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孤立した言語とは?

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孤立した言語(こりつしたげんご、language isolate、isolated language)とは、現存する他の言語と系統関係が立証されておらず、他の言語と共通する祖語を再建できない系統不明の言語である。孤立言語とも。

なお、古典的な言語類型論における形態論的な分類の一つである孤立語(こりつご、isolating language)とはまったく異なる概念である。

目次

  • 1 概要
  • 2 孤立した言語の一覧
    • 2.1 アフリカ
    • 2.2 ユーラシア
    • 2.3 オセアニア
    • 2.4 北アメリカ
    • 2.5 南アメリカ
  • 3 未分類の言語
  • 4 孤立した手話
  • 5 脚注
  • 6 関連項目

概要

アイヌ語朝鮮語バスク語ブルシャスキー語ギリヤーク語、その他「古シベリア語」と呼ばれてきた諸語などが事例として挙げられるが、それぞれ各語族との関係性が見いだされると主張する言語学者たちもいる。

系統関係の不明な孤立した言語の分布地域は世界的にみると比較的限定されており、それは新石器時代以降の文明の中心都市からすると周辺地域ないし孤立地域に属している。人類の発祥地とされるアフリカや、ユーラシアの中心部やヨーロッパなどの地域における諸言語の分布は相対的に等質的であり、また系統関係もかなり詳細まで判明している。地理的な孤立地域における孤立した言語の例としては、ヨーロッパではピレネー山のバスク語のみであり、またインド亜大陸ではパキスタン北部山岳地帯のブルシャスキー語インド中央部のニハリ語ネパールクスンダ語がある程度である。

孤立した言語は下位言語が1つだけの語族と捉えることもできる。従ってその言語の下位方言を個別の言語とみることによって、孤立した言語でなくなる場合がある。日本語も系統関係は不明で孤立した言語とされていたが、言語学的には琉球語を別言語と認定する見解が一般的になったため、現在は日本語族とされる。同じような例がグルジア語カルトヴェリ語族にもある。

孤立した言語の一覧

(英語でのアルファベット順)

アフリカ

言語 地域 備考
Bangime | マリ | 
Birale (Ongota)? | エチオピア・南部諸民族州南オモ地域 | アフロ・アジア語族とされることもある。
ハヅァ語 | タンザニア | かつては「コイサン語族」に含まれていた。
Jalaa? | ナイジェリアバウチ州 | 危機に瀕する言語
Laal? | チャド | ニジェール・コルドファン語族に挙げられる場合がある。
サンダウェ語 | タンザニア・ドドマ州 | クワディ・コエ語族とともに「コエ・サンダウェ語族」を成すとする説がある。

ユーラシア

言語 地域 備考
アイヌ語 | 日本北海道他 | 危機に瀕する言語
バスク語 | スペインフランスバスク地方 | 紀元前1世紀頃使われていたアクイタニア語が直接的な先祖に当ると考えられている(バスク語族)。またイベリア語との関係を主張する言語学者もいる。西ヨーロッパの基層言語と推定する説もある(バスコン語基層説)。ある言語学者はコーカサス諸語との関係を指摘するが反論がある。
ブルシャスキー語 | パキスタン北部 | 一部の言語学者はケット語との関係性を見出そうとしている。その場合、仮説上のデネ・エニセイ語族に含まれる可能性もあるが、2013年現在、研究は初歩段階。
エラム語 | 死語。古代:エラム帝国ペルシア帝国 | ドラヴィダ語族と関連すると推測されることがある。
エトルリア語 | 死語。古代:エトルリア | おそらくティルセニア語族を成す。
Hruso? | インドアルナーチャル・プラデーシュ州 | シナ・チベット語族とされてきたが、孤立した言語の可能性がある。(アルナーチャルの孤立した言語および独立語族を参照)
朝鮮語 | 韓国朝鮮民主主義人民共和国中国吉林省 | 孤立した言語の中では最も母語話者が多い。高句麗語(死語)との関連についてさまざまな議論があり、アルタイ諸語に含むとされる事がある。また日本語との関係を示唆する説もある。済州語を独立した言語とみなす場合は朝鮮語族となる。
クスンダ語 | ネパール | 危機に瀕する言語
Miju? | インドアルナーチャル・プラデーシュ州 | シナ・チベット語族とされてきたが、孤立した言語の可能性がある。(アルナーチャルの孤立した言語および独立語族を参照)
ニハリ語 | インドマディヤ・プラデーシュ州ラージャスターン州 | 危機に瀕する言語
ニヴフ語 | ロシアアムール河流域、樺太 | ギリヤーク語とも呼ばれる。文法的に日本語、朝鮮語との類似がみられるが系統は不明。
Puroik? | インドアルナーチャル・プラデーシュ州 | シナ・チベット語族オーストロアジア語族の可能性もあるが、孤立した言語の可能性がある。(アルナーチャルの孤立した言語および独立語族を参照)
シュメール語 | 死語。古代:シュメール | 

オセアニア

言語 地域 備考
Abinoman | ニューギニア | 
Anem | ニューブリテン島 | 
Busa | ニューギニア | 
Enindhilyagwa | オーストラリア | 
Isirawa | ニューギニア | 
Kakadju | オーストラリア | 
Kol | ニューブリテン島 | 
kuot | ニューアイルランド | 
Laragiya | オーストラリア | 
Ngurmbur | オーストラリア | 
Pele-Ata | ニューブリテン島 | 
Pyu | ニューギニア | 
Sulka | ニューギニア | 
Taiap | ニューギニア | 
Tiwi | オーストラリア | 
Umbugarla | オーストラリア | 
Yalë | ニューギニア | 
Yawa | ニューギニアニューアイルランド | 
Yélî Dnye | en:Rossel Island | 

北アメリカ

言語 地域 備考
Atakapa | 米国テキサス州ルイジアナ州 | 
Chimariko | 米国カリフォルニア州 | 
Chitimacha | 米国ルイジアナ州 | 
Coahuilteco | 米国テキサス州メキシコ北東部 | 
Cotoname? | 米国テキサス州メキシコ北東部 | 
Cuitlatec | メキシコゲレーロ州 | 
エセレン語 | 米国カリフォルニア州 | 
ハイダ語 | 米国アラスカ州カナダブリティッシュコロンビア州 | ナ・デネ語族に含める場合がある。
Huave | メキシコオアハカ州 | 
Karuk | 米国カリフォルニア州 | 
Kootenai | 米国アイダホ州モンタナ州カナダブリティッシュコロンビア州 | 
Natchez | 米国ルイジアナ州ミシシッピ州 | 
Quinigua | メキシコ北東部 | 
サリナ語 | 米国カリフォルニア州 | 
セリ語 | メキシコソノラ州 | 
Siuslaw | 米国オレゴン州 | 
Takelma | 米国オレゴン州 | 
タラスコ語 | メキシコミチョアカン州 | 
Timucua | 米国フロリダ州ジョージア州 | 
Tonkawa | 米国テキサス州 | 
Tunica | 米国ミシシッピ州ルイジアナ州アーカンソー州 | 
Washo | 米国カリフォルニア州ネバダ州 | 
Yana | 米国カリフォルニア州 | 
Yuchi | 米国ジョージア州オクラホマ州 | スー語族に含まれるとされる場合がある。
ズニ語 | 米国ニューメキシコ州 | ペヌティ語に含まれるとされる場合がある。

南アメリカ

言語 地域 備考
Aikaná | ブラジルロンドニア州 | 
Andoque? | コロンビアペルー | 
Betoi | コロンビア | 
Camsá | コロンビア | 
Canichana | ボリビア | 
Cayubaba | ボリビア | 
Cofán | コロンビアエクアドル | 
Irantxe? | ブラジルマトグロッソ州 | 
Itonama | ボリビア | 
マプチェ語 | チリアルゼンチン | 
Movima | ボリビア | 
Munichi | ペルー | 
ムーラ語 | ブラジル | ムーラ語の一つであるピダハン語を表す語がない、文法再帰用法がない、音素数が世界最小の言語であるなど特徴ある言語として知られている。
Otí | ブラジルサンパウロ州 | 
Sabela | エクアドルペルー | 
Ticuna | コロンビアペルーブラジル | 
Warao | ガイアナスリナムベネズエラ | 
Yámana | チリ | 
Yuracare | ボリビア | 
Yurumanguí | コロンビア | 

未分類の言語

未分類言語は現状では他の言語との関係が証明されていないため、孤立した言語として扱われる場合があるが、厳密には別の概念である。

未分類言語」を参照

孤立した手話

風土病ろう学校の失敗例などの理由で聴覚障害者が常時一定以上の割合を占めるコミュニティでは、音声言語でなくリアルタイムで使用可能な視覚言語、すなわち手話が自然言語として発生する例がある。こうして生まれた手話は、現地の健聴者が並行して使う音声言語とも類縁関係がない。これもろう教育の輸出と無関係である点から、孤立した言語と見なしうる。このような手話には、マーサズ・ヴィニヤード手話ニカラグア手話アダモロベ手話アル=サイード・ベドウィン手話などがある。

脚注

  1. ^ 松本克己『世界言語のなかの日本語』三省堂2007.p.5
  2. ^ 松本克己前掲書

関連項目

世界の語族 (孤立した言語を含む)
アフリカ | 

ユーラシア西部 | 
  • インド・ヨーロッパ語族
  • バスク語
  • エトルリア語
  • コーカサス諸語
  • フルリ・ウラルトゥ語族
  • シュメール語
  • エラム語

  • ユーラシア北部 | 
  • ウラル語族
  • アルタイ諸語
  • 古アジア諸語

  • ユーラシア東部 | 
  • シナ・チベット語族
  • ミャオ・ヤオ語族
  • オーストロアジア語族
  • タイ・カダイ語族
  • 扶余語族
  • 朝鮮語族
  • 日本語族
  • アイヌ語

  • ユーラシア南部 | 
  • ブルシャスキー語
  • ドラヴィダ語族
  • クスンダ語
  • ニハリ語
  • アンダマン諸語

  • オセアニア | 
  • オーストロネシア語族
  • パプア諸語
  • オーストラリア諸語

  • アメリカ | 
  • アメリカ先住民諸語

  • 提唱中の語族 | 
  • コイサン語族
  • アルタイ語族
  • デネ・エニセイ語族
  • ウラル・ユカギール語族
  • ウラル・シベリア語族
  • ウラル・アルタイ語族
  • インド・ウラル語族
  • オーストロ・タイ語族
  • ティルセニア語族
  • エラム・ドラヴィダ語族
  • イベロ・コーカサス語族
  • 北コーカサス語族
  • バスク語族
  • アルナーチャルの独立語族群
  • ペヌーティ語族

  • 大語族仮説 | 
  • 世界祖語
  • ボレア大語族
  • ノストラティック大語族
  • ユーラシア大語族
  • インド・太平洋大語族
  • オーストリック大語族
  • デネ・コーカサス大語族
  • アメリンド大語族
  • ホカ大語族

  • その他 | 
  • 語族の一覧
  • 孤立した言語
  • 未分類言語
  • ピジン言語
  • クレオール言語
  • 混合言語
  • 人工言語
  • 先印欧語
  • 言語連合
  • 言語類型
  • 危機に瀕する言語

  • 手話 | 
  • 日本手話語族
  • イギリス手話語族
  • etc


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    出典:wikipedia
    2018/07/17 05:33

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