愛知県体育館(あいちけん たいいくかん)は、愛知県名古屋市中区二の丸にある県立の総合体育施設。
命名権導入により、2018年から「ドルフィンズアリーナ」の名称が使用されている(詳細後述)。
名古屋城の旧二の丸御殿跡に位置する。スポーツだけでなくイベント、さらにはいくつかの大学の入学式などにも使用される。コンサートに使用されることもあるが、後に名古屋市総合体育館(日本ガイシホール)を使用する事例が多くなり、現在では当館が使用されることはまれである。
大相撲七月場所(名古屋場所)は、1958年から1964年まで開催されていた名古屋市金山体育館より当体育館の完成により1965年から開催場所が移転し、名古屋の夏の風物詩として親しまれている。
また相撲以外にもプロボクシング、プロレスリングの興行(試合)でも使われており、タイトルマッチが開催される。
B.LEAGUE・名古屋ダイヤモンドドルフィンズのホームアリーナでもある。スコアボードは、英名ダイアモンドビジョンを吊るしている。
2018年3月に、ネーミングライツパートナーが名古屋ダイヤモンドドルフィンズの運営会社である名古屋ダイヤモンドドルフィンズ株式会社に決定し、2018年4月1日から「ドルフィンズアリーナ」の名称が使用されることとなった。期間は2021年3月31日までの3年間。
なお、施設命名権の運用に当たって、大相撲名古屋場所を主催する日本相撲協会は、「ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)」のように命名権名称の後ろに括弧書きで正式名称を併記しているほか、新日本プロレスや読売新聞のスポーツ面は逆に「愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)」のように正式名称の後ろに括弧書きで命名権名称を表記している。大相撲名古屋場所を生中継するNHK(日本放送協会) は、取材・政策の基本姿勢を示した『NHK放送ガイドライン』において(施設)命名権に基づく名称について「企業名などを除いた施設名が定着している場合には、企業名などを除いた名称を使うこともある」としており、本場所の会場を「企業名などを除いた施設名が定着している場合」と見なし、正式名称の「愛知県体育館」のみを表記している一方、ドルフィンズのホームゲームを含むその他のスポーツ中継では「ドルフィンズアリーナ」の命名権による名称を使用している。
1964年9月に竣工。1966年に第7回BCS賞(建築業協会賞)を受賞。
名古屋市が進める名古屋城の整備計画で、名古屋城の史跡として相応しくする為、かつてこの場所にあった旧二の丸御殿や馬場などの施設の復元・整備を推進することを目的として愛知県体育館の移転を検討していることが明らかになった。しかし移転候補地であった国家公務員宿舎跡地には、市内の大学法人の移転計画が持ち上がったため、白紙となった。
2017年6月、大村秀章愛知県知事はアジア競技大会を開催する2026年までに愛知県体育館を「国際競技大会を開催するにふさわしい、スケールアップした施設とすることが必要」として、増床新築移転することを決断。名城公園北園を移転有力候補地とし、現体育館の改修は最低限に留めて大相撲名古屋場所などのイベントについては支障なく開催し、新体育館の完成後には移行できるようにする。
これに関連して同年6月22日に名古屋市会本会議にて民進党議員から発せられた「愛知県体育館の整備計画などについて」の質問に対して、市の担当者が新たな移転候補地として名城公園北園を挙げ、整備に前向きな姿勢を持っていることを答弁し、河村たかし名古屋市長も歓迎する意思を示した。
愛知県は、現在地から800メートル北の名城公園北園内の野球場に移転新築する基本計画を発表。延床面積は約4300平方メートルで、メインアリーナに最大1万5000人の観客を収容できる見通し。また、メインアリーナの天井には大型映像装置を設置し、コンサートなどで活用できるようにする。2022年度に着工し、2025年4月の利用開始を目指している。2026年のアジア競技大会の会場になる予定。完成すれば両国国技館、有明アリーナや横浜アリーナなどに並ぶ規模となる。大村秀章愛知県知事は「一万人規模の施設が都心にあるのは計り知れないアドバンテージ。日本を代表するスポーツアリーナになると確信している。」と語った。 。