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下水管とは?

(下水管から転送)
古代ギリシャアテネの下水道。(アクロポリスの地下鉄駅での展示)
ローマ時代の下水の遺跡(ポルトガルVidigueira地区 )
ウィーンの下水道の地図(1739年)
明治10年代のレンガ製下水道管(横浜市)
パリの下水道(fr:Égout)。および設置されている通信設備
パリの下水道

下水道(げすいどう)は、主に都市部の雨水(うすい)および汚水(おすい)を、地下水路などで集めた後に公共用水域へ排出するための施設・設備の集合体。多くは浄化などの水処理を行う。

雨水としては、気象学における降水および、いったん降り積もったが気温の上昇などで融けた融雪水も含むが、いずれも路面など地表にあるものが対象で、河川水地下水となったものは除く。

汚水としては、水洗式便所からの屎尿や、家庭における調理・洗濯で生じる生活排水と、商店やホテル・町工場から大工場にいたる事業場からの産業排水(耕作は除く)などがある。

目次

  • 1 概要
  • 2 目的
  • 3 歴史
  • 4 種類
    • 4.1 法律上の分類
      • 4.1.1 下水道法による下水道
      • 4.1.2 下水道類似施設
      • 4.1.3 その他
    • 4.2 排除方式
      • 4.2.1 合流式
      • 4.2.2 分流式
  • 5 管路施設
    • 5.1 収集方式
      • 5.1.1 自然流下式
      • 5.1.2 真空式
      • 5.1.3 圧力式、圧送式
    • 5.2 管渠
      • 5.2.1 管種
      • 5.2.2 布設工法
    • 5.3 ポンプ場
    • 5.4 調整施設
    • 5.5 その他
  • 6 処理施設
  • 7 普及率
    • 7.1 種類
    • 7.2 現状
    • 7.3 都道府県別ランキング
  • 8 防災(災害用トイレシステム)
  • 9 特徴的な事業の例
  • 10 問題点
    • 10.1 計画
    • 10.2 下水道普及率の不正
    • 10.3 陥没
    • 10.4 地域格差
    • 10.5 未接続
    • 10.6 除害施設
    • 10.7 汚泥の処理・活用
    • 10.8 世界の下水道事情
  • 11 下水道施設の公開・見学
  • 12 脚注
    • 12.1 注釈
    • 12.2 出典
  • 13 関連項目
  • 14 外部リンク
    • 14.1 参考文献
    • 14.2 関係団体
    • 14.3 統計データなど

概要

雨水や汚水を都市部からその外へ流し去ることを排除といい、個人や事業者が下水道を利用して自らの汚水を流し去ることを下水の排除と呼ぶ。具体的には下水管へ水を流し込む行為を指す。日本水質汚濁防止法で定める特定施設に対しては、その水質について地方自治体などの下水道事業者による排除基準が設けられる。

下水道は都市基盤整備の一環として多額の建設費を投じて整備され、完成後も維持管理や更新に多額の経費を要す国家レベルの公共事業である。それゆえ先進国ほど普及率が高い傾向を示している。

日本の下水道普及率は2017年3月時点で78.3%とかなりの水準を達成してはいるが、先進国としては低い値であるうえ地域格差が非常に大きく、未普及地域における早急な整備が求められている。

その一方で普及率が高い都市部では、合流式下水道の改善、老朽化した管路施設の更新など、次なる課題が急務である。その他にも大きく立ち後れている高度処理の導入や、産業廃棄物としての処分が逼迫する汚泥リサイクルの推進等々、多くの課題がなお山積しているのが現状である。

下水道が整備された地域でも、流れ込んだ水が常時100%処理されるとは限らない。集中豪雨の雨水や、起源不明の「不明水」などが流入して処理が追い付かないこともある。特に近年頻発するゲリラ豪雨への対応が急がれている。例えば2008年時点、東京都下水道局では降雨強度が50mmまでの雨を想定して下水道管渠を設計・敷設しているが、ゲリラ豪雨や台風に代表される大雨では100mmを超える場合もある。(ただし、この50mm基準を超えたからと言って、それ以上の雨を排除できないということではない。)

これら統計データなどは啓発を兼ねて、かなり公開されており、一部を外部リンクに示してある。

目的

下水道の目的は、主に以下の三点である。

近年はこれらに加え、

などが求められ、また担い手となりつつある。

歴史

下水道の歴史は古く紀元前にまで遡る。しかし、工学的汚水浄化は近代以降を待つ必要があった。

種類

法律上の分類

下水道整備は大規模な事業なので、関連法令体系も国によって違いがある。ここでは日本について示す。

下水道法による下水道

法令(下水道法)上の定義は、下水排除のための、管路施設、処理施設、ポンプ施設その他の補完施設の総体で、灌漑排水施設と屎尿浄化槽を除く。処理施設から排出される汚泥は、産業廃棄物となる。

公共下水道
主に市街地の下水を排除・処理するため、原則として市町村が管理する。個別の終末処理場を持つ単独公共下水道と、処理を流域下水道へ任せる流域関連公共下水道がある。
公共下水道は都市計画における市街化区域を対象とするため、原則として市街化調整区域では利用できない。そこで、補完するための事業が用意されている。
  • 特定環境保全公共下水道(特環) - 水質の保全と生活環境改善を目的とする。処理場を持つ場合と、他の下水道(同じまたは他の市町村の公共下水道、および流域下水道)へ接続する場合とがある。
  • 特定公共下水道 - 計画汚水量の2/3以上を特定の事業者が占める場合(工業団地など)に、適用される。
  • 認可拡大による整備 - 整備効率が高く(密度の高い集落で、接続可能な管路に近い)、住民が要望し、受益者負担金(実費負担に近く、都市計画税相当額よりかなり高い)を納付することが条件となっている。
流域下水道
複数の公共下水道の下水を受けて排除・処理するための下水道で、流域幹線と終末処理場を持ち、都道府県が管理する(2005年現在で31都道府県)。河川の流域に沿って設置され、県の建設事務所のほか公社組合で管理される。受け入れる公共下水道の種別や構成の内訳は問わない。
雨水流域下水道
終末処理場を持つ複数の公共下水道の雨水のみを排除するための下水道で、雨水の流量調節施設をもつ。2003年度の改正で追加された。
都市下水路
都市部の洪水防止のための雨水排水路として設けられるもので、原則として明渠であり処理施設は有しない。既存の水路等を指定して改築する場合が多く、外観は小規模河川そのもので住民の憩いの場になっていたりすることから、「下水」のイメージを嫌い愛称で呼ぶ例も少なくない。

下水道類似施設

広い意味での下水道で、処理施設は浄化槽法および廃棄物処理法の対象となり、汚泥は一般廃棄物である。ほとんどの場合、汚水排除と浄化のみを目的とするが、農業集落排水処理施設(農集)などは雨水管渠整備も事業対象に含む。

市街地外の人口密集地(集落)の水質保全と生活環境改善を目的とするもので、市町村または地元住民の組合などが管理する。基本的に管路施設と汚水処理施設を持ち、排除は分流式で行う。これは浄化槽法の対象に工場排水と雨水が含まれないためだが、少数ながら合流式で整備されるケースもある。

設計上の基準や施工方法、および排除を許される事業所などが幾分異なるが、つまりは、整備に必要な多額の建設資金に対する補助金を、どの省庁が交付するかの違いである。それゆえ周辺の舗装道路が国道市町村道か、農道か、林道か、といった違いと関連性が深い。

この3事業をまとめて集排とも称し、ミニ下水道、農村下水道などと呼ばれることもある。

その他

上記の下水道とその類似施設は国庫補助対象事業だが、この他にも汚水等を収集排除する設備は各種あり、その一部を以下にあげる。

なお、し尿処理施設は管路施設がない等の点で下水道ともこれら類似施設とも大きく異なるが、処理工程に関しては共通点も多い。

排除方式

雨水と汚水を排除するための流路を、どのように設計構築するかに依り二種に大別され、それぞれ特徴がある。

合流式

汚水と雨水を同じ水路で集め、まとめて浄化処理して放流するものである。 比較的早い時期に整備を開始した大都市地域に見られ、特に大阪市尼崎市は布設延長の98.96%と飛び抜けて多い。

分流式

汚水と雨水を別の水路で集め、雨水はそのまま、汚水は浄化処理して放流するものである。現在新設される下水道ではほぼ全てがこの方式による。

管路施設

下水の発生源と排除先を結ぶものであり、水を流すための水路やパイプである管渠と、ポンプ場ほかの付帯設備によって構成される。

都市部に網の目状に張り巡らされた下水管路はまさに都市の静脈であり、公共財である。しかしその耐用度は、都市住民の公共心に依存している。

収集方式

水への運動エネルギーの与え方により、自然流下式、真空式、圧力式に分けられ、それぞれ使用管種や付帯設備に違いがある。圧力式と圧送式を分けたり、真空式と圧送式を合わせて圧力式とする場合もある。ここではエネルギーを得る方法(重力、大気圧、機械的動力)により区分している。

自然流下式

古典的な、重力を利用して下水を流下させる方式。厳密な水密管路は不要で管渠の構造は比較的単純だが、堆積物の蓄積を防ぐために流速を確保しつつ、建設費の増大を招く埋設深増加を抑える設計が求められる。故に地形条件における制約の多寡が、建設費に大きく影響する。大規模から小規模まで適用され、主流である。

重力と水の関係をうまく制御する手法が蓄積されており、後述の真空式、圧力式においても部分的に自然流下式を採用する例が多い。

真空式

真空式下水道システム、真空式汚水収集システム、真空下水と称され、気密性の高い、真空ステーション(中継ポンプ場)、真空管路、及び各家庭単位の真空弁ユニット(弁マス)から構成される。真空管路内は、ステーションにおける排気によって管路は減圧され、そのまま負圧に保たれる。一方、家庭からの汚水は自然流下にて真空弁ユニットに流入、貯留される。水位の上昇により圧力スイッチやフロートが作動すると、機械的機構が無電源で真空弁を開閉し、汚水は管路へ吸引されステーションへ収集される。

自然流下式よりも地形条件に左右されにくく、布設費が割安で、一般に平坦で軟弱な地盤のエリアでの採用が多い。また、真空ステーション以外で動力用電源を必要としない(真空弁ユニットの異常通報装置などにはバッテリーが必要な場合はある)。管種にはポリエチレン(PE)管や真空下水用塩化ビニル (PVC) 管が使用され、特にポリエチレン管は耐震性が高く、長寿命であるため、現在はこちらが主流となっている。農業集落排水や特環下水・特公下水道など、中から小規模向きの収集システムである。 近年は真空ステーションが道路下埋設型でコンパクトかつ、旧来より安価となったため、小規模な収集もコストメリットが出るようになってきた。そのため、下水道普及率が高く財務の良い自治体を中心に、自然流下方式では収集が難しい「下水道整備の残された」エリアの収集方式として多く採用される。民地が道路より低い所や、国道沿いの民家で収集管の敷設が困難な地域、地盤沈下地域などでの採用が進んでいる。 中越地震の被災地区の本復旧に採用された事例もあり、その後の中越沖地震で全く管路被害が無いなどの高い耐震性を示した。東日本大震災 では宮城県の烈震地域を中心に数多くの真空式採用地域に於いて、ポリエチレン管路が無被害であった事と、電源の少なさから、近隣の自然流下+ポンプによる下水道敷設地域が大きな道被災を招いたのをよそに、短期復旧している。改めて耐震性に優れたシステムである事を印象付けた。

真空下水管路内の負圧は-25~70kPaである。この負圧で汚水のみ吸引・揚水するのは地球上では2m程度から最大7m程度までが限界である。管路内で、汚水は空気と混合され、低比重の流体(気液混合物)となり2相流を形成して「リフト」と呼ばれるの登り勾配(標準で30cm、最大で100cm)を上昇し乗り越えていく。リフトの下流管路は一般に2‰(1~3‰)の下り勾配からなり、気液分離後も自然流下にて流下する。2‰勾配の場合、平坦地でのリフトは150mおきにつけられる事になる。リフト部は、気体の逆流は許しても液体の逆流は妨げる構造となっている。一回の吸引でステーションへ達しなかった汚水も管路底部に担持され、他の真空弁ユニットから流入した気液混合物で後押しされる機会を待つことが出来る。この様に、真空式では水理工学的に高度な技を駆使して汚水を収集する仕組みが備えられている。

圧力式、圧送式

小型の水中ポンプを多数設置し、各家庭からの汚水をポンプ圧送する方式。ポンプは破砕羽根を備えたグラインダーポンプが多用される。ポンプ設置と動力・維持に多額の費用を要するが、布設自由度が最も高く地形が極めて急峻な場合でも対応できる方式。部分的、小規模向き。

標準的な設計手法において、施工上の制約などで自然流下式や真空式で整備困難な場合、部分的に圧送管路を採用する(数km以上の遠距離を特に圧送式と呼ぶことがある)。これを拡大し、1から数世帯単位で汚水マスから下水本管や処理場にまでポンプ圧送するシステムが、圧力式下水道となる。急傾斜地や、小水路が縦横に走る平地などで実績がある。

圧送管路では汚水へ空気の溶け込む機会が少なくなる為、腐敗による硫化水素有機酸の発生、または管路内部へのリン酸マグネシウムアンモニウム (MAP) などの析出といった問題があり、下水中へのオゾンなど酸化剤の注入や、定期的なピグ洗浄などの対策が行われている。

管渠

管渠は一部の雨水を除き原則暗渠であり、一般に『下水』と言う場合は管渠を指している事が多い。路面や河川、住宅の地下に布設され、外部からの確認が困難であり、また使用される管種、施工方法ともに年代による変化が大きい。そのため、管理や清掃、更新を行う上で対象管渠の布設年代は重要な確認事項となっている。

管種

大別して剛性管と可撓管がある。自然流下用の下水道用管材として最も多く使用されているのが、硬質塩化ビニル管であり、用途に応じて様々な管種が用いられる。一般的には日本下水道協会規格(JSWAS)製品が使用される(記号のアルファベットはJISコードと同じ)

水洗便器排水用土管及び土管と接合されている古い施設の水洗便器

布設工法

下水道に限らず、細長い設備を施工する事を布設と呼ぶようだ。工法によっては特定の管種と関連が深い。

開削工法
最も基本となる工法で、歴史も長い。非開削工法でも立坑は開削工法による。
まず地面に鋼矢板を並べて打ち込み、間を掘削して溝を作る。底に砕石やセメントで基礎をつくり、その上に管渠を組み立てて行く。管種、布設長、周辺状況に最も柔軟に対応できるが、道路の下に布設する場合は通行止めの範囲と期間が最も長くなる。このため、交通量が多い幹線道路では非開削工法による事が多い。
シールド工法
径が1.35mを超える大規模幹線で採用される、地下鉄の建設で多用される工法。シールドマシンが掘った内壁にセグメントを並べ、管渠をその場で構築してゆく。
推進工法
19世紀末にアメリカで開発され、下水道には昭和28年から採用された。
まず管渠の布設深度まで2本の縦穴(発進立坑と到達立坑)を設置し、大型油圧ジャッキを発進立坑の底に据える。次いで両端にネジを切ってある推進工法専用管を、到達立坑へ向けて地中に油圧で押し込んでゆく。一本を押し込み終えたら次の管を後ろにネジ込み接続し、これを繰り返す。先端が到達立坑に達したら油圧ジャッキをこちらへ移設し、新たな発進立坑として次の到達立坑へ向け推進を開始する。旧発進立坑にはマンホールなどを施工する。
布設計画線の深度が大きかったり、地表に建造物がある場合などに効果的な工法で、騒音・振動も少ない。地表の専有面積が小さく、交通に与える影響も抑えられる。先端での掘削や土砂の排出方法に様々な改良法が実用化され、適用範囲拡大や精度向上がはかられている。
刃口推進工法
従来法で、先頭管にはカッター(刃口)を取り付け、管内に人が入って先端部で掘削作業を行う。
セミシールド工法(密閉式・機械式推進工法)
昭和40年頃、シールド工法の技術を導入して開発された。先端に掘進機を設置し管内は密閉される。泥水式、土圧式、泥濃式がある。
小口径管推進工法
先導体(切羽)に推進管(二工程法では細い誘導管)を接続し、発進立坑から遠隔操作する。管種により高耐荷力方式、低耐荷力方式、鋼製さや管方式があり、さらに掘削・排土・埋設方法により、圧入方式、オーガ方式、泥水・泥土圧方式、ボーリング方式(鋼製さや管方式のみ)がある。
改築推進工法
最近普及し始めた管渠更新専用の工法。掘進機で老朽管を砕きながら推進する。

ポンプ場

収集方式を問わず下水を放流するためには、放流先の水面よりも十分高い位置まで揚水する必要があり、ポンプが必要になる(地形条件に恵まれた、一部の自然流下式を除く)。

中継ポンプ
下水に位置エネルギーを与える事を目的とし、最も数が多い。
自然流下式では布設が広がるにつれ、単純に管渠の傾斜を延長して行くと、非常に地下深くなったり逆に地表から飛び出してしまう。そこで、中継ポンプ場と管渠を組み合わせ横から見るとノコギリの歯のような管路とし、一定の深さを保って布設距離を伸ばしてゆく。
マンホールポンプ場
マンホールの中にポンプを設置しただけの簡易な中継ポンプ場。
排水ポンプ場(排水機場)
雨水、または遮集されなかった合流下水を、公共用水域へ排除するためのポンプ場。
大規模河川に接続する小規模河川・水路では、大規模河川の水
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出典:wikipedia
2019/04/23 16:22

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