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原子力撤廃とは?

原子力撤廃(げんしりょくてっぱい、: Nuclear power phase-out)は、原子力すなわち核エネルギーの利用を撤廃することである。反原子力(: anti-nuclear power)という。字義通りには核兵器および原子炉すなわち核動力や核燃料を用いる全ての核エネルギー利用が対象となるが、本項では、主に後者について概説する。その他、「核廃絶」を含む原子力全般の撤廃を目的とする運動を反核運動という。地球温暖化対策に石炭や石油などの化石燃料による火力発電を世界的に控えている中でベースロードをどの代替エネルギーをどうするかのために議論がある。

目次

  • 1 各国の議論
    • 1.1 日本における原子力撤廃の議論
      • 1.1.1 保守陣営からの反原発の主張
      • 1.1.2 政府試算
      • 1.1.3 シンクタンク試算
    • 1.2 国際的な原発利用の動向
      • 1.2.1 ロシア
      • 1.2.2 中国
      • 1.2.3 韓国
      • 1.2.4 アメリカ
      • 1.2.5 カナダ
      • 1.2.6 フランス
      • 1.2.7 ドイツ
        • 1.2.7.1 放射能と事故のリスク
        • 1.2.7.2 原料調達
        • 1.2.7.3 放射性廃棄物の最終処分場の問題
        • 1.2.7.4 経済効率性と保険
        • 1.2.7.5 安全保障のリスク
        • 1.2.7.6 再生可能エネルギーの排除
        • 1.2.7.7 供給安定性と電力輸入
        • 1.2.7.8 ドイツの国別輸出電力総量(2010-2011年冬期と2011-2012年冬期)
        • 1.2.7.9 環境問題
        • 1.2.7.10 石炭発電所からの放射能
        • 1.2.7.11 原発エネルギー企業の利益と損害
        • 1.2.7.12 再生可能エネルギー導入に伴う問題
      • 1.2.8 スウェーデン
      • 1.2.9 インド
      • 1.2.10 チェコ
      • 1.2.11 パキスタン
      • 1.2.12 フィンランド
      • 1.2.13 ハンガリー
      • 1.2.14 サウジアラビア
      • 1.2.15 アラブ首長国連邦
      • 1.2.16 スイス
      • 1.2.17 イタリア
      • 1.2.18 イスラエル
      • 1.2.19 シンガポール
      • 1.2.20 エジプト
      • 1.2.21 イギリス
  • 2 世界の現状
  • 3 脚注
    • 3.1 注釈
    • 3.2 出典
  • 4 参考文献
  • 5 関連書籍
  • 6 関連項目
    • 6.1 関連人物

各国の議論

日本における原子力撤廃の議論

1953年1月、アメリカ合衆国大統領に就任したアイゼンハワーは、同年12月の国連総会で演説した際に「平和のための原子力」を唱えた。具体的にはそれまでのアメリカによる核の独占から、原子力技術を商品として輸出するという国策の転換が行われたのである。これを受けて、日本でも原子力発電へのエネルギー転換を主張する勢力が登場した。政界では、中曽根康弘を中心とする勢力、経済界では正力松太郎を中心とする勢力である。

政界で、原子力の導入に熱心だったのが、当時改進党の国会議員だった中曽根康弘である。内務官僚から政治家に転じた中曽根は、1951年1月、対日講和交渉で来日したダレス大使に「建白書」を差し出し、「原子科学を含めて科学研究の自由(原子力研究の解禁)と民間航空の復活」を要求した。そして1953年のアメリカの国策転換を受けて、1954年3月には、中曽根を中心とする改進党の国会議員が、自由党及び日本自由党の賛同を得て、1954年度予算案に対する3党共同修正案に日本初の原子力予算案を盛り込み、国会に提出。予算案は、具体的な使途が明確にされないまま、あっさり成立したと言われる。原子力予算の突然の出現に狼狽した学会は、政府の原子力政策の独走に歯止めをかけるため、「公開、民主、自主」を原則とする「原子力3原則」を、1954年4月の日本学術会議の総会で可決した。

経済界では読売新聞社主と日本テレビ社長を務めた正力松太郎が、アメリカとの人脈をバックに首相の座を狙ったという意見を評論家の有馬哲夫は述べている。戦後公職追放から解かれると、正力は読売グループを総動員して原子力平和利用啓蒙キャンペーンを展開し、1955年には衆議院議員に当選。同年財界人を説得して「原子力平和利用懇談会」を立ち上げ、同じ年の5月には、アメリカの「原子力平和利用使節団」を日本に招いた。同使節団は軍事企業のジェネラル・ダイナミックス社や米国の核開発を先導してきた科学者、民間企業の幹部からなるものである。さらに同年11-12月には、読売新聞社はアメリカ大使館と一緒になって日比谷公園で原子力の「平和利用」を訴える大イベントとして「原子力平和利用博覧会」を開催し、36万人の入場者を得た。その後、1956年から1957年にかけて、名古屋、京都、大阪、広島、福岡、札幌、仙台、水戸、高岡と全国各地を巡回している。1956年1月には原子力委員会の発足と同時に委員長に就任し、5月に科学技術庁が発足すると、初代科学技術庁長官に就任。こうして正力は名実ともに原子力行政のトップの座につき、日本の原子力行政を推進していくことになる。

1963年に動力試験炉の運転が開始され、1969年に原子力船むつが進水した。その一方で、1970年頃から伊方原子力発電所をはじめ各地で原子力発電所建設への反対運動が起こった。1974年に原子力船むつの放射線漏れが発覚。母港むつ市の市民から帰港を拒否された。

中村政雄は、1979年スリーマイル島原発2号機の事故以降、日本国内では原発賛成が減って行った、と評している。

日本の反原発運動の大きな転換点は、1986年チェルノブイリ原発事故である。チェルノブイリ原発事故は、その規模の大きさと深刻さから世界的に大きく報道された。原子力事故の危険や放射性廃棄物の処理問題など、それまであまり注目されることのなかった問題が注目されるきっかけになった。

1986年8月、広瀬隆は著書『東京に原発を!』の改訂版を出版し、続いて『危険な話』を執筆した。広瀬の著書は30万部を超える大ヒットとなり、広瀬の講演会は東日本を中心に頻繁に開催された。その一方で、1988年日本科学者会議が開催したシンポジウムでは、複数の研究者が広瀬隆の主張内容を「誤りと扇情的な筆致の問題点」とし反論している。

1989年には「原発いらない」と投票用紙に正式に書ける国民投票が実在した。すなわち、同年7月23日、第15回参議院議員通常選挙の名簿に登載された政党名「原発いらない人びと」の公式な略称である。 同年6月、この頃に小説「未来(ミキ)が原発神(アトムのかみ)に勝てたわけ」(築地書館、1989年6月、ISBN 978-4-8067-5676-7)を発表した作家の荒井潤を党首とする「原発いらない人びと」が結成され、比例区から9名、選挙区から1名が立候補した。立候補者には、作家の今野敏や、現在「東電株主代表訴訟」の原告団事務局長を務める木村結を始めとする議員経験の無い市民がいたが全員落選した。

2000年代に入り、地球温暖化問題が注目されるようになると、二酸化炭素を出さないとして原子力発電を肯定する宣伝がなされ、2009年10月に内閣府が行った世論調査によれば、原子力発電の今後について「推進していく」との回答が59.6%となり、「廃止」の16.2%を上回った。一方、原子力発電の安全性については「不安」が53.9%で、「安心」の41.8%を上回った。2012年12月9日に日経リサーチが東京都の有権者に対して行った調査では、原子力発電のあり方についての質問に、13%が「電力供給のために今後も必要」、61%が「脱原発を目指すべきだが、当面は必要」と回答している。他方、2012年12月1日から2日にかけて朝日新聞が行った世論調査では、「原子力発電は今後どうしたらよいか」を3択で尋ねると、「早くやめる」が18%、「徐々に減らしてやめる」が最多の66%で、「使い続ける」は11%であった。2013年1月に読売新聞が、全国の原発事故対策の重点地域に含まれる135市町村の首長に対して行ったアンケート調査では、原子力規制委員会が安全と判断した場合、原発の再稼働を「認める」「条件付きで認める」との回答は54%(72人)で過半数を上回る結果となった。

東京の一地域で行われた反原発デモ

2011年3月11日の東日本大震災に誘発されて発生した福島第一原子力発電所事故は大きな衝撃を与え、日本では千人から万人単位規模の集会やデモ行進が、東京を中心に各地で実施された。ルポライターの鎌田慧YMO坂本龍一らは脱原発を求め1千万人の署名運動を呼びかけた。

民主党の支持母体の一つである全国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)は、「原子力発電は、議会制民主主義において国会で決めた国民の選択。もしも国民が脱原発を望んでいるなら、社民党共産党が伸びるはず」として脱原発に反論した。しかし民主党自体は、事故当時の首相菅直人浜岡原子力発電所を停止させ、後には脱原発を訴え続けているほか、鳩山由紀夫(鳩山友紀夫)元首相も野田佳彦首相(当時)の大飯原子力発電所再稼働決定について、市民による首相官邸前脱原発運動に突如現われ、反対の意向を述べている。この頃には民主党から離脱した小沢一郎グループが国民の生活が第一(現自由党)を立党、政策に脱原発を盛り込むなど、党内からは続々と反対派が現われた。 その後、2012年12月に行われた第46回衆議院議員総選挙では、脱原発ではなく当面の原発維持を主張する自由民主党が大勝した。また脱原発を主張する政党では、みんなの党が大幅に議席を増やす一方、共産党は伸び悩み、社民党は大敗するなど明暗が分かれる結果となった。

スタジオジブリ発行の小冊子『熱風』2011年8月号の特集「スタジオジブリは原発ぬきの電気で映画をつくりたい」では、宮崎駿、鈴木敏夫河野太郎大西健丞川上量生による特別座談会が掲載されており、宮崎駿は原発をなくすことに賛成と語っている。座談会では他に、2010年夏に福島の原発施設内(福島第二原子力発電所エネルギー館)に知らないうちにトトロの店が置かれていたことが発覚し撤去させたことや、ジブリとしては原発に反対であることなども語られている。また2011年6月から、東京都小金井市のスタジオジブリの屋上に、「スタジオジブリは原発ぬきの電気で映画をつくりたい」と書かれた横断幕が掲げられている。

2011年10月、全国原子力発電所所在市町村協議会副会長も務めた村上達也東海村村長が、「人に冷たく、かつ無能な国では原発を持つべきでない。」と述べ、細野豪志原発担当大臣に東海第二発電所廃炉を提案した。同年11月30日、佐藤雄平福島県知事は、現在策定作業を進めている県復興計画案に関わって「県内の原発全10基の廃炉を要求する」考えを表明した。同県内には東京電力福島原発に6基、第2原発に4基ある。同復興案は12月9日開会の県議会に提出された。茨城県の東海第二原発の再稼働に対して県内の有権者に対して行った世論調査では、半数を超えるの有権者が再稼働に反対の意見を表明したが、職業別では学生においては賛成と反対がほぼ拮抗し、年齢層の違いによって意見の相違が存在する事実が明らかになった。

2017年10月に行われた第48回衆議院議員総選挙に於いて「原発ゼロ基本法の策定」を選挙公約に掲げた立憲民主党は選挙後、日本各地でタウンミーティングを開催し原発ゼロ法案に対する有権者からの意見も踏まえて、2018年2月22日の党政調審議会で原発ゼロ基本法案を了承。3月9日に共産党や社民党、自由党と共に国会へ共同提出した。なお共同提出に際し、希望の党民進党にも呼びかけを行ったが、2党は共同提出には同調しなかった。法案では、民進党時代における「2030年代原発ゼロ」という具体的な年限は設けず、「法施行後5年以内」に全原発を廃炉とする目標を掲げ、原発の再稼働と新規増設の禁止も盛り込まれた。

公安調査庁は、中核派革マル派など左翼過激派(新左翼極左に分類される)が、反原発運動の高まりを好機と見て反原発を訴えながら活動を活発化させる一方で自派の機関紙やビラを配布するなどの宣伝活動に取り組み勢力拡大を図っているとしている。

保守陣営からの反原発の主張

他方で福島第一原子力発電所事故後は、「山河を守れ」「国土を汚すな」と西尾幹二竹田恒泰勝谷誠彦保守系論者からも脱原発を求める声が上がっている。小林よしのりは、「SAPIO」2011年12月7日号より「脱原発論」の連載を開始した。文芸評論家のすが秀実は、いわゆる「ネット右翼」の相当部分は反原発派であると主張している。一方で保守言論層の相当部分は核エネルギー政策について全廃慎重派ないしは継続推進派である。

とりわけ保守派の脱原発論では、原発が北朝鮮のミサイルやテロリストの攻撃目標になりかねないといった、国土に原発を置くことに対する国防・安全保障上のリスクが指摘されることが少なくない。例えば、小林よしのりは、日本の原発がテロ攻撃に対して非常に脆弱であること、外国人工作員オウム真理教信者がかつて原発作業員として潜入した事実があること、海沿いに立っている原発が外国の工作船による海上からの攻撃にさらされかねないことを指摘し、原発を「潜在的自爆核兵器」と呼んで、原発の危険性を指摘した。また日本の核武装についての議論の必要性を主張したこともある、自民党の中川昭一は、自民党政調会長時代の講演で、北朝鮮が日本を攻撃するのであれば、核兵器など使う必要はない、原発のどれかをミサイル攻撃すればいい(核攻撃と同等の被害が与えられる)と語り、中国や北朝鮮と対峙する日本海側に原発が30数基も集中している現状に警鐘を鳴らしたこともある。

小泉純一郎は、2015年12月10日発売の文芸春秋のインタビューで、安倍晋三の政治姿勢に言及し、(現在の政治状況だと)総理が原発ゼロを決断すれば、自民党経済産業省も反対できない。国民の70%もついてくる。こんなチャンスはなく、これを逸した。もうできない、と述べた。

政府試算

2012年4月19日、原子力委員会小委員会は、2020年までに原発ゼロにして、それまでに出た使用済み核燃料の全量を地中廃棄処分するなら、費用総額が7.1兆円に収まるという試算を公表した 。

同年、内閣国家戦略室は「エネルギー・環境会議」を設置し、エネルギー政策について検討を行った。会議資料では、原発ゼロシナリオを実施する場合の課題と克服策について以下が提示されている。

2030年時点での経済への影響試算
【】
【26%→15%シナリオ】
26%→0%シナリオ
総電気代 +23〜32兆円 | +28.2〜38.1兆円
GDP  | 0%シナリオでは15%と比べ ▲2.5〜▲15.6兆円
一人あたりGDP  | 0%シナリオでは15%と比べ ▲2〜▲13万円
就業者数  | 0%シナリオでは15%と比べ ▲0〜▲46万人
貿易収支 ▲1.5〜▲6.9兆円 | ▲2.6〜▲9.7兆円
家計の月額光熱費 +4,000〜8,400円 | +4,826〜11,353円
省エネ投資額 +80兆円 | +100兆円
化石燃料輸入額 +16兆円 | +16兆円

シンクタンク試算

原発ゼロシナリオについて、各シンクタンクは以下のように主張している。

原発ゼロシナリオにおける、2030年時点での経済的影響試算
【シンクタンク】
【GDP押し下げ効果】
二人以上世帯家庭の電気代
国立環境研究所 | ▲8兆円 | 1.4万円増(月額)
地球環境産業技術研究機構 | ▲45兆円 | 2.0万円増(月額)

国際的な原発利用の動向

原子力撤廃に関する議論は、1986年4月26日に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故の後、活発化した。スウェーデン(1980年)、イタリア(1987年)、ベルギー(1999年)、そしてドイツ(2000年)などでは脱原発が政策化された。

その後、2007年頃から急激な上昇を見せた原油価格の高騰は、原子力発電推進の材料となっている。2008年7月の洞爺湖サミットでは、原油価格高騰対策として原子力発電を世界的に推進し、中国やインドにも原子力発電の利用を積極的に働きかけるという方向性で、参加各国の合意を見ることとなった。

しかし2011年3月の日本における福島第一原子力発電所事故は、ドイツ、ベルギー、スイス、台湾といった国は2025年を目標とした「脱原発」を決定し、韓国では2080年という将来的な脱原発予定を決めた77%の電力を原子力に頼るフランスも、2025年までに50%へ引き下げる「減原発」の方針を示すなど、原発依存度を下げたり、ゼロにしたりする方向が強まっている。原子力を推進してきた国際エネルギー機関(IEA)は2012年版の世界エネルギー展望では各国の原発利用低下を受け、「原子力に期待される役割は縮小している」と分析するとともに、電力構成に占める原子力のシェアも低下を見込み、脱原発の潮流を追認していた。2018年にはIAEAは発展途上地域における人口や電力需要の増加、気候変動や大気汚染への対策の必要性、各国のエネルギー安全保障、石油や天然ガスなど資源価格変動など4つの要因から、世界の電源構成において重要な役割を長期的に原発が果たすと主張している。

ロシア

世界での原発シェア拡大を目指しているロシアは2011年度3月末に原発の新規の原発建設の計画を見直す考えは無いと表明した。一方、日本の福島の原発事故後に全ロシア世論研究センター(WCIOM)の社会学者が実施した世論調査によると、脱原発への動きを支持するロシア人の割合は57%に上り、反対と答えたのは20%だった。脱原発支持の主な理由は、「生命の安全と環境改善」(68%)、「代替エネルギーがより安全で経済的」(24%)などとなっている。2017年にはロシアはベラルーシやバングラディシュなどの原発プロジェクトへ資金提供や原発輸出をしている。同年が支援するアサド政権のシリア内戦優位によって中東混迷の勝者となったロシアは、エジプト初の原発建設の受注に成功するなど中東への影響力を拡大させている。2017年時点で原子力発電所で35基の原子炉が運転中であり、将来的に原発の新設推進をしている。ロシアは天然資源を利用してドイツとポーランド、ウクライナ、アメリカとの対立を煽っている。2022年までに17基の原子力発電所をすべて閉鎖する予定のドイツのエネルギー問題をついて、ロシアはEUへの影響力拡大させている。ドイツは2018年時点でも国内の天然ガスの半分をロシアからの輸入に依存しているが、脱原発目標を実現するには天然ガスを大量に輸入するしかないからである。ドイツとロシアを結ぶパイプラインのノルドストリーム2が完成した場合、ドイツは天然ガス需要の75%をロシアから輸入することになるため、アメリカ、ポーランド、ウクライナは反対している。

中国

中国は、2011年3月17日に新規の原発計画の審査や認可を一時的に凍結する方針を打ち出したが、その後凍結を解除する動きがあった。中国政府は逼迫する電力不足に対処するために今後年に2基の割合で原発の設置を予定している。 計画を上回るスピードにて原発の建設が進んでいることが指摘されているため、国内の人口増の影響もあって中国の原発建設計画がさらに拡大することは間違いない情勢となっている。また、特に、中国における原子力発電所の事故は、偏西風にのって日本列島に到達するため、日本国民の健康上の被害などについてが懸念される。これに対しては、日本が安全技術に優れる日本の原発を輸出することが懸念に対する具体的対応策であるとする意見もある。中国では2013年にはパキスタンで複数の原子炉を建設中で、同時に世界の原子力発電所市場でのシェアを拡大することを目標としている。 2016年末時点で35基が稼働し、20基が建設中である。中国共産党習近平総書記は2030年までに「原発強国」を実現することを表明し、計画によると中国は2016年1月時点で約2800万kWだった原発の総発電容量を2020年までに5800万kWにする予定である。2017年時点で原子力発電所で37基の原子炉が運転中であり、将来的に原発の新設推進をしている。


韓国

詳細は「韓国の原子力発電所」を参照

韓国は原子力発電所の設置場所を4か所に絞り込み、集中的に複数の炉を運用することにより、メンテナンスの効率化・コストの低減、周辺住民への対策費の手厚い配分と総額の抑制の両立を実現している。これらの選択と集中により設備利用率は現在93.4%を達成し、日本の約三分の一の価格で消費者への電力供給を実現し、基幹産業を底支えし経済成長を後押ししている。今後2010年から2021年の間に12基の原子炉が増設される計画で、完成すれば合計15.2ギガワットの発電容量が加わる。政府として原子力技術の推進を積極的に後押しし外国へのプラントの輸出を図っている。

一方、隣国・日本の福島で起きた原発事故をきっかけに、韓国でも原発に対する不安や不信が広まっている。2012年2月には、釜山市の古里原発1号機で、非常用電源を含む全ての電源が作動せず、原子炉の温度が急上昇するという重大事故が起きた。しかし重大事故にもかかわらず、事故の発生は約1カ月間、隠されていたことにより、住民が集団移転を求めて立ち上がり、決起集会を原発前で開く事態に至った。またソウルを含む大都市では、母親グループや弁護士、医師、大学教授、自治体長、国会議員らによる「脱原発」を掲げた有志の会が結成され、韓国版の「緑の党」も誕生した。

2012年12月に行われた大統領選挙では、将来的な原発政策が争点のイシューの一つとなった。最大野党・民主統合党の大統領候補、文在寅はソウル中心部の広場で開かれた「脱原発」集会で「国民の意思を結集し、できるだけ早い時期に、韓国を原発ゼロの国にする」と語るなど、脱原発の意志を鮮明にした。 これに対して対立候補のセヌリ党朴槿恵は「ストレステストを実施して(安全性の問題を)透明にする」ことを条件に安全性を確保しながら運転延長を認める考えを示した。選挙結果は朴槿恵が当選している。

2017年6月19日に、朴槿恵の弾劾後に当選した文在寅大統領は老朽化した古里原発1号機の運転停止宣言式で「脱原発国家スタート」を宣言した。文は新規の原発建設計画をすべて白紙に戻し、運転期限が来た原発の稼働延長を認めず閉鎖し、建設中の新古里5号機や6号機の工事を中断し、月城1号機を閉鎖すると表明した。同年10月時点で24機の原発を稼働させている。2017年時点で原子力発電所で24基の原子炉が運転中であり、2080年に全て廃炉にして脱原発するとしている。国内では2017年に2080年の将来的な脱原発を決めた文在寅大統領は海外への原発輸出を支援している。2009年に韓国企業がアラブ首長国連邦にて4基受注して建設したバラカ原発1号機建設完了記念行事に2018年3月末に参加して、「バラカ原発は両国関係でも真に『バラカ(神が下した祝福)』の役割」「韓国としては海外に初めて原発を建設する事業で、アラブで初めて原発を保有することになった意味を持っている」として中東歴訪でもっとも期待する分野だと語っている。文大統領が資源輸入全体の0.5%で発電量の約30%に達っしている国内では脱原発主張していながら、アラブ首長国連邦では原発礼賛することに対して、朝鮮日報は「同じ原発をめぐって違うことを言っているようでは、相手から信頼など得られないだろう。」と指摘している。

アメリカ

政府の公式立場は原発維持であるが、1979年のスリーマイル島原子力発電所事故以来、原発新設は1基も実現していない。とりわけ近年は、かつて採掘の難しかった頁岩層に含まれる石油や天然ガスの開発を可能にした「シェールガス革命」の結果、天然ガス発電のコストが下がり(天然ガス発電所は原発の半分以下の期間と5分の1以下の建設費)、原発がコスト面での優位性を失いつつあるとされる。福島第1原発1号機を造った米電機・金融大手ゼネラル・エレクトリック (GE) のジェフリー・イメルト最高経営責任者 (CEO) も、原子力発電が他のエネルギーと比較して相対的にコスト高になっており、大半の国は天然ガスと風力か太陽光の組み合わせに移行していると指摘し、「(原発を経済的に)正当化するのが非常に難しい」と語った。2010年10月9日、米電力大手コンステレーション・エナジーも、原発新設はコストに見合わないと判断して計画を断念した。また小規模原発を所有する国防総省(ペンタゴン)ですら、近年はエネルギー転換を急速に進めている。次代のエネルギー源として、原発ではなく再生可能エネルギー(太陽光、風力、発電、地熱、波力など)を重視し次々と導入しているという。とりわけ海軍は、2020年までに再生可能エネルギーを5割導入するという野心的な目標を掲げている。さらに世論でも、日本の福島の原発事故後、原発反対が賛成を上回るようになっている。2012年3月7日に米シンクタンク「市民社会研究所」が発表した世論調査結果では、米国で原発の増設を支持しない人は半数近い49%に上り、また、約60%の人が福島原発事故によって原発を支持しなくなったと回答したという。

NRCは、2013年3月11日にユニスター・ニュークリア・エナジー社によるメリーランド州での原発新規建設計画の申請を却下した。ユニスター社は、米国コンステレーション・エナジー・グループとフランス電力が共同出資して設立した会社であったが、アメリカ原子力法では、外国企業の強い影響下にある企業がアメリカ国内で原発を運営することは禁止されているため、NRCからの許可が降りなかった。日本経済新聞は、ユニスターがアメリカ企業のパートナーを探すのは困難であると予想している。

2017年時点で原子力発電所で99基の原子炉が運転中であり、将来的に原発の新設推進をしている。

カナダ

カナダではカナダ原子力公社(AECL)の分割民営化の一環で原子炉部門の売却を行い、民活で効率的な原発の運営を目指し、同時に全土で新規原子力発電所の建設を促進している。カナダ政府は地球温暖化防止の一環として原子力発電所の建設を推し進め、2011年11月時点で国民の過半数が今後も原発建設賛成を表明している。2017年時点で原子力発電所で19基の原子炉が運転中であり、将来的に原発の新設推進をしている。


フランス

原発大国であるフランスは、原発推進を国策としてきたが、福島第一原子力発電所事故後の2011年6月に行われた世論調査では、全原発の「即時停止」または「25-30年かけた段階的停止」に賛成する国民は77%に上った。2012年5月の大統領選挙では、「2025年までに原発依存度を50%に減らす」と「減原発」を表明し、フランス最古のフッセンハイム原発の「速やかな閉鎖」を公約に掲げた社会党のフランソワ・オランドが当選した。その一方、オランドは大統領就任後外交政策として積極的な原子力発電所の輸出を表明しだした。欧州債務危機からの打開策の一環として2012年12月アルジェリアを訪れ、同国政府と原子力発電所の建設促進で合意している。2017年時点で原子力発電所で58基の原子炉が運転中であり、将来的に原発の新設推進をしている。


ドイツ

ドイツは原子力撤廃に最も積極的な姿勢を示しているが、再生可能エネルギー普及に伴う電気料金の値上げなどの問題にも直面している。2013年秋の総選挙をにらみ、与党のメルケル首相は「ドイツ企業の国際競争力維持のため」として、電気料金に上乗せされる賦課金を割り引く対象企業をさらに拡大する方針の一方、野党・緑の党は「一般家庭は苦しんでいるのに、メルケル政権は大企業ばかり優遇している」と批判し、再生可能エネルギー負担の在り方をめぐって、与野党の対立が激化している。もっとも「ドイツでは脱原発への国民の支持は根強く、与野党とも原発回帰の動きはない」という。

ドイツでは2005年9月18日に行われたドイツ総選挙で、それまで政権を取っていたドイツ社会民主党(SPD)に代わり、原子力推進または堅持の傾向があるドイツキリスト教民主同盟(CDU)が第一党になったため、ドイツでの原子力政策が変わるのではないかと考えられた。しかしその後、CDUはSPDと大連立を組んだため、ゲアハルト・シュレーダー前政権の「脱原子力(=原子力撤廃)政策」が継承されることとなった。 2009年9月27日に行われたドイツ総選挙では、今まで連立政権を構成していたSPDが連立から外れ、中道政党の自由民主党が政権に入る見通しとなった。脱原子力政策を主導してきたSPDが政権から離脱したことから、ドイツの脱原子力政策の行方が注目されていたが、2009年10月24日に連立政権の政策合意として、脱原子力政策を見直すことで一致した。

一方で、近年の原油価格高騰及び二酸化炭素排出量削減の必要性により、原子力撤廃政策を見直そうという議論も始まっている。ドイツの2001年8月の世論調査では、47%が2000年の原子力発電撤廃合意の実効性を疑問視し、将来的に別の政権によって脱原発政策が放棄される可能性があると答えた。

しかし、2011年に発生した福島第一原子力発電所における原子力事故を受けて政策を転換。ドイツでは、国内17基の原発のうち7基を暫定的に停止したその後、ドイツは、2022年までに17基ある全ての原発を閉鎖することを正式に決定した。

2001年11月26日、フランスの再処理工場から北部ゴアレーベンへの放射性廃棄物搬入に反対し、脱原発を訴える集会が同地の西20キロのダネンベルグで開かれた。抗議デモは24日から始まり、26日にはドイツ各地から約2万3千人が集まった。当地は1979年に旧西ドイツの放射性廃棄物の最終処分場の候補地とされていたが、現在は中間貯蔵施設が設置されている。

ドイツは周囲が海洋のみや敵対国家ではない上に送電線が周辺の欧州連合の9カ国と繋がってているため、電力不足・過剰の事態にも容易な電力輸入・輸出が可能で地政学的に有利な条件がある。国境を超えるとすぐにフランスの原発があり、2016年にドイツ輸入した電力の32%は世界的な原発大国であるフランスからだった。ドイツは家庭用の電気料金はフランスよりも40%ほど高く、2018年6月のフランス・パリの電気料金は68ユーロ(約8800円)だが、同じ使用量でもベルリンだったら95ユーロ(約1万2300円)である。ドイツのメルケル首相は原発の代替となる安定したエネルギーとして天然ガスに目をつけたため、1225kmの天然ガス輸入ガスパイプラインの工事を行っている。ロシアが数千億円をドイツとのパイプライン事業で得ることになる上に、天然ガスでドイツが人質になるとの批判がある。上記のような理由で朝鮮日報はドイツを脱原発の例に出すことに異議を呈している。

放射能と事故のリスク
チェルノブイリ原子力発電所事故から10年後のベラルーシ、ロシア、ウクライナのセシウム-137の汚染地図

脱原発派からは、放射能拡散と原子力事故の問題が回避できないことがしばしば指摘される。例えばチェルノブイリ福島で起こった事故では、放射性物質が拡散し、放射能汚染が各地に広まり、たくさんの人間が、放射線で汚染され、明らかに自然放射線から浴びるよりも高い被曝を経験した。長いあいだ被曝した結果、がんになる可能性がある。例えば、2007年ドイツ連邦放射線防護庁の研究によると、原発から5km圏内で育った子供には、白血病発症の高い頻度が見られることが、統計的に有意性のあるデータで証明された。それによると、1980年2003年のうちに、統計上の平均で17人の子供が白血病にかかると想定されていたのに、ドイツ国内の原発5km圏内に地域では実際には37人の子供が白血病にかかった。現在の放射線生物学では、このことを説明することができず、今日までこの相関の直接的原因は明らかになっていない。原発事故での被曝量が、その後の病気にどの程度影響するのかは、ほとんど見積もられたことがないので、特に一般人の犠牲者数ははっきりしておらず、極めて変わりやすい。チェルノブイリの石棺建設に動員された数十万人の作業員(リクビダートル)の場合でも、正確に立証することは困難である。確定されている死者は62人である。しかしながら、主張されている犠牲者数には極めて大きな開きがある。例えば、IAEAWHOが、4,000人の死者を前提にしているのに対して、ウクライナ放射線防護委員会は、34,499人の救急隊員が死亡したとしている。核戦争防止国際医師会議(IPPNW)は、5万人〜10万人の死者を想定している。

マックス・プランク化学研究所の研究者である ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

出典:wikipedia
2018/12/03 05:37

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