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双子とは?

(双子から転送)
「慈愛」(Charity 1859年)、作:ウィリアム・ブーグロー

双生児(そうせいじ)は同じ母親の胎内で同時期に発育して生まれた2人の子供である。いわゆる双子(ふたご)のことであり、多胎児の一種である。多胎児の中では一番多い。

受胎時の受精卵の数により、一卵性双生児(いちらんせいそうせいじ)と二卵性双生児(にらんせいそうせいじ)に大別される。

出産の時には数分程度の時間差で産まれることが多いが、中には数時間から数十日の間隔で生まれる場合もある(双子が一度の分娩で生まれるとは限らない)ので、誕生日・誕生年が異なってしまう兄弟姉妹もいる。

また日本では、かつて後から生まれた方を兄または姉、先に生まれた方を弟または妹として扱う慣習があったが、戸籍法上は生まれた順に記載する事となっている。

双子は多くの哺乳類(猫や羊、フェレットなど)で一般的に観察される出生形態の一つであり、例えば牛の双子発生率は1%から4%程度ある。ただし一般に犬猫の一腹の仔は双子等とは呼ばれず、単に兄弟として扱われる。双子受胎時の困難さを克服できる、あるいは管理することが出来ればより高利益を確保できるため、双子率を上昇させる研究も行なわれている。ただし、類人猿(ヒト上科)の多胎妊娠および多胎出産は非常に珍しい。

目次

  • 1 双生児の卵性
    • 1.1 一卵性双生児
    • 1.2 二卵性双生児
    • 1.3 特殊な卵性の双生児
  • 2 双生児の出生頻度
    • 2.1 性別・卵性別の出生割合
    • 2.2 一卵性双生児の受胎誘因
    • 2.3 二卵性双生児の受胎誘因
      • 2.3.1 菜食主義と双胎妊娠の頻度
  • 3 双胎妊娠
    • 3.1 膜性
    • 3.2 一卵性と二卵性の識別
      • 3.2.1 卵性と膜性
    • 3.3 双胎妊娠と社会
    • 3.4 双胎妊娠の出産時期
    • 3.5 双胎妊娠の期間
    • 3.6 分娩の間隔
    • 3.7 特有の現象
    • 3.8 特有の問題
    • 3.9 双胎妊娠の呼称に関する混乱
  • 4 双生児の出生・発育・発達
    • 4.1 双子の出生順と兄弟姉妹
    • 4.2 双子の出生体重差と発育
    • 4.3 低出生体重の双子と身体機能の発達
    • 4.4 双子の言語の発達
  • 5 双生児と社会
    • 5.1 双子育児に対する社会的支援
    • 5.2 多胎育児に対する社会的啓発と記念日・記念週間等
    • 5.3 双生児の集中居住と社会
  • 6 双子研究
  • 7 著名な双子
    • 7.1 神話・伝承に登場する双子
    • 7.2 物語に登場する双子
    • 7.3 現実の有名人の双子
  • 8 参考文献
  • 9 関連項目
  • 10 外部リンク

双生児の卵性

一つの受精卵(卵子)が分裂(多胚化)して生れる一卵性双生児 (英: identical twins / monozygotic twins) と、何らかの原因によって二つの卵子が排出(多排卵)されそれぞれ別の精子と受精して生まれる二卵性双生児 (英: fraternal twins / dizygotic twins) がある。

2007年3月には、どちらにも分類し難い準一卵性双生児 (semi-identical twins) という双生児の例が研究者によって報告された。

一卵性双生児

一卵性双生児(ワトソン姉妹)

受精卵の多胚化による一卵性双胎(多胎)妊娠は偶然の産物であり、一卵性双生児の出生は遺伝やホルモン分泌量などの外的要因に影響をほとんど受けない(ただし、生殖補助医療(不妊治療)の種類によっては一卵性の発生確率を上昇させることもある)。古来より人種に関わりなく、1000組(1000分娩)に4組の割合で一卵性双生児が誕生する。ただし、下記の双生児の出生頻度に見られるように、多胚化の発生機序に何らかの遺伝的要素が関係する可能性も近年では指摘されている。また、肉用牛では卵分割技術を用いて一卵性双子を人為的に作出することも出来る。

一卵性双生児は基本的に全く同じ遺伝情報(遺伝子型)を持っている。そのため、性別血液型等は基本的に(発生段階で変異がなければ)一致し、顔形もよく似ている。一般に一卵性双生児の身体能力や学力の類似性は高い。さらに成長に従って遺伝的規定性の強い因子の発現量が増大するため、双生児間の類似度が上昇する傾向がある。しかし同一のDNAを持つ一卵性双生児であっても、DNA情報は個々人の獲得形質に直接的な影響を与えることはないため、身体能力なども(似ているが)個々人で異なり学校の得意科目やスポーツの得意・不得意が分かれることも多い。胎児期から双子の各々は独自の成長をするため脳の発達過程も異なり、出生時には大脳皮質の形状も違うものとなっている。食物アレルギーの有無・種別・度合いなども、既に離乳期の時点で双子の各々で異なっている。また、一緒に育った一卵性双生児(MZT)と離れて育った一卵性双生児(離別双子;MZA)の体重類似度を調べると、MZTの相関係数は0.87、MZAの相関係数は0.69であった。これは体重などの身体的特徴においては、環境要因が強い影響力を持つことを示すものである。さらに双生児の成長に伴って遺伝子のメチル化などにより、個々の双子の絶対的な表現型の差は次第に広がるため、病気に対する抵抗力の差などは次第に大きくなっていく(下記双子研究参照)。

また指紋も遺伝以外の要因が大きい為、良く似た形状の指紋にはなるが同一のものとはならない。よって、一卵性双生児の各々を生体認証(バイオメトリクス)で識別することもほとんどの場合で可能である。一般に遺伝情報に左右されないものとして、ほくろあざの位置、虹彩静脈パターンなどがあり、静脈認証などを用いた個人認証はまったく問題なく可能である。また顔認証で一卵性双生児を識別することもできる。しかし、双生児以外では最も確実と言われているDNA認証では一卵性双生児の各々を個人認証することができない。

ミラー・ツイン
一卵性双生児の中には利き手が左右に分かれていたり、つむじが右巻き・左巻きと対称になったりする場合がある。このような左右対称の特徴を多く持っている双子を、ミラー・ツイン(あるいはミラー・イメージ・ツイン)と呼ぶ。受精卵の分裂が受精9-12日以降で発生した場合、ミラー・ツインになると考えられている。外胚葉由来の形質に不一致が発生しやすいことが原因の一つと言われているが、確たる原因は判明していない。ミラー・ツインの中には、様々な外的要因の累積によりごく稀に全臓器反転症、すなわち内臓位置の逆転(心臓が右にある 等)が生じる場合もある。ミラー・ツインは単に顔などの外観が鏡像になっているだけではなく生物学的な相違点で示されることもあり、鏡像的に異なった人格の形成や生活嗜好・睡眠パターンなどにも鏡像的相違が見られる場合もある。
異性一卵性双生児
一卵性双生児の性別は基本的に同性であるが、稀に異なる性別の一卵性双生児が誕生することがある。2つに分かれる前の受精卵の性染色体がXY(男)の場合、多胚化する際に一方のY染色体が欠落しXY(男)とXO(女)の異性一卵性双生児として誕生する可能性がある。また受精卵の性染色体がXXY型であった場合、多胚化(受精卵が二つに分裂)する際にそれぞれの性染色体がXX(女)とXY(男)に分かれることで異性一卵性双生児となりうる。報告例の多くはXYがXYとXOに多胚化したものだが、XXYがXXとXYに多胚化した例も存在する。性染色体がXOのケースはターナー症候群として、XXYを有しているケースはクラインフェルター症候群としてそれぞれ知られている。一卵性の双子で性別が異なる事例が1976年までに少なくとも3例が確認されており、その後も異性一卵性双生児の事例(異性一卵性三つ子を含む)がしばしば確認されている。なお異性一卵性双生児の遺伝子の核は個々で異なるため、一卵性双生児であっても遺伝情報は完全に同一なものではない。さらに現在ではY染色体の有無により発現する性別が決定されているわけではなく、異なる性染色体が混在(モザイク)する割合によっても性別が異なってくることもわかっている。
結合双生児
一卵性の場合、ごく稀に卵子の分裂が不完全な状態で成長し、体が結合したまま出生される事がある。この出生形態の双生児は結合双生児(シャム双生児)と言われる。

二卵性双生児

二卵性双生児とその両親(父:ジョージ・W・ブッシュ、母:ローラ夫人)

二卵性双生児は、多排卵のうち(異なる精子に)受精した二卵が、同時に子宮壁に着床した場合の双胎妊娠から誕生する。二卵性双生児は同時に生まれて来る兄弟と同じ事なので一卵性双生児と異なり、遺伝情報は各々で独自のものである。普通の兄弟姉妹と同じように性別や血液型等が異なる場合もあるし、顔形も通常の兄弟姉妹程度に似ることになる。髪質や肌の色がまったく異なる場合も多い。日本の二卵性双生児出生率はかつて0.2%弱であった(一卵性より出生率は低かった)が、現在は0.4%以上になっている。

性別が異なる二卵性双生児を特に異性双生児という。日本では異性双生児のことを「ミックスツイン」と呼称する場合も多い。ただし、英語のmixed twinsは混血 (Multiracial) の親から生まれた双子を指し、異性双生児を指す英語はmixed sex twinsまたはopposite sex twinsである。

多排卵は妊婦自身や母方家族の二卵性双生児出産既往と相関があり、高ゴナドトロピン血症との関連が示唆されている。ゴナドトロピンは経産により上昇する傾向にあり、経産婦が双子を出産する可能性は初産の場合よりも若干ながら高い。遺伝子研究においては双子の両親のうち母親の持つ要因だけが二卵性双胎妊娠の発生に影響を与える(父親側の要因が母体側に何らかの影響を及ぼし、多排卵を導くという可能性はない)。ただし二卵性双生児自身が双子を受胎する確率が一般よりどれぐらい高いのかについて、科学的根拠のある数字を示す文献は存在しない。これは多胎家庭の系譜(family history)を厳密に調査することが出来ないため、具体的な数値を算出することが不可能なためである。

なお、排卵された複数の卵子が受精する時期は必ずしも近接していない。(同一月経周期内での)異なる時期・異なる性交による受精が発生(過妊娠、Superfecundation)することがある。さらに珍しいことではあるが受胎時とは別の月経周期に妊娠中にもかかわらず排卵が生じ、受胎時期が異なる二人目を妊娠する(過受胎、Superfetation)こともある。短時間で複数の受精卵が生じた双胎妊娠と比べ過妊娠・過受胎では受胎時期が双子のそれぞれで異なっているが、出生する子供が二卵性双生児であることに変わりはない。特に過妊娠で二卵性双生児を受胎することは比較的一般的に確認されるため、二卵性双生児の在胎週数は双子の個々でしばしば異なっている。

混血の双生児 (Mixed twins)
両親が混血である場合、親が有している人種のDNAを偏って受け継いだ結果、異なる人種特徴を持った二卵性双生児が産まれることがある。例えば両親が共にコーカソイドネグロイドの混血であった場合、双子のうち一方がコーカソイド、もう一方がネグロイドの特徴をもって産まれる可能性がある。具体的には写真を参照のこと。この確率は100万分の1程度と報道されているが、2001年に人種的特徴が偏在する双生児を儲けた夫婦から、2008年にも人種的特徴が偏在する双生児が誕生している(同じ夫婦から2組の二卵性双生児が生まれた)。
異父二卵性双生児
二卵性双生児それぞれの父親が異なる可能性もある。過妊娠や過受胎のように異なる時点の性交で複数の卵子が受精するケースで父親が異なる場合を異父過妊娠・異父過受胎と呼び、生物学上の父親が異なる双生児が生まれる。1992年のある研究では父親認知訴訟で審理されたケースのうち、異父二卵性双生児が約2.4%であったと報告されている。

特殊な卵性の双生児

一卵性と二卵性以外の卵性をもつ双生児が、ごく稀に誕生することがある。

半一卵性双生児
半一卵性双生児 (half identical twins) は排卵された一卵が受精前に分裂して二卵になったことから二卵性双生児として誕生する、双生児の種別の一つ。理論上でその存在は指摘されているが検証が困難であることに加え、そもそも存在が稀であるため確認されたことはない。異性双生児として誕生する可能性が、通常の二卵性双生児の場合と同様に存在する。また半一卵性双生児は各々75%のDNAを共有している。
準一卵性双生児
準一卵性双生児は多精子受精(過受精)した卵子(二精子が受精した卵子)が何らかの原因によって分裂し、双生児となったもの。2007年3月、初めて学術的に公式な報告がなされた。一個体中に異なる遺伝子情報が混在するキメラ(モザイク)として出生している。卵子に過受精が発生する確率自体は全体の受精のうち1%程度と言われているが実際に出生にいたって生存が確認される事例はかなり稀であり、一例のみ確認されている。

双生児の出生頻度

双生児の出生頻度は人種により違いがあり白人種は1/80から1/120、黒人種では1/50以上といわれる。日本における双生児の出生頻度はかつては1/150から1/160の低い水準で安定していたが、1987年以降は双生児の出生頻度は大きな変動が続いている。一卵性双生児の出生率は地域・民族・時代に関わりなく一律0.4%であり、双生児出生率の人種間の差や近年の日本の双生児出生頻度の変動は主として二卵性双生児の出生頻度によるものである。

日本の双生児出生頻度は1000組中、1974年頃は6組を少し下回る程度だったが、2003年には10組を上回った。日本の一卵性双生児出生頻度は1974年から2003年の30年間において1000組中4組前後で安定しているため、この出生頻度の変化は二卵性双生児の出生率の変動による影響が大きい。特に人工授精の導入による影響は大きく、体外受精の導入によって双生児の出生率は導入前の6割増になったと言われる。ただし1996年から日本産婦人科学会が胎内に戻す受精卵数を制限を開始し、現在は日本の双生児の出生率は2005年をピークに低下傾向にある(現在の産婦人科学会の指針では原則として、胎内に戻す受精卵は一つと定められている)。

また、二卵性双生児の出生頻度は地域間・民族間の違いも大きい。西アフリカ一帯に住むヨルバ族の場合、二卵性双生児の出生率は2.8%(二卵性出生率1000組中28組、一卵性出生率は1000組中7組)から約5%におよぶ。さらにブラジルのある小さな集落、リーニャ・サンペドロ地区では双子出生率が10%に達する。これは日本の二卵性双生児出生頻度の10 - 20倍に達している。また、リーニャ・サンペドロ地区では二卵性のみならず一卵性の出生率も(僅かではあるが)高い。この原因について長期にわたる調査が行われた結果、地域住民の遺伝的要因(TP53*P72およびMDM4-T)が影響を及ぼしている可能性が2012年に報告された。この報告では住民に多い遺伝子(特にP53)多型種に受精胚生存率を上昇させる効果を有するものがあり、(受胎が知覚される前に消失するような受精胚も生き残るなどの結果として)卵性を問わず双子出生率が上昇している、と指摘している。ただし、受精胚の生存率には非常に多様な遺伝的影響があるため、P53の多型のみによって双子出生率が影響されることはない。あくまで居住者(すなわち遺伝子)の地域流動性が低い、特定地域のみで偶発的に現れる現象であると考えられている。

二卵性双生児とは異なり、一卵性双生児の受胎は偶然であって遺伝的な影響は存在しないとされている。しかし、インドのモハンマド・プル・ウムリ (Mohammad Pur Umri) 村では一卵性双生児の出生率が約10%に達しており、他にもヨルダンに一卵性双生児の誕生率が非常に高い家族が存在するなど、一卵性双生児の出生率にも遺伝的な影響が存在する可能性も指摘されている。なお、ココノオビアルマジロは基本的に一卵性の四つ子を生むことで知られており、偶然に依拠することなく生物が一卵性多胎児を受胎することは可能である。

性別・卵性別の出生割合

双胎妊娠においては5つのバリエーションが一般的である(確認されている事例が1例のみである準一卵性双生児と、異性一卵性双生児は除く)。出生率順に以下のパターンとなる。

特に1絨毛膜1羊膜性双胎の場合、男男の出生率は極めて低い。ただし日本では二卵性双生児出生率が低いため、必ずしも上記の出生割合とはならない。日本の多胎児データベースに基づいたある調査(標本数461組)では、卵性が不明(未確認を含む)である双生児のペア(男男16組(3.5%)、女女26組(5.6%))を除くと組合せは以下の順となった。この調査では女女の一卵性双生児の組数が男男の二卵性双生児の組数より1組だけ多いが、当然ながら両者の差は有意なものではない。

一卵性双生児の受胎誘因

卵子が分割して一卵性双生児が産まれる原因は、解明されていない。しかし一卵性双生児の父親の一部には係累に一卵性双生児がいる確率が有意に高いケースもあるため、男性側の遺伝的影響が存在する可能性を指摘する仮説もある。ほかに受精時期が影響を与えるという、以下のような仮説も近年は存在する。

また、生殖補助医療の手法(胚盤胞移植や卵細胞質内精子注入法における一部の手法)によっては一卵性双生児の受胎確率を少なくとも2倍に上昇させる。自然妊娠による一卵性双生児の受胎確率は0.4%であるが、これらの手法による受胎確率は2.25倍の0.8–0.9%となる。

二卵性双生児の受胎誘因

二卵性双生児の出生率は、母親の遺伝要因の影響を受ける(多排卵に遺伝的影響がある)。また二卵性双生児の母親が受胎した際、卵胞刺激ホルモンの値が上昇している傾向が見られる。その影響を受け、妊娠前の生理の周期が早まったり期間が短くなっていることが多い。他に、以下のような幾つかの要因が二卵性双生児の受胎に影響を与えていると考えられている。

菜食主義と双胎妊娠の頻度

双胎妊娠の確率を上昇させるIGFは乳製品等から摂取できるが菜食主義の中でもヴィーガン (Vegan) と呼ばれるグループは全ての動物由来製品の利用を拒んでおり、血中のIGFレベルが非ヴィーガンと比べて13%ほど低い。そのため、双胎妊娠の確率が非ヴィーガン(乳製品を食事にとっている人)の5分の1程度になっているという調査結果もある。

双胎妊娠

双胎妊娠に限らず多胎妊娠の場合、母体の子宮容積が胎児達の体重・体積の増加に物理的な制約となるため、妊娠の継続が困難になりやすい。そのため、単胎妊娠(胎児数1の妊娠)と比べ双胎妊娠の場合、臨月を待たずに出産にいたる可能性が高く、個人差はあるが34週から36週ぐらいの早産になり易い傾向がある。早産は新生児の健康状態に影響を及ぼす可能性が高いため、双胎妊娠の場合は慎重な妊娠生活を過ごすことが要求される。産休期間は単胎妊娠が産前6週間であるのに対し、多胎妊娠の場合は産前14週間が認められている(労働基準法65条)。

双胎妊娠は、卵膜の種別である膜性により幾つかの形態に分類される。膜性の違いにより、妊娠生活上の注意事項が異なる。また膜性により胎児の卵性が出生前に判明する場合もあり、重要な医療情報となる。

膜性

卵膜は外層より脱落膜・絨毛膜・羊膜の三層で形成され、このうち絨毛膜と羊膜の数による区分が膜性である。特に母体内の胎盤の数の違いを表す絨毛膜の違いが重視される。絨毛膜の方が羊膜より完成が早く、ごく早期は羊膜数の判断は困難である。また妊娠週数が進行すると膜性の判断が難しくなるため、膜性診断はおおよそ妊娠10週までに医師の判断を仰ぐ必要がある。

絨毛膜
絨毛膜は羊膜の上層に位置し胎盤の一部を形成する、卵膜のうちの第二層。(生殖補助医療によらない)自然妊娠による二卵性の場合は、ほぼ確実に2絨毛膜性双胎となる。一卵性の場合、受精卵の分裂時期により1絨毛膜になるか2絨毛膜になるかの違いが出る。絨毛膜の数は胎盤の数と考えてよいため、膜性が1絨毛膜の胎児は胎盤を共有している。よって、膜性が1絨毛膜と2絨毛膜のどちらかであるかにより妊婦の生活に多少の違いが生じることになる(妊娠時の注意事項が異なる)。
妊娠四週目の二絨毛膜性双胎。二つの胎芽がはっきりと離れた位置にある。
羊膜
羊膜は卵膜の最内層であり、個々の胎児を包む膜。1絨毛膜性双胎妊娠の場合、1羊膜と2羊膜のケースが存在する。2羊膜性となる場合が多い。1羊膜の場合、同じ羊膜の中に複数の胎児が存在する。なお2絨毛膜性双胎妊娠の場合は、当然ながら2羊膜である(羊膜は絨毛膜の内層膜であるため)。
双胎妊娠の分類
絨毛膜と羊膜の組合せにより、双胎妊娠の種別が決まる。一卵性の場合、この種別は受精卵の分裂時期により決まると考えられている)。
  • 2絨毛膜2羊膜性双胎:受精3日以内に受精卵が分裂した場合
  • 1絨毛膜2羊膜性双胎:受精4日から7日以内に受精卵が分裂した場合
  • 1絨毛膜1羊膜性双胎:受精8日以降に受精卵が分裂した場合

一卵性と二卵性の識別

双生児の性別が異なる場合、上記異性一卵性双生児を除き原則として二卵性双生児である。しかし、同性の場合はDNA検査をしない限り卵性判断をすることは出来ない。自然妊娠の1絨毛膜性双胎であれば、産まれてくる双生児は一卵性双生児と考えて差し支えないが、二卵性1絨毛膜性双胎が自然妊娠により発生する可能性も存在する。ただし、自然妊娠による二卵性一絨毛膜性双胎の報告例はない。一方、2絨毛膜性双胎の場合は一卵性と二卵性の両方の可能性がある。

卵性と膜性

双生児の卵性と膜性(絨毛膜・羊膜の組合せ)には以下のような関係がある。1卵性双生児の場合、受精卵の分裂時期により膜性に違いが生じる。一方、2卵性双生児の膜性はほぼ必ず2絨毛膜2羊膜となるが、1絨毛膜2羊膜の二卵性双生児が誕生することもある。また、2絨毛膜2羊膜性双胎胎盤の場合、癒合双胎胎盤分離双胎胎盤に分類され、視認により胎盤数を確認することが困難な場合もある。

【膜性と卵性】
【1絨毛膜】
2絨毛膜
1羊膜 一卵性 | 発生しない
2羊膜 一卵性(例外あり) | 一卵性 or 二卵性
一卵性双胎の膜性
  • 1絨毛膜1羊膜性双胎 約1%
  • 1絨毛膜2羊膜性双胎 約75%
  • 2絨毛膜2羊膜性双胎 約25%
二卵性一絨毛膜性双胎
二つの受精卵が至近距離に着床したり、あるいは不妊治療・生殖補助医療などの影響により一部の細胞が癒合し、二卵性双胎のケースでも一絨毛膜性双胎となる(一つの胎盤を共有する)可能性がある。2003年に初めての症例報告がなされた後、稀ではあるが幾つかの症例が報告がなされるようになった。報告例の中には三卵性二絨毛膜性双胎(三つ子のうち二児が胎盤を共有する二卵性一絨毛膜性双胎)も含まれており、双生児以外の多卵性多胎児においても胎盤の共有が発生しうることを示している。これまでに確認された二卵性一絨毛膜性双胎の全ての報告は一般不妊治療・生殖補助医療の下での症例で、かつ男女の異性双生児である。二卵性一絨毛膜性双胎の場合に必ず異性双生児となるわけではなく、同性の一絨毛膜性双生児の場合は二卵性として認知することが困難であることが影響していると考えられる。一絨毛膜性の異性双生児の場合、"一絨毛膜性双胎の異性一卵性双生児"であるか"二卵性一絨毛膜性双胎の異性双生児"であるかはDNA検査をしなければ判明しない。二卵性一絨毛膜性双胎は一卵性一絨毛膜性双胎と同じように胎盤を共有しているため、胎盤共有から生じる双胎間輸血症候群などの問題も同様に発生しうる。また、二卵性双胎では異なる血液型の児が胎盤を共有していることもしばしば発生し、共有胎盤を通じて造血細胞などが相互移行する結果、出生児に血液キメラが生じる可能性がある(キメラも発生しうる)。
卵性診断の混乱と卵性識別の重要性
かつては絨毛膜や胎盤の数をもって卵性を識別していたが、これは誤りである。一卵性双生児の3分の1は2絨毛膜性双胎であり、胎盤数は二つとなる。また視認された胎盤数が一つであっても二卵性双生児の場合もある(視認された胎盤の数が一つであっても検査の結果、癒合性双胎胎盤であることも多い)。さらに、一絨毛膜性双胎であっても、二卵性双生児である可能性もわずかではあるが存在する。よって現在では出生時に二卵性双生児と言われていてもその実は一卵性双生児であったり、一卵性と判断されていても二卵性双生児であるケースが多数存在している。特に一卵性双生児が二卵性であると誤認されているケースが多い。例えばタレントの三倉茉奈・佳奈は二卵性双生児だと本人達も信じていたが、DNA検査の結果として一卵性双生児の確率が極めて高いと判断された。アメリカのタレントであるオルセン姉妹も本人達は二卵性であると主張しているが、双生児研究の専門家であるNancy L. Segalはオルセン姉妹はその外見等から一卵性である可能性が高いと指摘している。一卵性双生児が自身を二卵性だと信じ込みがちな理由として、(1)一卵性ならば何もかもが類似していると思い込み、相違点の存在を意識しすぎる、(2)外見や行動における個性重視の風潮から、一卵性双生児であることを重荷に感じる、という二点をSegalは挙げている。またSegalは、誤認していた卵性を正しく知った一卵性双生児が「自身らが元は一つの受精卵であり、分裂していなかった場合はどちらか一方が存在していなかった」ことを自覚して衝撃を受けた実例を紹介しつつ、双生児自身やその周囲が出生後出来るだけ速やかに正確な卵性を知ることは、相違性や類似性を正しく理解した健全な成長過程を過ごすにあたって役立つであろうと主張している(三倉茉奈・佳奈が自身らの卵性を知った際にも紹介例と同様の混乱が見られる)。

双胎妊娠と社会

双胎妊娠の出産時期

双胎妊娠の膜性が1絨毛膜型である場合、在胎週数が28週(妊娠後期)を超える頃、管理入院でMFICU(母体胎児集中治療管理室)等に入室する場合が多い。一般に管理入院の期間はノンストレス・テスト (NST, Non Stress Test) 等の結果によって変わってくるため、個人差が大きい。数週の入院の後に自宅に戻る場合もあれば、出産時までそのまま入院が継続される場合もある。

37週0日以上の正期産になるまで妊娠を継続することが望まれるが、双胎妊娠では胎児二人分という物理的な大きさが母体の負担になる場合も多い。そのため、低出生体重児になる可能性があっても妊娠34週を超えれば出産を選択することは双胎妊娠では珍しくない。これは妊娠34週以降であれば胎児の肺がほぼ完成し、NICUを備えた産院であれば十分な対応が可能になるからである。

双胎妊娠の期間

アメリカ在住の妊婦の妊娠期間を調査した1998年の研究では単胎妊娠と双胎妊娠の妊娠期間は下記の表に見られるように、顕著な期間の違いが報告されている。参考に品胎(三つ子)妊娠の事例も併記しておく。一般には双子の場合は37週過ぎ、三つ子の場合は34週過ぎの頃に出産となる場合が多いといわれている。また1羊膜1絨毛膜の場合や品胎妊娠の場合、分娩時に臍の緒が巻きつく可能性などの危険を避けるため帝王切開による出産が多くなる。

【胎児数と妊娠期間】
【単胎妊娠】
【双胎妊娠】
品胎妊娠
平均在胎週数 39.03週 | 35.77週 | 32.48週
在胎33週未満 1.7% | 13.94% | 41.25%
在胎37週未満 9.43% | 50.74% | 91.03%

分娩の間隔

双生児の第一子と第二子の分娩間隔を調査した香港の大学病院による報告では、34週未満の早産や帝王切開などのケースを除く対象となった118例(平均在胎週数37.1週)で、以下のような結果が示されている(中央値は16.5分、四分位範囲は10–23.3分である)。また、第一子・第二子の出産時期が大幅に異なる事例もあり、誕生日が95日離れた双子がアメリカ合衆国ルイジアナ州で産まれている(第一子は1994年生まれ、第二子は1995年生まれである)。

【分娩間隔】
【5分以内】
【10分以内】
【15分以内】
【20分以内】
【25分以内】
25分超
分娩例数 12.7%(15例) | 21.2%(25例) | 19.5%(23例) | 18.6%(22例) | 12.7%(15例) | 15.3%(18例)

特有の現象

バニシング・ツイン (Vanishing Twins)
双胎妊娠が判明した後、ごく早期の段階で一方が流産となり結果として単胎妊娠の形になることをバニシング・ツインという。胚(胎児)が母体に吸収されあたかも子宮内から消失(バニシング)したように見えるため、この名称がついている。研究者の中には実はほとんどの妊娠のごく早期は多胎受精なのだが、妊娠が確認される頃に単胎になっているのではないか(バニシング・ツインを経た後に妊娠が判明しているだけなのではないか)と仮説を立てている者もいる。
無心体 (acardius)
一卵性双生児のうち一方の発育過程に異常が発生し胎児の心臓が確認できない、あるいは痕跡としてのみ存在して機能していないものを無心体という。
極体双生児 (polar body twins)
極体 (polar body) とは卵母細胞の不均等な減数分裂によって生じた二つの娘細胞のうち、微少な細胞量の方の卵娘細胞を指す。この極体は通常は消失するが、消失せずに精子と受精した場合、別の精子と極体ではない方の正常な成熟卵が受精して誕生した胎児と合わせ極体双生児と呼ぶ。極体と受精した側の胎児は無心体となる。このとき、理論的には極体側の受精卵が一個体として成長する可能性は存在し双生児の両方がともに成熟した場合は半一卵性の双生児となる(半一卵性双生児は極体双生児の一種)。
キメラ (chimera)
本来ならば二卵性双生児になるはずだった二つの受精卵が、融合して一つの受精卵となることがある (dual identities)。多くの場合は受精卵が成長せずに出産まで至らないが、一個体が二種類の遺伝情報を持つキメラとして生まれることもある。またバニシング・ツインで本来は母体に吸収されてしまう胚が残った胚と融合し、キメラで生まれる場合もある。特に異性双生児として生まれるはずだった胚が融合した場合、雌雄同体 (hermaphrodite) や半陰陽が生まれる可能性も生じる。
血液キメラ
融合性双胎胎盤の場合(つまり二卵性双生児の一部は)、異なる血液細胞を同時に持つ血液キメラとして生まれる可能性がある。血液キメラの場合、たとえばA型とB型の血液が混在して血管を流れている状態になる。二卵性双生児の8%ぐらいの割合で血液キメラがいるのではないかという調査もある。牛の異性多胎仔で血液キメラの場合、フリーマーチンとなる。フリーマーチンの牛は生殖能力を持たないため、牝牛であっても乳牛の場合は乳が出ず乳牛の役目を果たせないことになり、肉牛の場合でも繁殖牝牛に成り得ないことになる。(人間の場合は当然ながら牛とは異なり、血液キメラの人の妊娠・出産は可能である)。

特有の問題

早産
多胎妊娠は単胎の場合より早産になりやすい。
子宮内胎児死亡 (miscarried twins)
双子のうち一方の胎児だけが生存している状態。この場合、死亡した胎児を手術で取り出す必要が生じる場合もある。バニシング・ツインはこの一種。
貧血
多胎妊娠の場合、胎児が必要とする血液量が単胎より多いため、貧血になりやすい。
双胎間輸血症候群
胎盤の共有により発生する症状。1絨毛膜性と融合性双胎胎盤で血管の吻合が見られる場合に生じる。
胎児不均衡発育(discordant twins)
双胎妊娠の75%は妊娠中の双子体重差が15%以下であるが、双胎妊娠の20%は15-25%の体重差が生じ、残る5%は25%以上の体重差が生じる。体重差があり、発育が不均衡であっても出産は同時であることがほとんどのため、出産時期の設定が難しくなる。
静脈血栓塞栓症
双胎妊娠の場合、妊娠生活に安静を要求されるため、単胎より発症しやすい。
子宮内胎児発育遅延 (IUGR)
多胎妊娠特有の問題ではないが、多胎妊娠の場合は単胎時より大きな問題になる場合が多い。
子宮内外同時妊娠
子宮外妊娠と通常の子宮内妊娠が同時に生じた状態。子宮内外同時妊娠は30,000件に一件程度で発生すると考えられているが、生殖補助医療技術の発達により、近年は増加傾向にあると指摘されている。
重複妊娠(Combined Pregnancy)
子宮内外同時妊娠や重複子宮・双角子宮における同時妊娠などの、過妊娠・過受胎によって生じる異所妊娠(heterotopic pregnancy)であり、人間の同一子宮内における双胎妊娠は重複妊娠とは異なる。
妊娠高血圧症候群 (かつての妊娠中毒症に対する現在の呼称)
同じく多胎妊娠特有の問題ではないが、単胎時より大きな問題になる場合が多い。
羊水過多症
同じく多胎妊娠特有の問題ではないが、単胎時より大きな問題になる場合が多い。
出産難民
同じく多胎妊娠特有の問題ではないが、単胎時より大きな問題になる場合が多い。特に1絨毛膜性双胎妊娠の場合、一般の産院では受け入れを断られる場合がある。地域の中核的な総合病院のNICUを備えた周産期医療センターへ入院することが推奨されており、出産難民になりやすい。一方、膜性が2絨毛膜性双胎妊娠の場合、特に問題なく受け入れ可能な産院が比較的に多い。早期の膜性診断が重要とされる理由の一つである。

双胎妊娠の呼称に関する混乱

双生児の出生・発育・発達

双子の出生順と兄弟姉妹

双子の出生順により、二子中第一子(兄・姉)、二子中第二子(弟・妹)となる。

かつての双生児の兄弟姉妹の定め方は一律に定まっていたわけではなく、地域・時代により変化していた。古代ローマでは第二子をもって兄姉とし、長子としていた。欧州では基本的に第一子をもって兄姉としていたが、地域によっては20世紀の初めまで第二子をもって兄姉としていた。日本でも「後から生まれた方を兄(姉)とする」という因習が長く存在していた。これは「兄(姉)ならば先に母の中に入ったので奥にいるはずであり、後から出てくるはず」、「弟(妹)が兄(姉)を守るため、先に露払いとして出てくる」などの考え方による、江戸期から明治初期の「産婆ノ妄説」であった。ただしこの当時は他にも「体格が大きい方が兄」、「先に生まれた方が兄」という考え方が併存しており新潟県中部域などでは先に生まれた方を兄としていたことが民事慣例類集に記載されている。

1874年12月13日太政官指令により「前産ノ児ヲ以テ兄姉ト定候(先に産まれた方を兄・姉とする)」と多胎児の兄弟姉妹の順が定められた。それ以後、少なくとも法令上は出生順により兄弟姉妹が決められている。ただし、この「後から生まれた方が兄(姉)」という考え方は直ぐには改められなかったようで、例えば明治25年(1892年)に生まれたきんさんぎんさんは後から生まれたきんが姉となっている。1898年10月12日には司法省民刑局長が「出生ノ前後」をもって順序を定めるように再度の通達を出している。

現在は戸籍法第四十九条第三項の定めにより、子が出生すると出生証明書を添えた上で出生の届出(出生届)をしなければならない。この届書に「出生の年月日時分」を記載する必要があり届書に添えられる出生証明書にも「出生の年月日時分」、「単胎か多胎かの別及び多胎の場合には、その出産順位」などが立ち会った医師(またはそれに準ずる者)により記載されていなければならない(法務省・厚生労働省令第一号(1952年11月17日、最終改正は2002年2月18日))。この出生届出と出生証明書の記載に従い、兄弟姉妹の順が定められている。

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出典:wikipedia
2018/11/09 15:58

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