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労働基準法とは?

この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。
【労働基準法】


日本の法令
【通称・略称】
労基法
法令番号
昭和22年4月7日法律第49号
【種類】
労働法
【効力】
現行法
【主な内容】
労働条件
【関連法令】
日本国憲法民法刑法労働者災害補償保険法最低賃金法労働安全衛生法労働時間等の設定の改善に関する特別措置法労働契約法
【条文リンク】
e-法令検索

労働基準法(ろうどうきじゅんほう、昭和22年4月7日法律第49号)は、労働基準(労働条件に関する最低基準)を定める日本法律である。日本国憲法第27条第2項の規定(「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。」)に基づき、1947年(昭和22年)に制定された。

労働組合法労働関係調整法と合わせて労働三法と呼ばれる。

概説

労働基準法は、近代市民社会の契約自由の原則を修正して労働者を保護する労働法の一つで、主たる名宛人は使用者である。労働組合法に代表される集団的労働関係法に対して、個別的労働関係法に位置づけられる。また、任意法規に対し、強行法規に位置づけられる。なお、労働基準法に定める最低基準以上の労働条件については、原則として、契約自由の原則による。

労働基準法は、労使が合意の上で締結した労働契約であっても、労働基準法に定める最低基準に満たない部分があれば、その部分については労働基準法に定める最低基準に自動的に置き換える(強行法規性、第13条)として民事上の効力を定めているほか、一部の訓示規定を除く殆ど全ての義務規定についてその違反者に対する罰則を定めて刑法としての側面も持ち、また法人に対する両罰規定を定めている(第13章)。さらに、労働基準監督機関(労働基準監督官労働基準監督署長都道府県労働局長労働基準主管局長等)の設置を定め、当該機関に事業場(企業、事務所)や寄宿舎に対する立入検査、使用者等に対する報告徴収行政処分等の権限を付与することで、行政監督による履行確保を図るほか、労働基準監督官に特別司法警察権を付与して行政監督から犯罪捜査までを通じた一元的な労働基準監督行政を可能にしている(第11章その他)。なお、労働基準監督機関の行政指導の範囲については、厚生労働省設置法第4条(厚生労働省組織令第7条)などによる。

施行及び履行の状況

施行後70年以上が経過した現在においても、中小企業から大企業に至るまで、多くの企業において労働基準法の重大な違反行為が存在している。その原因としては、労働組合の組織率が低いこと等の要因により多くの企業において人事権を持つ使用者が依然として労働者に対して著しく強い立場にあること、中小企業において法令知識の不十分な者が労務管理に当たる場合が多いこと(専門家である社会保険労務士顧問契約にも至らない場合が多い)、労働基準監督官の人員が不足しており十分な行政監督が実施できていないこと等が挙げられる。

労働者は、自分の職場に労働基準法違反の事実があるときは、それを労働基準監督機関に申告(監督機関の行政上の権限の発動を促すこと)することができ、労働基準監督機関は必要に応じて違反を是正させるため行政上の権限を行使する。しかし、行政上の権限による解決には限界があることや、使用者が申告人に対して報復を行うおそれがあることから、違反事実の数に比して、労働者が違反事実を申告することは稀であると考えられる。

しかし、申告した労働者に不利益取扱をすることは犯罪を構成するほか(労働基準法第104条第2項違反)、在職中の労働者が申告した場合は、公益通報者保護法が適用される。なお、労働基準法違反の罰則は、強制労働罪等一部のものを除き、刑事刑法というよりも寧ろ行政刑法として解釈・運用されていると考えられる。すなわち、労働基準監督機関は、労働基準法違反事件に対し、告訴・告発がある場合を除き、通常は、刑事事件として立件するのではなく、主に行政上の措置(行政指導及び行政処分)により違反状態の是正及び履行の定着を図っている。しかし、現状として、労働基準監督機関は、業務改善命令、事業停止命令等の強力な行政処分権を備えておらず、行政監督を主に行政指導により行わざるを得ないことから、行政監督の実効性が不十分であると評価される場合がある。もっとも、賃金や解雇といった労働条件に関する事案において労働基準法の違反があれば、労働者は申告と並行して未払い賃金等民事的な請求を行うのが常であるから、行政指導等が行われた事実があれば民事訴訟において労働者側に有利な判決を導きうる。

沿革

明治政府

戦後

各論

第1章 総則

詳細は「男女同一賃金」を参照
詳細は「強制労働#日本の関連法規」を参照
詳細は「賃金#賃金の定義」を参照
詳細は「平均賃金」を参照

第2章 労働契約

労働条件通知書

第3章 賃金

第4章 労働時間、休息、休日及び年次有給休暇

詳細は「労働時間#法定労働時間」を参照
詳細は「時間外労働#災害等の場合」を参照
詳細は「労働時間#休憩時間」を参照
詳細は「労働基準法による休日」を参照
詳細は「時間外労働#三六協定」を参照
詳細は「割増賃金」を参照
詳細は「労働時間#労働時間の計算・範囲」を参照
詳細は「年次有給休暇」を参照
詳細は「高度プロフェッショナル制度」を参照

第5章 安全及び衛生

第6章 年少者

労働基準法では満18歳に満たない者を年少者といい、特別に保護をする規定を設けている。さらに年少者のうち、満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの間の者を児童といい、さらに特別の保護を求めている。この章の規定については厚生労働省令(年少者労働基準規則)で具体的な細目を定める。当該記事も参照。

詳細は「深夜業」を参照
詳細は「坑内労働#就業制限」を参照
詳細は「解雇#年少者の帰郷旅費」を参照

第6章の2 妊産婦等

女性特有の身体状況に対する特則を定める。「妊産婦」とは、妊娠中の女性及び後1年を経過しない女性をいう。

女性労働者が妊娠しているか否かについて事業主は早期に把握し、適切な対応を図ることが必要であり、そのため、事業場において女性労働者からの申出、診断書の提出等所要の手続を定め、適切に運用されることが望ましい(平成18年10月11日基発1011001号)。

詳細は「坑内労働#就業制限」を参照
詳細は「生理休暇」を参照

第7章 技能者の養成

詳細は「年次有給休暇#職業訓練に関する特例」を参照

第8章 災害補償

災害補償責任は、使用者の無過失責任であり、労働者は災害の発生が「業務上」のものであることを立証すれば、たとえ使用者に故意過失がなかったとしても補償を請求することができる。民法上の不法行為理論の修正である。

2010Happy Mail