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公共事業とは?

この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証し出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2009年10月)
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この記事はその主題が日本に置かれた記述になっており、世界的観点から説明されていない可能性があります。ノートでの議論と記事の発展への協力をお願いします。(2014年2月)

財政


公共政策
経済政策
財政政策 - 金融政策
通商政策 - 投資政策
農業政策 - 産業政策
エネルギー政策 社会政策
ポリシーミックス

財政政策
税政 - 概算要求基準
歳入歳出 - 政府予算
一般政府財政収支 - 赤字財政支出
公債(対外債務と国内債務)
財務大臣 - 財政同盟

金融政策
マネーサプライ - 公定歩合
マネタリーベース - ディスカウントウィンドウ
預金準備率
準備預金制度 - 金本位制
金融当局 (中央銀行 - カレンシーボード制)
通貨同盟

通商政策
関税 - 非関税障壁
貿易収支 - 貿易黒字
貿易創造と貿易転換
保護貿易 - 自由貿易
経済産業大臣 - 貿易圏

歳入歳出
税収と税外収入
義務的経費と裁量的支出

調整
予算均衡 - 物価安定 - 経済成長

改革
財政再建 - 通貨改革


公共事業(こうきょうじぎょう)とは、中央政府地方公共団体が、市場によっては適切な供給が望みにくいサービスを提供する事業のこと。公共投資(こうきょうとうし、: Public Investment)ともいう。一般には、サービス主眼の公益事業と区別される。

目次

  • 1 概要
  • 2 PFI
  • 3 日本における公共事業
    • 3.1 公共事業費の動向
    • 3.2 公共事業による防災
      • 3.2.1 東日本大震災
      • 3.2.2 九州北部豪雨
      • 3.2.3 平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害
    • 3.3 代表的な公共事業
      • 3.3.1 農林業関連
      • 3.3.2 まちづくり事業
  • 4 議論
    • 4.1 景気対策
      • 4.1.1 乗数効果
      • 4.1.2 財政とのバランス
      • 4.1.3 産業構造
    • 4.2 受益と負担の関係
    • 4.3 日本
      • 4.3.1 過剰論
      • 4.3.2 波及効果・景気対策
      • 4.3.3 貯蓄投資バランス・投資回収性
      • 4.3.4 事業費配分
      • 4.3.5 執行における問題点
      • 4.3.6 暴力団の資金源との疑い
      • 4.3.7 自治労の主張
  • 5 アメリカ合衆国における公共事業
  • 6 脚注
  • 7 関連記事・論文
  • 8 関連項目

概要

国民生活に役立つように政府・地方政府などが行う事業のことを、公共事業という。民間需要が落ち込む不況のときに、需要を創出し、景気を押し上げるという伝統的な経済政策の一つでもある。建設国債を利用して行われる事業もある。また、将来的に国益となると見込まれるものに税金を投入することを、公共投資という。

高速道路・鉄道などの社会資本といった、民間に任せていては最適量までの生産が行われないという市場の失敗が起きる公共財の生産を行うことが目的である。インフラストラクチャー(社会資本)整備そのものの意味で用いられる(故に公共工事と同一視される)ことが多いが、本来は経済学及び政治学における概念である。

PFI

詳細は「PFI」を参照

PFI(Private Finance Initiative)とは、民間の資金・経営能力を活用して公共施設の建設・維持管理、運営を行う事業手法である。1992年にイギリスで始まり、日本では1999年9月に「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)が施行されている。

日本における公共事業

公共事業により建造された本州四国連絡橋(明石海峡大橋)
大鳴門橋の工事風景

日本では政府官公庁、自治体や地方公共団体、特殊法人などが主体となって財政資金を利用し行う。その費用は、政府・自治体・財投債などからまかなわれ、さらに財政法第4条により、公共事業費に充てられる建設国債の発行が認められている。

日本での公共事業の内訳では道路関連の事業が最も多く、日本で行われる公共事業全体の四分の一を占めている。ほか農林水産、下水道、国土保全などが続くが、近年では情報技術のための光ファイバーケーブル網も公共事業で整備されている。

なお、経済統計上の「公共事業費」と「公的固定資本形成」との違いについては、公的固定資本形成を参照のこと。

公共事業費の動向

第二次世界大戦後の日本国政府によるインフラストラクチャー整備は、敗戦で焦土となった日本を復興させるのに不可欠であった。

日本政府の一般歳出の公共事業関係費をみると、高度成長期には他の項目同様、名目数値ながらに年率10%以上のペースで増加を示した。1992年8月の総合経済対策以降の9年間の総事業費は106兆円に達し、内訳で公共事業費は59.8兆円に上った。1993年には、以前は30兆円台前半であった公共投資は40兆円台となり、対GDP比で7%前半台から8%台に上昇した。

1990年代は、1995年度と1996年度など景気拡張期に入っても公共投資は増加している。

日本の公共投資対GDP比は1980年には10%ほどであったが、1997年に橋本政権の緊縮財政の影響で急減した。ただ、政府の財政悪化から第2次橋本内閣時に削減が計画されたが、関係官庁や建設業界、社会資本整備が遅延することを懸念した地方の反発を受け、また景気の悪化により、改革は実現しなかった。

その後、小渕内閣時には一転して景気てこ入れ策の一環として、地方に公共工事の上積みを求め、この時発行した地方債の償還が後に地方財政の悪化を招く結果の一つになったと言われている。

バブル期には8兆円程度の水準だった公共事業関係費は、1998年のピーク時には14.9兆円に達し、対GDP比で日本の公的固定資本形成は1990年代のピーク時に6.4%となり、欧米主要国の約2倍の水準となった。

2002年度(平成14年度)からは、改革を掲げた小泉内閣の一連の施策により、公共事業関係費は毎年減少を続けた。政府が2006年7月に閣議決定した「骨太の方針2006」に盛り込んだ歳出入改革案においても、今後5年間で1-3%ずつ削減していく方針が明記されていた。公的固定資本形成は、2001年度には32兆円であったが、2006年度には22兆円と5年間で10兆円削減された。

2000年以降は自民・民主両党の政権下で公共事業の削減が行われた結果、2010年には、公的固定資本形成の対GDP比は3.2%(ドイツ1.6%、イギリス2.5%、アメリカ2.5%、フランス3.1%)と、ほぼ半分になった。先進国の中で、アメリカと並んで政府支出の対GDPは小さくなった(2010年時点)。

2014年9月17日、国土交通省が発表した7月の建設総合統計によると、「未消化工事」は16兆7333億円と過去最高となり、統計を取り始めた2009年1月以来、最も多くなった。

公共事業による防災

東日本大震災

普代水門

岩手県普代村洋野町では、M9.0という東日本大震災においても高さ15.5mの普代水門(1984年完成)や太田名部防潮堤(普代村)や高さ12mの防潮堤(洋野町)が破壊されずに津波をはね返し、それらの地域の貴重な人命と財産を守った。普代村では2011年の東北地方太平洋沖地震において被災した民家は無く、死者はゼロである。普代水門自体は、事業計画時に15.5メートルは高すぎるとして非難を浴びたが、当時の村長である和村幸得が「15メートル以上」と譲らず、防災のための財政支出を惜しまなかった。

九州北部豪雨

2012年7月中旬に起きた九州北部豪雨で、大分県竹田市ではダムが完成していた場所では被害は無かったが、玉来川下流で氾濫し市が広範囲にわたって浸水。住宅21棟が全壊し、半壊15棟、床上浸水103棟、床下浸水41棟となり、橋の流失もみられた。この豪雨の影響で豊後竹田駅-宮地駅間は豪雨の翌年8月3日まで不通状態となった(豪雨から約一ヶ月後までは豊後竹田駅-緒方駅も不通となっていた)。

自民党谷垣禎一や同市を地盤とする衛藤征士郎は、事業仕分けで玉来ダム建設が延期されていたことが洪水の原因と主張したが、民主党大河原雅子は同年7月30日の参議院決算委員会で、完成予定は当初から2017年であり自公政権が続いていたとしてもダムは完成していなかったと指摘している。

また公益社団法人土木学会の調査では、魚住ダム(竹田調整池堰)のせき上げや阿蔵新橋および玉来新橋の橋脚に流木が集積し水位を上昇させた可能性を指摘。検討の結果、洪水は流木による流水断面積の減少が引き起こしたと推測している。

平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害

平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害」も参照

2014年8月における集中豪雨の影響により広島市の安佐北区などで大規模な土砂災害が発生した。

日本政府は、広島の被害区域に建造計画があった9基の砂防ダムのうち一つも完成していなかったことを認めた。ダムが完成していれば被害を最小限に抑えられた可能性が指摘されている。国土交通省によれば、2010年の時点で日本全国89000箇所の砂防ダム計画のうち22パーセントしか建設が完成していないとしている。 また広島行政機関による住民への避難勧告が遅れたことも批判されており、災害対策への支出が充分ではなかったとされている。

代表的な公共事業

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この節に雑多な内容が羅列されています。事項を箇条書きで列挙しただけの節は、本文として組み入れるか、または整理・除去する必要があります。(2012年10月)

農林業関連

「Category:土地改良事業」も参照
  • 一般農道整備事業
  • 独立行政法人緑資源機構法に基づく農用地総合整備事業
  • 特定中山間保全整備事業
  • ふるさと農道緊急整備事業
  • 農林漁業用揮発油税財源身替農道整備事業(農免農道整備)
  • 広域営農団地農道整備事業(広域農道整備)
  • 農道環境整備事業
  • 田園交流基盤整備事業
  • 道整備交付金による整備事業(広域農道・林道・市町村道の一体的整備)
  • 農道離着陸場整備事業(通称:農道空港)

まちづくり事業

議論

景気対策

市場経済のみでは供給が困難と考えられる不特定多数が利用する社会資本の整備を行うことにより、地域に直接的・間接的な経済波及効果が期待できるとされている。

失業を削減するために、公共事業を増やして景気を刺激する政策は財政政策に含まれる。公共事業の増加は有効需要を創出する効果がある。ジョン・メイナード・ケインズは1920年代において既に、不況下にて政府が公共事業を用いて失業率を下げたり経済を下支えしたりすることの必要性と有効性を唱えていた。

直接的な経済効果としては、例えば建設需要による資材消費や、公共工事に携わる従事者の雇用を増大させる等のフロー効果があるといわれ、間接的な経済効果としては、例えば交通網が整備されることにより物流が合理化され、あるいは都市基盤が整備されることで企業等の進出を促すなど、整備された社会資本が地域の経済活動の促進につながる等のストック効果が指摘されている。かつてのアメリカでのニューディール政策やドイツでの統制経済など、各地で景気低迷期に景気回復の効果があったこともあり、当時の経済学者の間では経済波及効果が高いといわれてきた。

経済学者の大竹文雄は「税金を使って公共投資・公共サービスを拡充することは、高所得者から失業者に所得の再配分を行うという格差縮小策であると同時に、失業という非効率性を解消する政策でもある」と指摘している。大竹は「長期不況の悪循環を止める唯一の方法は、失業者を公共投資・公的サービスで雇用することである。ただし、無駄な財・サービスを作り出しても意味がなく、それなら失業者に直接お金を渡したほうが資源を浪費せずにすむ。生産能力を高めるような公共投資は意味がない」と指摘している。

公共事業は政治家による利益誘導の温床になりやすく、箱物行政と揶揄されるような弊害を引き起こしやすい。費用対効果の見極めが重要である。また、公共投資対象が建設に傾斜しているため建設業の肥大を招きやすいという批判がある。

UFJ総合研究所調査部は「公共投資拡大による成長率の押し上げ効果は、あくまで一時的なものである」と指摘している。三和総合研究所は「プラス成長を維持するために、公共事業の『バラマキ』を続けても仕事が増えるのは地場の建設業者ぐらいで、『景気へのプラス効果が波及する』と言われても多くの人にとっては実感できるものではない」と指摘している。経済学者の松原聡は「公共事業によって、建設業・セメント業などの業種は潤うが、ほかの業種への波及効果は小さい。また公共事業で使う機械を国外から購入したり、外国人労働者に頼る場合が多いため、国内の景気刺激につながらない」と指摘している。

経済学者の高橋洋一は「政治的な意味では、公共事業より減税のほうが公平である。公共事業は特定の業者に対する利益供与となるが、減税は国民全員に対して行われるからである」と指摘している。

小野善康は「無意味な公共事業と減税は本質的には同じである。穴を掘って埋めるだけや、環境破壊を引き起こすような公共事業をやるくらいなら、失業を放置したほうがまだましである」と指摘している。小野は、満足度を高める公共投資・公的サービスを増やすことで失業を減らすことが、一番の不況対策になるとしている。

経済学者の伊藤元重は「現実の世界では、穴掘りのような無駄な公共事業は不要である。道路建設・研究開発といった社会的に意味のある支出によって、同じ刺激効果が期待できる」と指摘している。

経済学者の岩田規久男は「民間投資誘発型の公共投資は、土木工事関係者の所得を一時的に増やすという単発的効果ではなく、社会資本整備が民間資本と結合し、恒久的な所得を生み出す効果を持っている」と指摘している。

乗数効果

公共投資は、それ自体が需要を増加させるだけでなく、公共投資から所得を得た人が消費し、それがさらなる消費を生むという乗数効果がある。公共事業費には、土地の購入費も含まれており、土地の購入は付加価値を生み出さないためGDPには直接影響を与えない。

森永卓郎は「公共投資の景気拡大効果が落ちてきているのは事実である。現在(2002年)の経済学者たちの検証で明らかになっている。ただし、公共事業が景気対策として即効性があるのは事実である。少なくとも投資総額分の効果はある」と指摘している。

経済学者のポール・クルーグマンは、道路・ダムの建設などの社会資本の整備に使う公共投資の乗数効果は、1.5位あるとしている。

経済学者原田泰は「マクロ計量モデルによる近年(2009-2014年)の研究結果では、1兆円の公共事業をするとほぼ1兆円のGDPが増えるという結果となる。政府支出を増やせばその分だけGDPが増えるという結果である。これは乗数が1ということであり、乗数というほどの効果はないことになる。さらに、これは金融政策も発動した結果であり、金融政策を発動しない場合には乗数は1以下になってしまう」と指摘している。

大竹文雄は「無駄な公共投資が、景気対策と考えられていたのは、政府の支出は100%便益を高めることになるというGDP計算上の仮定によっていただけである」と指摘している。

経済学者の小野善康は「国民経済計算では、公共投資は所得として計上される。これが誤解を生み、公共投資には所得増大効果があると思われているだけである。公共投資の本当の効果は、できた物の価値だけである。数字上での乗数効果だけが強調され、批判する側も乗数効果が小さいということが問題であるとしている。消費関数は、妥当性が疑問である上、乗数効果という見せかけの効果の根拠となった」と指摘している。

経済学者の小塩隆士は「公共投資の乗数効果が発揮されるためには、いったん引き上げられた公共投資の水準をそれ以降も維持しなければならない。景気が上向きでない段階で公共事業の水準を元に戻してしまうと、公共投資はむしろ景気の押し下げ要因になってしまう」と指摘している。

財政とのバランス

岩田規久男は「現在の借金によって実施された公共投資が将来のGDPを高めるのであれば、累積残高の対GDP比率を引き下げることができる」と指摘している。

原田泰は「公共事業の実質GDPを引き上げる効果は、予算で決められた名目の支出額を建設の物価指数で割ったものに依存する。建設物価が上がれば、公共事業の効果は削減される。公共事業は、経済の下支えにはならず、経済効率を低下させる。財政赤字を問題にするのなら、公共事業は増やすべきではない」と指摘している。

経済学者の竹中平蔵は「『不況だから公共事業を増やす』ということは言われるが『好況だから公共事業を減らす』ということは言われない。一度政府から仕事をもらうとそれが既得権益化し、公共事業を減らそうとすると強い反発があるからである」と指摘している。

経済学者の高橋洋一は「費用対効果がプラスとなる公共事業については、行う価値がある」と指摘している。高橋は「公共事業については、その後に追加するコスト(費用)と完成した場合の便益を計算する必要がある」と指摘している。

大和総研は「公共事業の役割を軽視し過度な緊縮財政を続ければ、財政は健全化しても社会資本ストックが不足し、国民生活の質・経済の供給力を低下させることになる。公共事業は財政面のみで議論せず、規模の適正・質の向上に着目することが大事である」と指摘している。

みずほ総合研究所は「単なる公共投資の削減は、経済にデフレをもたらすだけである」と指摘している。

産業構造

国・地方の産業構造を歪める可能性がある、という批判もある。

政府が道路・建物などを建設する際、建設業を中心に雇用機会が創出されるが、これらの公共投資を通じた雇用拡大策は、すでに競争力が弱くなった産業を政府支出によって支えるという側面があるため、経済構造を硬直させるという弊害も指摘されている。

小塩隆士は「政府が公共投資を増やした場合、民間企業の設備投資が抑制されることも考えられる。深刻な不況であるならこうしたケースは考えられないが、建設資材・労働者が不足する場合である」と指摘している。

産業構造の転換」も参照

受益と負担の関係

小野善康は「公共事業の場合、国民は便益を受ける場合は当然と思っても、負担には不満を感じる。公共事業は、受益と負担の関係が明確ではなく、損した気分になりやすい」と指摘している。

受益者負担の原則」および「フリーライダー」も参照

日本

竹中平蔵は、日本の公共事業が増加した理由として、1)景気対策として国民の期待感を利用し一部の族議員が建設業者へのバラマキを続けたこと、2)抑制する仕組みが日本の社会に無かったこと、3)1980-1990年代にかけて巨額の経常収支黒字を抱えていたことの3つを挙げている。

経済学者の井堀利宏は「1990年代以降、日本で公共事業に無駄が多くなったのも、財政赤字が拡大していったのも、受益と負担の乖離が進んだからである」と指摘している。

中野剛志デフレーション対策を含め財政出動の必要性を訴えており、その投資先としては、老朽化した道路下水管、被災地の復興、耐震強化、水害対策など将来に向けたインフラが山ほど存在することを強調している。それにもかかわらず、現代日本では老朽化したインフラの更新投資など本来やるべきことを怠り、こうして削減した公共投資を財源として社会保障費や子供手当てに資金をあてていることを批判している。ケインズ主義的な不況対策は国民統合された福祉国家でないと機能せず、マクロ経済管理ができない国はグローバル化すべきではなかったとしている。

エコノミストの神尾文彦は、日本の公共インフラのその更新投資額は、2050年時点で20兆円以上、2010-2050年度で約490兆円と試算している(2009年時点)。

藤井聡は、300兆円規模の公共投資によるインフラ整備を提言している。

岩田規久男は「デフレから脱却して景気が回復するまでに、役に立つ公共事業は、できる限り終わらせておくべきである。景気が回復してから役に立つ公共投資を実施すれば、民間活動を阻害する」と指摘している。

経済学者の清滝信宏は従来型の公共投資は効率が悪いため、インフラの更新投資の方が望ましいと指摘している。

竹中平蔵は「問題は、本当に子どもたちがそのインフラを必要としているかが解らないということである」と指摘している。

過剰論

削減が図られているものの、依然として多額に上っている。GDPに占める公的固定資本形成の割合をみると、1970年代には約10%で推移していたが、1980年代に入ってからは緩やかに低下し続け、バブル崩壊後には再び景気対策としての事業が進み、再びその比率は上昇した。その後、財政改革から6%前後にまで低下しているものの、欧米諸国は1.5-3%の範囲に収まっており、なお先進国中突出した割合である。面積比に至っては、米国との比較は無理にしても、欧州各国の10倍となっている。

ただし、こうした比較は、大陸と比べての日本の急峻な地形、台風の飛来、豪雪の発生、世界有数の地震国といった地勢的要素(同一機能を持つ施設を作ろうとしても、構造を強固にするために諸外国よりも単価が高止まりせざるを得ない)のほか、大陸より多い人口密度といった要素を無視した議論であることにも留意しておく必要がある。

もっとも、人口密度が高ければ人口比で見ると効率的に整備できるはずなので、地域圏内での整備に限ってみれば、むしろより少ない比率で済むはずではないかという反論もある。また、整備率という観点でみた場合は(算定根拠となる整備計画の妥当性を割り引いて考えても)現在も欧州に比べて劣る状況を踏まえた場合、「高速道路を造りすぎ」というのは、批判のための批判になっているという見方もある。

原田泰は「建設業の生産性は、公共事業を削減した2000年以降高くなっている。これは公共事業の縮小によって競争がきびしくなり、人員整理が進んだからである」と指摘している。また原田は「必要な公共事業に限って重点的に行うのは当然である」と指摘している。

建設業の供給制約

経済学者の飯田泰之は「好況時の公共事業は人手不足を招く」と指摘している。

原田泰は「公共事業の増額は地方の活性化の答えにはならない。アベノミクスの第2の矢で公共事業を増やしたら、人手が集まらなくなってしまった。地方で高齢化が進み、公共事業で働く人がいなくなっていたということである」「ケインズは、穴を掘ってまた埋めるような仕事でも、失業を放置するよりましだと言ったが、一理はある。しかし、建設工事費・建設労働者の賃金が上がっているということは、その分野ではすでに資材・人が足りているということである。ケインズ政策を行なう前提が崩れている」と指摘している。

経済学者の片岡剛士は建設業の供給制約の要点として、1)建設業の規模の減少、2)建設業就業者の高齢化の進行、3)建設工事の特定地域への集中、4)建設関係の技能労働者の減少、5)鉄鋼・セメントなどの建設資材の不足、を挙げている。

波及効果・景気対策

1990年代の「失われた10年」に景気浮揚を狙って公共事業が盛んに実施されて以来、公共事業への依存が続いた結果、公共事業の生産性は大きく低下しているという問題はしばしば指摘されている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

出典:wikipedia
2018/08/20 06:08

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