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情報格差とは?

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世界のインターネット普及率。色が濃い国ほどインターネットが整備されている。アフリカと東南アジア諸国を中心に色が薄い国(インターネットが普及していない)が集まる。

情報格差(じょうほうかくさ)またはデジタル・ディバイド(: digital divide)とは、インターネット等の情報通信技術(ICT)を利用できる者と利用できない者との間にもたらされる格差のこと。国内の都市と地方などの地域間の格差を指す地域間デジタル・ディバイド、身体的・社会的条件から情報通信技術(ICT) を使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる格差を指す個人間・集団間デジタル・ディバイド、インターネット等の利用可能性から国際間に生じる国際間デジタル・ディバイドがある。特に情報技術を使えていない、あるいは取り入れられる情報量が少ない人々または放送・通信のサービスを(都市部と同水準で)受けられない地域・集団を指して情報弱者と呼ぶ場合もある。

本記事では、情報格差およびデジタル・ディバイドについて述べるものとする。実際の用例ではデジタル・デバイドと同義で使われる場合や、企業と消費者の情報量の差(情報の非対称性)として使われたりする。したがって、特に断り書きがない限りは両者を峻別せずに記載するものとする。

概説

「デジタル・デバイド (digital divide)」という言葉が公式に初めて使用されたのは1996年にアメリカ・テネシー州ノックスビルで行われた演説で当時のアメリカ合衆国副大統領であるアル・ゴアが発言したものであるといわれている。この演説では以前よりゴアが強く提唱していた「情報スーパーハイウェイ構想」を2000年までにアメリカ全土の都市部から郊外・農村部に至るまで隅々に網羅させることを約束し、将来の子孫達が「デジタル・デバイド」によって区切られることがない世界を作りたいと演説の中に織り込んだ。これに続く形で当時の大統領であるビル・クリントンがゴアの発言で使用された「デジタル・デバイド」という言葉を引用し、人々は技術を開発し知識を共有しないことは不平等や摩擦、不安を生む切っ掛けとなるため、それらの課題に一丸となって取り組まなければならないとした。

デジタル・デバイドが生じる主な要因として、

  1. 国家間(先進国と途上国間)、もしくは地域間(都市部と地方間)における情報技術力・普及率の格差
  2. 学歴、所得など待遇面で生じる貧富の格差によって情報端末・機器を入手ないし操作する機会の格差
  3. 加齢や障害の有無など個人間の格差拡大

がある。 これらの要因の結果、機会の格差、個人間の格差は新しい情報技術を幼少の頃から受け入れ容易に使いこなせる若者や、高い収入を得ていた者がさらに情報技術を活用して雇用やさらなる収入を手にしていく反面、新しい情報技術の受け入れが難しい高齢者や低収入のために情報端末・機器を入手できない貧困層、身体部位の欠損や損傷、あるいは視覚障害によって情報端末・機器の使用が困難になった身体障害や、知的発達精神など脳に関わる障害者がこれら情報技術を活用できないためにさらに困難な状況に追い込まれ、社会的格差が拡大・固定化してしまうといった情報技術普及に伴う問題が発生している。

また、国家間における情報格差も顕著であり、例えば先進国が情報技術によってさらなる発展を遂げていく一方、発展途上国では情報技術に精通する技術者自体が不足していたり、国家予算から情報技術に投入する費用も不足しているためインフラ整備ができない結果、情報技術そのものが活用できないために国家の経済もさらに格差ができてしまう問題もある。あるいは前述のインフラ整備も都市部では行われているために情報技術が活用できるものの農村部などでは活用できないといった地域間の情報格差も問題となっている。

こうした、発展途上国では上記の理由から情報通信企業の参入も遅れているため、二次的な情報格差の広がりも見せる。

日本において、情報格差(デジタル・デバイド)という言葉が使われ始めたのは2000年前後からである。特に同年夏に開催された第26回主要国首脳会議(沖縄サミット)ではIT革命が議題として取り上げられ『グローバルな情報社会に関する沖縄憲章(Okinawa Charter on Global Information Society)』の中に盛り込まれた「情報格差(デジタル・デバイド)の解消」と通して同時に情報格差が地球規模の問題であるとの認識と共に知られていった。

情報格差の各側面

国家間・地域間における情報格差

1997年から2007年までのインターネット普及率。数値は100名中の普及数
青 ):先進国
赤 ):発展途上国
緑 ):世界全体の平均普及率
(※:国際電気通信連合による報告)

インターネットにおける情報格差

2000年において、インターネット普及率は世界総人口の7%であった。これは世界人口を60億人と換算すると約4億2千万人になるが、この内の49.4%(約2億750万人)がアメリカ合衆国カナダによるインターネット人口であった。先進国だけで換算すると31%の普及率であった。その後、先進国においてインターネット普及率が上昇しはじめ、2007年までに62%の普及が見られた。特に2003年から2004年にかけて飛躍的な上昇を見せた。これは先進国におけるブロードバンド通信基盤が整備され、一般家庭にも提供し始めた時期とも重なる。これら先進国での通信技術の向上はインターネット普及に大きく貢献したと言える。

しかし、発展途上国においてインターネット普及率は2000年でわずか2%にとどまった。その後、2007年には17%にまでインターネット普及率が上昇したものの、これらの普及の多くは発展途上国の都市部や富裕層にのみしか普及しておらず、先進国と比較して一般家庭にまでインターネットが普及としているとは言えない状況である。

情報格差が経済的格差を拡大する要因とならぬよう、各国政府は対策に追われている。アメリカでは、白人と黒人の情報格差の広がりが問題になっていたが、例えば電話(携帯電話も含む)がそうであるように、ある程度以上普及すれば格差が減少していくのを根拠に、政府がインフラ整備と情報技術の普及に予算をつぎ込んだ。マサチューセッツ工科大学のプロジェクトチームが推進している OLPC XO-1 は、このような情報格差の解消を目的としている。

日本におけるインターネットの情報格差

日本政府のインターネット普及への取り組み
--上記の計画はe-Japan戦略による

日本においては、1990年代中期以降にインターネットなどのコンピュータネットワーク(情報技術)が普及を見せてきた。日本におけるインターネットの普及は特に2000年より基本戦略として取り入れられ、続いて2001年に後述するe-Japan戦略など日本国内でさらなる情報技術の普及を掲げた計画を政府主導のもとに行われ整備されていったが、普及と同時に企業や事業所内のオートメーション化が進み、そのためにパソコンなどの情報機器の操作に習熟していないことや、情報機器そのものを持っていないことは、社会的に大きな不利として働くようになった。

また、内閣府の調査では単身世帯・家族同居を含み2007年の調査で78%の普及率が見られるが、総務省の統計によるとパソコンの所有率は30代をピークに40代、50代の社会人世代は業務でも使用するためにインターネットを使えるようになっているが、60代以上となるシニア世代から極端に普及率が低下しているのが見受けられる。また、30代と比較して20代のパソコン普及率が低いのも現状であり、これらの若年層がパソコンやインターネットの操作に習熟していない者が多いことも指摘されている。

若年層がパソコンを扱えない理由として挙げられるのが携帯電話(いわゆるフィーチャーフォン、ガラケー)の普及であり、携帯電話でインターネットやメールなど一部パソコンの機能をそのまま有しているため、パソコンを持つ必要性を欠いたためともいわれる。また、2010年代以降には従来型のフィーチャーフォンより多機能でパソコンに近い性能を持ったスマートフォン(スマホ)が普及しはじめたことで、インターネットの使用率では十分な浸透をみせるが、パソコンなど一定の習熟度が必要な端末を扱えない若年層が増えつつあることが問題となっている。これらを「親指族」「携帯族」などと揶揄される。

逆に情報格差の男女比については緩和されつつある。パソコンや携帯電話を含め情報通信端末の使用は男性が圧倒的に多かったが、近年ではあまり差異が見られなくなってきている。この他に地域による情報格差も問題となっており、都心部と比較して村落など地方(田舎)における情報格差も指摘されている。また、これら情報通信端末の中でもパソコンを使えていない人やインターネットの使用頻度の問題で情報収集能力が低い人のことを「情報弱者」から略して「情弱」と呼ばれる傾向になり、一種のインターネットスラングとして扱われている。


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1997年から2007年までの携帯電話普及率。数値は100名中の普及数
青 ):先進国
赤 ):発展途上国
緑 ):世界全体の平均普及率
(※:国際電気通信連合による報告)

携帯電話における情報格差

携帯電話の使用率も先進国と発展途上国とでは大きな開きがある。携帯電話の登場は1980年代であるが日本を含めたアメリカやEU諸国など先進国では早期から携帯電話の普及が見られ、2000年には先進国に住む人の半数に携帯電話が普及している。その後も普及を続け2007年には先進国ではほぼ全員である97%に普及し、以後は増加はしているものの横這いに近い状態が続いている 。一方、発展途上国ではインターネットと同じく携帯電話もまだ普及しておらず、ここでも情報格差が発生している。但し、インターネットと比較すると操作が容易であることと、新興国や発展途上国の貧困層を対象としたBOPビジネスの商材の中に携帯電話も含まれており、この結果BOPビジネスのターゲットとなっている地区での携帯電話の加入数が爆発的に増加しており、まだまだ先進国との差はあるものの携帯電話における情報格差は徐々に埋まりつつある。

なお、携帯電話普及の過程には国によって差異がある。現在、人口比で最も多く携帯電話が普及している国はルクセンブルクで、これにイタリア香港と続く。1990年代前半から2000年代前半までは特にフィンランドノルウェースウェーデンなどの北欧諸国が台頭し、日本も1990年代中期から高い普及率を見せている国の一つとなった。しかし、2000年代中期より新興国の台頭や新しいビジネスモデルの提案からさらなる普及がみられ、以前の普及率とは様相が変わり始めている。特に2000年中期以降に目覚ましい普及を見せているのがロシアである。インターネットと比較しても携帯電話のほうが普及に勢いがあるのが明白であり、2007年度で11億台の携帯電話が生産されている。これは、2007年に生産されたパソコン(2億8千万台)の約4倍となる。世界の携帯電話加入数は32億8500万であり、これは世界の人口の約半数が携帯電話を所持しているという計算になる。このままの推移では、試算上で2010年には地球上の人口の約70%の人が携帯電話を所持するという計算になり、近い将来には携帯電話における情報格差はなくなる目途が立ちつつある。

日本における携帯電話の情報格差

日本における携帯電話は、その保有率は世界的に見ても有数な国でもあったことから携帯電話における情報格差は一見埋まっているかのように見える。日本では1979年に本格的に自動車電話サービスがスタートし、1985年に個人が所持して移動しながら電話することができる初の携帯電話「ショルダーホン」が登場した。その後、新たに携帯電話事業を行う企業が参入したことや、1994年に「携帯電話機の売り切り制」が導入されたことによって初期費用、回線利用に必要な料金が大幅に値下げされたことが行われ、さらには家電メーカーなど携帯電話の製造・供給に名乗りを上げたことなどによって、市場の競争はさらに加速され、これらの結果、携帯電話が広く一般に普及する下地が作られた。よって、携帯電話の普及は1990年代中期より急激な加速を見せた。

詳細は「日本における携帯電話」を参照

日本の携帯電話に特色性がみえてくるのが1999年1月にNTTドコモが開始したサービス「iモード」である。「携帯電話でインターネットに接続できるサービス」として日本国内ではビジネスモデルとして浸透し、同年4月にはDDIセルラーグループIDO(現:KDDI沖縄セルラー電話連合、au)がサービス「EZweb」・「EZaccess」を開始(のちEZwebに統一)。12月にはJ-フォン(現:ソフトバンクモバイル)がサービス「J-スカイ」(現:Yahoo!ケータイ)を開始し、これらが寄与して日本のインターネット普及に大きな拍車をかけた。しかし、これらのサービスは開始当時は世界最先端の技術でありながらも、日本の独自性を非常に強く打ち出したものであったことから海外との携帯電話に対する価値観にズレが生じ始め、いわゆる「ガラパゴス化」を招く原因となった。

日本のように1台の携帯電話を多機能化することによって生じたガラパゴス化は、情報格差においても様々な弊害を受けていると言える。2009年に総務省が発表した統計によると、インターネット普及率は68.9%で18位。ブロードバンド普及率は22.1%で32位。パソコンの普及台数も人口1000人辺り542台で12位。そして肝心の携帯電話も83.9%で76位であった。特に携帯電話においては欧米諸国が上位を独占しており、それぞれが100%を超える普及率であることから1人の個人が2台以上持っているということが伺える。なお、日本は2011年末の調査で普及率が100%を超えている。

2010年代に入りスマートフォン及び第三世代携帯電話第四世代携帯電話が急速に普及すると、従来のフィーチャーフォンはレガシーな物と見なされ、両者で受けられるサービスに質的な差異が見られるようになった。また2010年代後半から年代末に掛けてフィーチャーフォンでのサービス提供を終了するサイトやサービスなどが相次いでいる。もっともスマートフォン自体や、3Gや4Gのサービス提供は事業者により地域格差問題が顕在化する以前に日本全国遍く展開されたため、地域的情報格差の側面は少ない。むしろユーザー側の機器操作習熟の問題により高齢者を中心に移行を渋る状況になっている。また費用相場も格安スマホ、MVNOなどの普及により格差は埋められつつある。

個人間の情報格差

日本学術会議の基盤情報通信研究連絡委員会による報告では、将来的に高齢社会孤独の問題、3次活動時間(労働時間から完全に外れた自由な時間)が増大した結果の余暇の有用性など様々な要因で「情報資源」の活用ができる社会の構築を目指すべきであると発表した。

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日本における通信格差

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日本国内で、東京都(23区)・政令指定都市県庁所在地などの都市部を除いた、各市・町・村および離島別におけるブロードバンド利用可否の格差。日本では2000年頃から、地方へブロードバンドが普及するにつれ、「ブロードバンドを利用できる地区」と、「(ADSLすら)利用できない地区」との情報アクセスへの格差が生じるようになっている。最近では、FTTHや無線系サービス(WiMAXなど)より、高速なブロードバンドサービスが提供されるようになったが、サービスが「利用できる地区」と「利用できない地区」との情報アクセスへの格差はさらに拡大していた。

2000年代(00年代)までには、ほとんどの市・町でADSLが提供されるよう拡大されたが、村や離島(特に沖縄県)ではいまだに提供されていない場合が多く、またあまねく全ての市・町・村への提供が義務づけられていないため、完全に提供できていない(64kbps以下の低速・定額制のインターネット接続サービスに関しては、ほとんどの村に普及したが、それでも100%には達成できていなかった)。

このことは、一部の電子掲示板などのコミュニティでしばしば取り上げられるようになった。これには二つの意味があり、情報格差(通信格差)として問題になるのは主に後者である。

  1. ADSLなどの加入・解約手続きを行ったにもかかわらず、それに関する手続きや作業を長期間履行されず放置されている者。さらに長期間待たされた上に断られたり、特に解約時においては「回線握り」と呼ばれ、ADSL業者を変更する際に問題とされる。Yahoo! BBにおいて開業当初に問題とされたが、現在では改善されている
  2. 住んでいる所で、ブロードバンドあるいは定額制インターネット接続サービスを全く受けられない状態。

これらの問題を解決すべく、総務省などが中心となり、「ブロードバンド・ゼロ地域 脱出政策」の戦略案を纏めているが、2010年末においていまだに2割近くがナローバンド回線を使っているという調査結果があった。

2010年代前半からこれらの通信格差は一部の離島や僻地を除き2010年代後半までにはほぼ解消された。

2010年代後半以降では、光提供エリアにおけるフレッツ・ISDNの2018年新規受付終了およびフレッツ・ADSLの2023年サービス終了予定など、種々のナローバンド接続のサービス縮小や廃止、初期のブロードバンド接続を支えたADSLのサービス終了など光回線(FTTH)への収斂が進み、また4G携帯電話スマートフォンによる利用が進む、ギガビット回線の混雑が発生し地域とプロバイダーと時間帯によっては実効速度がADSLと逆転するに至るなど、様相が変化してきている。


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分類

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過疎型
離島や僻地など人口が少ないことで、本土や市街部と同額の料金では採算が合わないという事情があり、国内の全市町村に遍くブロードバンドのサービスを提供するのは困難である。
法的にもインターネット接続サービスは日本全国への提供が義務づけられていないため、サービスを受けられない(ユニバーサルサービスの対象に、ブロードバンドの提供が含まれていない)。
ダイアルアップ接続が利用されていた時代では、アクセスポイントのワンナンバー化により、当時頼みの綱であった準定額サービス・テレホーダイが利用できないプロバイダが増えつつあることが懸念されていた。
都市型
既に地域としては進出済みであるが、後述する諸事情によりサービスを受けられないケース。大都市周辺の郊外の住宅地に多いが、定額制のナローバンドによる常時接続(フレッツ・ISDN)だけなら使用できるケースも多かった。

代表的な事例として、2003年にあった石川県の報告で情報通信ネットワーク(有線通信無線通信)などの通信に関連する「情報資源」で地域による格差が発生していることが述べられている。福井県、富山県と合わせた北陸3県で見てもDSLではそこまで極端な比率に差がないものの、ケーブルテレビによるインターネット加入率になると北陸3県の中で最も低い加入率となっていた。

また、光ファイバーに対応した地区が2002年6月の時点では、県庁所在地たる金沢市1市のみに留まった。また、2003年3月になっても一切のブロードバンドサービスが提供されていない自治体が吉野谷村、鳥越村、富来町、能登島町など13自治体に上った。

原因

最大の原因は「過疎型」にあるが、他にも以下のような複数の原因が存在することもある。

過疎
人口が数百人〜数千人と極端に少なく、民間ベースでは採算が合わないためサービスが提供されない。仮に自治体が誘致しても不採算を理由に提供が難しい。これらの地域では自治体主導でCATVなどの整備を進めているところが多々あるが、起伏のある山間部など新規配線コストが高くなるような所では整備困難な場所が多い。
利用者の人口密度
既に地域としては進出済みであり地域の人口密度には問題がない場合でも、競合する業者が複数社あり自社のユーザのシェアが低い場合、同一地区内である程度の数がそろわないと、サービス対象地区内でも、採算が取れないためサービスが提供されない。最悪の場合、ある地区において、進出済みの業者が複数あっても、それらすべてから「(期待される)地区内のユーザ比率が低い」(絶対数が少ない)ことを理由にサービスの提供を拒否される場合もある。
光収容
ADSL特有の問題。RT(銅線と光ファイバーの変換装置)などにより、経路途中まで光ファイバー化されていたり、最近のマンションなどの集合住宅において、電話回線が集合装置まで光ファイバーで引き込まれているため、ADSLのように、電話局から末端の加入者宅まで一貫してメタル線を必要とするインフラを利用できない(直収電話なども同様)。これは、当初NTT東西FTTH整備までISDNを使う予定で投資を推し進めた影響もある。
2010年代以降は前述のようにADSLサービス自体の終了に向けた縮小、光回線への収斂で解消されつつある。
回線品質
ADSL特有の問題。人口密度の低さなどで、電話局からの線路長が長すぎる、紙絶縁など品質の低いケーブルや手抜き工事、電話線のスタブ線、幹線道路や鉄道などから発生するノイズ、海岸沿いにおける塩分などによるケーブルおよび器具の腐食などによる回線品質の悪化など、信号の減衰やノイズが多すぎてADSLを正常に利用できないケース。
これも2010年代以降は光回線への収斂で解消されつつある。
電話設備の問題
会社や学校などの独身寮を中心とした集合住宅においては、電話回線自体がレンタル回線であったり、工場や学校の敷地内にある場合には、PBXなど独自の交換設備を介している場合があり、この場合はADSLなどのブロードバンドサービスはもちろん、フレッツISDNを含むISDN回線、テレホーダイなどの割引サービスなど、一般的な音声通話以外のサービスを一切受けられない。
集合住宅問題
集合住宅で、FTTHやCATVなど、配線方法によっては、壁に回線を通すための穴を開けるなど大がかりな壁面工事が必要なインフラは、賃貸住宅であれば大家、分譲マンションであれば管理組合の許可を得る必要があるが、インターネットに対して関心が低いなど何らかの理由により敬遠するような大家、管理組合や住人が居る場合には、しばしば工事を許可されないケースがある。
一事例として、神奈川県営住宅では、2003年までインターネット回線に関する一切の工事を許可していなかった。理由として、神奈川県住宅営繕事務所は「同住宅は低所得者向けであるため、生活に最低限必要な物以外の「贅沢品」の使用は認められない」とするもので、インターネット回線も一種の「贅沢品」とみなしていた。翌2004年からは「模様替え(増築)」などの名目で許可はされたものの、「建物本体に一切の改造を加えず、現在使用している電話管路などをそのまま利用する」など、他にも厳しい制約を設け、また、手続きにも時間を要し、早くても申請から1か月超、場合によっては数か月もの時間を要するなどの制約があった。
その一方で、VDSLを利用する形となるが、既に全棟でFTTHを利用可能な県営住宅も存在する。 また、住宅の戸数が少ないために事業者の営業上の理由で不可な場合や、電柱より高い部屋には光ファイバーを直接引き込めないなど施工方法上の理由で不可な場合などもある。ただしエアコン設置時に壁に配管用の穴を開けている場合、ADSLでタイプ2と呼ばれるADSL専用回線をその穴の隙間を使って回線を引き込むことができる。
ブロードバンドが一般化する前に建造された建築物においては、光ファイバーなど新しいインフラに対する配慮が行われていないことが多く、配線や配管のスペースに余裕がなかったり、特に急カーブさせることが難しい光ファイバーを通すことは困難であった。後述の、電話線に準じる可塑性(折り・荷重不可)を持つ、プラスチック製クラッドの光ファイバーケーブルの開発・普及により、集合住宅の各室個別に直配線が可能になるなど、この問題は大幅に緩和された。
CATV対応マンションであっても、配線されている同軸ケーブルに関して、流合雑音の問題や、あるいは有線放送などを重畳などしているため、CATVのインターネットサービス(CATVのデジタル放送サービスも含む)の通信速度が出ず、または利用不可なことがある。
共同アンテナ問題
過疎地において共聴組合にて管理しているテレビ・アンテナの中には、複数の組合員がCATVに移行した場合、テレビ・アンテナの保守管理がコスト高になり運営が不可能となる。そのため区域全体でCATVの導入に消極的になり、あわせてインターネットの整備が遅れる結果を招いている。
電線類地中化問題
電線類地中化で道路に電柱がなくなると、地下管路を経由して、ケーブルを建物に引き込むことになるが、その割高な工事費や、通信会社道路管理者に支払う必要がある管路使用料がネックとなり、光ファイバー同軸ケーブルなどの敷設を拒む通信会社(ケーブルテレビ局)が存在している。

放送・通信の格差により生じる問題点

解決策

世界情報社会サミット(WSIS)の様子。
(※:写真は2005年ジュネーヴにて)

技術的解決策

技術の進歩・低価格化により、2000年代以前までは不可能だったブロードバンドの導入も可能・容易になっている。

2010Happy Mail