日時点のアーカイブ) - スポーツニッポン・2009年12月5日
  4. ^ 東京中日スポーツ・2009年8月26日 3面「竜CHANGE ペナントレース編」
  5. ^ “木製バット 半数「福光産」”. 日本経済新聞. (2018年7月4日). https://r.nikkei.com/article/DGKKZO32562040T00C18A7LB0000?s=5 2020年1月7日閲覧。
  6. ^ 富山県 特産品 2020年1月7日閲覧。
  7. ^ 2015年頃迄にイチローはアッシュ材に切り替えたが、2016年に「タモは安定して入手できないどころか、もう全然入手できない。」旨を述べている。3000本安打への欲は?「そりゃあるよ」…イチロー、キャンプ初日終え心境激白 : スポーツ報知(2016年2月29日時点のアーカイブ) (2016年2月24日)2016年2月24日閲覧
  8. ^ アオダモ資源育成の会
  9. ^ かっとばし!!「折れたバットをリサイクル」 日本プロ野球選手会
  10. ^ 金属バットのできるまで コクサイ株式会社 2016年10月28日閲覧
  11. ^ 「日本シャフト」に突撃取材 はまれぽ.com (2014年8月13日)2016年10月28日閲覧
  12. ^ THE MAKING (89) 金属バットができるまで |サイエンス チャンネル(動画) 科学技術振興機構(2001年)
  13. ^ 今日も甲子園に鳴り響く金属音! 高校野球の金属バットのヒミツに迫る
  14. ^ 水面下で続いている金属バットの日米格差を放置したままでいいのか(菊地慶剛) - 個人 - Yahoo!ニュース(2017年9月28日)
  15. ^ 金属バット離れ、海外で進む 「けがする危険」で波紋 朝日新聞(2007年03月27日)
  16. ^ 野球・ソフトボール用具規則 ミズノ
  17. ^ コミッショナーのキャンプ視察 思い出される“下田武三伝説”
  18. ^ 【高校野球100年】池田・江上元主将が明かす「やまびこ打線」誕生の裏側”. スポーツニッポン (2015年6月30日). 2019年11月15日閲覧。
  19. ^ このほか南村侑広が学生時代より使った黒バットもあった。
  20. ^ 球界「黄金時代」譚 104 川上哲治 1 - 「月刊リベラルタイム」 2014年1月号(2013/12/03発行) p.64-65 秋津弘貴
  21. ^ ただし、平田良介が橙色のバットを使用するなど、この色に近い色のバットを使用する選手もいる。
  22. ^ やっぱり輝いてた金色バットでファンを魅了 - 新庄カウントダウン プロ野球”. nikkansports.com (2005年7月24日). 2016年11月25日閲覧。
  23. ^ 光った!優秀選手賞/オールスター - 新庄カウントダウン プロ野球”. nikkansports.com (2006年7月22日). 2016年11月25日閲覧。
  24. ^ 門田隆将『甲子園への遺言 伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯』(講談社、2008年)196-197頁
  25. ^ 福本豊『走らんかい!』(ベースボール・マガジン社、2009年)158頁
  26. ^ 迷惑防止条例 〜茨城県公衆に著しく迷惑をかける行為の防止に関する条例の一部改正の概要〜 茨城県警察本部
  27. ^ 英国Amazonでバットの売上6541%増!『北斗の拳』のザコキャラみたいなのが増加か ロケットニュース24 2017年4月20日閲覧
  28. ^ Russia buys up baseball bats for major league rioting(2011年12月22日時点のアーカイブ) The Moscow News 2010-2-16
  29. ^ 「隕石撮影の裏事情・赤の広場で」『産経新聞』2013/02/22
  30. ^ 北海道の釣具屋になぜ金属バット? 「サーモンメタルバット」の使い道にネット民が震える - ねとらぼ

関連項目

外部リンク

野球
野球場

【用具】

試合手順

打撃

投球
出典:wikipedia
2020/09/21 05:15

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