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世界平和統一家庭連合とは?

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  • 出典がまったく示されていないか不十分です。内容に関する文献や情報源が必要です。(2016年2月)
  • 中立的な観点に基づく疑問が提出されています。(2016年1月)
世界平和統一家庭連合(旧統一協会)

【略称】
家庭連合
(旧略称は統一教会、統一協会)
【設立】
1954年
【設立者】
文鮮明
【種類】
宗教法人
【法人番号】
6011005000441
【目的】
教会統一・統一韓国・世界平和
【本部】
韓国ソウル市
【関連組織】
韓日人教会、原理研究会、世界平和宗教連合、世界平和教授アカデミー、世界平和女性連合、世界平和青年連合、日本青少年純潔運動本部、真の家庭運動推進協議会、国際勝共連合、世界日報社、光言社、一心病院、世一観光、一和、トゥルー・ワールド・フーズ、ニューズ・ワールド・コミュニケーションズ、世日クラブ
かつての呼び名

世界基督教統一神霊協会
【統一教会】

【各種表記】

ハングル: 통일교회
漢字: 統一敎會
発音: トンイルギョフェ
日本語読み: とういつきょうかい
ローマ字: Tongil Gyohoe
【英語:】
Unification Church

世界平和統一家庭連合(せかいへいわとういつかていれんごう、英語: Family Federation for World Peace and Unification、略称:FFWPU)は、朝鮮半島キリスト教の土壌から発生した宗教法人である。文鮮明(1920年- 2012年)によって1954年韓国で創設された。旧名称は、世界基督教統一神霊協会(せかいキリストきょうとういつしんれいきょうかい、英語: Holy Spirit Association for the Unification of World Christianity)である。1994年5月に名称が変更され、日本では遅れて2015年8月に、宗教法人名を管轄している文化庁から、改称を認証された。

宗教学ではキリスト教系の新宗教とされ、文化庁が発行している宗教年鑑ではキリスト教系の単立に分類されている。

略称は家庭連合であるが、主要メディアでは一般的に旧略称の統一教会(Unification Church)、または統一協会と呼ばれる。以下、便宜的に統一教会と表記する。

概説

文鮮明と妻の韓鶴子。

朝鮮半島の平安北道定州出身の文鮮明(1920年- 2012年)によって1945年に布教活動が始まり、1950年に朝鮮戦争が勃発、1952年に経典の「原理原本」の草稿が完成した。1954年5月韓国ソウルで世界基督教統一神霊協会が創設され、1965年に文鮮明一家と幹部たちは、アメリカに宗教・政治的情宣活動の拠点を移し、世界宣教・経済活動を拡大し、巨大な統一運動傘下の組織を作った。韓国の多くの少数派宗教団体と異なり、朝鮮半島を超えて世界中に普及したという特異性を持つ。世界193か国に支部がある。日本では韓国籍の西川勝により、1959年から1965年まで宣教が行われ、同年にアメリカ、イギリスでも布教が行われた。近年は東ヨーロッパと南アメリカで拡大している。

1964年に、日本で宗教法人の認可を受けた。世界平和統一家庭連合の総裁は、開祖文鮮明によって文の「真の父」という立場に匹敵する「真の母」に昇進した妻の韓鶴子である(2008年時点)。

2012年には開祖文鮮明が死去し、すでに世界平和統一家庭連合の総裁であった、妻の韓鶴子が組織の責任者となった。。

教団内婚制をとり、教祖のインスピレーションに従って信者同士で結婚する。小規模な閉鎖的コミュニティを除き、教団内婚制をとる巨大教団はほかには見られない。この「合同結婚式」(信者は「祝福」と呼ぶ)で家庭を持った日本人の信者数は、1万組をはるかに超えている。2000年代に入り国際結婚が急増しており、韓国人男性と結婚し韓国で暮らす日本人女性信者も7千人ほどいる。

文鮮明は戦闘的な反共産主義者であり、共産主義は神の摂理に基づく民主主義に対抗する悪魔によるものとされた。更に、韓国主導の南北統一を望む西側諸国の、特に保守派から相互支持を獲得することで規模を拡大した。ソ連には、共産主義が失速した後西側から様々な新興宗教が進出していたが、文鮮明もソ連人を援助し、1990年4月にモスクワで開かれた統一教会の世界メディア会議の後、ゴルバチョフと個人的に面会し、日本の経済界に働きかけて対ソ投資について調査させることを約束した。

アメリカでは1970年代以降、共同的な組織から、権力を分散した落ち着いた家庭的な構造に移行し、「ホームチャーチ(家庭教会)」として知られる一つの家族の家庭で暮らすことが奨励されるようになった。ホームチャーチは地域の家族に仕え、責任を持つよう期待される。1980年代に祝福を受けた会員のほとんどは、この落ち着いた生活スタイルになっているが、多くは統一教会のために働く正会員をやめ、賛助会員として、個人的な家庭と仕事を持って暮らしている。

名称

以前のシンボルマーク

1954年の設立当時の名称である世界基督教統一神霊協会は、「全キリスト教会を霊的に統合させる協会」を意味する。名称の「聖霊」は、主流派キリスト教における三位一体聖霊とは関係がない。英語名の「聖霊」の部分には Holy Spirit が充てられ、Holy Spirit Association for the Unification of World Christianityとなっているが、これは命名当時に他に適切な訳語が思いつかなかったためであるという。

統一教会は、近年は社会における家族というユニットの重要性を強調しており、それを反映して1994年5月に名称が世界平和統一家庭連合に変更され、日本では遅れて2015年8月に改称された。

韓国では統一教、日本では旧称の略称の統一教会、または統一協会と呼ばれ、英語ではUnification Church(統一教会)、Unificationism(統一主義)、開祖の姓から俗にMoonies(ムーニーズ)の名で知られる。ただし、信者はムーニーズを蔑称と考えており、自らそう名乗ることはない。文鮮明が率いる組織の集合体は、統一運動と呼ばれる。

宗教面

文鮮明、1982年

教典

統一教会の教典は、1966年に初版が刊行された『原理講論』(原理講話)とされる。日本語版は1967年に刊行され、日本の統一教会信者は長らく教典として重視し、これを基に信仰心を形成してきた。日本の教団幹部や、彼らに教化された教団信者の世界観・信仰観を知るための検討の対象となる文献である。文鮮明の『原理原本』をもとに、劉孝元(ユ・ヒョウオン)が『原理講論』をまとめ、これが教典として扱われている。

『原理講論』は、文鮮明の高弟である劉孝元(教会長、1970年死去)が、文鮮明の『原理原本』を増補し、彼の説教を整理したものである。『原理原本』(1952年発行)は、韓国の神秘主義的キリスト教改革運動の流れを汲む「イスラエル修道会」の金百文(キム・ベクムン。キリストの親臨を主張した柳明花の信奉者のひとり白南柱の弟子)の著作『基督教根本原理』(1958年発行)に影響を受けて文鮮明が著したという主張もあるが、実際には金百文の著作が世に出る前に、『原理原本』そして『原理解説』(1957年発行)が作成されている。 『原理講論』は初版以降数度改版され、新しい部分も追加されている。初版には、メシアが文鮮明であること、メシアが誕生する国が韓国であることの論証部分はないが、第3版には追加されている。『原理講論』のはしがきには、本書が完成版ではなく、編者により適時増補、または加筆修正される可能性のあることが説明されている。『原理講論』の言葉を勝手に解釈したり、自分の言葉を付け加えることは、分派発生の原因になるとして、信者には禁止されている。

ハンガリー人のカトリック神学者神父上智大学神学部教授であったネメシェギ・ペトロは、『原理講論』では、神は「ゲルマン民族を新しい選民として立て」たという主張を基に、古代末期以後の歴史はすべてゲルマン民族に集中して語られて、カトリック教会はキリスト教の堕落したものとして描かれており、ルターが新しい福音の光をもたらした存在とされるなど、韓民族を現在の選民であるとする最後の唐突な飛躍を除き、ゲルマン・アングロサクソン系のプロテスタンティズムの立場で書かれていると述べている。(日本語版では削除されているが、英語版『原理講論』には、「韓国の民が神によって選ばれた第三のイスラエルとなる」と書かれている。)

救世主が再臨しており、それが文鮮明であると考えることなどから、エホバの証人モルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)と共に、ほぼ全てのキリスト教会から異端と見なされている。

文鮮明による教えは初期から変化しており、弟子がまとめた教説よりも、生きている文鮮明が直接語った言葉こそが神の教えと考えられるため、初期の説教内容をまとめた『原理講論』だけでなく、教祖の言葉をまとめた『文鮮明先生御言選集』(360巻以上)、『御旨と世界』(1985年)などの説教集、信者の規律についての『御旨の道』なども併せて教義体系を構成しており、近年では説教集『天聖経』(2003年編纂)が『原理講論』以上に重視されるようになっているといわれる。

教義・教説

統一教会で「原理」とは、文鮮明が霊的体験や独学によって与えられた啓示を指し、信者は、「原理」は旧約聖書新約聖書の解釈であり、究極的、決定的な真実であると信じている。「原理」は主に「創造」、「堕落」、「復帰」の3つの部分からなる。『原理講論』は文鮮明の啓示の様々な解釈を書いたもので、「原理」とは厳密に区別されている。1954年に統一教会が創立されて以降、一貫して、聖書よりも『原理講論』が重要視されており、現存する聖書によるキリスト教の正典を超越すると考えられている。この節は本書の内容を中心に述べる。『原理講論』の「堕落論」には、「人間始祖の堕落によって、その子孫が、一人残らず、神の血統を受け継ぐことができず、サタンの血統を受け継いでしまった」と記され、「真の父母として降臨されるイエスのみがこれを知り、清算することができる」とする一説が記されている。プロテスタントの日本基督教団牧師・宗教研究者の石井智恵美は、教義内に明確な記述はないが、信徒にとって教祖の文が「再臨のイエス」=「人類と霊界を結ぶ比類ない存在」であることが信仰の前提であると述べている。神の愛を中心に結婚し、完全な子供を産み、真実の家族を作ることで、地上の楽園を建設することが目指される。

ネメシェギは、『原理講論』の思想の特徴として、朝鮮半島の陰陽説、文鮮明が受けたキリスト教的教育に由来する一神論と旧・新約聖書の権威の容認、根本主義的な聖書解釈、象徴的聖書解釈、科学性の主張、終末論的歴史神学、神との「霊交」で得られたという「啓示」を挙げ、『原理講論』の教えの根拠は、実際には哲学・自然科学・客観的な聖書解釈・教会の教えのいずれでもなく、真の根拠は著者が述べているように、文鮮明が受けたという「啓示」であると述べている。

神の世界創造の目的

神はこの世からの刺激によって、はじめて喜びに満たされるとされている。旧約聖書の創世神話「産めよ、増やせよ、地に満ちて地を従わせよ」から、神の創造の目的は3つあるとしている。

  1. 「産めよ」は、人間の精神と肉体の調和がとれた「真の個性」になることを意味する。
  2. 「増やせよ」は、子供を産むという意味。「神の二性性相が各々個性を完成した実体対象として分立されたアダムとエブが夫婦となり、合体一体化して子女を生み殖やし、神を中心として家庭的な四位基台をつくらなければならないのである」とされる。
  3. 「地に満ちて地を従わせよ」「地にみてよ」は、神、人類、その他の生物の調和のとれた理想的な世界を創造することを意味する。「万物世界に対する人間の主管性の完成を意味する」とされる。

人間は完全な家庭を築くことで、完全な社会、国家、世界を実現するために「増殖」できるのである。

統一教会が説く神の目的には、「人間の個性完成」という、近代主義的な発想が持ち込まれている。また、家庭形成という「アジア的家族主義を織り込んだ人間論」(櫻井)も神の創造目的に取り入れられている。

楽園追放と原罪

『旧約聖書』の「創世記」には、神が創造した最初の人類であるアダムとエバが、罪を犯し楽園を追放される逸話がある。エバが蛇にそそのかされて、次にアダムがエバにそそのかされて、食べることを禁じられていた知恵の樹の実を食べた。この蛇はしばしば悪魔であると解釈される。この罪のために、二人は神に罰せられて、人間は死や労働、出産の痛みといったあらゆる生の苦しみを持つようになり、この世に罪と死とのろいが入り込んだとされる。西方教会では、これがアダムとエバから全人類に「原罪」(ラテン語: peccatum originale)として受け継がれていると考えられている。神学者の宮本久雄は、原罪とは、狭義には人間の神との関係の破綻、神と人間との生命的な関係の虚無化を意味しており、従って本来は、モラル規範への単なる違反や男女の性的欲求とは直接関係がないと述べている。(詳細は「原罪」を参照)

『原理講論』の著者は、文鮮明の説教から堕天使ルシファー(『原理講論』では「ルーシフェル」。ルシファーは魔王サタンの堕落前の天使としての呼称)の伝承を換骨奪胎した新しい物語を作り、ルシファーの堕落を次のように説明している。ルシファーは元々神に最も近い大天使で、神の愛を独占するような位置にいたが、神が人間を創造した後はその愛が減少したと感じた。ルシファーは嫉妬に駆られてエバを誘惑し、エバは10代の処女であったが、「神のように目が開けることを望み、時ならぬときに、時ならぬものを願」い、両者には授受作用(相互作用)が生じ、「不倫なる霊的性関係」を結んだ。統一教会ではこれを「霊的堕落」と呼ぶ。天使は肉体を持たないため、これは肉体的な交わりではなく、「霊人間」と「霊人間」の交わりであった。

ことの重大さに気が付いたエバは、罪悪感から神の元に戻りたいと願い、神が定めた配偶者であるアダムと結ばれようと、彼をそそのかし性的関係を結んだ。エバは神の元に戻れたと思ったが、ルシファーとの「授受」は、真の配偶者との「授受」だけでは回復されず、さらにエバとアダムが性的関係を持つことは神の意志ではなく、神の祝福を受けていなかった。エバは3重に罪を犯しており、神に従うべきであり、婚約者を裏切るべきではなく、婚約者と共に完全に精神が成長してから性的関係を持つべきだった。アダムとエバは自らの個性を完成する前に時期尚早な夫婦関係を結び、それは神ではなくルシファーを中心としたものであったため、人間は家庭形成に失敗したのである。これは「肉的堕落」と呼ばれる。

以降すべての人間は、善と悪、神の要素と堕天使の要素を併せ持つ存在になった。アダムはエバと性的関係を結ぶことで、エバがルシファーから受け継いだすべての要素を受けつぎ、子々孫々にもサタン(ルシファー)の血統が継承されているという。これが統一教会における「原罪」である。原罪は遺伝によって伝わるようなものとされている。アダムとエバはその罪によって、人類を偽りの主、サタンに仕えさせることになった。

イエス・キリストと再臨のメシア

統一教会では、イエス・キリストは三位一体の存在ではない。心情的には神と一体であるが、イエスを神と言えるのは「すべての完成した人間は神と一体である」という意味においてのみであり、「創造理想を体現した男性」としてその価値は認められる。この点が、主流派キリスト教と最も異なる点である。イエスは、司祭ザカリヤマリアの間に生まれた原罪のない人間であると考えられている。

イエス・キリストは、サタンが不当に奪った神の「主管性」を回復し、堕落した人類を原罪のない善の人類に産み直し、神を中心に据えた新し人間の血統を築き、地上天国を築くために来たとされている。聖霊は女性神であり、真の母でありエバであるとされる。神はユダヤ民族をはじめとする全人類を救うための代償として、イエスの肉体をサタンに引き渡さざるをえず、イエスの肉体はサタンの侵入を受け虐殺されたとしている。そのためイエスの肉体が復活することはなく、今は霊人間として神のもとに生きているという。

イエスは十字架上で死に、それは人類の霊的救済のための蕩減(とうげん。代償)になり、霊的救いが達成されたが、新しい血統を築くことはできなかったため、救いの摂理は完成されていないと考えられている。イエスの死はイエス自身の失敗によるものではなく、洗礼者ヨハネや弟子たちといったほかの人間がイエスを裏切り、見捨て、ユダヤ人が彼を受け入れなかったためであると考えられている。統一教会の信者たちは、神はイエスの死を「神の国」を築くための手段にしようとはしなかったことを強調する。

宗教史学者の古田富建は、統一教会の教理の核心は、神、イエスの「(ハン)」を解くこと、つまり「恨解(ハンプリ)」であると述べている。「恨」とは、朝鮮文化を語るときにクリシェとして用いられる言葉で、その意味合いには幅があるが、韓国近代宗教史の研究者の川瀬貴也は「様々な要因で叶えられなかった思いが、澱のように沈んでいる状態」と表現している。韓国の民族的な霊魂観においては、夭折者・横死者は成仏できず、怨みを抱いた「怨魂」となって彷徨うとされており、特に無念を抱えた者、子孫を残さずに死んだ者の恨みは強く、生者に災いをもたらすとされる。こうした死者の恨みを鎮める儀礼が「恨解」である。統一教会では、人間の堕落のために神の創造目的を果たすことができず、神に「恨」を作ったと考えており、神はこの「恨」を解くためにメシアとしてのイエスを遣わしたが、人間が「責任分担」(5%の責任)を果たせずイエスを殺してしまったため、神の「恨」はさらに大きなものになったとされている、と説明している。1960~70年代の韓国のキリスト教の一部では、「恨」を教義に取り入れている。李龍道はイエスを人間として理解しようとし、三位一体を否定していた。古田は、李龍道らはイエスを悲しみや痛みを抱える人間としてとらえ、その孤独や悲しみを理解し共感しようとする姿勢が、聖主教ではシャーマナイズ化された「恨解」の儀礼となっていき、統一教会では教義の根幹になっていると述べている。1965年ごろに、「恨」という言葉が文鮮明の説教に定着した。

イエス・キリストを救世主として崇める一方、イエスがやり残した多くのことを成就するために、「再臨のイエス」が韓国に生まれると主張している。それは、地上に戻ったイエス・キリストではなく、イエスが霊界から支援する、聖書に示されている普通の人間であるとしている。文鮮明はメシアが出生する時期や場所といった条件を示しているが、メシアが生まれる地とは韓国であり、示された条件には文鮮明自身が適合する。神学的には、メシアは一組の男女である。文鮮明は1960年に、23歳若い17歳の信者韓鶴子と結婚し、メシア的使命の一環として14人の子供をもうけた。文鮮明は1992年に自身と妻が全人類の真の父母であり、救世主で、再臨の主であり、メシアであることを宣言した。この宣言の前が「新約の時代」、以降が「成約の時代」であるとされる。新宗教ニューエイジなどを研究し、統一運動を肯定的にとらえるウェールズ大学のサラ・ルイスは、この宣言以降、信者自身がメシアになりうるというように強調されるようになり、文鮮明がメシアであるということへの言及は減ってきていると述べている。

メシアを受け入れることができなければ、ユダヤ人やローマ時代のキリスト教徒、江戸時代のキリシタンのような受難を罰として与えられると考えられている。

人間における神の要素とサタンの要素の戦い

人間の堕落は、上記の神と人間の関係を損なったという縦の軸(信仰基台)だけでなく、もうひとつ人間を人間性自体から引き離したという横の軸(実体基台)があるとされる。横の軸の堕落は、旧約聖書におけるアダムとエバの息子カインとアベルの、兄カインが弟アベルを殺したという逸話に基づいている。この人類最初の殺人によって、人間における神の要素とサタンの要素が分離し、互いに争うことになり、横の軸の堕落が起こったとされる。

「最初の兄弟」の間の敵意は、歴史を通して民族、国内、国際的レベルで繰り返されており、20世紀における無神論的共産主義(カインの勢力)と神を畏れる民主主義(アベルの勢力)の衝突に明らかに見られるという。世界中に民主主義が現れたのは神の復帰摂理によるもので、共産主義の専制政治はそれに対抗する悪魔によるものである。従って、第三次宗教改革によって、理念的に共産主義勢力を屈服させ、世界を一つの地上的な「神の国」に統一することが目指される。文鮮明は、もし理念的戦いに勝利、つまり共産主義のイデオロギーが敗北しなければ、第三次世界大戦が起こり、サタン側の共産主義が敗北するだろうとしている。そして原子力による第三次産業革命がおこり、幸福で理想的な社会環境が世界的に建設される。その時全人類はキリスト教(統一教会)を受け入れ、最後に神を中心とした社会主義が現れなければならない、という。

万物復帰

身も心も100%神中心の家庭は被造世界を主管(支配)する権限が与えられているという解釈から、100%神を中心としない人間は被造世界を主管する権限がないという答えが導き出される。堕落人間によって間違って主管されている被造世界を、身も心も全てを、100%神のもとに取り戻すことが「万物復帰」という発想につながっている。身も心も全てを、神のもとに取り戻す「100%神様に捧げる運動」が行われている。「『100%神様に捧げる運動』は、『神民族大移動時代』へと発展していく。」と、世界平和統一家庭連合は、発表している。

二性性相(陰陽二元論)

初期には、『原理講論』で説かれた統一原理は宗教と科学を統一する原理であると考えられていた。神の存在の弁証も自然科学的な因果論的推測に基づき、結果から原因を探ろうとしている。被造世界を観察することで、神の神性を知ることができると考え、観察によって知れることは、被造物がすべて陽性と陰性の二性による授受作用(相互作用)により存在するということであり、存在というものは性相(内性、性質を示す内性)と形状(外形、内性が現れた外形)の二相を持つとしている。神は霊とエネルギーという二重の性質からなるとされ、この2つによってあらゆるものが生まれるとされる。神はエデンの園でアダムとエバを作り、神自身の二重性を反映させた。人間には外形である肉体と、内性である精神が備わっているとされる。

神の内性の本質は心とも呼ばれ、神がどのように人間の復活を達成しようとしているかを理解するには、神の心にある愛、喜び、悲しみといった、もっとも奥深い神の感情を理解することが重要であると考えられている。人間は神の似姿として想像されたのだから、神は男性的な面と女性的な面の両方を持つと考えられているが、習慣的に神は男性として「父」と呼ばれている。

被造物がすべて陽性と陰性の二性を持つという考え方は陰陽二元論であり、宗教社会学者の櫻井義秀は、「この発想は統一教会が人間を男性性と女性性において理解し、双方の性質が合体した時に繁栄・繁殖がもたらされるという基本的なモチーフから出てきている」と述べ、極めて民族的、東アジア的な感覚に根差したものであり、イスラエル・アラブの民の神の理解と著しく異なることを指摘している。内と外、男性と女性は対極にあるのではなく、それぞれがもう一方の要素を内在していると考えられている。

四位基台

四位基台という概念は、神と、神の二性性相から生まれた男性(主体)、女性(客体)、男女の相互作用(授受作用)で生まれた子(合性体)が、それぞれほかの3つの対象と相互作用を持ち、「主体と合性一体化をなすという菱型モデル」であり、宗教的コミュニオンへの家族的没入が統一教会の実践的規律になっている。

祝福

詳細は「合同結婚式」を参照
合同結婚式、1982年

イエス・キリストによる救済は霊的救済のみに留まり、子孫を残さず天に上げられたため、肉的救済はメシヤに託され、文鮮明夫妻が人類の真の父母として信者に「祝福」を与えなければならないとしている。祝福は、鮮明夫妻司式の合同結婚式で教祖に配偶者を決めてもらう信者同士の結婚である。結婚したカップルだけが天の御国に入ることができ、祝福を受けた家庭からは原罪のない子供が生まれるとされており、特に重要な儀式である。祝福は象徴的な堕落の撤回のプロセスであり、これによってサタンの血統から自由になり、メシアの血統に結び付けられる。無原罪の子をなし、神を中心とする家庭を完成させることが目的であるとされる。

祝福では、メシアとの一体化による「血統転換」を象徴する秘儀ともとることができる「聖酒式」が行われていた。初期の合同結婚式では、新婦が文鮮明と手を重ねて「聖酒」を半分飲み、残りを新郎が飲み干す儀式が行われていた。儀式に使われるワインには、文鮮明と観鶴子の結婚式で使われたワインがわずかに含まれ、このワインには文鮮明の血が含まれているともいわれ、受け手の血統を転換する力があるとされる。統一教会が聖酒には「父母の愛の象徴が入っている」と表現したせいか、聖酒には「精液」が混入されていると報道されたこともあったが、統一教会側は事実無根であると述べている。1992年時点では聖酒式ではなく、文夫妻が参加者一人一人に水滴をかける「聖水儀式」が行われていた。また祝福を受ける前には、すべての罪を贖い合うことを象徴する、結婚する男女が互いにバットのような棒で互いの臀部を3回たたく「蕩減棒」という儀式も行われた。挙式後は家庭生活に入る前に、最低40日間の「聖別期間」という心身を清める準備期間があり、夫婦の性交はその後に行われる。最初の性交には詳細な手順が決められている。

カップルのマッチングの権威は、文鮮明から各国の祝福委員会に次第に移譲された。祝福を受けた妻たちがスタッフとして入るなどしているこの委員会が、資格を持った候補者たちを、相手の好みのデータを基に組み合わせる。相手が気に入らなければ、断って次の紹介を頼む人もいる。宗教学者のダグラス・E・コーワン、宗教社会学者のデイヴィッド・G・ブロムリー は、初期には祝福を受けるために多くの奉仕が求められたが、現在は候補者は24歳以上で3年以上会員であることが求められ、儀式も簡素化されていると述べている。現在では、40日間の分離期間を除く蕩減条件は削除されている。

1992年には、祝福には非会員も候補に入れられるようになり、90年代半ばには、存命中の信者と亡くなった配偶者との再結合、信者の先祖も祝福の候補に含まれるようになった。2016年の合同結婚式には、主催者によると62カ国から約3000組が参加し、うち日本からは778人、オンラインでも世界から1万2000組が参加したという。会場で結婚した3000組のうち1000組は新規の結婚で、残りの2000組は入信前に結婚しており、改めて祝福を受けるために出席した。

ジャーナリストの鶴野充茂は、統一教会によると、コミュニティ内の出生率は第二次ベビーブーム時並みの2.1人、基本的には結婚率100%で、離婚率は1.7%と非常に低いと述べている。

2016年には、テレビ東京の人気番組「世界ナゼそこに?日本人 〜知られざる波瀾万丈伝〜」の中で、合同結婚式で海外信者と結婚した統一教会信者が、信者であることを隠し、虚偽の経緯・経歴で複数回にわたり出演しているなどとして、全国霊感商法対策弁護士連絡会が同局に事実関係や出演の経緯などについて回答するよう申し入れた。局側は「きちんと取材した結果に基づいたもの」と回答している。 同年5月、フジテレビの番組「みんなのニュース」の中で、合同結婚式が取り上げられており、かつては直接会ったことがない信者同士を文鮮明氏が“組み合わせ”ていたが、現在は、教団のマッチングサポーターと呼ばれる仲人が、信者から希望をヒアリングして、信者の相手探しを手伝うことになっている、と報道されている。

同性愛

統一教会は祝福による男女の結婚・家族形成による救いを主張しているので、それに反する同性愛は「創造の原理に反する不自然な関係」であるとして否定・批判している。同性愛者の信者は、当然同性愛を「克服」しなければ教会に残ることはできない。統一教会は「同性愛は倫理道徳の問題であり、人権問題ではない」(同性を愛するのは倫理道徳に問題があるから、同性愛者が人種のマイノリティのように権利を求めることは間違い)、「キリスト教はもちろんのこと、同性愛を“罪”とみなすのは、古今東西の主要な宗教で共通している」と述べている。同性婚を認めれば、「不倫はもちろんのこと、一夫多妻や近親相姦などの“権利”を主張することも可能となる。さらには、文字にするのもおぞましいが、『獣婚』(獣姦、動物とセックスすること)も論理的には認めざるを得なくなる」と主張している。

渋谷区で同性パートナーシップ制度の条例案が提出され、これに反対するチラシが組織的にポスティングされた。チラシでは、条例でエイズが蔓延する、言論の自由を侵害する、伝統的な家族制度に混乱をもたらし、学校教育や子供の躾にも悪影響を及ぼすなどと主張されていた。チラシの連絡先は、統一教会の関連組織として知られるpure love allianceである。

2008年に大阪府の堺市立図書館で、男性同士の愛や絆を扱う女性向けのジャンル「ボーイズラブ」小説が収蔵・貸出されていることを非難する「市民の声」によって廃棄が要求され、ボーイズラブとされた5500冊の本が開架から除去される「堺市立図書館「BL」本排除事件」が起きたが、これに統一教会の関連会社「世界日報社」が関与していたのではないかと指摘されている。

霊魂観

統一原理では、アジア的な霊魂観が説かれている。被造世界は神に似た人間を標本に創造されたため、あらゆる存在は心と体からなる人間に似ているとされ、独特な霊界、霊人間の存在が説かれる。霊界は霊的な五官で知覚される実在世界であるという。霊人間は現実の人間の合わせ鏡のようなものであり、霊魂を浄化するには身体の浄化や贖罪が必要であり、それをしなければ地獄行きであるとされる。天国には地上に建設される地上天国と、その建設に伴ってできる霊界の天国があり、死後に霊界天国で安らぐために地上天国の建設が目指される。

終末観

現在は、サタンの支配する罪悪世界から、神が支配する創造理想世界に転換される終末(末世)であるとされる。

復活

復活とは、サタンの支配圏に堕ちた立場から、神の支配圏内に復帰するその過程を意味するとされる。統一教会では、イエスが埋葬された3日後に弟子たちの前に現れた復活など、キリスト教の伝統的な復活論は全く顧みられていない。聖徒、善霊、悪霊といった霊界をさまよう霊は、地上の人間に憑依して思いを遂げるとされ、霊たちの助けで摂理が進むとされる。

蕩減(とうげん)

救済、正確には復帰のプロセスは、神と人間の関係という縦の次元と、人間同士の関係という横の次元がある。復帰は、信心や行いではなく、蕩減(とうげん。償いの意)によって得られるとされる。人類はメシアが出現できるだけの「基台」を築くように務めなければならない。

救済の摂理において、神の責任分担は95%、人類の自己責任分が5%であるとされる。神が求めるのは、人間の罪を償いうるに足る以下のものだが、その正確な量は神によって決められるとされる。摂理の成就は、信者の信仰と働き次第であり、よって完全な献身を求められる。

教義・教説への批判

宗教社会学者の櫻井義秀は、ルシファーとエバが「不倫なる霊的性関係」を結んだという聖書における根拠はないと指摘している。アダムとエバが楽園追放前に性的関係を結んだという聖書の根拠はなく、『旧約聖書』「創世記」四章一節では、実際に二人が夫婦になったのは楽園の外であることが明言されている。また、霊的堕落・肉的堕落が不倫の性関係であるという根拠は聖書にはない。

現在の聖書学では、旧約の諸文書には原罪の観念はないと理解されている。櫻井は、統一原理では、「仮説を公理として議論を進めていって、議論に必要な概念(二性性相、四位基台、肉身と霊人など)もまた直感・霊感的に想定可能な準公理として用いながら、すべての議論を展開していく」と述べている。

カトリック神学者のネメシェギ・ペトロは、『原理講論』を対象とした論文において、この書において哲学、自然科学、歴史、聖書解釈学、神学等においての主張は、完全に確信のあるものとして羅列されているが、その裏付けは非常に弱いか全くないと述べている。文鮮明の理性は鋭く、思弁を好んで入るが、思惟方法は全く独特で、教育を受けているが狭い分野に限られており、独学者であることは明白であるという。文鮮明の思考の特徴は、ミシェル・フーコーが前近代的な思考方法の特徴として明らかにした類似に基づく考え方(呪術的思考の一種)であり、『原理講論』の歴史神学の論証の多くはこのタイプであり、この思考方法は近代以後の思想界では通用しないと述べている。

ネメシェギは、人間は皆悪魔の血を引いているとされるが、統一教会の楽園追放の話においても、人類はサタン(ルシファー)とエバの子孫ではなく、アダムとエバの子孫とされており、そうであるなら、統一教会の原罪を遺伝的にとらえる考え方と統一教会の楽園追放の話は合致しないと述べている。イエスの死が、罪深い人類を正当な理由で虜にしていた悪魔に支払われた身代金のようなものであったという説は、古代に幾人かの教父が唱えていたが、これには聖書的な根拠はなく、キリスト教神学では中世には捨てられている。また、人類の歴史を神とサタンに分け、人々を恣意的(この分別の基準は、良識や常識の判断と必ずしも一致しないとされる)に神の側、悪魔の側に分けることは、狂信的で極めて危険であると指摘している。ある宗教が天の側により近い宗教の邪魔をする場合、それはサタンに属するとされ、『原理講論』の倫理観では、それを滅ぼすためにはあらゆる行動が許され、善とされることになる。

また、ネメシェギは次のことを指摘している。『原理講論』では、旧約聖書に書かれた様々な出来ごとを文字通りに受け取り、その年代も書かれたとおりであるとする根本主義的な聖書解釈(現代聖書学の立場では支持されない)と、聖書の表現を字義通りにではなく象徴的に解釈する象徴的聖書解釈が混在している。ネメシェギは、歴史学から否定されていることを事実とする一方、他のことを単なる象徴としているが、どちらの解釈を用いるかの判断基準はなく、文鮮明の独断にしか思われない。科学と宗教とを混合するような考え方は、現代のキリスト教哲学の認識論ではすでに排除されているが、『原理講論』には認識論が全くない。世界の終末を計算するための歴史観は、非神学的、非学問的であり、その歴史観には驚くほど空白が多く、ギリシア・シリア・ロシア等の東方、ラテン系、アジア・アフリカ系諸民族は全く無視されている。神に二性性相があるとし、それを性的にとらえることは極めて危険であり、このような神理解から、統一教会の思想で性が過度に大きな位置を占め、結婚が絶対視されているのであろうと述べている。独身性・童貞性に対する評価が全くないという点でも、世界三大宗教のどれとも区別される。神の永遠の幸せがこの世なしにはあり得ず、初めてこの世から得られるという考え方は、キリスト教的な神信仰ではなく、神を進化するもののように考える汎神論の系統のものであるという。

諸問題との関連

宗教学者島薗進は新宗教における「隔離型教団」の代表的な例としてオウム真理教エホバの証人幸福会ヤマギシ会と共に統一教会をあげている。

櫻井は、万物復帰の教えが教団の資金調達と密接に関連することを指摘している。

「霊的な子ども」を生み出すことと考えられていた「勧誘活動」と共に、「資金調達」はサタンの領域から神の領域への合法的な金銭の移動と考えられ重視された。勧誘活動と資金調達は、共に非常に儀式的な活動であり、たとえその活動で敵意にさらされようと、愛を与え、多くの人に復帰に関わる機会を与える活動と考えられていた。多くの信者は、寄付した人がその行為の霊的意義を認識しているか否かに関わらず、神の領域へ資金を移動することで利益を得ると信じている。宗教学者のダグラス・E・コーワン、宗教社会学者のデイヴィッド・G・ブロムリー は、これが一部の資金調達チームの「聖なる詐欺」の実践、寄付の見込みのある人からさらにお金をだまし取ることに結びついたと述べている。

日本のセミナー等で、『原理講論』で説かれる堕落の経緯と復帰の歴史を説明される際に、韓国はアダム国家、日本はエバ国家とされ、先に堕落したエバがアダムに侍ることは当然であると説かれている。朝鮮を植民地支配し民族の尊厳を踏みにじった日本はエバと同じであり、韓国に贖罪しなければならないとされているのである。合同結婚式では、日本人女性・韓国人男性のカップルが多く生み出されており、結婚した日本人女性は韓国人の夫や家族に尽くすことが求められる。

合同結婚式も、統一教会がカルト視される一因となっている。教団内婚制で世代が再生産されるため、ピークを越えたとはいえ教団の持続力は強い。教団内婚制も、カルト視されたりマインド・コントロール疑惑が持ち上がる一因になっている。日本では1992年には、歌手で女優の桜田淳子(当時34歳)、元新体操選手の山崎浩子

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出典:wikipedia
2020/07/12 02:00

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