悪魔の実(あくまのみ)は、漫画『ONE PIECE』に登場する架空の果実。
悪魔の実は「海の悪魔の化身」と言われる果実で、食べた者は特殊な能力が身に付く。人間はもちろん、魚人族や動物など、いかなる生物が食べても能力を得られる。悪魔の実には多くの種類が存在し、食べた実の種類に応じて様々な力を得ることができる。実を一口でもかじると、その時点で食べた者に能力が発現し、残りの実はただの果実となる(すなわち、1つの実から複数の能力者が誕生することはない)。味は非常に不味い。この果実を食べた者を「悪魔の実の能力者」と呼ぶ(作中では「能力者」と略されることが多い)。悪魔の実の能力者は、その能力によって「○○人間」とも呼ばれる。
悪魔の実は、伝説と言われるほど希少な存在で、悪魔の実の存在自体を知らない者や、その噂しか知らない者も多い。チョッパーや幼少期のロビンのように、能力者ゆえに周囲から迫害されることもある。一方、世界中の海賊が集まる「偉大なる航路」には、数多くの能力者が存在する。その絶大な効力と希少さから、売れば最低でも1億ベリーの値がつき、実によってはそれ以上の価値がつく。
悪魔の実の能力者に対しては、その能力の弱点を突くこと、「海楼石」、「武装色の覇気」が主な対抗策となる。悪魔の実の能力は能力者の肉体のみならず、衣服などにも作用する場合がある。
同じ悪魔の実が、同時期に世界に2つ存在することはないが、悪魔の実の能力者が死ぬと、世界のどこかにその能力を秘めた悪魔の実が復活するとされる。詳細不明ながら、黒ひげ海賊団は、能力者を殺し能力を奪い取る「能力者狩り」を行っているという。過去に実在した悪魔の実の名前や能力を記した「悪魔の実の図鑑」が存在する。ただし、図説まで載っている実は少ないため、実際に食べるまで実の名前や能力を知るのは難しい。
悪魔の実は名称の通り果実であるが、どのようにして収穫されるのかは、現在のところ作中では触れられていない。
悪魔の実には共通項として以下のようなデメリットも存在する。
悪魔の実の色や形状には特に統一性がないが、果皮に唐草模様のようなグルグル模様がついているのが特徴。登場した時点で既に食されている実が大半を占めるため、形状が判明しているものは多くない。色はアニメより。
Dr.ベガパンクは、悪魔の実の研究で大きな実績をあげている。例として以下のものがあげられる。
チョッパーは、悪魔の実の波長を狂わせる「ランブルボール」を開発し、「ヒトヒトの実」の新たな変形点を発見している。
シーザー・クラウンは、前述の「血統因子」を応用して、動物系人造悪魔の実「SMILE」の原料となる薬品「SAD」を製造している。
同種の能力を持つ悪魔の実の間には、上下関係がある場合がある。ただし、能力の強さが能力者の強さと一致するわけではない。作中で判明しているのは以下の4例。
悪魔の実の能力は、稀に「覚醒」することがある。詳細は不明だが、覚醒した能力者はより強力な力を扱えるようになる。作中登場したのは以下の通り。
悪魔の実はその能力によって「超人(パラミシア)系」「動物(ゾオン)系」「自然(ロギア)系」の三系統に大別できる。
超人(パラミシア)系は、人智を超えた能力が身に付く種である。確認されている数は最も多い。得られる能力は多種多様で共通項は少なく、動物系と自然系以外は全て超人系に分類される。能力者の身体そのものが変化する場合もあるが、基本的には原形を留める能力である。物質や他の生物に影響を及ぼす能力の中には、能力者が気絶または死亡すると効果が失われるものがある。さらに「生命」に関わる能力の場合、能力者や対象者の「寿命」が削られるものがある。
【名前】動物(ゾオン)系は、動物への変身能力が身に付く種である。能力者は「人型」、「獣型」、中間形態である「人獣型」の計3つの形態に変形できる。
能力者の身体能力が純粋に強化される唯一の種。人獣型に変形すると、能力者の身体能力をベースに、その動物並に身体能力が向上する。チョッパーによれば、肉食種は草食種と比べ凶暴性が増す。無生物に食べさせた場合、物が意思を持ち、エサも食べるようになる。
一部の実には亜種が存在し、それらは「モデル」として分類される。「モデル」による区分は便宜的なもので、それぞれの実はまったくの別物である。中には絶滅動物に変身できる「古代種」、伝説上の動物に変身できる「幻獣種」など、より珍しい種も存在する。
【名前】自然(ロギア)系は、身体を自然物そのものに変化させ、自在に操れるようになる種である。三種の中では最も希少。
能力者の実体を、原形を留めない自然物に変えることで、通常の物理攻撃を受け流し無効化できる。その絶対的な防御力と、広範囲に及ぶ自然現象さながらの攻撃力から、三種の中でも最強種とされる。
能力の制御は難しく、慣れていないと体が勝手に自然物に変化してしまう。また、質量をあまり持たない自然物に変化する自然系は、ある程度の飛行能力も併せ持つ。
【名前】