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モノレールとは?

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世界最古の電動懸垂式モノレールであるヴッパータール空中鉄道

モノレール(: monorail)とは、1本の軌条により進路を誘導されて走る軌道系交通機関。語源は「一つのもの」を意味する接頭語「モノ」と軌道を意味する「レール」。ただし厳密には「1本のレール(走路)」ではないものもまざっており、「一般の二条式鉄道とは異なるものの総称」として機能している。日本の営業路線については日本のモノレールを参照のこと。

目次

  • 1 概要
  • 2 二条式鉄道との比較
  • 3 歴史
  • 4 方式
    • 4.1 懸垂式
      • 4.1.1 ランゲン式
      • 4.1.2 上野式
      • 4.1.3 サフェージュ式
      • 4.1.4 Iビーム式
        • 4.1.4.1 スカイレール
    • 4.2 跨座式
      • 4.2.1 アルヴェーグ式
      • 4.2.2 東芝式
      • 4.2.3 日本跨座式
      • 4.2.4 ロッキード式
      • 4.2.5 逆T字方式
    • 4.3 案内軌条式鉄道
    • 4.4 産業用モノレール
    • 4.5 簡易型モノレール
    • 4.6 古典的な方式
      • 4.6.1 パーマー式
      • 4.6.2 ユーイング式
      • 4.6.3 リロイ・ストーン式
      • 4.6.4 ラルマンジャ式
      • 4.6.5 マイグス式
      • 4.6.6 ラルティーグ式
      • 4.6.7 ボイントン式
      • 4.6.8 ジャイロスコープ式
      • 4.6.9 ラウル式
      • 4.6.10 スカイウェイ
      • 4.6.11 ロープモノレール
  • 5 年表
  • 6 世界のモノレール
    • 6.1 世界記録
  • 7 参考文献・出典
    • 7.1 参考文献
    • 7.2 出典
  • 8 関連項目

概要

二条の鉄製レールを持つ「鉄道」が最初に商用化されたのは1825年だった。それとほぼ同時期の1824年に、最初のモノレールであるパーマー式モノレールが登場している。

二条式鉄道が一般化する中で「モノレール」は、軌道系交通機関の多大な予算と労力を必要とする用地買収、線路の設置、および保守点検の簡素化をメリットとして軌道系交通機関の発展の中で生き延びてきた。21世紀初頭では、モノレールは、毎時9,000 - 28,000人程度の輸送力を持つ、新交通システムミニ地下鉄と同レベルの中量輸送システムとして位置付けられ、都市での営業路線コース構築の柔軟性や低騒音という側面からも注目されている。他の軌道系交通機関とはさまざまな利害得失があることから、主流とはなっていないものの継続的に新規路線が建設されている。

二条式鉄道との比較

モノレールと一般の二条式鉄道との利害得失は以下のとおり。

モノレールの長所
  • 高架化が容易であり、占有する敷地面積が狭い。この点は、市街地が形成された後に軌道系交通機関を作るときに、大きなメリットとなる。
  • 高架化する際の構造物の規模が小さくなり、建設費が安く済む。
  • ゴムタイヤを使用するものについては、鉄道の二条式レールを使うものと比べ、騒音公害が少なく、急勾配にも支障がない。走行輪は幅の狭いダブルタイヤを使用するため、鉄道より曲線半径の小さい曲線でも走行が可能である。
  • サフェージュ式は雨や雪に強い、ラックレールを採用した産業用モノレールは45度(1000パーミル)程度まで登れるなど勾配に強い、簡易型は極めて敷設費用が安いなど、形式によっては突出した長所を持つものがあり、要求と合致した場合は実に適切な選択肢となる。
モノレールの短所
  • 走行路が軌道桁の1本であるため、走行装置である台車は走行車輪の他に案内車輪や安定車輪を必要とし、1つの台車にゴムタイヤを10個程度を装備して車両の機構がやや複雑となり、車両の価格も高価となる。
  • 鉄道の二条式レールを使うものに比べて高速性能が劣り、ゴムタイヤを使用する場合は転がり抵抗が鉄車輪よりも大きく、そのため動力費が嵩む。
  • ゴムタイヤを使用する場合は、鉄車輪式よりも単位走行距離毎の磨耗が早いので交換間隔が短く、交換費用がかかり、稼働率が下がり、維持費を押し上げる一因となる。
  • ゴムタイヤを使用する場合は、鉄道の鋼車輪より負担荷重が小さく、車両の収容力は普通鉄道より小さい。
  • 跨座式モノレールでは踏切を作ることができない。高架化する場合は欠点にならないが、初期の地表近くに設けられる跨座式モノレールには重大な欠点となった。
  • 高架路線の場合、車輌故障などが起きた際に、乗客を避難させるのがむずかしい。避難路を設けることもできるが、その場合、構造物の規模が大きくなってしまう。
  • 分岐器は重い軌道桁を移動させる方式であり、規模が大きく構造が複雑で転換に若干の時間を要するため、分岐が開発されずに終焉した方式もあることから、モノレール・ソサエティは反論のページを設けている。分岐器への列車の冒進は大事故となり、その後の復旧も容易ではない。
  • 多数の方法が乱立しており、相互に互換性がない。多少の改造で車輌の譲渡が可能な場合が多い二条式鉄道とは異なり、設備類の流動性がほとんどない。

歴史

#年表」も参照
パーマー式モノレールの模式図。

モノレールが開発されたのは19世紀初頭である。たとえばヘンリー・ロビンソン・パーマー (Henry Robinson Palmer) が1821年イギリス特許を取得しており、このあたりがごく初期のものであると考えられている。このモノレールは、高い位置に一本のレールを通し、そこに両フランジ式の車輪をひっかけ、左右に荷台を振り分けてやじろべえのようにバランスを取るというものだった。

パーマー式は、荷物の量によって左右のバランスが変わるという欠点があった。その問題を解決するためにさまざまな模索が行われた。

一方で、「レールの真下に車体を持ってくることによって、左右バランスの影響を少なくする」というスタイルが考案された。初期のものである程度知られている実例は1887年アメリカ合衆国ニュージャージー州に作られた「南セントポール高速高架鉄道(ユーノス電気鉄道)」や、1901年に開通したヴッパータール空中鉄道に採用されたランゲン式モノレールなどである。これらはレールの真下に車体を配置することで、左右のバランスという問題を回避した。この「レールの真下に車体を配置する」という方法は懸垂式モノレールの定石となった。

もう一方で「振れ止めとして下方に別のレールを設け、1点支持から3点支持にする」方式が考案された。初期のものに、1876年にアメリカ合衆国フィラデルフィアで開催された「アメリカ合衆国建国百年博覧会」で発表されたリロイ・ストーン式モノレールや、1882年に開発されたラルティーグ式モノレールがある。3点支持化によって左右のバランスは厳密さを要求せず、車体を上方に伸ばすことができるようになった。このレールにまたがり3点で車体を支持するという様式は、マイグス式モノレール逆T字方式モノレールを除く跨座式モノレールの基本形となった。

他に、一本のレールをガイドウェイとして使う方式のものもあり、それらも「モノレール」と呼ばれている。ユーイング式モノレールラルマンジャ式モノレールである。前者についてはその後類例が出ていないが、後者はゴムタイヤ式トラムのTVRと似ているということもできる。

他に、レールは2本以上あるが一般の二条式鉄道とは明らかに異なることから、漫然とモノレールに分類されているものも数多くあり、古典的な方式の節に記す。

モノレールの基本的なコンセプトは、20世紀初頭におおむね出尽くしている。20世紀中盤になってからはアルヴェーグ式スカイウェイ上野式などを契機としてゴムタイヤが導入されたことが一番大きな変化であると言える。その後は規格の統一化や細かい改善が続けられたりしながら現在に至っている。なお、一世紀以上にわたって忘れられていたコンセプトを採用した「逆T字方式」を採用した新しいタイプの跨座式モノレールが20世紀末以降に登場している。

方式

方式として、懸垂式 (Suspended System) と跨座式 (Straddle-beam System) の、大きく二つに分類できる。ただし、過去に懸垂式にも跨座式にも分類できないものも存在した。今後も、たとえばレールから横に車輌を突き出して支持する方法(カンチレバー式・片持ち式)など、この分類では区分できないものが登場してくる可能性はある。電車線で使用される電力は、設置される電車線のスペースや輸送力の関係から直流の1500Vが標準となっている。

懸垂式

懸垂式モノレール3種の模式図。左から「ランゲン式」「サフェージュ式」「Iビーム式」。

懸垂式(けんすいしき)とは、車輌を吊るように上にレールがある(レールに車輌がぶら下がっている)形態のモノレールである。歴史的に跨座式より古く、商業的に成功したのも懸垂式の方が先である。

懸垂式は、車輪と軌道が車体の上にあるため、車体も屋根上を支点に振り子のように揺れるため、横風に対して左右の揺れが大きくなるが、車両の重心が軌条面からかなり下に位置しており、最も安定した方式である。そのため、カーブでは遠心力による重心の移動にあわせて自動的に車体が傾く自然振り子式となり、速度制限が厳しくないという利点もある。積雪にも強い。

日本国内に現存する懸垂式モノレールは、東京都交通局日本車輌製造による上野式(上野動物園)・三菱重工業フランスから導入したサフェージュ式(湘南モノレール千葉都市モノレール)・神戸製鋼所と三菱重工業によるスカイレール、の3方式がある。

ランゲン式

試運転中の1900年に描かれたヴッパータール空中鉄道の雑誌挿絵
詳細は「ヴッパータール空中鉄道」を参照

ランゲン式モノレールは、民間のドイツ人技師カール・オイゲン・ランゲン (Carl Eugen Langen) が開発した。彼は、1880年代から、懸垂式モノレールシステムについての研究開発を行っていた。1885年に、アルベール・シャルリエ (Albert Charlier) が同様の発想による「空中自転車」を開発したため、ランゲンは念のためにこの方式についてのパテントを取得した。

1898年に、ヴッパータールでの建設計画が着工に移され、ヴッパータール空中鉄道1901年に開通している。その後100年以上にわたってこの路線は実用的交通手段として運行され続けており、そのためランゲン式は世界で最初に成功したモノレールシステムとされる。

ランゲン式では、レール・車輪ともに鉄製である。車輪は両側にフランジを持つもので、間のみぞにレールがはまりこむことにより、支持・案内が行われる。

車輪は2輪のボギー台車に取り付けられており、片側から下ろしたアームによって車体は懸荷される。レールも、車体を支えるアームとは逆側から、片持ちで支持されている。従って、走行システムは左右非対称である。走行装置・車体は、カーブなどでは左右に15度の範囲で振り子状に揺れることができる。

上野式

上野式の上野懸垂線

太平洋戦争後の東京都内の交通渋滞を緩和するため路面電車路線バスに代わる近距離交通手段として、東京都交通局日本車輌と共同で独自に研究を開始し、上野動物園内に、園内輸送施設の東京都交通局上野懸垂線として設置された。1957年12月17日開業、以降幾度かの施設更新を経て、2018年現在も現役。

前記のランゲン式と類似した方式ではあるが、軌道がレールではなく軌道桁となっており、走行輪が鋼製の車輪からゴムタイヤ方式になっている。ランゲン式とは逆に、軌道桁の上部の窪みにゴムタイヤがはまりこんでいる。軌道桁の両側面を案内用タイヤが台車から挟んで車両を案内する。上野懸垂線はその設置目的から極めて短い営業区間のピストン輸送をしているため、線路に分岐機を持たず交換設備なども設置されていない。非対称型懸垂式モノレールへのゴムタイヤの導入は、前年にアメリカ合衆国ヒューストンに作られた「スカイウェイ」が先鞭を付けており、上野式が最初ではない。

上野式は結果として当初の目的である都電や路線バスの置き換えとはならなかったが、戦後東京の都市交通計画の一端を今に伝える貴重な産業遺産といえる。

サフェージュ式

SAFEGEによる実験車両
サフェージュ式の湘南モノレール
詳細は「SAFEGE」を参照

サフェージュ (SAFEGE) 式は、フランスのリュシアン・シャーデンソン (Lucien Chadenson) を中心とする設計チームが1957年に開発した方式である。サフェージュ式という名称は、この方式を開発するためフランス国内の25の企業が集まって結成された企業連合であるフランス語: Société Anonyme Française d'Étude de Gestion et d'Entreprises(「フランス経営経済研究株式会社」の意)の頭字語である。

軌道桁を下面中央部が開いた鋼板製の箱型とし、下面中央部から台車を介して車両を懸垂している。軌道桁の開口部両側に設けた対称形の走行桁を、車両側の台車に装備された走行輪のゴムタイヤ車輪で車両を支持・駆動し、軌道桁の内部両側面にH鋼による案内軌条を設置して、車両側の台車に装備されている案内車輪が両側で走行することで車両を案内する方式である。乗り心地を良くするため、走行路にエポキシ樹脂などの舗装を行う場合がある。軌道桁を支持する支柱はT型鋼製で、支柱間隔は30 - 40mとしている。この方法は走行装置や走行路が雨水・積雪にさらされることがないため、天候にかかわらず安定した運行が可能、メンテナンスが容易、走行系メカニズムが左右対称であることから逆方向へも走行可能で単線構成が可能、など大きなメリットがあった。

サフェージュ式は、1960年から7年にわたってオルレアン近郊に実験線を作りテストを行なった。この時期のものの動画は映画『華氏451』の冒頭部で見ることができる。日本ではサフェージュ式の技術導入に際し、三菱重工業が日本エアウェイ開発を設立し、東山公園モノレールで行われた実用試験を基に湘南モノレールが開通した。

サフェージュ式の派生形としていくつかのものが存在する。シーメンスが提案する運行管理システムなどを含めたSIPEMシステムは、ドイツで2か所、「Hバーン(H-Bahn: ドルトムント)」「スカイトレイン(Skytrain: デュッセルドルフ空港)」で実用化されている。アメリカ合衆国では、ダラスシアトルにサフェージュ式をベースに高速化を目指して鉄レール・鉄輪に変更した「エアロレール (Aerorail)」が、フロリダ州タンパで鉄レール・鉄輪と箱桁内にボギー台車と台車をつなぐ床板構造をおさめた「スカイトレイン」が、それぞれ提案されているが、現状では提案のみにとどまっている。

日本の懸垂式モノレールは運転台のある車両のみの編成で構成されていることが多い。ただし、サフェージュ式の湘南モノレールは、開業当初は中間車はなく2両編成だったものの、現在では懸垂式モノレールとしては日本で唯一、中間車が存在する。サフェージュ式の千葉都市モノレールは懸垂式モノレールとしては世界最長の営業距離で、ギネス世界記録に認定されている。

Iビーム式

Iビーム式は、I型断面を持つ軌道桁をレールとして使い下側のフランジに車輪を乗せて車体をぶら下げる方式で、車両の支持・案内はI型断面を持つ軌道桁と車輪で行う。小規模なものは吊り下げ式の荷物輸送用設備や遊戯施設などに多用されている。厳密には乗り物ではないが、プラレールにおけるモノレールシリーズもこの方式と言える。

実用的な乗り物としては、1964年から1965年にかけて開催されたニューヨーク万国博覧会の会場内輸送に使われたAMFタイプモノレールを挙げることができる。他に、タイタン社がリニアモーター駆動のシステムを提案しているが、こちらは実用化されていない。

次節で述べるスカイレールも車体の支持・案内方式はIビーム式である。

スカイレールは駆動方式などに類例を見ない特徴を持つ。

スカイレール
スカイレールみどり坂線

スカイレールは、神戸製鋼所三菱重工業が急傾斜地の頂上にある住宅街と谷側の鉄道駅を結ぶために開発した小規模交通システムで、概念としては懸垂式モノレールシステムに含まれる。

一見したところロープウェイに類似した乗り物だが、ロープではなく高架構造の軌道桁にゴンドラがぶら下がっている。そのためロープウェイと比べて風に強いが、支持体の鋼桁を設置する必要があるためロープウェイよりかなりコストが高くなる。車体の支持・案内方法はIビーム式を採用している。

駆動系に特徴があり、軌道桁に沿ってロープを通し、それが一定の速度で回っており、駅間では車輌はそのロープをつかんで駆動され、駅では、車輌はロープから離れて、地上一次式のリニア誘導モーターで駆動される。そのため、基本的に線路は「複線でループ構造」となる。最小回転半径は30m、最大勾配は270パーミル(27%)、最大距離は3.2km、想定輸送力は2,200人/時間。一般の軌道系交通機関とはかなり様相が異なる小規模短距離システムではあるが、概念としてはモノレールに含まれ、見方によっては懸垂式ケーブルカーとの解釈もできる個性的な運送機関である。

2014年現在、広島市のスカイレールみどり坂線が唯一の導入事例である。

跨座式

跨座式モノレールの模式図。左から「リロイ・ストーン式ラルティーグ式ロッキード式」「アルヴェーグ式」「逆T字方式」。

跨座式(こざしき)とは、車両の下にレールがありレールに車両が乗っている形態のモノレールである。

跨座式はその多くが、車両下部に案内輪・安定輪を装備した台車を取付けており、軌道桁の上にある走行路を走行輪が接して車両重量を支えて車両を走行させ、軌道桁の左右に接する案内輪と安定輪で車両を案内するという方法を取る。この方法では、車輌の床下と軌道桁上部の間に車輪があり、さらにその下に案内車輪が存在するため、車輌の高さが通常の鉄道車両よりはるかに大きくなるという欠点がある。他に、軌道桁の下部左右に車両重量を支える車輪を設け、上部を左右方向に抑えて案内をする、マイグス式や逆T字方式もある。この方式では、車輌の高さをおさえることができるが、一般化はしていない。 日本では、日立製作所によってドイツから導入された、コンクリート製の軌道上をゴムタイヤで走行する「アルヴェーグ式(アルウェーグ式)」あるいはこれを基に規格を統一した「日本跨座式」と呼ばれる方式が主流である。過去に川崎重工業が導入した、コンクリート軌道上に設置された鉄製レール上を鉄車輪で走行する「ロッキード式」や、東芝がアルウェーグ式を参考に独自に開発した「東芝式」もあった。

日本国内では東京モノレール大阪高速鉄道(大阪モノレール)などで採用されている。

アルヴェーグ式

詳細は「ALWEG」を参照

アルヴェーグ式は、1950年にジョン・A・ヘスティングが、ロサンゼルスに導入する予定の新しい交通機関の調査を始めたところから始まる。元々、線路にまたがる方式のモノレールの特許は、ドイツ人技術者レシャーが持っていたが、第二次世界大戦で消息不明になったため、アクセル・レンナルト・ヴェナー=グレン (Axel Lennart Wenner-Gren) が事業を始めた。そのため、頭文字を取ってALWEG(日本語表記では「アルヴェーグ」または「アルウェーグ」)」と呼ばれるようになった。事業体は1951年に交通機関研究所 (Verkehrsbahn-Studiengesellshaft) が設立、さらに1953年にアルヴェーグ開発 (Alweg-Forschung GmBH) に名前を変えた。

特徴は、空気タイヤをはめた車輪で走行することにある。そのため、車体の重量をゴムタイヤで支えねばならず、タイヤが大きくなり、車内にタイヤ部分の出っ張りの部分が出来てしまうという欠点がある。軌道桁の上辺の走行路は、エポキシ樹脂混合物を上塗りとしているものと鋼板床を敷いているものがある。軌道桁は、太い中空I字型のPSコンクリート製としているが、交差点などの長い径間を必要とする場所では鋼製桁としており、支持する支柱の支柱間隔は15 - 22mとしている。この方式は、名鉄犬山モノレール(1962年開業 - 2008年廃止)で採用されたのち、よみうりランド(1964年開業 - 1978年廃止)や、東京モノレール(1964年開業)で採用されている(未成線となった熱海モノレールでも採用する予定だった)。これら日本国内で用いられた方式は日立製作所が携わったことから「日立アルヴェーグ式(日立アルウェーグ式)」とも呼ばれる。

東芝式

アルヴェーグ式を参考にして東京芝浦電気(現:東芝)が開発。連接台車や自動ステアリングを採用したことが特徴。

本方式はかつて、松尾國三の肝いりで奈良ドリームランドモノレールとして採用後、横浜ドリームランドへのアクセスとしてドリーム交通モノレール大船線で採用された。後者は経路に急勾配が多く、連結器や台車などの駆動系部品を中心に設計変更が生じ、設計時は30トンの車両重量が完成時に46トンと大幅に重量が超過し、車両故障が頻発して橋脚のコンクリートは亀裂が生じ、陸運局からの運行休止勧告を受けて1967年9月に休止となった。1967年11月6日にドリーム交通と設計した東芝との間で訴訟となり、運行再開されないまま2003年に廃止されている。このことから奈良ドリームランドでは、車両更新の際は日本輸送機にて新車両が製作された。

日本跨座式

1967年度に運輸省が、交通渋滞が悪化した環境でより優れた輸送手段として、モノレールを対象とする「都市交通に適したモノレールの開発研究」を日本モノレール協会に委託した。研究結果として懸垂式と一緒にまとめられたものが、日本跨座式である。

日本跨座式はアルヴェーグ式をベースに、軌道桁を太くし、台車を東京モノレール500形電車で採用された2軸ボギーの空気バネ台車とし、ゴムタイヤを使用する。アルヴェーグ式よりも床面高さを高くすることで、室内の床を平面にした。しかし、「重心が高くなるために曲線の通過速度が遅くなる」「プラットホームと線路床面の落差が2メートル以上となり、転落の際の安全性に問題があり、ホームに転落防止柵設置が必須となる」「車輌断面が大きくなるためトンネルを設けるコストが大きくなる」などの欠点が生じた。

この方式は、日本万国博覧会(大阪万博)で会場内の交通機関として採用された。以後に跨座式を採用して開業した路線はすべてこの方式である。

日本国外にも輸出されており、中華人民共和国重慶軌道交通2号線、3号線、大韓民国大邱都市鉄道公社3号線は日本跨座式が採用されている。

  • 日本跨座式の多摩モノレール

  • 多摩都市モノレール1000系電車の日本跨座式の動力台車。A空油変換器(ブレーキ用)・Bライニング制輪子・C駆動装置・Dブレーキディスク・E走行輪・F空気バネ・Gモーター・H安定輪に伸びる台車枠のアーム(下に安定輪がある)・I案内輪。

ロッキード式

ロッキード式を採用した小田急向ヶ丘遊園モノレール線。軌道上に鉄のレールが見える

ロッキード式は、アメリカ合衆国の航空機メーカーであるロッキード社が開発した方式である。コンクリート製の軌道の上に鉄のレールを敷き、その上を鉄の車輪を使って走行する。鉄製の車輪のため、小径の車輪でも車輌の重量を負担することができ、室内の床は平面ですむ。コンクリート桁の左右下部にも鉄レールが設けられており、そのレールを左右からおさえて車体を安定させる。

日本では、ロッキード社から技術を導入するため、川崎航空機工業、川崎車両、日本電気、西松建設などが出資した日本ロッキード・モノレールが設立された。当初は時速160km/hでの高速営業運転が可能である、乗り心地が良い、といった点をアピールポイントとしていた。姫路〜鳥取間を高速ロッキード式モノレールで繋ぐという計画もあった。しかし、鉄路であるため騒音が激しく、メンテナンス自体も鉄道並みに煩雑で、経年変化により揺れも激しくなるなど、デメリットが目立ち(当時の記録映像でも車内で揺れが激しいことが見て取れる)、日本以外での導入事例はなく、ロッキード社自体もこのモノレール事業からは早々に撤退した。

この方式は、姫路市交通局(当時、のち姫路市企業局交通事業部を経て廃止)の姫路市営モノレール(1966年開業 - 1974年休止・1979年廃止)と、小田急電鉄向ヶ丘遊園モノレール線(1966年開業 - 2000年休止・2001年廃止)の2路線で採用された。いずれもすでに廃止されており、現存路線は存在しない。

逆T字方式

逆T字方式は、中央案内軌条式の新交通システムと類似した構造を持つ。実用的な交通システムとしては、スペインで開発されたユーロトレン (Eurotren) とアメリカ合衆国で開発されたアーバノート (Urbanaut) がある。逆T字方式は、アルヴェーグ式と異なり、レール上面にタイヤが乗らないために、高さを抑えることができるというメリットがある。

ユーロトレン
ユーロトレンは1980年から開発がはじめられた。2.4kmの試験線が作られ、1989年で開発が一段落したとされる。この方式は21世紀初頭現在実用化されていないが、断念されたわけではないらしい。
アーバノート
詳細は「アーバノート」を参照
アーバノートは、アルヴェーグ式の開発にも携わった技術者のエイナー・スヴェンソンがより進んだ跨座式モノレールとして開発した方式である。「タイヤハウスが室内に突出している」「車高が非常に大きい」「分岐器が大規模なものとならざるを得ない」などの、アルヴェーグ式の重大な欠点を解消することを目的としてデザインされた。大韓民国で初めてのモノレール「月尾銀河レール」路線が、2009年に仁川月尾島で開通予定だったが、手抜き工事や試運転中の事故多発により安全が保証できずに計画が全面白紙化され、2015年現在は小型の観光用モノレールへの転用が検討されている。

案内軌条式鉄道

日本の法律上はモノレールに分類されないが、案内軌条式鉄道の一部に、一本の案内用軌条を中央に有し重量は別に設けられた走路が負担する逆T字方式モノレールに近い形態の、VONA方式を採用した桃花台新交通桃花台線山万ユーカリが丘線がある。札幌市営地下鉄も類似する札幌方式が用いられている。

産業用モノレール

  • みかん運搬用モノレール
  • 車両

  • 軌条


人が乗った、タケノコ搬出用モノレール

産業用の簡易輸送施設としてモノレールを使うという発想は古くからあり、起源は不明である。モノレールの嚆矢とされるPalmer式モノレールも産業用モノレールとして始まっており、その後も多くの同様の趣旨で作られた路線があった。ここでは、もっぱら産業用として限定的に開発されたモノレールの系譜についてまとめる。

遅くとも1949年に、交通機関としてではなく不整地での工事用・工場内での物資輸送などを主な目的とする産業用モノレールが開発され商品として販売された。同年に、イギリスのレール・マシンズ・リミテッド (Rail Machines Ltd.) から発売されていたという記録がある。この産業用モノレールは、特許取得の記録が残されており、それなりに商業的にも成功をおさめたようである。

日本では、1966年に、当初は主にみかんを初めとする果樹栽培の、急傾斜地での労働軽減を目的とした農業用モノレールがニッカリと米山工業株式会社によって開発・販売された。これらは摩擦ではなくラック・アンド・ピニオンで車輌を駆動するようになっている。速度が遅いという欠点はあったものの、勾配に強く、最大45度まで許容できた。

この農業用モノレールは、基本的に物資輸送用であり人間が乗ることは想定されていなかった。しかし、その物資輸送用モノレールに無理やり乗車する者が後を絶たず、しばしば死傷事故を引き起こした。そのため、「乗車することを止められないのならば、安全に乗車できるシステムを」という方向で、農林水産省・厚生労働省・経済産業省なども参加して安全基準などを定める方向に至った。

その後、人員輸送用にも使えるものや、急傾斜地の工事現場で作業用道路が不要となることが注目されてコンクリートなどの資材や小型重機などの運搬ができるものなど、高性能で安全なものが開発されるようになり、多くの会社で製品化されている。

物資運搬用以外にも、長崎市斜面移送システムのような自動車道路の建設が困難な地域での生活の足や、老齢者の福祉介護用、山岳地帯の送電塔などの保守用、急傾斜を登らなければならない展望観光地の観客輸送・バリアフリー施設用などにも用途が広がっている。日本国外でも農業用、パイプラインの敷設など産業用モノレールとして使用実績もある。

これらの中には、重量物輸送用の高性能タイプなど主軌条のほかにバランスを取るための副軌条を持つシステムもあり、厳密には「モノレール」とは呼べないものも含まれている。しかし副軌条を持つものを含めて、おおむね「産業用モノレール」としてまとめられている。

産業用モノレールの主な銘柄としては、以下のものがある。

簡易型モノレール

遊園地のアトラクションや博覧会場内の移動用としての簡易なモノレールもさまざまな会社で製造されている。

つくばで行われた国際科学技術博覧会の会場内交通機関として使われた「ビスタライナー」を製造した泉陽興業は、同システムを発展させた「ニュービスタライナー」をローコストで軽量級の交通機関として提案している。同様に、スイスを拠点とする遊戯施設メーカー・インタミンも実用モノレールをラインナップしており、モスクワや中国深圳での採用実績がある。イギリスに本拠を置く遊戯施設メーカー・セヴァーン・ラムもSLシリーズという実用モノレールを製造しており、アミューズメントパークの交通機関だが、イタリアのサヴォイで採用実績がある。

古典的な方式

モノレールあるいはモノレールに類似した交通システムには、考案されたが実現しなかったもの、ごくわずかな実例しか存在しなかったもの、一時期はある程度普及したがその後廃れたもの、などがたくさん存在する。一部を歴史順に記す。

パーマー式

高い位置にレールを通し、そこから車輌をぶら下げる懸垂式モノレール。荷台・客室は左右に振り分けられ、バランスを取っていた。ヘンリー・ロビンソン・パーマー (Henry Robinson Palmer) が開発したもので、1821年11月22日にイギリスで特許が登録されている。1824年にロンドンのデプトフォード造船所に荷物輸送用のものが作られ、翌1925年ハートフォードシャーに旅客輸送用モノレールが開設された。のちにランゲン式を採用したヴッパータール空中鉄道を建設することになるヴッパータールでもパーマー式モノレールの導入が検討されたが、実現はしなかった。当初の動力は馬・人・ラクダ(北アフリカ)などだったが、詳細不明ながら遅くとも1878年頃までに蒸気動力が導入されていたことがわかっている。

本方式が一般的に「世界最初のモノレール」とされている。

ユーイング式

ユーイング式

1本のレールに車体が乗り、車体の片側に取り付けられた幅広の車輪で支持して転倒しないようにして走行する方式。19世紀後半(1868年頃?)にイギリス人発明家のチャールズ・ユーイング (Charles Ewing) により考案されたものと考えられている。ユーイング式は、線路に全重量の95%程度がかかるように設計されており、走行抵抗は通常の鉄道と大差ない程度におさえられている。レールを1本しか必要としないため敷設コストが節約できるほか、線路が占有する幅員が狭いために道路と同居しやすいという利点があった。案内は一本の

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出典:wikipedia
2018/05/16 02:35

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