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将棋とは?

各年度の将棋界

2016 - 2017 - 2018 - 2019



将棋(しょうぎ)は、2人で行うボードゲーム(盤上遊戯)の一種で、一般に「将棋」というときは特に本項で述べる本将棋(ほんしょうぎ、古将棋や現代の変形将棋類、変則将棋などと区別するための名称)を指す。

チェスなどと同じく、古代インドチャトランガが起源と考えられている。

以下、本項では主に本将棋について解説する(本将棋以外の将棋及び将棋に関連する遊戯については将棋類の一覧を参照)。

目次

  • 1 総説
  • 2 ルール
    • 2.1 将棋盤と駒
      • 2.1.1 駒の種類
      • 2.1.2 駒の動き
    • 2.2 対局の進行
      • 2.2.1 駒の配置
      • 2.2.2 手番における動作
        • 2.2.2.1 盤上の駒の移動
        • 2.2.2.2 駒の成・不成の選択
        • 2.2.2.3 持ち駒の使用
      • 2.2.3 持ち時間
      • 2.2.4 手合割
    • 2.3 勝敗の決め方
      • 2.3.1 千日手
      • 2.3.2 持将棋
      • 2.3.3 反則行為
      • 2.3.4 公式戦でのルールの不備
  • 3 戦略と戦術
    • 3.1 ゲームの進行ごとの戦略
      • 3.1.1 序盤戦
      • 3.1.2 中盤戦
      • 3.1.3 終盤戦
    • 3.2 形勢の判断
      • 3.2.1 玉形の状態
      • 3.2.2 駒の価値
      • 3.2.3 手番の先後
    • 3.3 先手の有利度
  • 4 沿革
    • 4.1 古将棋
      • 4.1.1 日本への伝来
      • 4.1.2 平安将棋
      • 4.1.3 将棋の発展
    • 4.2 本将棋
      • 4.2.1 御城将棋と家元
      • 4.2.2 新聞将棋・将棋連盟の結成
      • 4.2.3 将棋禁止の危機
    • 4.3 現代棋界の動向
      • 4.3.1 将棋人口の概要
    • 4.4 日本国外への普及
      • 4.4.1 英語圏の棋譜表記
  • 5 将棋のゲームとしての特質
  • 6 将棋用語に由来する慣用表現
  • 7 脚注
  • 8 関連項目
  • 9 外部リンク

総説

チェスやシャンチーなどと区別するため日本将棋(にほんしょうぎ)ともいい、特に日本の「本将棋」には「持ち駒」の観念があることが特徴とされ、これは諸外国の将棋類似のゲームにも例のない独特のルールである(持ち駒を利用したチェス派生のゲームも考案されている)。『レジャー白書』によると将棋人口は推定530万人である。

国際将棋フォーラム世界コンピュータ将棋選手権の開催などもあり、日本国外への普及も進みつつある。

ゲーム理論の分類では二人零和有限確定完全情報ゲームである。ただし後述する千日手のルール上の不備のために、厳密には「有限」でない点がある(2007年時点の日本将棋連盟公式ルールを前提とする)。

現代の日本では特に本項で述べるいわゆる本将棋(81マスの将棋盤と40枚の将棋駒を使用)が普及している。また、はさみ将棋まわり将棋など本将棋のほかにも将棋の盤と駒を利用して別のルールで遊んだりする遊戯があり変則将棋と総称される。

歴史的には「大将棋」(225マスの将棋盤と130枚の将棋駒を使用)、「中将棋」(144マスの将棋盤と92枚の将棋駒を使用)、「小将棋」(81マスの将棋盤と42枚の将棋駒を使用)などが指されていたこともあり、これらの将棋は現代の将棋に対して「古将棋」と総称される。現代でも中将棋などわずかではあるが愛好家が存在する。他に小将棋から派生したと推定される朝倉将棋が福井県を中心として残されており、主に福井県内のイベントなどで朝倉将棋の大会が開かれている。

ルール

将棋は2人の競技者(対局者)によって行われる。ここでは便宜的に自分と相手と呼ぶことにする。

将棋盤と駒

駒の種類

将棋の駒。成駒も含め全種類を示している。

駒の動き

【元の駒】
【動き】
【成駒】
【動き】

玉将(ぎょくしょう)
王将(おうしょう)
玉(ぎょく)
王(おう)
 | 
○ | ○ | ○
○ |  | ○
○ | ○ | ○
 | 全方向に1マス動ける。 | - | - | -
飛車(ひしゃ)
飛(ひ)
車(しゃ)
 | 
 | | | 
― |  | ―
 | | | 
 | 縦横に何マスでも動ける。
駒を飛び越えてはいけない。 | 竜王(りゅうおう)
竜(りゅう)
 | 
○ | | | ○
― |  | ―
○ | | | ○
 | 飛の動きに斜めに1マスの動きを足したもの。
角行(かくぎょう)
角(かく)
 | 
\ |  | /
 |  | 
/ |  | \
 | 斜めに何マスでも動ける。
駒を飛び越えてはいけない。 | 竜馬(りゅうめ、りゅうま)
馬(うま)
 | 
\ | ○ | /
○ |  | ○
/ | ○ | \
 | 角の動きに縦横に1マスの動きを足したもの。
金将(きんしょう)
金(きん)
 | 
○ | ○ | ○
○ |  | ○
 | ○ | 
 | 斜め後ろ以外に1マス動ける。 | - | - | -
銀将(ぎんしょう)
銀(ぎん)
 | 
○ | ○ | ○
 |  | 
○ |  | ○
 | 前と斜めに1マス動ける。 | 成銀(なりぎん)
 | 
○ | ○ | ○
○ |  | ○
 | ○ | 
 | 金と同じ。
桂馬(けいま)
桂(けい)
 | 
☆ |  | ☆
 |  | 
 |  | 
 | 前へ2、横へ1の位置に移動できる。
その際、駒を飛び越えることができる。 | 成桂(なりけい)
 | 
○ | ○ | ○
○ |  | ○
 | ○ | 
 | 金と同じ。
香車(きょうしゃ、きょうす)
香(きょう)
 | 
 | | | 
 |  | 
 |  | 
 | 前に何マスでも動ける。
駒を飛び越えてはいけない。 | 成香(なりきょう)
 | 
○ | ○ | ○
○ |  | ○
 | ○ | 
 | 金と同じ。
歩兵(ふひょう)
歩(ふ)
 | 
 | ○ | 
 |  | 
 |  | 
 | 前に1マス動ける。 | と金(ときん)
と(と)
 | 
○ | ○ | ○
○ |  | ○
 | ○ | 
 | 金と同じ。

上の表では便宜的に成銀を「全」、成桂を「圭」、成香を「杏」と表示している。この表記は、将棋駒の活字がない環境で(特に詰将棋で)しばしば用いられる。成銀を「全」、成桂を「今」、成香を「仝」、と金を「个」で表す流儀もある。成銀、成桂、成香、と金は全て「金」と表記されているのが実際で、くずし方を変えることで成る前の駒がわかるようにしている。王将と玉将では役割が同一であっても先手が玉将を持つことで後手と区別している働きが存在する。

対局の進行

将棋は対局者が相互に自らの駒を動かすことによってゲームが進められる。

駒の配置

将棋の対局において駒は対局者各20枚ずつの計40枚を用いる。対局者間の棋力の差によって手合割(ハンデ)を考慮する必要もあり、対局者間の棋力の差がかなり大きい場合には駒落ち(棋力で上回る側に属する駒の一部を盤上から除外した状態での対局)となるが、基本的には駒を落さずに対局者各20枚ずつ対等に駒を持つ「平手(ひらて)」で指される(手合割の詳細については後述)。

将棋の対局を始めるには、まず、駒を盤上の定められた位置(初形の位置)に配置する。将棋の正式な礼法では、対局者のうち上位者が駒袋に入った駒を盤の中央に取り出し、対局者はそれぞれ自陣に大橋流あるいは伊藤流の並べ方によって駒を並べてゆく。慣例として上位者が王将、下位者が玉将を用いる。

平手戦の場合、開始時には駒を次のように並べる。

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平手戦の初期配置

上図のように盤面を図として表示する場合、下側が先手、上側が後手となる。先手から見て将棋盤の右上のマスを基点とし、横方向に1、2、3、…、9、縦方向に一、二、三、…、九とマス目の位置を表す座標が決められている。棋譜はこの数字を用いて表現される。また、先手は(Unicode文字参照2617、)、後手は(2616、)で示すのが一般的だが、コンピュータ上ではJIS2004対応などのフォントが必要で、先手は▲・後手は△で示すことも多い。

先手・後手は振り駒により決定する。(プロのリーグ戦など事前に先手・後手が決定してる場合もある。)

手番における動作

自分の番(手番)が来たら、必ず盤上の自分の駒のいずれか1つを一回動かすか、持ち駒を1つだけ盤上に打たなければならない。二手続けて指したり(二手指し)、パスすること(自分の駒を全く移動せず、持ち駒も打たないこと)はできない。

盤上の駒の移動

盤上にある自分の駒は、その駒の種類に応じて駒の動きに書かれている範囲内に存在するマスであれば、どこにでも移動させることができる。ただし、以下のような制限がある。

  1. 自分の駒を移動させることができる範囲内に他の自分の駒が既に存在する場合、その駒によって塞がれているマスには入れない。また、他の駒を飛び越すことはできないので、他の自分の駒を飛び越してその先のマスへと移動することもできない(自分の駒が移動可能な範囲は他の自分の駒が存在するマスの1つ手前のマスまでとなる)。
  2. 自分の駒を移動させることができる範囲内に相手の駒が既に入っている場合、その相手の駒を捕獲して自分の「持ち駒」とした上で、自分の駒をその相手の駒が存在したマスの位置に動かすことができる。したがって、自分の駒が移動可能な範囲は、その相手の駒が存在するマスにまで及ぶことになる。ただし、他の駒を飛び越すことはできないので、飛、角、香などの走り駒であっても、移動範囲を塞いでいる相手の駒を取った上でそのマスに移動することはできるが、移動範囲を塞いでいる相手の駒を飛び越してその先のマスへと移動させることはできない。
  3. 桂馬については他の駒とは異なり移動可能なマスが元のマスから離れた場所にあるため(先述の駒の動きを参照)、周囲のマスに他の駒があっても、それを飛び越して移動することができる。ただし、桂馬の移動可能なマスに既に自分の他の駒が入っていて塞がれているときは移動できない。なお、桂馬の移動可能なマスに先に入っている駒が相手の駒である場合には、その相手の駒を取ってそのマスへ移動することができる。

以上のほか、玉将の位置との関係で、自分の駒を移動させることによって自玉を相手駒の利きにさらすことになる場合には、後述する禁じ手に該当することとなり移動できない。

駒の成・不成の選択

前述のように盤上の相手側3段を敵陣と呼ぶが、玉(王)と金以外の駒(飛、角、銀、桂、香、歩)については、敵陣内へ入るとき、敵陣内で移動するとき、敵陣内から出るときに「成る」ことを選択することができる。こうして成った駒を成駒と呼ぶ。成駒となることによって、移動可能な範囲が変化する。飛は竜王(竜)、角は竜馬(馬)となり、それぞれ飛・角の元々の駒の動きに加えて、全方向1マスの範囲にも動けるようになる。また、銀は成銀、桂は成桂、香は成香、歩はと金となり、それらは全て金と同様に扱われる。歩が成った場合にも金と同様に扱われるので、同じ縦の列に歩と成った歩(と金)が並んでも二歩(後述)にはならない。

成りは強制ではなく、成らないこと(「不成(ならず・ふなり)」と称する)を選択することができる。ただし、歩を敵陣の一番奥の段に移動させるなど、その駒がそれ以上は動けなくなってしまう場合は、必ず成らなければならない。一度、不成を選択した場合であっても、以後、その駒が成る条件(敵陣に入るとき、敵陣の中で動くとき、敵陣から出るとき)を満たすたびに、成る成らないかを選択することができる。また、一度成駒になってしまうと、その駒が盤上にある限り、元に戻すことはできない。その駒が相手に取られて相手の持ち駒となった時点で、成る前の状態に戻る。従って、持ち駒を成った状態で打つことはできない。

駒が成ることを選択した場合には、それを表示するために、移動先のマスに駒を裏返して配置する(不成を選択した場合には裏返さずそのまま配置する)。銀、桂、香の駒の裏面には「金」の字が崩して書いてある(歩の裏面の「と」も本来は「金」あるいは同音の「今」の字を崩したもの)が、もともとの駒の種類が分からなくならないように各駒の種類に応じて裏面の「金」の字体は変えてある。

上述のように、成りは強制ではなく、成るか成らないかを選択することができる。銀、桂、香は、成ることによって移動できなくなるマスがあるため、不都合を生じることがある(例えば、銀が成ると斜め後ろに動かせなくなる)。そのため、成るか成らないかについて慎重な検討を要することもある。これに対して飛、角、歩は、成っても移動できるマスが増えるだけで減らない(つまり、駒の性能が上がる)ので、成りが選択されることがほとんどである。ただし、極めてまれに、反則である打ち歩詰め(後述)になる局面を回避するなどの理由で、あえて駒を成らない場合もある。その逆に、成ることによって自玉に詰みが生じる局面(大抵は、成ってしまうと自玉の打ち歩詰めが解消されてしまう局面)を回避するなどの理由で、あえて駒を成らない場合もある。

持ち駒の使用
取得した駒は、持ち駒として再利用できる。

持ち駒(自分の駒が移動した際に捕獲して得た駒)は盤上の空いているマスであれば、禁じ手(後述)に該当する場合(二歩や行き所のない駒となる場合)を除いて、好きなところに打つことができる。敵陣に駒を打つ場合でも、成る前の状態で打たなければならない。

持ち時間

詳細は「持ち時間#将棋」を参照

プロの公式戦では持ち時間を定め、ストップウオッチまたは対局時計(チェスクロック)を用い、時間切れによる勝敗を厳正に定める。公式戦では、名人戦では9時間、NHK杯では10分というように棋戦ごとに持ち時間が決められているが、残り時間を使い果たした場合は1手当たりの制限時間(30秒から1分)が課される。プロの公式戦以外では持ち時間なしで最初から1手当たり○秒以内で指す、あるいは持ち時間がなくなれば即負けの対局もある。

手合割

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二枚落ちの初期配置
詳細は「将棋の手合割」を参照

対局者の棋力の差によってはハンデキャップ付きの対局も行われる。棋力の差が非常に大きい場合、上位者が駒の一部を取り除いて(駒落ち)対局する。右図は「二枚落ち」と呼ばれる駒落ちの場合である。

駒落ちにおいては棋力の差により、1枚ないし2枚の駒を落とすものから、飛車角行に加え、金将銀将桂馬香車まで落とす十枚落ちまでの手合割がある。特殊なものとしては、上手が玉将1枚だけになる「裸玉」(19枚落ち)、上手が19枚落ち+持駒に歩3枚を持つだけの「歩三兵」や、金落ち・銀落ちといった特殊な駒落ちが指されることもあるが、あまり一般的ではない。

駒落ち戦の場合には「先手」や「後手」ではなく、駒を落とした方を上手(うわて)、落とされた方を下手(したて)といい上手から指し始める。

勝敗の決め方

将棋は原則として互いに自らの駒で相手の玉将(王将)を捕獲することを目指し、一方の玉将(王将)が相手の駒に捕獲されてしまうことが不可避な状態(詰み)となれば勝敗が決まる。 伝統的に「実際に王を取る」ことは忌避されたため、どちらか一方が逆転不可能と判断した時点で投降することにより対局を終了する習慣になっている(投了)。 投了のタイミングは、ルール上は自分の手番であればいつ行ってもよいが、実際に投了する局面としては、自玉が詰まされることが確定的となったとき(自玉が即詰みになることが判明した場合、自玉に必至がかかり敵玉が詰まないとき)がまず挙げられ、相手の攻めを受け切れず、自玉が一手一手の寄り筋となった場合、攻め合いで相手より早く玉を詰ますことができない場合も該当すると考えられる。この他自玉に具体的な詰み筋・寄り筋は見えなくても、到底勝ち目がないと判断して戦意喪失した場合、すなわち相手の受けが強くて一連の攻めが続かなくなった場合(指し切り)や、攻防に必要な駒を相手にほとんど取られてしまった場合、一方的に入玉されて敵玉が寄る見込みのない形になってしまったなどの場合に投了することもある。特にプロの公式戦では完全に詰むまで指すことは極めて稀である。原則的には詰みまたは投了によって勝敗が確定するが、勝敗の決し方には以下のようなものがある。

千日手

同一局面が4回現れた場合千日手となる。同一局面とは、「盤面・両者の持駒・手番」がすべて同一の場合のことをいう。千日手は原則として無勝負・指し直しだが、一方が王手の連続で千日手となった場合は、王手をかけていた側の負けである。これは、千日手が成立した手番に関係ないため、自身が指した手で千日手が成立して負けが決まることもあれば、相手が指した手で千日手が成立して負けが決まることもある。通常の禁手のように、自分が指した手で負けが決まるとは限らないため、ルールでは「禁じられた手」ではなくて「禁じられた局面」と表記している。連続王手の千日手は通常の禁手とは異なる特殊な規定のため、双方連続王手の千日手や最後の審判 (詰将棋作品)といった状況においてルールの不備が指摘されている。

持将棋

先後両者の玉(王)が互いに入玉し、互いの玉を詰ますことが困難になった場合、両者の合意の上で判定により勝敗を決める場合がある。この判定法により引き分けとなる場合を持将棋という。プロの公式戦においては、大駒1枚につき5点、小駒1枚につき1点とし、互いに24点以上であれば引き分けとしてる。アマチュアの大会の場合はそれぞれの規定による。一般に27点法(同点)が採用され、点数が多い方が勝ち、同点の場合は後手勝ちとしている。

反則行為

次に挙げる行為は反則と決められており、着手した場合直ちに負けとなる。対局中であれば、反則行為が行われた時点ではそれに気付かずに手が進められても、後になって反則に気付き指摘された時点で勝敗が決定する。ただし、対局相手が反則に気づかないまま投了・終局した際は投了が優先される。また、対局中の助言は一切禁止されるが、反則行為が行われた場合に限り第三者がそれを指摘しても良い。

反則によって決着した場合は、その時点で反則者が投了したものとする。

禁じ手は以下の通りである。

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