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写真とは?

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写真(しゃしん、古くは寫眞)とは、

  • 狭義には、レンズを通して対象を結像させ、物体で反射したおよび物体が発した光を感光剤に焼き付けたのち、現像処理をして可視化したもの。このとき、感光剤に焼き付けるまでを行う機器は、基本的にカメラと呼ばれる。
  • 広義には、電磁波粒子線などによって成立する、弁別可能で存続性の高い

英語の"photograph"という語は、イギリス天文学者ジョン・ハーシェルが創案した。photo-は「光の」、-graphは「かく(書く、描く)もの」「かかれたもの」という意味で、日本語で「光画」とも訳される。"photograph"から、略して"フォト"と呼ぶこともある。

日本語の「写真」という言葉は、中国語の「真を写したもの」からである。

目次

  • 1 写真の原理
    • 1.1 銀塩写真の原理
    • 1.2 撮像素子の原理
    • 1.3 相反則と相反則不軌
    • 1.4 写真の撮影
    • 1.5 写真の出力
  • 2 写真の種類
    • 2.1 フィルム写真
      • 2.1.1 モノクローム写真
      • 2.1.2 カラー写真
      • 2.1.3 非銀塩写真
    • 2.2 デジタル写真
  • 3 写真の性質(フィルム写真とデジタル写真)
    • 3.1 再現性
    • 3.2 融通性
    • 3.3 利便性
    • 3.4 経済性
    • 3.5 保存性
    • 3.6 像の真正性
    • 3.7 アスペクト比
  • 4 歴史
    • 4.1 写真発明以前
    • 4.2 写真発明以降
  • 5 写真の使用
    • 5.1 写真と芸術
  • 6 脚注
    • 6.1 注釈
    • 6.2 出典

写真の原理

に対してレンズカメラ等の機器を用いて、屈折、遮断等の光学的な操作を行ない、特定の波長の光に感光する物質(感光材)に照射し、感光させる。感光させた感光材に対して、必要ならば現像等の可視化や定着等の感光能力の消失等の操作、焼き付けや印刷等により明暗の反転や拡大を行なうなどして、最終的な画像を得る。得られた画像は再び光を当てて鑑賞することが可能である。

銀塩写真の原理

銀塩写真」も参照

銀塩写真の原理も語も以前と何ら変わるものではないが、ディジタルカメラの普及以降、レトロニム的に単に「写真」ではなく銀塩写真と明示的に言うことも多くなった。なお、「アナログ写真」という語は「デジタル写真」の「デジタル」を単にすげ替えた単なるレトロニムでしかない。

ハロゲン化銀は光が当たるとイオンが還元され、金属微粒子の核ができる。感光して銀粒子核の潜像となってもそのままでは画像にはならない。感光した部分にある銀はごく少量のため、適当な量まで銀粒子を成長させて可視化する必要がある。これは現像処理で行なう。また、感光しなかった部分はそれ以上感光しては困るため、不要な部分のハロゲン化銀は取り除く必要がある。これは定着処理で行なう。

ハロゲン化銀は感光する時、波長を吸収する領域が青色に寄っている。そこで可視領域に渡って感光させるために感光色素を用いて本来の吸収波長以外にも反応が起こるように設定する。まず感光色素が光に反応し、色素の電子がハロゲン化銀へ移動することによってハロゲン化銀の直接の感光と同様の変化が成立する。可視的な電磁波の特定の波長領域にのみ感光するようにし、三原色に対応するように感光層を重ねるとカラーフィルムになる。

撮像素子の原理

デジタルカメラテレビカメラビデオカメラでは、撮像素子として、撮像管などを使ったものでないものは、固体撮像素子を使っている。固体撮像素子は、微小なフォトダイオードが規則的にびっしりと並んだものであり、光子pn接合に入ると電子を叩き出して電荷が発生する、というものである。量子効率は銀塩写真のハロゲン化銀の場合よりもはるかに高いため、高感度である。これを走査して信号として取り出し、AD変換器へ送る。あるいは電子スチルビデオカメラ等ではアナログ信号のまま直接FM変調などによって磁気テープ等に記録する。

撮像管の場合は、光電効果による電荷を、磁界ないし電界によって走査される電子ビームによって読み取り、電子信号とする。

相反則と相反則不軌

写真の感光量は光の量(単位時間あたりの光の量×光が当たった時間)によって基本的に決まる。これを相反則(ソウハンソク)という。ただし、感光量は入射した光の量にどこまでも比例するのではない。未露光部はベースフィルム以上淡色にはならないし、感光するハロゲン化銀は限られているから一定以上の光を当ててもそれ以上濃くならない。従って、光の入射量と画像の濃さをグラフにするとシグモイド関数のようになる。変化の中間部は直線的であり、この部分の傾きのことをガンマという。

露光時間が極端に短かったり長かったりする場合には、相反則が成立しないことがある。これを相反則不軌という。カラーフィルムでは色毎に相反則不軌の状態が異なるため、カラーバランスが崩れる問題がある。短いほうは通常のカメラの、数千分の1秒程度では顕在化しないため通常は気にされることはない。一方長い方は、夜間や天体の撮影で問題になる。

フィルムの場合、冷却することで長時間露光時の相反則不軌を低減できることが、経験的に知られている。相反則不軌は天体写真を撮る時などに大きな問題となる。1977年頃には長時間露光時の相反則不軌対策や分光感度を調整した天体撮影用のスペクトロスコピック感光材料が市販されていたほどである。

なお、長時間露光においては相反則不軌とはまた別の問題もある。現在利用可能なオプトロニクスによるデジタルカメラでは、画像に熱雑音と製作不良から発生するランダムノイズが乗る。一部のデジタルカメラでは長時間露出する際のノイズを軽減する機能が付いている。非常に長い時間露光する場合、ノイズが最終的な画像に影響しないように撮像素子を低温で動作させる必要がある。天文撮影や科学機器では冷却機構が最初から設計に含まれているものもある。

写真の撮影

35mm一眼レフ用交換レンズ(50mmF1.4)

写真撮影(しゃしんさつえい、: Photo shoot、フォトグラフィ、: photography)とは、カメラによって静止画(スチル写真)を記録する行為のこと。

カメラおよびカメラ・オブスクラは撮影機器である。写真フィルムまたは電子的記録カードが記録媒体であるが、ほかの方法が採られることもある。例えば、光学コピーや乾式コピー(ゼロコピー)は長期的に使用可能な画像を作るが、写真フィルムではなく静電気の移動を使っているので、電子複写(静電複写)という。マン・レイの刊行したレイヨグラフなどのフォトグラム印画紙に投影された影でできた画像であり、カメラを用いない。スキャナのガラス面に直接撮影対象を置くことによって、電子複写を行うことも可能である。

撮影者は記録媒体を必要な量の光に露出する目的で、カメラとレンズを選択・操作できる(記録媒体として通常は、写真フィルムか固体撮像素子を使う)。

選択・操作の対象には以下のものなどがあると思われる。カメラの操作は互いに関係する。

絞り
左側はF値が小さく、右側はF値が大きい。

フィルム面に到達する光の総量は露出時間、レンズの絞りによって変わる。このうちどちらかを変えれば、露出が変わる。(物理的なシャッターがないカメラであっても)露光時間はシャッター速度で表される。露光時間が1秒より短い場合は通常分子が1の分数で表記され、それはカメラのシャッター速度設定ダイヤルに明記されている場合、秒の逆数で表示されている場合が多い。絞りはF値で表示されているが、これはレンズの明るさを表している。Fは焦点比(focal ratio)のFである。F値がルート2分の1倍になる毎に絞りの直径はルート2倍大きくなり、絞りの面積は2倍になる。典型的なレンズに刻まれたF値は、2.8、4、5.6、8、11、16、22、32などであるが、これは数字が大きくなる毎に光の量が半分になっていくことを意味する。

特定の露出のシャッター速度と絞り値は、さまざまな組み合わせが成立する。例えば、125分の1秒でF8と500分の1秒でF4では同じ量の光が得られる。当然ながら、どの組み合わせを選んだかは最終的な仕上がりに影響する。シャッター速度の変化は対象とカメラの動き(ぶれなど)の反映の度合いを変える。絞りの変化は被写界深度を変える。

被写界深度は焦点の前後に広がるピントがあっているように見える範囲のことである。例えば長焦点レンズ(望遠レンズ)を絞りを開いて使用した場合、対象の目には鋭く焦点が合うとき、鼻の頭はピントが合って見えないということが起こる。反対に短焦点レンズ(広角レンズ)を使用し、絞りこんで(絞り値を大きくして)遠距離に焦点を合わせて使えば、対象の目にも鼻にもピントが合って見える写真を撮影することは容易である。

長焦点レンズを使用し、絞りを開いて近距離に焦点を合わせれば、被写界深度は極端に浅くなる。反対に短焦点レンズを使用し、絞りこんで(絞り値を大きくして)遠距離に焦点を合わせれば、被写界深度は極端に深くなる。絞り値、焦点距離、焦点の位置が同じでも、レンズのF値(絞り開放時のF値)によって被写界深度は異なる。また、レンズのF値が同じでも設計・表記と実際との差などにより被写界深度は異なる。ピンホールのように、非常に小さい絞りを使うとごく広い範囲にピントを合わせることができる。これはパンフォーカスと呼ばれる。

写真の出力

材質にかかわらず、カメラが捕らえた像を最終的な写真作品にするには、何らかの工程が必要である。この工程には現像焼き付けなどがある。

焼きつけ工程では、いくつかの調整によって結果を変えることができる。こうした調整の多くはイメージキャプチャーなどで行われる調整に似ているが、引き伸ばし機を用いた焼きつけ工程に固有のものもある。大部分はデジタルによく似た調整であるが、大きく異なる効果をもたらすものもある。

調整には次のものなどがある。

  • フィルム現像の内容
  • 印画紙の種類(光沢の程度や質感など)
  • 引き伸ばし機の方式や性能
  • 露光時間
  • レンズの絞り
  • コントラスト
  • 覆い焼き(焼きつけの一部だけ露出を減らす)
  • 焼き込み(一部だけ露出を増やす)

写真の種類

フィルム写真

モノクローム写真

モノクロフィルム」および「印画紙」も参照

100%コットンなどのバライタ印画紙、RCコート紙、水彩紙を応用したインクジェットプリンター用紙(デジタル用)などは独特の風合いがあり、黒や紙の白の発色、色合いはさまざまである。プリンターの高性能化に伴い、デジタルでのモノクロームプリントが多くなった。デジタル写真・デジタル化された写真においては、「カラー」から「モノクローム」への変換は容易である。

カラー写真

1861年にジェームズ・クラーク・マクスウェルが撮影した世界初のカラー写真。被写体はタータンリボン。カラーの印画紙は当時は存在せず、この画像自体は乾版を基にコンピューター合成により再現したものである
ルイ・オーロンにより1877年に撮影された、紙として現存する最古のカラー写真。映っているのはアジャンの街並み
1910年に撮られた、プロクジン=ゴルスキーによるカラー写真。1910年代にロシア帝国各地で撮られたもののひとつ。写真はセリゲル湖の島にある、正教会の聖ニル修道院

カラー写真は1800年代アレクサンドル・エドモン・ベクレルらにより開発が始まった。初期のカラー実験では像を定着させることができず、更に退色し易かった。初期の高耐光性のカラー写真は1861年に物理学者のジェームズ・クラーク・マクスウェルによって撮影された。彼は3原色のフィルターを一枚ずつかけて3回タータンのリボンの写真を撮影し、3原色中1色のフィルターを掛けた3つのスライドプロジェクタで画像を投影してスクリーン上で合成することにより、撮影時の色を再現することに成功した。しかし、赤色の再現に問題があったうえ(画像では紫を帯びている)、この試みは1890年代になるまで忘れられてしまっていた。

マクスウェルが手法を確立した初期のカラー写真は、それぞれ異なるカラーフィルターレンズを前面に持った3つのカメラを使うものであった。この技法は暗室や画像処理工程に3系統の処理設備を必要とし、カラー用の印画紙がまだなかったため観賞はスライドで見るのに留まり、実用化までにはいかなかった。当時は必要な色に対する適当な感度をもつ乳剤が知られておらずカラーフィルムを製造することができなかったため、ロシアの写真家セルゲイ・プロクジン=ゴルスキーは3枚のカラー写真乾板を連続して素早く撮影する技法を開発した。

1868年にフランスのルイ・デュコ・デュ・オーロンカーボンプリント減法混合を用いることにより初めてカラー写真を紙に定着させることに成功した。この原理は現在も印刷技術に用いられている。

1873年、ドイツの化学者ヘルマン・ヴィルヘルム・フォーゲルによりついにに適当な感度を持つ乳剤が開発され、カラーフィルムへの道が開けた。

1891年ルクセンブルクガブリエル・リップマンは3色干渉によるカラー写真を開発し、この功績により1908年ノーベル物理学賞を受賞した。この技術は実用化こそされなかったものの、現在ではホログラフに応用されている。

1904年フランスリュミエール兄弟によって最初のカラー乾板である「オートクローム」が発明され市場に現れた。これは染色したジャガイモデンプンで作られたスクリーン板フィルターに基づいたもので、ドイツのアグフア(後のアグフア・ゲバルト)が1916年に染色したアラビアゴムの細粒で作られたフィルターを使用する「アグフア・ファルベン・プラッテン」を発明するまでは市場における唯一のカラー乾板だった。

1930年アメリカ合衆国ジョージ・イーストマンは100万ドルの賞金をかけてカラー写真の簡易方法を募集した。音楽家のレオポルド・D・マンネスレオポルド・ゴドフスキー・ジュニアは、多層乳剤方式のカラーフィルムを考案し応募してコダックに入社、同社の研究陣と協力して1935年、最初の近代的なカラーフィルムである「コダクローム」を発売した。コダックは当初コダクロームを「神と人により創られた」と宣伝していた。日本の最初のカラーフィルムは1940年に小西六写真工業(現・コニカミノルタホールディングス)が発表したコダクロームと同方式の「さくら天然色フイルム」であり、続いて富士写真フィルムも「富士発色フィルム」を公表している。

1936年にはアグフアの「アグフアカラーノイ」が追従した。アグファカラーノイはIG・ファルベンインドゥストリーにより開発された発色剤を乳剤層に含有させたもので、発色現像が1回で完結されるなどフィルムの処理が大幅に簡略化されていた。コダクロームを除くほとんどの近代的カラーフィルムは、アグフアカラーノイの技術に基づいている。

インスタントカラーフィルムは1963年ポラロイドから発売された。

カラー写真は、スライドプロジェクタで使うための陽画の透過フィルムとして像を撮ることもできるし、陽画の焼き付けを作るためのカラー陰画を作ることもできる。自動プリント機器の登場によって、現在では後者が最も大衆的なフィルムである。

非銀塩写真

感光材料にハロゲン化銀を使用せず他の材料を使用する写真の総称で写真技術の黎明期から開発が進められ、青写真ジアゾタイプが実用化された。シルバーショック後に脱銀化が加速したが従来の銀塩写真を置き換える用途においては感度、貯蔵性に劣り、デジタルカメラの普及まで実用化には至らなかった。

デジタル写真

詳細は「デジタル写真」を参照

デジタル写真は画像を電子データとして記録するためにCCDイメージセンサCMOSイメージセンサといった固体撮像素子を用いる。携帯電話などにもデジタルカメラ機能が付いているものがある(カメラ付き携帯電話)。デジタル写真を写真と認めない人もいるが、デジタルカメラで捉えた像は見ることもプリントすることもできる。この10年でデジタルの自動露出・自動焦点カメラは一般に広まり、フィルムカメラよりも売れている。動画撮影や録音など、フィルムカメラにはない機能を持っている機種もある他、レンズ交換式デジタルカメラの開発・普及も進んでいる。中には従来の中判カメラに相当する大きさの撮像素子を持つレンズ交換式デジタルカメラもある。

写真処理施設からの遠隔地で仕事をする新聞記者などのカメラマンにとって、テレビジョンとの競争が激化するにつれ、新聞に載せる画像を短い時間で送付しなければならなくなった。このため遠隔地で仕事をする新聞記者達は一時期小型の写真現像セットと電話線で画像を送るための道具を持ち歩くのが当たり前で、大きな負担となった。1981年ソニーが画像撮影にCCDを使い、フィルムを用いない最初のコンシューマ用カメラ「マビカ」を発表した。マビカは画像をディスクに保存し画像自体はテレビに表示するものであった。次いで1990年にコダックが初の市販デジタルカメラDCS100を発表した。その価格は業務用でもなければ手が出ないものであった。商業的なデジタル写真がこのとき生まれたのである。

写真の性質(フィルム写真とデジタル写真)

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この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2015年5月)

写真の性質はフィルムとデジタルで異なるが、共通した観点が存在する。以下、観点を幾つかの性質に分けて紹介する。フィルムとデジタルのどちらが優れているかという議論があるが、全ての観点において一方がもう一方よりも優れているとは言えず、どちらもそれぞれの良さがある。

再現性

ここでの再現性は画質とほぼ同義である。写真の画質を判断する基準は多数あるが、分解能、コントラスト、色再現性が骨子と考えられる。ここでは分解能をとりあげる。これについて、その写真が何個の画像セル(ピクセル)で構築されるかで計ろうとする試みがある。

フィルム写真とデジタル写真を比較するとき、フィルムを撮像素子の画素数に換算するとどの程度かと考えがちだが、何よりもまず両者はあまりに異なる。そのため、フィルムとデジタルで分解能を比較をするのは容易でない。分解能の測定はさまざまな条件に依存する。フィルムの場合、フィルムの寸法・サイズ、粒状性などのフィルムの性能、用いたレンズの性能に依存する。フィルムにはピクセルが存在しないため、フィルムにピクセルが存在するものとして計測した分解能は目安に過ぎない。デジタルカメラではセンサー画像の補間に用いる画像処理アルゴリズム、センサフィルタのバイヤーパターン(Bayer pattern)の効果、記録画質などが関係する。加えて、デジタルカメラの撮像素子表示装置画素の配列は、規則正しい繰り返しパターンを持つため、モアレを生じる場合があるが、フィルムの感光粒子は不規則に並んでいるためこのような現象は起こらない。24×36mm(ライカ)判カメラで撮影した写真の解像度評価はまちまちである。例えば、10メガピクセルという評価がある。より粒子の細かいフィルムを使うとこの数字は上がるし、低級の光学系の使用や劣悪な照明や不適切な現像がこの数字を下げることもあり得る。この評価は2007年の最新鋭デジタルカメラはライカ判カメラよりも優れているという評価を含意している。ただし、35mmフィルムは一般消費者向けのフォーマットである。プロ向けフィルムカメラとして中判カメラ大判カメラがある。これらに先の数値を単純にあてがうと、2007年現在の最新鋭デジタルカメラより優れた分解能を持つことになる。具体的には、6×4.5cm判のフィルム写真は約36メガピクセル、4×5in判は約130メガピクセルである。8×10in判は約540メガピクセルになる。しかし、20メガピクセルや7メガピクセルという評価もある。ライカ判フイルムはISO50クラスの低感度で20メガピクセル相当というのは銀粒子のサイズなどから計算されたものであり、実効的には空間周波数的にみて、色調的・階調的に平坦な特性を有するのはそのおおむね40%程度であり、それ以下の細部描写は空間周波数に比例して劣化してくることからおよそ8メガピクセル程度、とみるのが正しい。やはりフイルム感光粒子の並びやサイズの不均一性や分散性・乳剤層の厚みによる焦点のにじみなどの物理的限界からみてもこれは疑いようがないといえる。

高性能レンズを用い理想的な露出で撮影した現代の超微粒子白黒フィルムの分解能は、30メガピクセル以上のファイルサイズにおいて適当な細かさが得られる。一般消費者向けライカ判カラーフィルムでは12メガピクセル以上に、安価なライカ判フィルムカメラ(コンパクトカメラ)でも8メガピクセル以上に価し得る。

画像の表示に用いる媒体も考慮に入れる必要がある。例えば、せいぜい2メガピクセル程度のものが主流であるテレビやコンピュータのディスプレイで写真を表示するのみであれば、ローエンドのデジタルカメラで出せる解像度でさえ十分と言える。4×6inのプリントに出力する場合に限っても、デジタルとフィルムの間に知覚できる差はある。出力媒体が大きな広告版なのであれば、高い解像度をもった媒体か大きな判が必要になるだろう。

融通性

現在ではまだ、融通性に関してはフィルムがデジタルに勝ると言える。露出寛容度とゴミ・ほこりに対しての比較を挙げる。

露出寛容度は、露出過多または露出不足のネガから良い画像を得る度合いのことである。デジタル画像ではわずかでも露出過多になると、ハイライトが飛んでしまう。露出不足では陰影の細部が失われがちである。しかしフィルム、特にネガフィルムであれば、少々露出過多ないし露出不足のフィルムを使っても、正常の範囲内と言える画像が得られる。

結像面に乗ったちりは、撮影者につきまとう問題である。デジタルカメラのセンサーは固定であり、デジタル一眼レフではちりを除くのが困難である。ただし、一部のデジタルカメラにはイメージセンサーのちりを検知しセンサー上のゴミ・ほこりをある程度除去する機構が付いている。フィルムカメラでは画像ごとにフィルムを交換するので、ちりに対処するのは容易である。その代わり、フィルムの現像工程以降でゴミ・ほこりが混入する危険が存在するが、いずれも正しい手順で清潔に扱えばほとんど問題は起きない。

利便性

利便性はデジタルカメラが普及した要因の一つである。フィルムカメラでは一連のフィルムを撮影した上で現像しなければならない。そして現像を終えて初めて写真を見ることができる。他方ほとんどのデジタルカメラは液晶ディスプレイを備えており、撮った直後に写真を見ることができ、またその場で不要な写真の削除が可能である。

デジタルカメラの画像はパソコンで加工することが容易である。多くのデジタルカメラは画像を、センサーからの出力を画像に変換せずそのまま保存するRAWフォーマットで保存することができる。適当なソフトウェアと組み合わせれば、最終的な画像に「現像」する前に、撮った写真のパラメータ(シャープネスなど)を調整することができる。記録された画像自体を加工したり書き換えるという選択肢も存在する。

フィルムもスキャニングという工程を経てデジタル化できる。つまり、銀塩写真をデジタル写真に変換できる。

NASAでは、スペースシャトル等の打ち上げ直前の記録写真の撮影に、現在でも限定的にフィルムカメラを使用している。これは規格外の超大型フィルムを用いて、1枚の遠景写真からボルト1本まで確認できるほどのもので、トラブルが起きた時に写真を検証し、打ち上げ前から異常があったのかどうかを後で確認するために使われている。フィルムカメラではどんなにフィルムが大きくても、露光にかかる時間は大きく変わらないが、デジタルカメラではデータ量に比例して保存に時間がかかる。また、巨大なCCDや、保存装置にかかる電力が増え、バッテリーや冷却装置も含めると機器はさらに大型・重量化してしまう。このため、一人の写真技師が徒歩で数か所から打ち上げ点を撮影するという任務には、デジタルカメラは不向きであった。

同様の欠点は初期の民生用デジタルカメラでもあり、高解像度の撮影をすると、保存に時間をとられてシャッターチャンスを逃したり、バッテリーが減ったりしやすかった。その後の技術革新でこうした問題は改善されてきた。

経済性

2つのフォーマットにおける経済的優越性は撮影のスタイルによって大きく変化するので、一概にどちらがより経済的だとは言えない。デジタルカメラは概して、似たカテゴリーのフィルムカメラより高価である。これは撮影自体と画像の短期的な保存にほとんど全くコストが掛からないということで相殺され得る。だが、デジタル写真にもランニングコストはある。長期的に多数の画像を保存するなら(フィルムと同じく)記録メディアなどに関する費用は甚大である。デジタルカメラにフィルムは不要だが、画像を記録するSDメモリーカードメモリースティックなどを必要とする。(フィルムにも言えるが、)それらは限られた寿命しかない。そして、ハードディスクや光ディスクなど、デジタル画像を保存するメディアを用意しなければならない。(これもフィルムにも言えるが、)プリントが欲しいなら自分で印刷するか業者に依頼しなければならない。さらに、(これもまたフィルム式のカメラにも言えるが、)デジタルカメラはバッテリーを使う。バッテリーは使うごとに劣化するものであり、充電式であっても定期的に買い替えるものである。

他方、フィルム写真ではフィルムの取得と画像処理(プリントなど)にコストが掛かり続ける。フィルムは撮影直後に画像を見ることができないので、最終的な写真を知ることなく撮影した全てのフィルムを現像処理するのが通例である。写真の出来に応じて現像するか否かをコマごとに決めることはできない。機材の価格については、製造撤退や機種の生産整理などが進めばデジタルカメラより相対的に高価になる可能性はあるが、中古市場での流通量も多く、一概には言えない。また多くのフィルムカメラもバッテリーを使い、程度の差はあれデジタル同様の消耗品出費は避けられない。

保存性

フィルムが作るのは一次画像であり、これは撮影レンズを通った情報を含んでいる。オルソクロマチックのように特定の周波数領域に限られた感度またはパンクロマチックの幅広い感度といった違いはあっても、色(波長)によって対象を捉える点は同様である。現像方法の違いにより最終的なネガやポジに差は出るが、現像が終れば画像はほとんど変化しない。理想的な状態で処理・保存されたフィルムは実質的に100年以上変わらず性能を発揮する。プラチナの化合物によって発色するプリントは基本的にベースの寿命に制限されるのみであり、数百年ほどは持つ。高い保存性を欲するならば調色が必須であるという因襲があった。調色されたプリントの保存性は高い。しかし現在では、調色せずとも保存性を高める薬品が販売されている。

2007年時点で、コンピュータを中心としたデジタル媒体が登場してから50年程しか経っていないので、デジタル写真の保存性はフィルムほどには分かっていない。しかし保存に関して乗り越えなければならない点が少なくとも3つ存在する。記録媒体の物理的耐久性、記録媒体の将来的な可読性、保存に使ったファイルフォーマットの将来的な可読性である。

多くのデジタル媒体は長期的にデータを保管する能力はほぼない。例えば、多くのフラッシュメモリは十年から数十年でデータを失うし、一般的な光ディスクは長いものでも百年程度である(例外有り)。MOなどの光磁気ディスクは保存性の高い記録媒体であるが、将来的な可読性という面で劣る。

さらに、記録媒体が長期間データを保持できたとしても、デジタル技術のライフスパンは短いので、メディアを読み取るドライブがなくなることがある。例えば5.25インチフロッピーディスク1976年に初めて発売されたものであるが、それを読めるドライブは、30年も経たない1990年代後半には既に珍品となっていた。後継の3.5インチフロッピーディスクも、2012年現在、ドライブを装備するパソコンは少ない。Zip1994年の発売開始後数年で売れ行きが落ち、2007年時点ではメディア・ドライブとも入手困難になっている。

データをデコードできるソフトウェアの存続も関係する。例えば現代のデジタルカメラの多くは画像をJPEGフォーマットで保存するが、このフォーマットは1990年代初頭に登場した(国際標準化機構(ISO)・国際電気標準会議(IEC)で規格化されたのが1994年)ものである。現在、膨大な数のJPEG画像が生み出されているが、遠い未来においてもJPEGフォーマットを読むことができるかという問題がある。 また、複数が並立し、互換性に乏しいRAWフォーマットの将来も不確定である。これらのフォーマットの一部は暗号化されたデータまたは特許で保護された専用データが含まれているが、突然メーカーがフォーマットを放棄する可能性がある。メーカーがRAWフォーマットの情報を開示しないならば、この状況は今後も続く。

デジタル写真におけるこれらのデメリットにも対策がうてる。例えば、ビットマップ形式、JPG形式、PNG形式など、汎用性の高いファイルフォーマットを選ぶことによって、ソフトウェアがそのファイルを読解できる将来の可能性が増す。また、将来読めなくなるかサポートされなくなる可能性がある記録媒体にデータを保存していたものを、品質を低下させることなく新しいメディアにコピーすることが可能である。このことはデジタルメディアの大きな特徴の1つである。

像の真正性

フィルム画像の合成は難しいが、デジタル画像は簡単に改変できてしまうため、像の真正性を重視する場合(パスポートや査証の写真など)、フィルムはデジタルよりも好まれる。なお、日本のパスポートには2006年3月よりICチップにデジタル化された顔写真が埋め込まれている。

多くの裁判所では、デジタル写真は容易に改変しうるという理由で証拠として採用されない。また同様の理由で、犯罪捜査医療分野などではいまだにポラロイドカメラの需要が存在している。ただし、書き換え不可能な専用フラッシュメモリを利用することでこの問題は克服できる。

2012年現在では、Adobe PhotoshopCorel Paint Shop Proなどの画像編集ソフトウェアで、フィルム写真では膨大な時間を費やす必要があった、コントラストシャープネス(輪郭の鋭さ)の調整や、いらないものを消すなどの画像加工を初心者でも簡単かつ即座にできる。

アスペクト比

フィルムカメラ写真のアスペクト比はカメラ・写真フィルムの規格や印画紙のフォーマットに倣う場合が多い。カメラと印画紙の主要なものを挙げる。

カメラ(呼称/寸法)
  • ハーフサイズ(シネ版) - 18×24mm
  • ライカ判(35mmフルサイズ) - 24×36mm
  • 6×4.5cm判 - 41.5×56mm
  • 6×6cm判 - 56×56mm
  • 6×7cm判 - 56×70mm
  • 6×9cm判 - 56×83mm
  • 4×5in判 - 94×120mm
  • 5×7in判 - 121×170mm
  • 8×10in判 - 193×243mm
  • 10×12in判 - 245×295mm
  • 11×14in判 - 270×345mm
印画紙(呼称/寸法)
  • 名刺判 - 2.5×3.5in(62.5×89mm)
  • 手札判 - 3.5×5in(89×119mm)
  • 大手札判 - 4×5in(94×119mm)
  • 大キャビネ判 - 5×7in(119×170mm)
  • 八切判 - 6×8in(157×207mm)
  • 六切判 - 8×10in(194×244mm)
  • 四切判 - 10×12in(240×290mm)
  • 大四切判 - 11×14in(265×340mm)
  • 半切判 - 14×17in(343×417mm)
  • 小全紙判 - 16×20in(393×492mm)
  • 全紙判 - 18×22in(447×550mm)
  • 大全紙判 - 20×24in(490×590mm)

デジタルカメラ写真のアスペクト比については次のものが主である。長辺が短辺に比してより長いものから挙げる。以前はパソコン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

出典:wikipedia
2018/04/19 02:20

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