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利根川とは?

【水系】
一級水系 利根川
【種別】
一級河川
【延長】
322 km
【平均の流量】
290.43 m³/s
(栗橋観測所2001年平均値)
【流域面積】
16,840 km²
【水源】
大水上山(群馬県)
【水源の標高】
約1,800 m
【河口・合流先】
太平洋(茨城県千葉県)
【流域】
日本
茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県
千葉県・東京都長野県

利根川(とねがわ)は、大水上山を水源として関東地方からへ流れ、太平洋に注ぐ河川河川法に基づく政令により1965年(昭和40年)に指定された一級水系である利根川水系本流である一級河川筑後川(筑紫次郎)・吉野川(四国三郎)とともに日本三大暴れ川のひとつと言われ、「坂東太郎(ばんどうたろう)」の異名を持つ。河川の規模としては日本最大級で、東京都を始めとする首都圏の水源として日本国内の経済活動上で重要な役割を果たしている、日本を代表する河川の一つである。日本三大河川江戸時代初期に流れを変えられた。

目次

  • 1 地理
  • 2 自然
    • 2.1 気候・水文
    • 2.2 地形・地質
    • 2.3 地下資源
    • 2.4 植生・昆虫
    • 2.5 動物
    • 2.6 魚類・水生生物
  • 3 名称
  • 4 利根川水系
    • 4.1 本流と流域自治体
    • 4.2 支流・分流と流域自治体
    • 4.3 湖沼
  • 5 利根川開発史
    • 5.1 先史時代
    • 5.2 中世以前
    • 5.3 江戸前期の河川事業
    • 5.4 江戸後期の河川事業
    • 5.5 利根川改修計画と増補計画
    • 5.6 利根特定地域総合開発計画
    • 5.7 利根川水系水資源開発基本計画
    • 5.8 開発と地域摩擦
  • 6 河川施設
    • 6.1 ダム・堰
    • 6.2 遊水池・水門
    • 6.3 放水路・分水路
    • 6.4 用水路・導水路
    • 6.5 水力発電事業
    • 6.6 砂防事業
  • 7 水質
    • 7.1 河川の水質
    • 7.2 湖沼の水質
  • 8 交通
    • 8.1 水運
    • 8.2 道路
    • 8.3 鉄道
  • 9 観光
  • 10 民俗
  • 11 関連する人物
  • 12 利根川を由来とする名称
  • 13 脚注
    • 13.1 注釈
    • 13.2 出典
  • 14 参考文献
    • 14.1 基礎資料
    • 14.2 書籍・PDF
    • 14.3 ウェブサイト
  • 15 関連項目
  • 16 外部リンク

地理

上流(群馬県前橋市付近)
中流(群馬県邑楽郡明和町付近)
下流(千葉茨城県境)

群馬県利根郡みなかみ町にある三国山脈の一つ、大水上山(標高1,840m)にその源を発する。前橋市高崎市付近まではおおむね南へと流れ、伊勢崎市本庄市付近で烏川に合流後は、東に流路の向きを変えて群馬県・埼玉県境を流れる。江戸川を分流させた後はおおむね茨城県千葉県の県境を流れ、茨城県神栖市と千葉県銚子市の境において太平洋(鹿島灘)へと注ぐ。江戸時代以前は大落(おおおとし)古利根川が本流の下流路で東京湾に注いだが、度重なる河川改修によって現在の流路となっている(後述)。流路延長は約322km信濃川に次いで日本第2位、流域面積は約1万6840kmで日本第1位であり、日本屈指の大河川といってよい。流域は神奈川県を除く関東地方一都五県のほか、烏川流域の一部が長野県佐久市にも架かっている。

利根川における上流中流下流区分については、おおむね下記の区間に分けられる。

上流:水源の大水上山から群馬県伊勢崎市八斗島(やったじま)まで
中流:伊勢崎市八斗島から千葉県野田市関宿の江戸川分流点まで
下流:江戸川分流点から河口まで(流路を東へ変える)

利根川の水源は大水上山である、という詳細が明らかとなったのは1954年(昭和29年)に群馬県山岳連盟所属の「奥利根水源調査登山隊」30名が行った、水源までの遡行調査による。水源に関する史料としては室町時代に著された源義経一代記である『義経記』が初出で、同書では現在のみなかみ町藤原付近を水源と記している。大水上山の名称が初出したのは、それより後の1640年代に成立した『正保国絵図』においてである。しかし、利根川の源流については江戸時代後期に入ると天保七年(1835年)に成立した『江戸名所図会』や安政五年(1858年)に成立した『利根川図志』において異説が出されるなど、長らく不明となっていた。明治以降本格的な調査が開始され、1894年(明治27年)と1926年(大正15年/昭和元年)と二度の探検を経て1954年に水源が確定する。さらに1975年(昭和50年)には群馬県による利根川源流域の総合学術調査が実施され、より詳細な実態が解明された。

利根川の出発点は大水上山北東斜面、標高1,800m付近にある三角形の雪渓末端である。源流部は険しい峡谷を形成し、大小の沢を集めた後奥利根湖へと注ぎ込む。矢木沢須田貝藤原ダム通過後は南西に流路を変え、水上温泉付近で水上峡・諏訪峡を形成しながら南へ流れる。みなかみ町月夜野で赤谷川と、沼田市片品川と合流した辺りでは沼田盆地を形成、両岸では河岸段丘が発達している。沼田市から渋川市境に掛けては綾戸渓谷と呼ばれる渓谷を形成して蛇行、渋川市内で吾妻(あがつま)川を併せると次第に川幅を広げ、前橋市街を縦貫した後、前橋市と高崎市の市境を形成する。群馬県西毛地域を流域とする烏川を合流すると流路を東へ向け、伊勢崎市八斗島へ至る。

中流域に入ると利根川の川幅は急激に広くなり、群馬県佐波郡玉村町付近で約500m、埼玉県熊谷市妻沼付近では約900mにも及ぶ。途中の利根大堰で河水は武蔵水路などによって荒川へ分流する。そのあと間もなく渡良瀬川を合流して茨城県猿島郡五霞町内を貫流した後、茨城・千葉県境を流れる。下流域においては野田市関宿で江戸川を、千葉県柏市利根運河をそれぞれ分流するが対岸の茨城県守谷市鬼怒川取手市北相馬郡利根町の境で小貝川が合流する。香取市付近では一旦千葉県内を流れるがその後利根川河口堰付近で再度県境を形成し、常陸利根川黒部川を左右より併せる。ここからは平均して900mから1kmの広大な川幅を形成し、神栖市・銚子市境において太平洋へと注ぐ。下流域には日本第二位の面積を有する霞ヶ浦を始め北浦印旛沼牛久沼手賀沼など多くの天然湖沼が含まれる。

自然

利根川流域の自然は、上流・中流・下流において様相が大きく異なることが多い。本節では利根川流域における自然環境について詳述する。ただし水質については別掲して後述する。

気候・水文

利根川中流の埼玉県久喜市栗橋にある国土交通省関東地方整備局の栗橋観測所。過去の洪水位が示されている。

利根川流域の気候関東平野東日本気候区に属しているため、おおむね温暖湿潤の気候である。しかし流域面積が広大なこともあって上流・中流・下流が一律に温暖湿潤という訳ではなく、季節により相違が見られる。

降水量は年平均で 1,300mm と、日本の年平均降水量 1,700 mm に比較すると少ない。

上流部は三国山脈などの高山地帯があり、冬季は雪が多く寒さが厳しい。1955年(昭和30年)から2002年(平成14年)の間における平均累積積雪量は大水上山源流部で16m、矢木沢ダム付近で10 - 14m、みなかみ町付近や片品川上流部などでは2 - 10mとなっており、最上流部は関東地方でも屈指の豪雪地帯であるが少雨地帯でもある。しかしこの積雪が春季には融雪して利根川水系8ダムに注ぎ、首都圏の重要な水源となる。中流部については夏季は太平洋高気圧の影響で晴天が多いがその分暑さも厳しい。2007年(平成19年)8月16日に熊谷市で記録した40.9℃は、同日記録した岐阜県多治見市ともに当時の日本最高気温記録となった。また群馬県や栃木県では雷雨が多くなるのも特徴である。一方冬季には北西の乾燥した季節風が強く吹き、群馬ではこれを「上州のからっ風」・「赤城おろし」・「榛名おろし」とも呼ぶ。下流部においては黒潮の影響もあり温暖であり中流部のような猛暑も少ないが、冬季には曇りの日が比較的多い。降水量については中・下流部は夏季や秋の台風シーズンにその極期を迎える。

ただし利根川の年平均降水量は観測が開始された1900年(明治33年)以降一貫して減少傾向が続いており、平成に入ると多雨の年と少雨の年の降水量の差が顕著になっている。

利根川の年間流出量は約91.5億t、年平均の流量は埼玉県久喜市栗橋の観測地点で毎秒290.43mで、いずれも日本第5位である。

地形・地質

神流川支流の三波川に見られる三波石の露頭。国の天然記念物
利根川と信濃川分水嶺である三国山脈を形成する山岳の一つ、谷川岳

利根川流域の地質についてであるが、上流部では火山活動などによる地質形成が主体で、中・下流部の平野部については沖積平野が主体となっている。利根川最上流部の奥利根周辺は古第三紀花崗岩類が多く占め、比較的堅固な地質となっている。それ以外の山地については主に新第三紀堆積岩が占め、関東山地八溝山地足尾山地中生代から古生代に掛けて形成されたチャート砂岩粘板岩などの堆積岩が主体となっている。烏川流域、特に神流(かんな)川一帯は三波川(さんばがわ)変成帯と呼ばれる地質であり、神流川の三波石峡や支流の三波川では三波石と呼ばれる緑色の結晶片岩が多く見られる。群馬県、栃木県を流れる支流の上流部の多くは多くの火山が存在し、これらの噴火活動による火山砕屑物層や風化した花崗岩、安山岩凝灰岩などが地質の多くを占めている。このことから地すべり土石流に伴う被害も多い(後述)。

中・下流部に広がる丘陵地帯や洪積台地第四紀に形成され、古東京湾により堆積した砂や泥が主体の固結度の低い下総層群と呼ばれる海成地層などが主体である。この地層の上に関東ローム層が覆う。沖積低地更新世の末期より完新世に掛けて形成された厚い沖積層が主体で、現在の東京湾沿岸部などでは最大で60mから80mもの厚みになる。これら洪積台地・沖積低地では第四紀に関東山地など関東平野を囲む周辺山地の隆起運動が活発になり、相対的に平野中央部が沈降する関東造盆地運動が本格化することで低地には上流から流れてきた土砂が沖積層に堆積。その後沈降していた平野中央部が隆起に転じたことから今度はそこに土砂が堆積し、現在の台地・低地となった。こうして形成された山地や台地が現在利根川および利根川水系の分水界を形成する。分水界は群馬・新潟県境の三国山脈や群馬・栃木・福島県境の帝釈山脈、および茨城県から栃木県にかけて広がる八溝山地が北側、群馬・長野・埼玉県境の関東山地が西側に位置し、これらの山地の南麓および東麓に降った雨が最終的に利根川へと注ぐ。

三国山脈は太平洋と日本海分水嶺であり、ここを境とし南麓は利根川本流を始め大小の沢の水源となるが北麓は魚野川中津川などの信濃川水系となる。男体山日光白根山尾瀬などが属する帝釈山脈は南麓、東麓に降った雨はそれぞれ鬼怒川、片品川として利根川へ合流するが、北西麓の一部では尾瀬沼が水源である只見川が流出し、阿賀野川に合流する阿賀野川水系の一部となっている。八溝山塊、鷲子山塊、鶏足山塊、筑波山塊を包括する八溝山地およびそれに連なる栃木県宇都宮市付近の台地、および茨城県中南部に分布する常総台地は南部については渡良瀬川や鬼怒川、小貝川さらに霞ヶ浦に注ぐ河川群として最終的に利根川へと合流するが、北部については箒川荒川涸沼川などの那珂川水系として別途太平洋へと注ぐ。

関東山地北部、および浅間山妙義山荒船山といった群馬県、埼玉県西部に存在する山地は概ね東麓は吾妻川、烏川、小山川として利根川に注ぐが、埼玉県内の南麓は荒川水系の河川として荒川に合流し東京湾に注ぐ。また西麓は信濃川水系の小河川として信濃川(千曲川)に合流する。そして埼玉県北部の台地は第三紀より始まった地殻変動が、第四紀における海進期の影響で形成された古東京湾によって一旦海底となるがその後の海退期や赤城山榛名山の発達、利根川・荒川上流より運搬された土砂の堆積などによって次第に台地が形成されたものである。この台地は加須市、幸手市久喜市一帯で標高が低くなっており、この一帯に集まった水は利根川もしくは中川に注ぐ。一方南側は最終的に荒川へと合流するが、江戸時代以降の河川改修によりその様相は変化している。

地下資源

1895年頃の足尾銅山。日本有数の産出量を誇ったが1973年閉山。

利根川流域における地下資源としてはマンガンといった金属資源や石灰石硫黄天然ガスなどの非金属資源が存在する。金属資源のうち特に銅については1973年(昭和48年)まで操業されていた足尾銅山が著名で、一時期は日本全国の銅産出量の40%強におよぶシェアを誇っていた。その他では金・銀が利根川本流上流や鬼怒川上流の一部、マンガンは渡良瀬川流域、鉄は吾妻川上流域の一部に分布している。

一方非金属資源としては硫黄が吾妻川上流域、石灰石が烏川流域で採掘される。また石材として栃木県の大谷石や群馬県の三波石が特産として知られ、や高級庭石として利用されている。なお天然ガスについては利根川下流域一帯および江戸川下流域の千葉県北中部・東京都東部一帯が南関東ガス田として知られ、多くのガス田が存在した。1956年(昭和31年)以降天然ガス採掘が江戸川下流の東京都江東区、千葉県市川市船橋市で活発となったが、工業用水道用途としての地下水過剰取水と相まって天然ガス採掘によりこの地域で地盤沈下が深刻化した。このため東京・千葉の両都県当局は当地の業者よりガス採掘権を1972年(昭和47年)に買い上げ、採掘を禁止したことで地盤沈下は収束に向かった。このため現在は天然ガス採掘は行われていない。

植生・昆虫

日光戦場ヶ原高層湿原として様々な高山植物が生育する。

利根川の植生についても、上流と中・下流域では様相が異なる。上流では山岳地帯が広がるが尾瀬や浅間山北麓では高山植物が多く自生、尾瀬や日光戦場ヶ原ではミズゴケツルコケモモなどからなる高層湿原が存在する。また標高1,600m以上の高山地帯では常緑針葉樹林であるオオシラビソコメツガ、標高700 - 800m付近ではブナミズナラなどの樹木が自生している。しかし渡良瀬川源流部の足尾山地については、足尾銅山の煙害(後述)によって植生が高度に破壊されている。

一方中流では常緑広葉樹林であるヤブツバキアカガシシイなどが従来自生していたが田地・宅地開発などによりその自生数は減少し、スギヒノキなどの植林された樹木が多い。また河川敷ではヨシススキのほか、スギナイヌタデカナムグラカヤツリグサなどが自生。下流部になるとコガママコモなど多様な植物が自生する。ヨシの群落は中流から下流にかけての湖沼・湿地帯に見られるが特に渡良瀬遊水地には大規模なヨシ群落があり、日本で唯一当地で自生しているハタケテンツキを始めミズアオイフジバカマなど絶滅危惧種が自生している。利根川流域に存在する植物種の総数は2002年の国土交通省調査により666種が確認されている。藻類では水質が貧栄養である上流部では少なく、中流・下流に入るとケイソウ類が主に分布。特に中流部ではチャヅツケイソウが広範囲に分布している。霞ヶ浦では水質の悪化により夏季にはミクロキスティスなどの異常繁茂によるアオコの大発生が問題化した。外来種としては中流にはセイタカアワダチソウブタクサが多く繁茂。下流にはアレチウリオオフサモボタンウキクサが繁茂しているがこの三種は在来固有種への影響が大きいことから特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)により環境省から特定外来生物に指定され、河川管理者である国土交通省などが駆除を行っている。

昆虫については同じ2002年調査で節足動物であるクモを含めて975種が生息しており、内訳は甲虫類が397種、チョウ類が170種、カメムシ類が125種、クモ類が84種の順となっている。分布については上流部の高山地帯にミヤマシロチョウミヤマモンキチョウエルタテハオゼイトトンボオオルリボシヤンマなどの山地・高山に分布する昆虫が生息している。一方中流部・下流部では一般的に見られる昆虫類のほか、湿地に限局的に生息するヒヌマイトトンボベニイトトンボなどの種が見られる。生息する昆虫類の中には国蝶であるオオムラサキのほかムスジイトトンボなどの貴重な種が存在する。

動物

ノスリ渡良瀬遊水地に飛来、生息する。

動物については上流域にツキノワグマニホンザルニホンジカといった大型種が生息するが、中流域や下流域では大型種は宅地・農地開発によって存在せず、キツネタヌキノウサギニホンイタチアズマモグラなどが生息する。1994年の調査では哺乳類12種以上、爬虫類5種、両生類4種の生息が確認されているが、流域が高度に開発されていることもあり他の一級水系と比べると生物多様性に乏しい。上流域には局地的ではあるがハコネサンショウウオも生息する。外来種としてはヌートリアマスクラットウシガエルが生息するが何れも特定外来生物に指定されている。特にマスクラットは江戸川・中川下流域にほぼ限定して生息しているが、その鋭い前歯による行動は堤防などの河川施設に重大な被害を及ぼすことがヨーロッパで確認されており、個体数の増加は江戸川の治水に影響を与える可能性がある。

鳥類については植物や昆虫同様上流域と中・下流域で生息する種類が異なる。上流域にはオオワシイヌワシクマタカといった猛禽類イワヒバリホシガラスといった高山性の鳥類が生息。矢木沢ダムや藤原ダムといった利根川上流のダムにおいても飛来が確認されている。このほか渓流などでカワセミサンショウクイなども確認できる。中流部以降ではスズメカラスホオジロなどのごくありふれた鳥類のほかヨシ群生地などでカイツブリなどが見られる。渡り鳥としてはオオハクチョウコハクチョウが霞ヶ浦に飛来するほか、渡良瀬遊水地や渡良瀬川合流部付近は自然植生が豊富なこともありサシバチュウヒノスリホオアカなどの猛禽類やカモシギチドリ類が飛来、または定住する。一方外来種としては2003年(平成15年)に取手市において特定外来生物であるソウシチョウの1個体が確認されている。利根川流域に生息・飛来する鳥類は136種を数える。

魚類・水生生物

ハクレン。産卵期には利根川中流域で勢い良く飛び跳ねる姿を観察できる。
サケアユ遡上のため魚道の新設などを実施した利根大堰(利根川)。遡上数は上昇傾向にある。

魚類については8目13科43種が確認されており、上流ではイワナヤマメカジカが主に、中流ではオイカワコイギンブナモツゴウナギなどが生息し、絶滅危惧種のゼニタナゴも一部に生息する。また下流ではボラスズキハゼカタクチイワシなどが遡上し、河口部ではクロダイカレイといった海洋性の魚類も生息している。利根川においては固有種としてソウギョハクレンといった中国よりの移入種が生息し、毎年夏になると国道4号利根川橋付近において産卵のために勢い良く飛び跳ねる姿を確認することができる。

回遊魚としてはアユサケが代表的で、サケについては利根川は太平洋側に注ぐ河川としてはサケ遡上の南限とされている。回遊魚については江戸時代以降の用水路建設、また戦後の利根特定地域総合開発計画などでダムやが利根川流域に多く建設されたことから(後述)、一時これら回遊魚の遡上が大幅に減少した。特に河口から154km上流にある利根大堰はこれら回遊魚の遡上を大きく阻害する要因であった。このため堰を管理する水資源開発公団(現独立行政法人水資源機構)は1983年(昭和58年)からサケの遡上調査を開始するとともに1995年(平成7年)からは2年掛けて魚道の新設と改築を実施。また2005年には環境保護団体の要望を受け、アユの遡上・降下期に堰のゲートを開く運用が試験的に開始された。こうした官民の協力もあって利根大堰地点でのサケ・アユの遡上数は経年的に増加している。その一方で利根川河口堰については完成以後ヤマトシジミの生息に多大な影響を与えたなど環境保護団体から指摘を受けている。一方特定外来生物として日本各地で問題となっているブラックバスブルーギルは利根川流域についても河口堰上流の全域に広範な生息が確認され、チャネルキャットフィッシュも生息域が拡大している。また世界の侵略的外来種ワースト100にも選ばれ、メダカを捕食するカダヤシの生息が確認された。

水生・底生生物については177種が確認されているが、その主なものはトビケラカワゲラカゲロウ類で主に上流・中流域に多く生息している。一方下流域は河床(川底)が砂質・泥質主体となるので水生生物類の生息は少なくなり、代わりにヒメタニシサカマキガイゴカイイトミミズなどが多く生息するようになる。利根川下流域は山梨県甲府盆地福岡県佐賀県筑後川下流域などとともに日本住血吸虫症の発生地として知られ、中間宿主であるミヤイリガイが生息していたが、1973年に虫卵排出患者とミヤイリガイの棲息が報告されたのを最後に新たな疾患の発生および貝の棲息は確認されていない。代わりに特定外来生物で大量斃死(へいし)すると水質汚濁をひき起こすカワヒバリガイが我孫子市・印西市の利根川流域や霞ヶ浦で新たに確認されており、北総東部用水など利根川下流域農業用水施設の通水・揚水障害といった被害が増加している。

利根川水系は内水面漁獲量では日本全国の総漁獲量に占める割合が約30%と、水系としては日本最大の漁場でありかつ首都圏という大消費地に近い。このため漁業協同組合の数も多く、流域一都五県で81組合が存在し第1種・第2種・第5種漁業免許を取得している。

名称

利根川の名称は、『万葉集』巻第十四に収載されている「東歌」のうち「上野国の歌」にある以下の和歌が文献上の初出である。

刀祢河泊乃 可波世毛思良受 多太和多里 奈美尓安布能須 安敞流伎美可母(利根川の 川瀬も知らず ただ渡
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出典:wikipedia
2019/06/13 23:51

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