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メートルとは?

 | この項目には、JIS X 0212-1990 および CJK統合漢字拡張B で規定されている文字が含まれています。
メートル
mètre
metre
(米国のみ1977年以降、meter)


メートル原器(1889 - 1960年)
【記号】
m
度量衡
メートル法

国際単位系 (SI)
【種類】
基本単位

長さ
【定義】
真空中で1299792458 分の1の時間にが進む行程の長さ
【派生単位】
m, m, m, m
【由来】
北極点赤道の距離の1/10000000
【語源】
古代ギリシャ語 μέτρον(ものさし、測る)

メートル(: mètre: metre 記号: m)は、国際単位系 (SI) およびMKS単位系における長さ物理単位である。他のとは関係せず完全に独立して与えられる7つのSI基本単位の一つである。

元々は、地球赤道北極点の間の海抜ゼロにおける子午線弧長を 1/10000000 倍した長さを意図し、計量学技術発展を反映して何度か更新された。1983年(昭和58年)に基準が見直され、現在は1299792458 分の1の時間真空中を伝わる長さとして定義されている。

なお、CGS単位系ではセンチメートル (cm) が基本単位となる。

デシメートルメートルデカメートル


定義

SI基本単位の再定義 (2019年)」も参照

現在の「メートル」は、以下のように定義される。この定義は第17回国際度量衡総会により1983年10月21日に決定され、第26回国際度量衡総会により改定され、2019年5月20日に施行された。定義の実質は1983年のものと同じである。

The metre, symbol m, is the SI unit of length. It is defined by taking the fixed numerical value of the speed of light in vacuum c to be 299792458 when expressed in the unit m s, where the second is defined in terms of the caesium frequency ΔνCs{\displaystyle \Delta \nu _{\text{Cs}}}.
メートル(記号は m)は長さの SI 単位であり、真空中の光の速さ c を単位m s で表したときに、その数値を 299792458 と定めることによって定義される。ここで、はセシウム周波数 ΔνCs{\displaystyle \Delta \nu _{\text{Cs}}} によって定義される。

この定義により、光の速さ(光速)は正確に 299792458 m/s である。

表記

語源

メートル (mètre) という名称は、「ものさし」または「測ること」を意味する古代ギリシャ語 μέτρον(メトロン)からの造語であり、計器類を意味するメーター (meterまたはmetre) と語源は同じである。

単位記号

メートルの単位記号は、小文字・立体の m である。大文字・立体の M と書かれることがあるが、誤りである。大文字・立体の M は、10を表すSI接頭辞 メガ(mega)の記号である。ただし、計量法では単位記号の表記揺れに対する罰則はない(これに対して、計量単位の「メートル」を「メーター」と表記することはできない。)が、混乱を防ぐためには標準の表記が推奨される。

日本語の表記

計量法における表記は、「メートル」である。

日本語の「メートル」はフランス語 mètre からの外来語である。英語の metre / meter からの外来語である「メーター」も特に口頭では使用されることがあるが、計量法上は、「メーター」の表記は用いることはできない(計量法第8条第1項)。

なお、「メーター」は計器の意味で用いられる語である。

漢字で「」と書かれることがあるが、これも計量法上は用いることができない。

英語表記

国際規格ISO/IEC 80000 series Quantities and unitsの規定では、単位記号 m のみが国際的に定められており、単位名称は言語に依存するとしているが、本文には内規によりイギリス英語綴り(オクスフォード式綴り)が用いられ、metre表記が採用されている。

国際度量衡局が発行する国際単位系 (SI) 文書の英語版は上記のISO/IEC 80000 series Quantities and units.の表記に準拠している(meter → metre 以外では、liter → litre、deca → deka がある)。産業技術総合研究所計量標準総合センター(NMIJ)によって翻訳されたSI文書日本語版でも、ISO/IEC 80000に準ずる日本産業規格JIS Z 8000においても、metre表記が採用されている。このため全てのJIS規格において、metre 表記となっている。

国際規格の水平規格であるIEC 60050(国際電気技術用語集: IEV, electropedia)では各言語での表記を収録し、metreを英語での推奨用語として、meterを米国での同義語として収録している。

国際純正・応用化学連合(IUPAC)のような国際的な学術団体では、表記が国際的に標準化されていないとして、metre表記に加えてmeter表記を許容する例もある。

国際天文学連合は、単位にはmetreを使うとし、meterは計器を示す文脈に使うよう明記している。

次項のアメリカ合衆国とフィリピン(の一部)における綴り meter は、数少ない例外である。米国では 1977年以降は、公式にmeterと綴られている(後述のメートル#米国における表記の経緯を参照)。

なお、単位の名称ではない、パーキングメーターやマイクロメーター、スピードメーターのような計器の名称には、「meter」の表記が多く使われている。

米国・フィリピンでの表記

アメリカでも一時「metre」の綴りを使用していたが、1977年以降は公式に「meter」を用いるようになった。1975年のメートル法転換法(en:Metric Conversion Act of 1975)によってアメリカ商務省はアメリカ国内においてSIの解釈と変更の責任を与えられ、商務省はアメリカ国立標準技術研究所 (NIST) に対しSIの解釈と変更の裁量権を与えた。2008年にNISTは、BIPMが発表した「Le Système international d'unités (SI)」第8版の英語翻訳書 (BIPM, 2006) に対してアメリカ版を発行した (Taylor and Thompson, 2008a)。この中でNISTは合衆国政府印刷局が定める公文書書式マニュアルに沿い、BIPM版の「metre」を「meter」、「litre」(リットル)を「liter」、「deca」(デカ:10倍の意)を「deka」に置き換えた (Taylor and Thompson, 2008a, p. iii)。NIST所長は、公式にこの変更を表明し、これはアメリカ合衆国におけるSIの「法解釈」の結果であるとした。ただし2017年版のNIST Handbook 44によれば、metre表記も許容されており、これは全米計量会議によって支持されている。

フィリピンでも、その計量法の規定においては「metre」の表記である。しかし、その他の法律や標準規格などでは「meter」としばしば表記されているのが実態である。

米国における表記の経緯

米国が1971年に、 International System of Units(国際単位系)のフランス語版(仏版が正式文書)を翻訳し、NBS Special Publication 330(現在のNIST SP330[6])として出版したときには、メートルは公式に、metreと、リットルはlitreと綴られていた。これは、英国がグラムの綴りとして、-grammeではなく-gram を受け入れたこととの取引であるとの「紳士協定」と理解されていた。

しかし、その後、米国内ではmeter、literを主張する様々な運動が展開され、1975年には 商務省(Department of Commerce)が政府機関に -er の綴りとするようにアドバイスし、1977年のNIST SP330の改定時に、ついにmeter、liter、そしてdeca →deka の綴りが採用されるに至った。

派生語の英語発音

-metre ( -meter)で終わる語のアクセントは、その直前にあるのが普通である。例えば speedometer(速度計)のアクセントは、speedo- の第2シラブルに強アクセントがある。しかし、kilometre、millimetre、nanometre などの倍量単位・分量単位の英語発音では、その接頭語(kilo、milli、nano)の最初のシラブルに強アクセントがある。

なお、オーストラリア政府のメートル法転換局(Metric Conversion Board)が1975年に、kilometreのアクセントは第1シラブルにあると公式に宣言したにも関わらす、当時の首相のゴフ・ホイットラムが、第2シラブルにアクセントがあるべきと主張したことがある。

倍量単位・分量単位

SI接頭辞では、メートルの十進法による倍量単位・分量単位を定めている。定義上あり得る全ての単位を以下の表に示す。実用されているものは太字で示す。


メートル (m) の倍量・分量単位
分量 倍量
値 記号 名称 値 記号 名称
10 m | dm | デシメートル | 10 m | dam | デカメートル
10 m | cm | センチメートル | 10 m | hm | ヘクトメートル
10 m | mm | ミリメートル | 10 m | km | キロメートル
10 m | µm | マイクロメートル | 10 m | Mm | メガメートル
10 m | nm | ナノメートル | 10 m | Gm | ギガメートル
10 m | pm | ピコメートル | 10 m | Tm | テラメートル
10 m | fm | フェムトメートル | 10 m | Pm | ペタメートル
10 m | am | アトメートル | 10 m | Em | エクサメートル
10 m | zm | ゼプトメートル | 10 m | Zm | ゼタメートル
10 m | ym | ヨクトメートル | 10 m | Ym | ヨタメートル
実用されている単位を太字で示す

かつてはミクロン (micron) がマイクロメートル (micrometre) の代わりに使われることがあった。しかし、この単位は国際単位系(SI)でも日本の計量法でも現在は認められておらず、使用することはできない。

フェムトメートルには、フェルミまたはユカワの別名があった

長大な距離ではkmだけでなく、天文単位光年またはパーセクといった単位が用いられることが多い。kmを超える倍量単位は、実用上ほとんど使われない。またかつては1万倍を表す「ミリア」という接頭辞も存在したが、これもあまり用いられることなく、現在では廃止されている。

分量単位では、アトメートル (am) が現代物理学で解明されている最小スケールであり、それより小さいものではプランク長 (∼ 10 m) オーダーまで表すべき長さが現在のところほとんど存在しないため、理論上は考えられるもののほとんど使われない。

漢字表記

1925年ラジオ番組表。『朝日年鑑 大正14年 – 大正15年』より。メートルの当て字「米突」が見られる。

漢字では「米突」の字が宛てられており、ここから「米」一字だけでメートルの意味を表すようになった。日本では明治時代、中央気象台(現:気象庁)が「米」をとする以下のような倍量・分量単位の漢字を作り、1891年(明治24年)から各気象台で気象観測の月報などに使用して、一般にも広まった。一部は中国でも取り入れられている。

2010Happy Mail