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中央情報局とは?

CIA紋章
ラングレーのCIA本部。CIAの別名“ラングレー”はこれに因む。

中央情報局(ちゅうおうじょうほうきょく、英:Central Intelligence Agency、略称:CIA)は、外国での諜報を行うアメリカ合衆国情報機関である。中央情報局長官によって統括され、アメリカ合衆国大統領直属の監督下にある。

目次

  • 1 概要
  • 2 活動内容
    • 2.1 情報活動・公的刊行物
    • 2.2 日本への関与
  • 3 歴史
  • 4 組織
    • 4.1 作戦本部
    • 4.2 情報本部
    • 4.3 科学技術本部
    • 4.4 行政本部
  • 5 CIA長官
    • 5.1 歴代CIA長官
  • 6 CIAが主導し関与したとされる作戦・事件
    • 6.1 1940年代
    • 6.2 1950年代
    • 6.3 1960年代
      • 6.3.1 ベトナム戦争関連
    • 6.4 1970年代
    • 6.5 1980年代
    • 6.6 1990年代
    • 6.7 2000年代
    • 6.8 2010年代
  • 7 有名なCIA局員(長官を除く)
  • 8 ポップ・カルチャーにおけるCIA
    • 8.1 小説
    • 8.2 映画
    • 8.3 テレビドラマ
    • 8.4 漫画
    • 8.5 アニメ
  • 9 関連人物ほか
  • 10 関連項目
  • 11 脚注
    • 11.1 注釈
    • 11.2 出典
  • 12 参考文献
  • 13 外部リンク

概要

第33代大統領ハリー・トルーマンが諸外国から寄せられる多種多様な情報を、一括して収集できる組織を望んだことを契機に組織された。中央情報局(以下「CIA」)は、国家安全保障会議の直轄機関であり、アメリカ軍からは独立して存在している。

CIA自身が収集した情報の他に、国家安全保障局国家偵察局国防情報局、各軍の情報部、財務省情報部、エネルギー省情報部といったアメリカ政府の情報機関から構成されるインテリジェンス・コミュニティーからの情報を集めて分析し、大統領と国家情報長官に報告する。アメリカのインテリジェンス・コミュニティーは国家情報長官によって統括され、CIAはその「中央」にある情報機関である。

また、CIAは創設期からイスラエル諜報特務庁イギリス秘密情報部とつながりが深く、また、カナダオーストラリアニュージーランドの情報機関とは、アングロ・サクソン連合として横の連携がある(UKUSA協定)。

活動内容

アメリカ合衆国の安全保障政策の決定に必要な諜報を行う。諜報活動のために膨大な予算を与えられているが、その用途などの詳細情報は明らかにされていない。また局員は諜報員だけでなく、戦闘を伴う活動に従事する特別行動部(Special Activities Division)という準軍事組織に所属するものもいる。

一般には以下のような活動があるといわれている。

インターネット上での諜報活動/謀略活動

アメリカ合衆国に敵対する指導者の暗殺に関しては、フォード大統領によって暗殺禁止の大統領令が出されたこともあるが、今では撤回され、パキスタンイエメンなどで無人偵察機プレデターイスラーム主義テロ組織の指導者を暗殺している。

米軍が関与する戦闘地域へ潜入しての軍事的情報の収集に関しては、ベトナムイラクアフガニスタン等での戦争において、局員は現地へ潜入し敵性ゲリラ・民兵・テロリストの情報収集を行い、その拠点や隠処の爆撃時機・座標を米軍へ通知している。しかし、不正確な情報であることもしばしばで、誤爆による多大な民間人の犠牲を招いている実情がある。

2001年9・11テロ後は、コマンド部隊によるテロリスト逮捕・殺害計画を極秘に企画していた。米政府の元高官によると、この計画は1972年ミュンヘンオリンピック事件後にイスラエル諜報特務庁が実行した報復作戦に類似しているという。

2006年5月、「テロリスト関係者若しくはそれらと接触した人物」をアメリカ入国の際に拉致し、国内法の及ばない地域(シリアグァンタナモ米軍基地)の秘密収容所に、取調べを口実に収監していた事が判明して、アムネスティ・インターナショナルや母国政府が調査に乗り出す事態になっている。2006年9月、ジョージ・W・ブッシュ大統領は秘密施設の存在を認め、この秘密施設でのCIAによる取調べを「CIAプログラム」と表現した。バラク・オバマ大統領はグァンタナモ基地に対して厳しい姿勢で臨んだ。

情報活動・公的刊行物

CIAは、秘密工作活動だけを行っているわけではない。情報本部、国家情報評価室、NIO(National Intelligence Officer)などで、情報評価活動をしていた。国家情報長官室(ODNI)が設立されるまで、CIAの情報評価はすべての基礎になっていた。特に軍部の意向に左右されない文官指導部への客観的な情報評価が期待されていた。

元々CIAは真珠湾攻撃で情報、評価活動が集約されず、大統領にまで多数の生の解読電文が評価無しでそのまま渡される上に、アメリカ海軍アメリカ陸軍が別々に情報活動をするという弊害を是正するために生まれた。冷戦が始まり、その性質が変化したが、「ソ連(など)の戦争準備に対して早期警報を出す」という基本任務がおろそかになったわけではない。

CIAの情報評価は、ごく一部は40年以上昔から一般公開されていた。

日本への関与

日本占領期、占領終了後に岸信介賀屋興宣正力松太郎児玉誉士夫笹川良一田中清玄笠信太郎緒方竹虎野村吉三郎などをCIAの協力者として、揺籃期の自由民主党に活動資金を提供し、心理戦略委員会(en:Psychological Strategy Board。のちの作戦調整委員会)などの方針に沿って政治及びマスメディアを利用し、国内のアメリカニゼーションと政府の親米化に一役買った。

2006年(平成18年)7月18日に公開された国務省編纂の外交史料集によると、冷戦時代にはアメリカ政府の反共政策に基づき日本の親米勢力や、民社党などの野党内保守、右派勢力に秘密資金を提供していた。秘密資金の提供を受けたのは岸信介池田勇人両政権下の自民党有力者と社会党右派(後に民社党を結党する勢力)とみられている。この結果、右派が民社党をつくり、日本社会党は弱体化することになった。

冷戦終結後、双子の赤字に苦しむアメリカ政府による人員や経費の削減等のため危機に直面したCIAは、日本等の友好国の経済情報などの非軍事分野での情報収集と分析を始めた。1990年(平成2年)4月には長官のウェブスターが「日本やヨーロッパ諸国の経済上の競争相手に対する情報戦略を扱う企画調整室を設けた。」と発言し、1992年(平成4年)4月には長官のゲーツが「業務の約4割、予算の2/3は経済分野に当てる。」と演説した。2011年には、上級オフィサーで2000年に没したロバート・クロウリーが遺した協力者一覧「クロウリーファイル」には、船橋洋一と、「C」の節に、コロンビア大学教授のジェラルド・カーティスが掲載されている事が明らかになり、協力者の一人であると名指しされている。

1940年代から1980年代まで、日本の指定暴力団ともコネクションを持っており、暴力装置として使用していた。また日本共産党には、岸の系列から統一協会へ関与していると主張された。

CIA日本支局を立ち上げたのは米国OSS(戦略情報局)スイス支局でアレン・ダレスの部下だったポール・ブルームで、彼が来日後に最初に連絡をとったのが笠信太郎であり、以降、ブルームと笠は日本の指導的知識人を糾合する目的の座談会を主催するなどして親米論調の涵養を図っていた。また、野村吉三郎(元海軍大将・駐米大使)に資金提供して海上警備隊(海上自衛隊の前身)を創設させ、野村の参院選出馬を支援している。反ソ・反鳩山緒方竹虎首相にするための工作活動を展開するとともに、緒方の「日本版CIA構想」を支援していた。正力松太郎を使って日本全土を縦断する一大反共軍事通信網を構築する構想があったとされる。(→正力マイクロ波事件)

吉田則昭山本武利加藤哲郎らは2008年(平成20年)4月から9月、アメリカ国立公文書記録管理局で2005年(平成17年)に機密解除され2007年(平成19年)1月12日に一般公開されたCIA公開資料を収集し、1年間をかけてその分析に共同であたった。2009年(平成21年)7月25日早稲田大学20世紀メディア研究所の第51回研究会で中間報告を行い、2009年(平成21年)7月26日の毎日新聞で1面2面の大きな記事として報道された。 日本での活動拠点にニュー山王ホテルがある。

歴史

第二次世界大戦中の1942年に改組設立されたOffice of Strategic Services(OSS、戦略事務局)がCentral Intelligence Group(CIG、中央情報グループ)及びOffice of Political Coordination(OPC、政策調整局)を経て1947年に成立した国家安全保障法により改組され誕生した。

第二次世界大戦終了後、アレン・ダレスはドイツから多数のナチス将校を招聘して、CIAのソ連東欧での情報収集と工作活動の本格化を図った。1950年代から1960年代にかけては、社会主義共産主義化しつつあったイラングアテマラコンゴキューバなどに対してクーデター・要人暗殺などを含んだ工作活動を積極的に展開した。

1999年4月26日にCIA長官を務めた経歴を持つ第41代アメリカ合衆国大統領ジョージ・H・W・ブッシュの功績を称えてCIAの旧本部と新本部からなる複合施設ジョージ・ブッシュ情報センターと命名された。

2001年よりジョージ・W・ブッシュ政権下では、CIAは機能が発揮されていないという指摘もある。ブッシュ政権で権勢を振るうネオコンは、CIAからの情報を軽視しており(プレイム事件など)、アメリカ国防総省傘下の国家安全保障局(NSA)や国防情報局(DIA)を重視して、CIAはインテリジェンス・コミュニティーの主流派から外され、国家情報長官が設置され、副長官にはNSA長官だったマイケル・ヘイデンが就任した。こうした流れは、2010年頃まで続いた。ブッシュ政権でCIA長官だったポーター・J・ゴスは、それまでの最上級幹部を全て辞めさせ、大統領の政策に異議を唱えることを禁じる命令を出した。これによって、CIAの職員は2005年までに総員の半数が5年以下の経験しか持たない組織になった。一方で子ブッシュ政権下でもブラック・サイトでの拷問や無人攻撃機による暗殺などの秘密工作活動でCIAは暗躍した。

2018年、ジーナ・ハスペルが初めての女性長官になる。

組織

作戦本部

ヒューミントに従事する。英語名はDirectorate of operations。本部長はDeputy Director of CIA for operationsで、略称はDDO,DO,DD/Oなどを用いている。

以前は計画本部(1951-73)、作戦本部(1973-2005)、国家秘密工作本部(2005-2015)と称されていた

黎明期にはOSO(戦略作戦局、Office of Strategic Operations、情報収集担当)、OPC(政策調整局、Office of Policy Coodination、秘密工作担当)に分かれていた。

  • 核拡散部
  • 対テロ・センター
  • 防諜センター
  • 麻薬対策センター
  • CIS部
  • 欧州部
  • 中近東・南アジア部
  • 東アジア部
  • アフリカ・中南米部
  • 技術支援部


情報本部

情報の評価・分析、情報資料の作成に従事する。

  • CIS分析部
  • 欧州分析部
  • 近東・南アジア分析部
  • 東アジア分析部
  • アフリカ・中南米分析部
  • 兵器科学研究部
  • グローバル問題部
  • 情報資源部
  • 外国指導者分析部


科学技術本部

技術的情報収集手段の研究・開発に従事する。

  • 技術システム研究・開発部
  • 傍受部
  • 技術保障部
  • 国外ラジオ放送部 (FBIS)

行政本部

総務、人事、訓練、要人警護、施設警戒に従事する。

  • 人事部
  • 要員訓練部
  • 警備部
  • 会計部
  • 情報保管・検索部
  • コンピュータ機材部
  • 通信部
  • 法務部
  • 監察部
  • 会計監査部
  • 秘書部
  • 会計計画部
  • CIA史編纂部
  • 暗号書簡部
  • 公表検討会議


CIA長官

2005年4月21日まで(ボーダー・J・ゴスの任期中)は長官はCIAだけでなく、アメリカのインテリジェンス・コミュニティーの統括役でもあったため、「局」の字がない“中央情報長官”(DCI:Director of Central Intelligence)と呼ばれていた。2005年4月21日以降は専属の“中央情報局長官” (DCIA:Director of the Central Intelligence Agency)となり、インテリジェンス・コミュニティーは国家情報長官が統括している。

これはThe Intelligence Reform and Terrorism Prevention Act of 2004(2004年の情報改革及びテロ予防法)により国家安全保障法が改正されたことを受けた措置である。

2005年まで、副長官も、中央情報副長官DDCIがおり、通常は中将が任命された(もっともCIA本部で勤務するが)。

CIAにおいては、工作本部や情報本部のトップが次官(Deputy Director)として扱われる。例えば工作担当次官はDDO、情報担当次官はDDIなど。が、CIA全体の副長官(Deputy Director)も別に存在する。

なお、CIAの日々の業務はExective Director of the Central Intelligence Agency(EXDIR)が総括することとなっている(2004年4月時点での組織図では、CIA長官のDeputyとしてDDCI、EXDIRのDeputyとしてD/EXDIRが記載されている)。

歴代CIA長官

代 氏名 任期 大統領
1 | シドニー・W・ソワーズ海軍少将 | 1946年1月23日 - 1946年6月10日 | ハリー・S・トルーマン
2 | ホイト・S・ヴァンデンバーグ空軍中将 | 1946年6月10日 - 1947年5月1日
3 | ロスコー・H・ヒレンケッター海軍少将 | 1947年5月1日 - 1950年10月7日
4 | ウォルター・ベデル・スミス陸軍中将 | 1950年10月7日 - 1953年2月9日 | ハリー・トルーマン
ドワイト・D・アイゼンハワー
5 | アレン・ウェルシュ・ダレス | 1953年2月26日 - 1961年11月29日 | ドワイト・D・アイゼンハワー
ジョン・F・ケネディ
6 | ジョン・マコーン | 1961年11月29日 - 1965年4月28日 | ジョン・F・ケネディ
リンドン・ジョンソン
7 | ウィリアム・F・レイボーン退役海軍中将 | 1965年4月28日 - 1966年6月30日 | リンドン・ジョンソン
8 | リチャード・ヘルムズ | 1966年6月30日 - 1973年2月2日 | リンドン・ジョンソン
リチャード・ニクソン
9 | ジェームズ・R・シュレシンジャー | 1973年2月2日 - 1973年7月2日 | リチャード・ニクソン
10 | ウィリアム・コルビー | 1973年9月4日 - 1976年1月30日 | リチャード・ニクソン
ジェラルド・R・フォード
11 | ジョージ・H・W・ブッシュ | 1976年1月30日 - 1977年1月20日 | ジェラルド・フォード
ジミー・カーター
12 | スタンズフィールド・ターナー退役海軍大将 | 1977年3月9日 - 1981年1月20日 | ジミー・カーター
ロナルド・レーガン
13 | ウィリアム・J・ケーシー | 1981年1月28日 - 1987年1月29日 | ロナルド・レーガン
14 | ウィリアム・ウェブスター | 1987年5月26日 - 1991年8月31日 | ロナルド・レーガン
ジョージ・H・W・ブッシュ
15 | ロバート・M・ゲイツ | 1991年11月6日 - 1993年1月20日 | ジョージ・H・W・ブッシュ
ビル・クリントン
16 | R・ジェームズ・ウルジー 1993年2月5日 - 1995年1月10日 | ビル・クリントン
17 | ジョン・M・ドイッチ | 1995年5月10日 - 1996年12月15日
18 | ジョージ・J・テネット | 1997年7月11日 - 2004年7月11日
(2004年6月3日に辞任) | ビル・クリントン
ジョージ・W・ブッシュ
- | (長官代行)ジョン・E・マクラフリン | 2004年7月11日 - 2004年9月24日 | ジョージ・W・ブッシュ
19 | ポーター・J・ゴス | 2004年9月24日 - 2006年5月5日
20 | マイケル・ヘイデン | 2006年5月5日 - 2009年1月20日 | ジョージ・W・ブッシュ
バラク・オバマ
21 | レオン・パネッタ | 2009年1月20日 - 2011年6月30日 | バラク・オバマ
22 | デヴィッド・ペトレイアス退役陸軍大将 | 2011年9月6日 - 2012年11月9日
23 | ジョン・オーウェン・ブレナン | 2013年3月8日 - 2017年1月23日 | バラク・オバマ
ドナルド・トランプ
24 | マイク・ポンペオ | 2017年1月23日 - 2018年4月26日 | ドナルド・トランプ
25 | ジーナ・ハスペル | 2018年5月21日 - (現職)
(2018年4月26日から5月17日まで代行)

CIAが主導し関与したとされる作戦・事件

1940年代

1950年代

1960年代

ベトナム戦争関連

1970年代

1980年代

1990年代

2010Happy Mail