太田 椋(おおた りょう、2001年2月14日 - )は、オリックス・バファローズに所属する大阪府羽曳野市出身のプロ野球選手(内野手)。右投右打。
近鉄バファローズの元選手(内野手)で、オリックス・バファローズ打撃投手の太田暁は実父に当たる。
前述した経歴を持つ実父・暁への憧れから、羽曳野市立高鷲南小学校3年時から軟式野球を始めると、羽曳野市立高鷲南中学校時代は羽曳野ボーイズでプレー。2012年のオールスターゲーム第1戦では始球式を任された。3年時の2015年には、ジャイアンツカップでチームを優勝に導いた。さらに、小園海斗・野村大樹などと共に、野球日本代表の一員として U-15アジアチャレンジマッチ(松山坊っちゃんスタジアム)に出場した。
天理高等学校への進学後は、1年時の春から対外試合でベンチ入りを果たすと、夏の選手権奈良大会から正遊撃手に定着。2年夏には、選手権奈良大会の優勝を経て臨んだ第99回全国高等学校野球選手権大会で、チームの準決勝進出に貢献した。主将として臨んだ3年夏の選手権奈良大会では決勝で姿を消したものの、大会通算5試合の出場で、打率.333(21打数7安打)、2本塁打、8打点という好成績を残すとともに、遊撃の守備を無失策で凌いだ。
2018年のNPBドラフト会議では、暁が打撃投手として在籍するオリックス・バファローズから1巡目で指名された。そして契約金8,500万円、年俸800万円(金額は推定)という条件で入団した。背番号は31。
2019年には、春季キャンプを二軍で過ごした。紅白戦を含む実戦5試合で15打数6安打2打点を記録したことを受けて、3月9日には、読売ジャイアンツとのオープン戦(京セラドーム大阪)での一軍デビューが予定されていた。しかし、前日(3月8日)に教育リーグの対福岡ソフトバンクホークス戦(オセアンバファローズスタジアム舞洲)へ出場したところ、3回裏の打席で千賀滉大から右腕に死球を受けて途中交代。その後の検査で、右尺骨骨幹部の骨折が判明したため、3ヶ月ものリハビリを余儀なくされた。9月14日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦(京セラドーム)で、「8番・遊撃手」として一軍公式戦にデビュー。以降も5試合に出場したが、一軍公式戦での初安打には至らなかった。ウエスタン・リーグの公式戦では、前述した骨折が癒えた6月上旬から64試合へ出場。同期入団の高卒内野手・宜保翔とのコンビで二遊間を守ることが多く、遊撃手としてリーグ3位の14失策を記録したものの、打撃面では打率.258、チーム2位の6本塁打という成績を残した。
2020年、春季キャンプのスタートを初めて一軍で迎えたが、右太腿を痛めて途中から離脱する。レギュラーシーズンの開幕直前に正三塁手候補として一軍へ再び合流すると、一軍の対外試合で初めての本塁打を広島東洋カープとの練習試合で記録したが、開幕を二軍で迎えた。7月16日に一軍へ昇格すると、同日の対福岡ソフトバンクホークス戦(京セラドーム)に「9番・三塁手」としてスタメンに起用。2回裏の第1打席で、一軍公式戦での初安打をリック・バンデンハークからのソロ本塁打で記録した。この一打は、21世紀生まれの選手によるNPB一軍公式戦での初本塁打でもある。さらに、19歳5ヶ月で迎えた翌17日の同カードで2号本塁打を放ったことによって、前身球団を含めたオリックスの10代選手としては初めての一軍公式戦2試合連続本塁打を記録した。チーム事情などとの兼ね合いで、8月13日に出場選手登録をいったん抹消。9月20日に再び登録されると、「3番・二塁手」としてスタメンで出場した同日の対埼玉西武ライオンズ戦(京セラドーム)1回裏の第1打席で、ドームの左翼5階席に飛び込む特大の3号本塁打を放った。しかし、同月25日の対北海道日本ハムファイターズ戦(京セラドーム)3回裏2死1・2塁で二塁走者として伏見寅威の内野ゴロで三塁への進塁を試みたところ、ゴロを捕球した日本ハムの三塁手クリスチャン・ビヤヌエバと交錯(記録は太田の守備妨害)。グラウンドで頭を打ち付けたまま自力で起き上がれなくなったため、グラウンド上から担架で病院に搬送された。搬送先の病院で検査を受けた結果、頭部や脳に異常は見られないものの、右の肋骨を骨折していることが判明した。
走攻守とも能力の高い大型遊撃手で、高校時代には、対外試合で通算31本塁打をマーク。また京セラドームの5階席に叩き込む長打力とボール球を確実に見極めることが出来る高い選球眼を持ち合わせている。
三遊間の深い守備位置からの送球で、打者走者から一塁でアウトを奪えるほどの強肩の持ち主でもある。
実父の暁は投手出身で、近鉄への入団を機に内野手へ転向した後に、2005年から打撃投手としてオリックス・バファローズに在籍している。その関係で、椋がドラフト会議でオリックスから指名された直後や、入団が決まった後の記者会見には暁も同席。以降も、春季キャンプなどの折に、2人揃って取材に応じている。暁は一軍の打撃投手として主力選手の打撃練習を任されることが多いが、椋が一軍へ昇格した場合には、試合前の打撃練習で椋の相手も務めている。