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レーザーディスクとは?

【メディアの種類】
光ディスク
【記録容量】

【フォーマット】
アナログ(映像・音声)
デジタル(音声)
【回転速度】
CAV:1800rpm
CLV:1800 - 600rpm
【読み取り方法】
632.8nm赤色He-Neレーザー(初期)
780nm赤外線半導体レーザー
【回転制御方式】
CAV、CLV
【策定】
フィリップスMCA
【主な用途】
映像、音楽、ゲーム等
【ディスクの直径】
30cm、20cm
【大きさ】
300×300×2.5mm
200×200×2.5mm
200×200×1.2mm(LDシングル)
【上位規格】
Hi-Vision LD
DVD
【下位規格】
VHS
ベータマックス
【関連規格】
VHD(競合規格)

レーザーディスク(LaserDisc, LD)は、直径30cmディスクに両面で最大2時間映像を記録できる光ディスク規格である。

目次

  • 1 歴史
    • 1.1 誕生
    • 1.2 普及
    • 1.3 衰退
    • 1.4 終焉
  • 2 規格
    • 2.1 映像
    • 2.2 音声
  • 3 注意点
    • 3.1 ディスクの劣化
    • 3.2 S端子による映像出力
  • 4 ゲームへの利用
  • 5 Hi-Vision LD
    • 5.1 規格
  • 6 年表
  • 7 エピソード
  • 8 備考
  • 9 参考資料
  • 10 脚注
  • 11 関連項目
  • 12 外部リンク

歴史

誕生

1972年(昭和47年)9月にオランダフィリップスが光学式ビデオディスク規格としてVLP(Video Long Play)方式、同年12月にアメリカ合衆国MCAがディスコビジョン(Disco Vision)方式を発表。1974年(昭和49年)9月に両社の規格が統一され「フィリップス/MCA方式」として発表された。1978年(昭和53年)12月にアメリカで製品化され、フィリップスの子会社マグナボックスが世界初となる家庭用LDプレーヤー「マグナビジョン」VH-8000を発売。パイオニアとMCAの合弁会社ユニバーサルパイオニア(UPC)が、アメリカ市場で1979年(昭和54年)2月に業務用LVプレーヤーPR-78201980年(昭和55年)6月に家庭用LDプレーヤーVP-1000を発売した。日本ではパイオニアが製品化し、1981年(昭和56年)10月に第1号機LD-1000の発売によって市販化された。

「レーザーディスク」は日本国内ではパイオニア(現・オンキヨー&パイオニア)の登録商標であり、同社以外のメーカーでは規格名であるレーザービジョン(LaserVision, LV)が用いられていた。1989年(平成元年)にパイオニアが「レーザーディスク」の商標を無償開放したことで他メーカーも使用できるようになったが、使用有無は各メーカーに委ねられた。

日本市場では当初はパイオニアのみがLV(LD)のプレイヤーを製造発売し、「絵の出るレコード」というキャッチコピーが使われていた。パナソニックをはじめ多くの電機メーカーはビデオデッキ市場でVHS方式を広めた実績がある日本ビクター(後のJVCケンウッド)が開発したVHD陣営に属していたため、規格争いを繰り広げることになる。しかしVHDの市販化が遅れたこと、水平解像度が240本程度だったVHDに対し、レーザーディスクは400本以上あること、ピックアップレーザーによる非接触式で再生によるディスクの摩耗が無いなどのアドバンテージに加え、ソニー日立製作所日本コロムビアティアック日本マランツ、VHD陣営から鞍替えしたパナソニック、三洋電機、ヤマハ、東芝三菱電機日本電気ホームエレクトロニクスなどがLDプレイヤーの市販に参入したことによって、1985年以降光ディスクのシェアの過半数をLVが獲得し、VHDとの規格争いに勝利した。

VHD陣営のメーカーも参加して開発した音楽CDの量産技術が、同じ光ディスク方式であるLDの技術とコストの問題を解決させ、LDを勝利に導いたと言われる。

普及

初期のLVはメインとなった映画ソフトが7,000円 - 1万円前後の価格設定で発売されていたが、1980年代終盤からパイオニアLDC(後のNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)が中心となって「エバーグリーンシリーズ」「ブロックバスター」等と称して5,000円を切る価格帯で次々と人気ソフトを発売。やがて他社もこれに追随する価格帯の製品を増やした。レーザービジョンプレイヤーについても1985年に10万円を切る価格で発売されたYAMAHAのLV-X1を皮切りに、パイオニア、ソニー松下電器産業ケンウッドといった各社から「ロッキュッパモデル」と言われた69,000円台の普及価格帯のプレーヤーやCD/LDコンパチプルプレーヤーが次々と登場し、LDは1990年代前半を最盛期としてユーザーを拡大、多くの映画、音楽ドキュメンタリーアニメスポーツ、その他各種のコンテンツがLDで発売された。

マイクミキサーを搭載した「レーザーディスクカラオケプレーヤー」や、LDプレイヤー一体型ミニコンポ「プライベート」も登場した。

1992年(平成4年)頃からは、それまでの映画ソフトで主流だった画面のトリミングをやめ、できるだけ劇場公開時の画面サイズに忠実なワイドスクリーンサイズの画面で映画ソフトを次々に発売して映画マニアを中心にユーザー層を厚くしていった。

映画LDの中には、1本の映画をワイドスクリーンとテレビサイズの2パターンの商品で発売するなどマニアックなラインナップがなされたものも多い。これらの中にはDVD-Videoで発売されているソフトでは見ることができない画面サイズのものもあった。一方で、同じ映画のソフトが何種類も発売されていることから当時の一般的ユーザーを混乱させる副作用も生じた。

またテレビドラマアニメーションなどのシリーズ作品を複数枚のLDに全話収録して一括販売する「LD-BOX」というボックス・セット形態の商品も数多く発売され、コアなファンやマニアを取り込んでユーザー層を拡大させていった。

一方、LDのデジタル音声領域にCD-ROMと同様のデジタルデータを記録した「LD-ROM」が登場し、家庭用としてレーザーアクティブとして投入。業務用としてはレーザーバーコードシステムと連携したLD-V540等が投入され産業用・教育用等で利用されていた。1980年代にパイオニアが自社パソコンとして発売していたMSX機器palcom(PX-7)等との連携でLDゲームをプレイする事が出来たが、これはLDのデジタル音声規格が策定される以前から存在していたものでLD-ROM規格とは異なる。後にパイオニアはMacintosh互換機MPCシリーズを販売し対応したLDプレイヤーCLD-PC10を発表したが、LD-ROMとの連携は殆ど重視されなかった。

1982年(昭和57年)に発売された業務用カラオケは大ヒットとなり、レーザーディスクに関するビジネスの中心となった。人気曲が繰り返し再生されるカラオケは、ランダムアクセスが可能で再生によってディスクの摩耗が発生しない非接触式ピックアップの特徴が特に生きる分野だった。既にVTRカラオケのソフトを発売していた東映芸能ビデオが既存コンテンツをLD化したのをはじめ、テープカラオケの販売大手だった第一興商やJHC(1996年(平成8年)倒産)がソフトの供給を開始し、他社も参入した。また、オートチェンジャーを使ったシステムや、複数台のオートチェンジャーを使って複数の個室に映像を配信するシステムも開発された。カラオケLDソフトの出荷金額がピークになったのは1990年(平成2年)の982億円(この年のLDソフト全体の出荷金額は1,357億円、カラオケで全体の72%を占めた)、LDソフト全体の出荷金額のピークは1991年(平成3年)の1,361億円だった。。

衰退

家庭用LDソフトは販売専用という戦略をとり、末期の一時期を除いてレンタルは全面禁止のため、視聴にはソフトの購入が必然であった。ソフトの発売種と量が増える一方で、生産ラインの少なさが次第に影響し始めた。1994年 - 1995年頃には、一部の人気商品を除いてほとんどの商品が初回ラインのみの生産で終了するようになり、発売と同時に販売元品切れとなるソフトが続出。新譜として発売された月に廃盤で入荷不可という奇妙な商品も相次いで出現した。需要に供給が全く追いつかない状態となる一方で、それまでは高額だったビデオテープソフトの低価格化と安定供給が進み、ユーザーのLD離れが始まった。なお、アニメLDソフトでは1980年代後半の時点でここで述べられたような供給体制の不備が一部のビデオ雑誌で指摘されていた。Laserカラオケと一緒に粗製乱造され、画質マニアのLD離れも衰退の要因となった。

やがて1996年(平成8年)にCDと同じ12cmサイズのDVD-Video規格(DVDビデオ)が登場。最初期のソフトラインナップはLDと同じく、ディスクメディアのポテンシャルを引き出すための高品質なオーケストラコンサートやBGV、代表的なブロックバスター作品というバリエーションであり、出足が鈍かった。しかし1997年にはパイオニアLDCやバンダイビジュアルなどがOVAのDVDをLDと併せて発売するようになり、1998年より洋画作品をLDで数多く発売していたパイオニアLDC(2000年頃までタッチストーン・ピクチャーズ系中心)やソニーピクチャーズ(当初よりコロムビア映画の他、ビデオソフトでCIC・ビクター ビデオが販売元だったユニバーサル映画作品のDVDソフト販売元にもなっている)、ワーナー・ホーム・ビデオといった洋画メジャー系のコンテンツを中心に、比較的廉価な価格帯で充実したソフトを発売するようになった。例えばブロックバスター作品の場合、LDソフトでは一作品5,000円 - 8,000円程度の価格帯が主流だったのに対し、DVDソフトは当初でも3,900円 - 6,000円程度だった。こうして、DVDと比べると大型で耐久性も劣るLDはその地位を急速に奪われていく。

1999年(平成11年)頃からはVAIOiMacなどでDVD-ROMドライブが搭載される家庭用パソコンが、2000年(平成12年)3月には当時のDVDプレーヤーよりも安価でDVD-Videoが視聴できる家庭用ゲーム機PlayStation 2」が発売され、DVD-Videoの再生環境は爆発的な普及を遂げることになる。DVD-Videoはレンタルビデオが容認されていたこと(これはコピーガードを標準規格として採用できた事が大きい)が追い風となり、ソフト市場やレンタルビデオ店も加速度的に膨張した。これによって大部分の映像ソフト・レコード会社がLDの制作・発売を終了し、LDは最後まで映像メディアの主役となることはなかった。

LDからDVDへの過渡期である1996年から2000年(平成12年)にかけて、同一タイトルをLDとDVDで併売するスタイルがパイオニアLDCやバンダイビジュアルが発売元の洋画(ブロックバスター作品)とOVAを中心に見られた。

過去に発売されたLDソフトの映像を視聴するだけの機器になりつつあった2002年(平成14年)、パイオニアがLDプレーヤー事業から撤退する報道があったものの、消費者からの要望があったために細々と生産・販売を継続する方針を取った。

LDカラオケは、まず1991年(平成3年)のバブル崩壊に伴う景気悪化により酒場での需要が減った。また、カラオケボックスやカラオケルームの登場で客層の若年化が進むにつれ、新曲配信のスピードが重要視されるようになった。さらに1992年(平成4年)に始まった通信カラオケは新曲配信のスピードに勝り、新曲リリースからLD化までに1 - 2ヶ月かかるLDカラオケは苦戦を強いられるようになっていった。DVDが発売された時点で、カラオケボックスではすでに通信カラオケが台頭していたものの、当時は技術仕様の問題から音質が貧弱だった。その一方で、LDカラオケはスタジオ収録や楽曲のオリジナル音源とプロモーションビデオなどのアーティスト本人出演映像を収録できる点から、演歌歌謡曲をはじめとする「定番曲」を繰り返し再生する用途では一定の評価を得られており、ランニングコストから通信カラオケ機器導入に消極的な一部のパブ居酒屋・カラオケスナックといった飲食店や、壮年者を中心としたカラオケファン(歌謡曲愛好家)が自宅で楽しむなど根強い需要が2000年代に入っても残っていた。しかし新曲対応の鈍さが最大の弱点であることは変わらず、2004年(平成16年)に登場したBBサイバーダムが過去に自社(第一興商)や当時のコロムビアミュージックエンタテインメント(後の日本コロムビア)などが制作したLDカラオケの映像や音源をストリーミング配信する機能を盛り込み、クオリティ面での不利が払拭されたため、この領域の衰退に拍車をかけた。それでも2007年(平成19年)3月までは、個人向けに20cmのカラオケソフトが細々と発売され続けた。

終焉

2007年(平成19年)3月、市場衰退により世界唯一のディスクプレスメーカーとなったメモリーテックが製造ラインを廃止。これによりレーザーディスクの歴史は幕を下ろした。最後まで制作を続けたのはテイチクの家庭向け市販カラオケソフト(20cm LDシングル)「音多ステーション」シリーズであり、2007年(平成19年)3月発売の三門忠司の楽曲が収録された規格番号「22DK-1018」まで、毎月4タイトル以上の新譜ソフトの発売を続けた。

2006年(平成18年)12月に発売した演歌歌手川中美幸の『金沢の雨』などが収録された規格番号「22DK-995」がラストプレスとなり、製造ライン終了に伴う式典を行った。

ソニー・松下電器産業などはLDプレーヤーを1999年度(平成11年度)までに販売終了・撤退し、DVDへ軸足を完全に移した。それ以後、パイオニアだけが以下の機種をLDプレーヤー最終機種として発売していた。

これらは発売後モデルチェンジをすることなく、10年以上にわたり細々と生産・販売を続けていた。しかし2009年(平成21年)1月14日、上記4機種について合計約3000台をもって生産を終了すると発表を行い、2009年度(平成21年度)限りでの販売終了が決定された。 その後、DVL-919の注文が生産予定台数に達したものの、一部の消費者の注文が複数の販売店に重複したことによる若干数のキャンセルが発生した。 このキャンセル分を、2009年(平成21年)9月25日までの間、パイオニアインターネット直販サイト「パイオニアオンラインショップ」にて販売され完売した。これらの機種は2009年(平成21年)の生産終了後、最低8年間は修理に必要な補修部品を保有するほか、過去の機種でも補修部品に在庫があれば修理に応じる体制を併せて発表している。

なお、LDプレーヤーの最終機種としては、DVL-919よりも後の1998年(平成10年)12月に発売されたDVDコンパチブルのプレステージモデル「DVL-H9」が存在する。発売当時のLDプレーヤー・DVDプレーヤーのリファレンス(プレステージ)モデルに搭載された映像回路を両方搭載の上、最新機能も盛り込ませた贅を尽くした高価格機種であり、2002年(平成14年)6月に生産終了、2003年(平成15年)頃にカタログ掲載から消えている。

規格

ダイレクトFM変調による記録方式

日本電子機械工業会により、EIAJ CP-3302(光学反射式再生専用ビデオディスクシステム(レーザービジョン 60Hz/525ラインM/NTSC))として規格が定められていたが、1999年1月以降は国際電気標準会議によって国際規格に定められた、IEC 60857 Ed.1.0 Pre-recorded optical reflective video disk system ‘Laser Vision’ 60Hz/525 lines-M/NTSC(録画済み光反射ビデオディスク装置 'レーザビジョン’ 60Hz/525ライン-M/NTSC)が使用されている。

LDフォーマットのディスクはポリメチルメタクリレート(アクリル樹脂)の記録面にアルミ蒸着を施したもので、アクリル樹脂は吸湿により反りが発生するため、片面記録であっても両面張り合わせディスクが基本である。直径30cmと20cmのものがあるが、20cmディスクにはCDと同じポリカーボネートを使用した張り合わせ無しの薄型も存在する。これは「LDシングル」と呼ばれ、非対応のプレーヤーでは厚さを調整するスペーサ(LDシングルアダプター)を重ねて使用する必要がある。なお通常のディスクは盤面が銀色で、末期に登場したレンタル専用商品は金色にして区別している。

CDと同様、信号の記録は非常に細かい楕円形のくぼみ(ピット)で行われている。ピット幅は0.4µm、深さは0.1µm。ピットの列をトラックと呼び、トラックピッチは1.67µmである。このピットがディスク表面に内側から外側に向かって螺旋状に並び、ダイレクトFM変調したNTSC信号をスライスした矩形波に従って記録されている。このピット数はCLV片面ディスクで300億個に達する。

両面記録ディスクではA面/B面と呼ぶ。レコードと違ってピックアップはディスクの下にあるため、実際に再生されるのは裏面の記録内容で、レーベルに記載されている面と実際に信号が記録されている面は逆である。なお反対側の面を再生するにはレコードのようにプレーヤーから取り出してひっくり返す必要があるが、後にディスクを取り出さずに連続再生できる、ピックアップがU字形に移動する両面再生プレーヤーも発売された。初搭載したのは海外市場でCED及びTED、日本国内ではVHD陣営に属しビデオディスクに於いては多くのノウハウを持つ三洋電機1987年にレーザーディスク陣営参入第一弾として、満を持して発表したSLV-J1(AV対応モデル)とSLV-J2(カラオケ対応モデル)だった。

映像

映像はアナログ(ダイレクトFM)方式を採用し、記録はレーザー光を使って読み出す。当初はピックアップに波長632.8nmの赤色ガスレーザー(ヘリウムネオンレーザー)を採用しており、LD-7000から波長780nmの赤外線半導体レーザーを採用した。映像はNTSCのビデオ帯域が4.2MHzのため、1MHzあたり80本の計算で水平解像度336本となる。CAV方式では内周部336本から始まり外周部440本になり、平均して水平解像度400本以上と言われる。CLV方式では常時330本前後になる。直径30cmのディスクではCAV方式(回転数1800rpm)の標準ディスクで片面30分、CLV方式(回転数1800 - 600rpm)の長時間ディスクで片面1時間の映像を記録できる。

トラックは螺旋状に記録されており、CAV方式の場合、NTSCの1フレーム(1/30秒)の情報が螺旋の1周に記録されている(30回転/秒=1800rpm)。一時停止は1周を繰り返し再生、コマ送りは順次前後の1周に移動、変速再生はトラックの読み出し間隔を変更という仕組みになっている。また、CAV方式では全ての画面(フレーム)に番号が振られており(フレームナンバー)、このフレームナンバーで希望のシーンを探す「フレームサーチ」が使用できた。一方、CLV方式では一定の線速度で記録されているため、トラックとフレームの間に物理的な関連はなく、正逆サーチ以外の特殊再生はできなかった。

LDプレーヤーにおいてディスク上に記録されたピットを検出するピックアップの制御は、レーザー光を正確に反射面に集光するためのフォーカス制御、正確に記録トラックをトレースするためのトラッキング制御のほか、アナログ信号の時間軸変動を抑制するための時間軸制御が必要となる。LD-7000では時間軸制御をピックアップで光学的に行っていたが、1986年(昭和61年)発売のLD-S1ではフレームメモリを搭載し電子回路で代替した。これによりピックアップの制御がCDプレーヤーと同様のトラッキングとフォーカスの2軸になった他、フレームメモリを用いてCLVディスクでも静止画やコマ送りなどの特殊再生が可能になった。

LDフォーマットはNTSCの全ての帯域をそのまま記録していると表現されることもあり、映像信号についてはアナログ方式なのでDVD-Videoのような圧縮が一切ないのが特徴である。この点からDVDのMPEG-2による圧縮ノイズを嫌い、LDの画質を好む人もいる。特にコマ送り、正逆サーチなどの特殊再生ではLDが優れている。音質についてはデジタル記録であれば、圧縮がないLDのほうが完全に優位に立っている。

MUSE規格ハイビジョン映像を記録した拡張規格「Hi-Vision LD」もあり、Hi-Vision LD対応プレーヤーで再生できる。

このほか、映像・音声以外のサブコード領域に映画の台詞や英語字幕や歌の歌詞などの情報を記録した「LDグラフィックス(LD-G)」も存在する。

CAV形式で片面に54000枚の静止画を収録可能な利点を生かしてデータベースの媒体としての利用も行われたほか、静止画と動画を1つの作品に混在させて「映像を見る」ことと「本を読む」ことを一緒にした表現形式の映像出版の試みも存在したがCD-ROM式に端を発する電子出版にとって代わられた。

音声

LaserVision/LASER DISCマーク

音声は開発当初はアナログ(FM)のみだった。1984年(昭和59年)に世界初のCD/LDコンパチブルプレーヤーCLD-9000を市場に投入するに併せ、デジタル(44.1kHz/16ビットリニアPCM)音声の記録が未使用帯域に追加された。

1987年(昭和62年)にCD VIDEO(CDV)が新規に市場投入するのに併せて、CD-DAと同様のTOC情報が合わせて記録されたデジタル音声付レーザーディスクが一般的となった。「LaserVisionマーク」「CD VIDEOマーク」「DigitalSoundマーク」の3つがジャケットやディスクに併記されている。当初はこのタイプのディスクを「CD VIDEO LD」と呼んでいたが、元となるCDV規格が思ったように普及しなかったことから、1989年(平成元年)頃からは「LASERDISCマーク」と「DigitalAudioマーク」の併記されたものがTOC付きLDと認識され、主流となった。

映画ソフトの外装にドルビー・サラウンドの記載がされるようになると、アナログ音声トラックやデジタル音声トラックにもドルビーサラウンドの信号もそのまま記録されたので、それに適合するAVセンター(AVアンプ)を用いてドルビー・サラウンドやドルビー・プロロジック等のサラウンド音声が再生できるようになったが、1994年(平成6年)には映画館で採用され始めていたドルビーデジタルが、1997年(平成9年)にはDTSといったデジタルサラウンドが導入されたほか、ハイビジョンで製作されたマスターテープを用いたり、ワイド画面でワイドスクリーン作品をより高解像度で鑑賞できるように画面の横幅を3/4に圧縮したスクイーズ方式も一部ソフトで採用された。音質/画質は大きく向上し、これらの技術はDVDにも引き継がれている。

特にドルビーデジタルは、初期DVDソフトの音質がLD収録のものより劣ると言われていたため、ビットレートをLDの384kbpsからDVDは最大448kbpsまで引き上げることでLDを上回る音質を達成している。

ドルビーデジタル対応LDは、デジタル音声領域にPCM方式ドルビーサラウンド、アナログ音声のRchにドルビーデジタル(5.1chサラウンド)、LchにFM方式モノラルで音声が収録されているため、ドルビーデジタル音声で再生するには、ドルビーデジタル(AC-3)RF出力の付いているLDプレーヤーと、アナログ音声トラックのRchに高周波変調して記録されているドルビーデジタル(AC-3)RF信号を元のドルビーデジタル音声信号に変換できるRFデモジュレーター搭載AVセンター(AVアンプ)が必要である。RFデモジュレーター非搭載AVセンターで再生する場合では、デフォルトでPCMデジタル音声トラックのドルビー・プロロジックかドルビー・プロロジックIIによるサラウンド音声、または選択によるアナログ音声トラックのLch(モノラル)での再生になる。サラウンド・プロセッサー非搭載アンプのみで再生する場合では、デフォルトでPCMデジタル音声トラック(2chステレオ)または選択によるアナログ音声トラックLch(モノラル)での再生になる。再生に際して注意を要することは、アナログ音声トラックRchに記録されている信号は適切にデコードされないと雑音として発せられる、ということである。

このドルビーデジタル(AC-3)RFデモジュレーターは一部の高級AVセンター、またはサラウンド・プロセッサーにしか内蔵されておらず、最近のAVセンターにはデコーダーしか内蔵されていない場合が多いのは、最早ドルビーデジタル(AC-3)音声信号付LDよりもDVD/BDの再生に主眼が置かれているからである。また、単体でのRFデモジュレーターはいくつかのメーカーで生産されていたが、最後期のLDプレーヤーの生産終了を待つこと無くいち早く生産終了しているため、中古品ショップまたはオークション以外での入手は極めて困難である。

なお、日本生産盤では滅多に見かけることのないDTS対応LDは、デジタル音声領域にDTS音声信号が収録されているため、光出力端子(S/PDIF)のあるモデルとDTS音声を再生できるAVセンターまたはプロセッサー/デコーダーがあれば一部の機種を除いて再生可能であるが、未対応AVセンターではDTS音声信号はノイズとしてしか再生されず、アナログサラウンド音声かアナログステレオ音声のみでの再生を選択することになる。

注意点

ディスクの劣化

LDフォーマットが市場へ投入された当初は「半永久的に劣化しない」という表現を使っていたが、1980年代中頃からこの表現は中止された。レーザーディスクに使用されたアクリル樹脂は吸湿性が高く、空気中の水蒸気を吸着することによりアルミ記録面が劣化し、ノイズが発生した。原因は当時、まだアルミ蒸着技術が確立しておらず、製造時にミクロ単位の異物が混入したことによるものだった。一部のメーカーは良品との交換対応を余儀なくされ、劣化対策は当時メーカーにとって急務だった。

その後、アルミ蒸着技術の確立・精度向上と共にこの事象がほぼ解決されたのは1992年(平成4年)頃であり、それ以前に製造されたレーザーディスクにはホワイトスノー・スノーノイズなどとも呼ばれるノイズが乗っているものが多い。なお、酸化保護膜付加・防錆加工・接着剤の材質改善といった改良が加えられた経年劣化対策済みのディスクでも、ごくわずかながらも劣化は進行する。

一般家庭の保存環境下ではLDシングルを除く一般的なLDの平均寿命は30 - 50年程度とされ、材質にポリカーボネートを使用し平均寿命が30 - 100年程度とされるLDシングル、およびCD、DVD、BDに比べ短い。このような経緯から、後に開発されたDVD規格などでは「半永久的に劣化しない」という表現は消えている。レーザーディスクの生産を終了してから長期間経過しているが、劣化したディスクは盤面を見ても判断がつかず、実際に映像を視聴してみるまでノイズの有無は分からない。

S端子による映像出力

1987年(昭和62年)にS端子が発表された後、それ以降に発売されたLDプレーヤーでは多くの場合、RCA端子(コンポジット)出力に加えてS端子出力も備わっている。しかし必ずしもS端子で接続したほうが画質が良いとは限らない。

VHSや8ミリビデオなど、輝度(Y)信号と(C)信号が分離記録されている場合はS端子で接続したほうがY/C混合・Y/C分離が発生しないため画質が向上する。しかしLDの場合はもともとコンポジット信号で記録されているのでY/C分離は避けられない。プレーヤーとテレビモニタをコンポジットで接続すればモニタでY/C分離することになり、S端子で接続すればプレーヤーでY/C分離することになるため、モニタのY/C分離性能のほうがよい場合はコンポジットで接続する方が画質が向上する。

中・低価格帯でS端子を持つプレーヤーでは、ディスクから読み取ったコンポジット信号がそのまま出力されているわけではなく、プレーヤー内部でY/C分離したものをS端子に出力する一方で再度Y/C混合したものをコンポジット出力しているものが多い。これはコストダウンが理由である。このようなプレーヤーでは、S端子で接続したほうがよい。高級機種では、このようなことをしていないという意味で「ダイレクトコンポジット出力」などと謳っているものもある。しかし高級機器である以上、Y/C分離の性能には優れているため、矛盾した機能でもある。また、歴代のLDプレーヤーで最高級機とされるLD-X1は、Y/C分離した信号をデジタル処理して高画質化を図っているため、ダイレクトコンポジット出力ができない。

なおDVDコンパチブル機の一部はコンポーネント端子を備えるが、同端子からのLDの画像は白黒になってしまうため、この方法での正常な再生はできない。

ゲームへの利用

レーザーアクティブ

従来のVTRとは異なり、ランダムアクセスを可能としたLDはゲーム用途にも活用された。

詳細は「レーザーディスクゲーム」を参照
詳細は「レーザーアクティブ」を参照

Hi-Vision LD

ハイビジョンLD
Hi-Vision LD
【メディアの種類】
光ディスク
【記録容量】
CLV:片面60分、両面120分
【フォーマット】
MUSE方式(映像・音声)
デジタル(音声・オプション)
【読み取り方法】
670nm赤色レーザー
【回転制御方式】
CAV、CLV
【策定】
三洋電機、ソニー、東芝、パイオニア、松下電器産業
【主な用途】
映像、音楽
【ディスクの直径】
30cm
【大きさ】
300×300×2.5mm

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出典:wikipedia
2019/07/21 13:19

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