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ヒンドゥー教とは?

インド哲学 - インド発祥の宗教
ヒンドゥー教


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ヒンドゥー教(ヒンドゥーきょう、ヒンドゥーイズム: Hinduismヒンディー語: हिन्दू धर्मサンスクリット語: सनातनधर्मः)、慣用表記でヒンズー教、ヒンヅー教、ヒンド教、ヒンドゥ教は、インドネパールで多数派を占める民族宗教、またはインド的伝統を指す。西欧で作られた用語である。ヒンドゥー教徒の数はインド国内で10億人、その他の国の信者を合わせると約11億人以上とされ、キリスト教、イスラム教に続いて、人口の上で世界で第3番目の宗教である。

目次

  • 1 語源と名称
  • 2 信者
  • 3 ヒンドゥー教の特徴
    • 3.1 ヒンドゥー教の範囲
    • 3.2 主要な神々
    • 3.3 四住期
    • 3.4 業と輪廻
    • 3.5 カースト
      • 3.5.1 身分(ヴァルナ)と職業(ジャーティ)
      • 3.5.2 改宗
    • 3.6 河川崇拝
    • 3.7 菜食主義
    • 3.8 聖牛崇拝
    • 3.9 ヨーガ
    • 3.10 グル信仰
    • 3.11 女性
    • 3.12 結婚
    • 3.13 主な宗派
      • 3.13.1 派生した宗教
  • 4 歴史
    • 4.1 インダス文明時代
    • 4.2 ヴェーダ
    • 4.3 バラモン教からヒンドゥー教へ
    • 4.4 六派哲学
    • 4.5 不二一元論とバクティ
    • 4.6 その後のヒンドゥー教
  • 5 教典
  • 6 聖地
  • 7 遺跡
  • 8 祭礼
  • 9 脚注
  • 10 出典
  • 11 参考文献
  • 12 関連項目
  • 13 外部リンク

語源と名称

「ヒンドゥー」 Hindu の語源は、サンスクリットインダス川を意味する sindhu に対応するペルシア語。「(ペルシアから見て)インダス川対岸に住む人々」の意味で用いられ、西欧に伝わり、インドに逆輸入され定着した。(同じ語がギリシアを経由して西欧に伝わって India となり、こちらもインドに逆輸入されて定着した。漢訳では、身毒、印度と訳され、玄奘による「印度」が定着している。)インド植民地時代に大英帝国側がインド土着の民族宗教を包括的に示す名称として採用したことから、この呼称が広まった。そのため、英語のHinduは、まずイスラム教徒との対比において用いられるのが現在では一般的で、イスラム教徒以外で小宗派を除いた、インドで5億人を超えるような多数派であるインド的な複数の有神教宗派の教徒の総称である。

同じくヒンドゥー教と訳される英語のHinduismは、最も広い意味・用法ではインドにあり、また、かつてあったもの一切が含まれていて、インドの歴史では先史文明のインダス文明まで遡るものであるが、一般的には、アーリア民族のインド定住以後、現代まで連続するインド的伝統を指す。このうち仏教以前に存在した宗教をバラモン教(Brahmanism)、特にヴェーダ時代の宗教思想をヴェーダの宗教(Vedic Religion)と呼ぶこともあるが、これは西欧で作られた呼び名である。インド哲学研究者の川崎信定は、これらの用法は、日本の漢訳仏典の中の仏教・内道に対応する婆羅門教(ばらもんきょう)の用法に対応していると言える、と述べている。

ヒンドゥー教を狭い意味で用いる場合、仏教興隆以後発達して有力になったもので、とくに中世・近世以後の大衆宗教運動としてのシヴァ教徒・ヴィシュヌ教徒などの有神的民衆宗教を意識しての呼び方であることが多い。

日本では慣用表記ではヒンズー教、ヒンド教、一般的にはヒンドゥー教と呼ばれるが、時にインド教と呼ばれることもある。中国韓国でも「印度教」と呼ばれるが、現在のインドは世俗国家であり国教はなく、インドでこのように呼ばれることはない。

信者

詳細は「ヒンドゥー教徒」を参照

ヒンドゥー教の特徴

シヴァ神、首にコブラを巻き結跏趺坐する姿が特徴的
ヴィシュヌ神の石像
ブラフマー神(中央)と神妃サラスワティー(右)1793年
ガネーシャ
ハヌマーン
インドラ

狭い意味でのヒンドゥー教は、バラモン教から聖典やカースト制度を引き継ぎ、土着の神々や崇拝様式を吸収しながら徐々に形成されてきた多神教である。紀元前2000年頃にアーリア人イランからインド北西部に侵入した。彼らは前1500年頃ヴェーダを成立させ、これに基づくバラモン教を信仰した。

紀元前5世紀ごろに政治的な変化や仏教の隆盛がありバラモン教は変貌を迫られた。その結果、バラモン教は民間の宗教を受け入れ同化してヒンドゥー教へと変化して行く。(バラモン教もヒンドゥー教に含む考えもある。)ヒンドゥー教は紀元前5 - 4世紀に顕在化し始め、紀元後4 - 5世紀に当時優勢であった仏教を凌ぐようになった。その後インドの民族宗教として民衆に信仰され続けてきた。

神々への信仰と同時に輪廻解脱といった独特な概念を有し、四住期に代表される生活様式、身分(ヴァルナ)・職業(ジャーティ)までを含んだカースト制等を特徴とする宗教である。

三神一体(トリムールティ)とよばれる近世の教義では、中心となる3大神、すなわち

は一体をなすとされている。 しかし現在では、ブラフマー神を信仰する人は減り、ヴィシュヌ神とシヴァ神が二大神として並び称され、多くの信者がいる。ヴィシュヌ神を信仰する派をヴィシュヌ教、またシヴァ神を信仰する派をシヴァ教と呼ぶ。

ヒンドゥー教の神や祭祀は一部形を変えながらも、日本の仏教に影響を与えている。以下にヒンドゥー教の特徴を解説する。

ヒンドゥー教の範囲

インド国内の広義の定義においては、「ヒンドゥー教」にはキリスト教やイスラム教などインド以外の地域で発祥した特定宗教以外のすべての宗教が相当する。一例として、インドにおいて仏教はヒンドゥー教の一派とされる。インド憲法25条では、(ヒンドゥー教から分派したと考えられる)シク教、ジャイナ教、仏教を信仰する人も広義のヒンドゥーとして扱われている。

ヒンドゥー教には極めて様々な信仰霊性や風習が包括され、かつ体系化されている。一方でキリスト教に見られるような教会制度や宗教的権威は存在せず、また預言者も居なければ纏まった形の共通の聖典も存在しない。よってヒンドゥー教徒は多神教、汎神論一神教不可知論無神論ヒューマニズムを自身の思想として自由に選ぶことができる。ヒンドゥー教の包含する信仰、思想、真理は広範で、そのため「ヒンドゥー教」に包括的な定義を与えることは困難である。これまでにも、1つの宗教である、1つの風習である、信仰の集合である、生活様式である、と言った具合に様々に定義されてきた。西洋の言葉上の観点からはヒンドゥー教は、例えばキリスト教等と同様に1つの宗教であるとされているが、インドでは「ダルマ」(dharma)という語が好まれる。この語はいわゆる「宗教」よりも意味が広い。特にヒンドゥー教の伝統主義者はサナータナ・ダルマ(Sanatana Dharma、永遠の、あるいは古代のダルマの意)という語を好む。

インド、インドの文化、インドの宗教に関する研究、そしてヒンドゥー教の定義は、植民地主義の利益を目的とし、西洋の持つ「宗教」という概念の枠組みから行われてきた。1990年以降はこれら西洋のもたらした影響や、それによって生じた変化などがヒンドゥー教の研究者の間でも議題に挙がるようになり、それは西洋的視点に対する批判へと引き継がれている。

主要な神々

3大神はそれぞれ神妃をもち、夫婦共に多様な化身を有する。

ヴィシュヌ神
世界維持の神、慈愛の神、毘盧遮那、盧遮那。鳥神ガルーダに乗る。10大化身と呼ばれる多数の分身を有するが、それぞれの分身にはヴィシュヌ神としての自我は無く、それぞれの自我を持つ。例えば釈迦は釈迦であって釈迦ではなく、ヴィシュヌ神である。10大権現という概念の方が理解しやすい。
ラーマ
ヴィシュヌ神の化身。叙事詩ラーマーヤナ』で大活躍する。
クリシュナ
ヴィシュヌ神の化身。叙事詩『マハーバーラタ』の英雄、民間に人気のある神。
釈迦
仏教の開祖である釈迦牟尼はヒンドゥー教ではヴィシュヌ神の9番目の化身とされている。
ラクシュミー
ヴィシュヌ神の神妃、富と幸運の女神。北伝仏教では吉祥天
カーマ
ヴィシュヌ神の娘、恋愛、性愛、和合を司る神。
シヴァ神
創造と破壊の神、乗り物は牡牛のナンディン、トラの皮をまとい首にコブラを巻く。しばしば結跏趺坐し瞑想する姿で描かれる。北伝仏教では大自在天(降三世明王に降伏され仏教に改宗したとされる)。
マハーカーラ
シヴァ神の化身。チベット仏教など仏教においても信仰される。北伝仏教では大黒天
パールヴァティー
シヴァ神の神妃、ヒマラヤ神の娘、穏やかで心優しい。
ドゥルガー
パールヴァティーの化身の一つで美しい戦いの女神、虎に騎乗して水牛に化けた悪魔を倒す美しい神像が有名。
カーリー
パールヴァティーの化身の一つで荒々しい殺戮の神。しばしば多くの生首を首、腰に巻き付け殺戮に狂う荒神の像で現される。コルカタ(カルカッタ)の地名はカーリーから来ている。
ブラフマー神
形而上および現実に存在する全てに対して実存する為の縁起を与える神。神であれ、人であれ、実存しているのならばブラフマーの働きに依存している。神学的哲学の根元。擬人化され水鳥ハンサに乗った老人の姿で表される。北伝仏教では梵天。新義真言宗では大日如来。釈迦もしばしば言及したとされる。
サラスワティー
ブラフマー神の神妃、北伝仏教では弁才天

3大神は、信者個人の信仰においては並立しているわけではない。たとえば「シヴァ神」を最高神と崇める人にとって、「ヴィシュヌ神」は劣位ではあるが敬うべき神である。また神話の中で3大神の化身と共に活躍する神や、3大神の子神も信仰されている。

ガネーシャ
シヴァ神の子供で象の頭を持つ神、鼠に乗る。富と繁栄、智恵と学問を司る。北伝仏教では歓喜天(聖天)。
ハヌマーン
外見が猿の神、叙事詩『ラーマーヤナ』でラーマ王子を助けて活躍する。身体の大きさを自由に変えられる。孫悟空の元になったと考えられる。
インドラ
雷神、天空神。『リグ・ヴェーダ』の中心的な神で、古くバラモン教の時代には盛んに信仰された。北伝仏教では帝釈天

インドの国立博物館にヒンドゥー教の神々の多様な神像が収蔵・展示されている。

四住期

四住期(アーシュラマ)とはヒンドゥー教独特の概念で、最終目標の解脱に向かって人生を4つの住期に分け、それぞれの段階ごとに異なる目標と義務を設定したもの。なお四住期は、上位ヴァルナのバラモンクシャトリアヴァイシャにのみ適用され、エーカージャ(一生族)であるシュードラ及び女性には適用されない。四住期について概略を示す。

過去においても現在でも、全てのヒンドゥー教徒が四住期を全うするわけではない。ちなみに仏教の開祖釈迦も当時のバラモン教の教えに従い、四住期に則った人生を送っている。即ち男子をもうけた後、29歳で釈迦族王族の地位を捨て林間で修行をし、その後悟りを開いて布教の旅に出ている。

業と輪廻

詳細は「輪廻#ヒンドゥー教における輪廻」を参照
業(カルマ)
はサンスクリットで 本来は行為の意味。因果思想と結合し、業はその善悪に応じて果報を与え、死によっても失われず、輪廻に伴って、代々伝えられると考えられた。「ウパニシャッド」にもその思想は現れ、輪廻思想・業感縁起の基礎となる。宿業思想に発展し、一種の運命論となった。中国、日本の思想にも影響を与えている。
業はインドにおいて、古い時代から重要視された。ヴェーダ時代からウパニシャッド時代にかけて輪廻思想と結びついて展開し、紀元前10世紀から4世紀位までの間にしだいに固定化してきた。
輪廻(サンサーラ)
ヒンドゥー教では、輪廻を教義の根幹とし、信心と業(カルマ、karman)によって次の輪廻(来世)の宿命が定まるとする。具体的には、カースト(ヴァルナ)の位階が定まるなどである。生き物は、行為を超越する段階に達しないかぎり、永遠に生まれ変わり、来世は前世の業(行為)によって決定される。これが、因果応報の法則(善因楽果・悪因苦果・自業自得)であり、輪廻の思想と結びついて高度に理論化されて一部のインド人の死生観・世界観を形成してきた。

カースト

詳細は「カースト」を参照

身分(ヴァルナ)と職業(ジャーティ)

ヒンドゥー教の特徴のなかで、カースト制度の存在が大きい。カーストは歴史的に基本的な分類(ヴァルナ)が4つ成立し、その下に職業を世襲するジャーティ(生まれ・出生)と呼ばれる社会集団が形成されて、例えば「牛飼い」や「大工」や「床屋」などの職業が世襲されてきた。結果としてインドには非常に多くのカーストが存在する。カーストは親から受け継がれるだけで、生まれた後にカーストを変えることはできない。ただし、現在の人生の結果によって次の生などの生で高いカーストに上がることができるという。現在のカーストは過去の生の結果であるから、受け入れて人生のテーマを生きるべきだとされる。

基本的な4つのカースト(ヴァルナ)とカースト外の身分には、以下のものがある。

  1. ブラフミン(サンスクリットでブラーフマナ、音写して婆羅門・バラモン)
    神聖な職についたり、儀式を行うことができる。バラモンというのは「ブラフマン(梵)を有するもの」の意味で自然界を支配する能力を持つものとされている。「司祭」とも翻訳される。本来のバラモン層は下層集団が持たぬ知識、認識及び、その発見方法としての母(汎)知識(例えば数学)の存在を発見し、蓄積、独占した集団である。
  2. クシャトリア(クシャトリヤ)
    貴族など武力や政治力を持つ。「王族」、「戦士」とも翻訳される。釈迦がこの階層に生まれた
  3. ヴァイシャ
    商業農業牧畜工業及び製造業などの職業につくことができる。のちには主として「商人」を指すようになった。
  4. シュードラ(スードラ)
    古代では、一般的に人が忌避する職業のみにしか就くことしか出来なかったが、時代の変遷とともに、中世頃には、ヴァイシャおよびシュードラの両ヴァルナと職業の関係に変化が生じ、ヴァイシャは商売を、シュードラは農牧業や手工業など生産に従事する広汎な「大衆」を指すようになった。「労働者」とも翻訳される。
  5. ヴァルナをもたない人びと
  6. ヴァルナに属さない人びと(アウト・カースト)もおりアチュートという。「不可触民(アンタッチャブル)」とも翻訳される。不可触賎民は「指定カースト」ともいわれる。1億人もの人々がアチュートとしてインド国内に暮らしている。彼ら自身は、自分たちのことを『ダリット』(Dalit) と呼ぶ。ダリットとは壊された民 (Broken People) という意味で、近年、ダリットの人権を求める動きが顕著となっている。カーストによる差別は1950年に憲法で禁止されている。

改宗

他宗教から改宗してヒンドゥー教徒になることは可能である。しかし、そこにはカースト制がある。カーストは親から受け継がれ、カーストを変えることが出来ない。カーストは職業や身分を定める。他の宗教から改宗した場合は最下位のカーストであるシュードラにしか入ることができない。生まれ変わりがその基本的な考えとして強くあり、次の生まれ変わりで上のカーストに生まれるしか方法はないと経典には記されているのが特徴である。そのため改宗による移動を行えないという点がある。

ヒンドゥー教からイスラム教や仏教へと改宗する場合は、下位のカーストの者が差別から抜け出すためであることが多い。しかし、皮肉にもイスラム教徒や、パキスタン人の間にも若干のカースト意識は有ると言われている。カーストはヒンドゥーに限らず、イスラム教徒や仏教徒なども含めた全インド文化に共通する意識であるとも言える。

河川崇拝

詳細は「ガンジス崇拝」を参照
ワニに乗る女神ガンガー

ヒンドゥー教では河川崇拝が顕著であり、水を使った沐浴の儀式が重要視されている。特にガンジス川(ガンガー)は川の水そのものがシヴァ神の身体を伝って流れ出て来た聖水とされ、川自体も女神ガンガーであるため「母なる川ガンジス」として河川崇拝の中心となっている。ガンジス川添いには沐浴場(ガート)が設けられた聖地が点在する。ヒンドゥー教徒は、沐浴場に設けられた石の階段を下りて川の水に頭までつかって罪を清め、あるいは水を飲む。

菜食主義

詳細は「インドの菜食主義」を参照

ヒンドゥー教は不殺生を旨とし、そのため肉食を忌避するので菜食主義の人が多い。しかし、身分やしきたりによってその度合いが異なる。一般的な菜食は植物に加えて鶏卵も可とする人と、鶏卵を不可とする人がいる。また上位カースト階級には、収穫の際に地中の生物を殺す惧れのあるタマネギなどの根菜類を不可とする人もいる。いずれの場合も牛乳および乳製品は良く食べられる。ところが宗派によっては祭りに際し犠牲獣を供することがある。その際、宗教儀式にしたがって神に捧げられたヤギなどの犠牲獣の肉を「お下がり」として食べる場合もある。しかし、どのような場合においても牛、特に瘤牛は神話にも出てくる聖獣で絶対に食べない。一方、同じ牛でもスイギュウは次々と姿を変える悪魔マヒシャの化身の一つであることから、コブ牛との扱いには差があり、家畜として使役され、その肉は輸出品にされている。

聖牛崇拝

牛の各部分が特定の神格を具体化しているというヒンズー教の教えを示した図、ラヴィ・ヴァルマ作「84柱の神格を持つ牛」。牛の保護を訴えるパンフレットの一部より

ヒンドゥー社会においては崇拝の対象となっている。ヒンドゥー教徒でインド思想研究者のベンガル人クシティ・モーハン・セーンは、民衆ヒンドゥー教における牛の神聖視の起源は、まったくわからないと述べている。神話にもたびたび牛が登場し、たとえばシヴァ神の乗り物はナンディンという牡牛である。実社会でも牡牛は移動・運搬・農耕に用いられ、牝牛は乳を供し、乾燥させた牛糞は貴重な燃料(牛糞ケーキ)となる。ただし聖別されているのは主として瘤牛であり、水牛は崇拝の対象とはならない。

ヒンドゥー神学では、牛の神聖性は輪廻と結びついている。ヒンドゥー教の輪廻の考え方は上下87段の階梯構造となっているが、最上段の人間に輪廻する1つ前の段階が牛であり、牛を殺した者は輪廻の階梯の最下段からやり直さなくてはならなくなると言われる。また、ヒンドゥー神学者は牛には3億3千万の神々が宿るとし、牛に仕え、牛に祈ることはその後21世代に渡ってニルヴァーナをもたらすという。

リグ・ヴェーダの時代には牛は富裕な階層が蓄える富のひとつであり、祭礼や戦勝祝いなどの饗宴の際には、ブラフマン祭司の監督下のもとに行われる儀礼的な屠殺の後に振る舞われた。時代が下り、人口が増え戦乱の時代が続くようになると、牛は気前よく振る舞うにはコストが掛かり過ぎる貴重品となり、食材としては高位カーストの独占物となった。

紀元前5世紀ごろ、ジャイナ教と仏教が勢力を伸ばし始める。これらの宗教は不殺生を標榜し、動物供犠や屠殺を非難して低位カーストの支持を集めた。その後9世紀にわたってヒンドゥー教と不殺生宗教の抗争は続いたが、インドにおいてはヒンドゥー教が勝利した。抗争の過程でヒンドゥー教側も牛の保護者を標榜するように変質し、非殺生の教義を取り入れていた。

民衆の牛への崇拝はインド大反乱のきっかけとなったとも言われ、マハトマ・ガンディーが牛への帰依心を言及したことも、彼が民衆から聖人のような名声を得る理由のひとつとなっている。

ヨーガ

庭園に坐すヨーギー

ヒンドゥー教の修行として ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

出典:wikipedia
2020/01/27 14:51

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