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日本の刑務所とは?

この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。
広島刑務所

本項では日本の刑務所(にほんのけいむしょ)について解説する。

日本では、刑務所は何らかの法令に反する行為に及び(または状態に達し)、裁判所確定判決により、死刑以外の身体拘束を伴う刑罰(懲役禁錮など)が確定し、その刑に服することとなった者を収容する施設のことをいう。日本では法務省施設等機関とされ、同省矯正局が所管している。

なお、全国の刑務所のうち、医療的な処置が必要な者を収容するために設けられた刑務所を医療刑務所(いりょうけいむしょ)と呼び、2007年(平成19年)5月から開始された、PFI方式を採用して新設された刑務所は「社会復帰促進センター(しゃかいふっきそくしんセンター)」と呼ばれる。また、飲酒運転など重大な交通違反交通事故を起こし、禁固または懲役の刑を受けた者を収容する刑務所を交通刑務所(こうつうけいむしょ)と呼ぶことがある(市原刑務所(千葉県市原市)・加古川刑務所(兵庫県加古川市)など)。詳しくは収容分類級を参照してほしい。

目次

  • 1 概要
  • 2 歴史
  • 3 機能
  • 4 特徴
  • 5 新法の施行
  • 6 地域との関係
  • 7 PFI方式の刑務所運営
  • 8 刑務官の採用方法
  • 9 受刑の概要
    • 9.1 入所から出所まで
    • 9.2 収容
    • 9.3 受刑者の一日
    • 9.4 作業内容
    • 9.5 職業訓練
      • 9.5.1 事務・福祉
      • 9.5.2 自動車
      • 9.5.3 情報処理
      • 9.5.4 製造
      • 9.5.5 建設
    • 9.6 その他
  • 10 過剰収容問題
  • 11 日本の刑務所一覧
    • 11.1 札幌矯正管区
    • 11.2 仙台矯正管区
    • 11.3 東京矯正管区
    • 11.4 名古屋矯正管区
    • 11.5 大阪矯正管区
    • 11.6 広島矯正管区
    • 11.7 高松矯正管区
    • 11.8 福岡矯正管区
    • 11.9 医療刑務所
    • 11.10 社会復帰促進センター(PFI方式で建設・運営する刑務所)
  • 12 不祥事
  • 13 関連項目
  • 14 脚注
  • 15 参考文献
  • 16 外部リンク

概要

刑務所、少年刑務所及び拘置所を総称して「刑事施設」という。このうち、刑務所及び少年刑務所は、主として受刑者を収容し、改善更生、社会への円滑な復帰などを目的とするさまざまな処遇を行う施設であり、拘置所は、主として刑事裁判が確定していない未決拘禁者を収容する施設である。刑務所及び少年刑務所では、受刑者への指導を通じてさまざまな処遇を行っており、2006年(平成18年)現在、全国に67庁(その他にも若干の支所がある)が設置されている。

拘置所では主として勾留中の被疑者被告人を収容し、これらの者が逃走したり、証拠隠滅したりすることを防止するとともに、公平な刑事裁判が受けられるように配慮すべきとされており、2006年(平成18年)現在では全国に東京拘置所など7庁が設置されている。なお、拘置所7庁の他に、全国の刑務所の下に「拘置支所」が多数置かれている。2006年(平成18年)現在、全国の刑務所、少年刑務所及び拘置所(それらの支所を含む。)においては約16,000人の刑務官が勤務している。

2015年(平成27年)11月25日発表された法務省矯正統計統計表によると、2015年(平成27年)9月末時点で、刑務所と拘置所に収容されている人数は59,012人である。

東日本大震災以降、災害時の避難所として利用するため、施設と自治体の間で防災協定を交わす動きが進んでおり、2016年4月19日現在のところ全国14の施設で協定が結ばれている。

俗称で、よく刑務所を「ムショ」と呼ばれる事が多いが、「刑務所」という言葉が出来る(成立する)以前から使われており、「ムショ」の言葉本来は「むしよせば」という語源から来ている。意味は出てくる主食が「麦6:米4のメシの場所」、つまり「六四よせ場」にちなんでいる。

歴史

機能

日本においては自由刑執行する場所としての機能を有すると同時に、受刑者の改善更生のための働きかけを行っていく機関である。刑務所に収容されると、刑務作業以外にも改善指導、教科指導といった矯正処遇が行われる。つまり、受刑者の社会復帰を助ける機能を有しているともいえる。

特徴

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この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2011年2月)

他国の刑務所の目的が「刑罰を犯罪者に与える」場所と位置付けられているのに対し、日本の受刑者処遇の基本法となる「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」は、第30条に受刑者処遇の原則について「その者の資質および環境に応じ、その自覚に訴え、改善更生の意欲の喚起および社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨として行うものとする。」と規定した。

この規定により、日本の刑務所は、「自由刑の執行のために存在する行刑機関」であるのと同時に、「犯罪者の改善更生、再社会化に向けて、受刑者に対して各種の働きかけを行う機関」であると考えることができる。

すなわち、反社会的行為(=犯罪行為)により収監された者を、「作業・改善指導・教科指導」といった矯正処遇を始めとする各種の指導を通じて改善更生させ、社会の有用な成員として出所させるというのが日本の刑務所である。

その運営について、日本の刑務所は収容定員に対して職員数は非常に少なく、通常は施設警備隊以外の職員は警棒すら持たない完全な丸腰であるにも関わらず、暴動や脱走が極めて少ないという特徴がある。それゆえ、徳島刑務所での暴動事件が与えた衝撃は一般人のみならず関係者に対しても大きかった。

情報公開についても積極的に進めようとしているようであるが、やはり刑務所が極めて閉鎖的かつ特殊な空間であるのは事実にはかわりはなく、各種法律等を根拠に受刑者は多くの自由(人権)が制限されるのだが、元受刑者や刑務官への取材、あるいは内部告発により、受刑者に対する必要以上の人権の制限が疑われる事例が多数報告されている。

職員については国家公務員という身分でありながら幹部職員以外はほとんど転勤がない。また、世襲が多いともいわれている。それゆえ、各施設ごとに職員間における施設文化はまったく違う。これは、外部と隔離された特殊な環境下における被収容者の心情を考えたとき、担当職員が何度も変わることがなく心情安定に資する、仮に担当が変わったとしても、それは所内異動であることがほとんどであるため、引き継ぎなどもスムーズに行えるという利点があるが、職員間にあっても閉鎖的な世界を作ってしまうため、陰湿ないじめや派閥の形成、不正の隠蔽工作が行われやすいという問題点もある。

また、ここ数年の公務員削減の波に反して、PFI施設4庁に加え、新たに増改築や新設予定の施設もあり、刑務官全体の数は増員されている。しかし、ここ数年の世代交代で、有能な幹部職員やベテランの一般職員の多くが定年退職を迎えており、その流れは当面続くと思われる。若手を指導する立場の優秀な職員が減っており、現場では処遇力の低下が問題視されている。

男子刑務所では受刑者に対して丸刈りの強制が行われている。

また、諸外国の刑務所と同様に日本の刑務所でも検身が行われている。男子刑務所の場合、通称カンカン踊りと呼ばれる所定の動きで身体を隅々まで見せる検査が1990年代以前までは裸体で行われていたが、1990年代中ごろに制度が変更され、1990年代以降ではパンツのみを着用した状態で検査が行われている。女子刑務所の場合、カンカン踊りではなく静止した膝胸位での検査が行われており、四つん這いに裸体で肛門の内部の異物や隠匿物の有無を検査する。

新法の施行

日本の刑務所に関する法律である監獄法は、受刑者の人権擁護に関する規定が不十分であったこと、2002年(平成14年)に問題化した、名古屋刑務所での刑務官による受刑者への暴行等事案などをきっかけとして、法改正の機運が高まり、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律2005年(平成17年)5月18日に国会で成立、2006年(平成18年)5月24日から施行され、2007年(平成19年)6月1日には、同法改正法である刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律が施行された。監獄法は施行以来100年以上使用されてきたため、実務に対する根拠法とするにはさまざまな面で問題があった。そのため、数十年前から法改正の動きはあった訳であり、その改正を先取りせんとばかりに法務省や各施設は訓令や通達、それを受けての指示等で監獄法の不足分を補いながら行刑の運営を行ってきた。

新法では、被収容者等の人権保護だけでなく、刑務官の行為の根拠についての規定も大幅に増えている。しかし、外部交通や所持品などの分野に統一された決まりがなく、各施設の判断に委ねられているために、許可・不許可の判断が違っているといった事態が起こっている。

刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律は明治期の監獄法施行以来の行刑立法であることもあり、長年、旧法と訓令・通達などを用いて処遇を行ってきた職員と、被収容者双方の認識不足(特に、旧法慣れしているB級受刑者)から生まれるトラブルが懸念されていたが、各施設において職員研修を実施する、被収容者に対して適宜訓示・告知を行うなどして対策を進めていた結果、若干の問題は発生したものの、全体としては大きなトラブルもなく、新法での施設運営はまずは順調にスタートしたと考えられる。

日本の刑務官(一般的にいわれる「看守」とは刑務官の階級のことで、一番下の階級名である)は国家公務員法により労働基本権が認められておらず労働組合を結成することができない。しかし、主な先進国では各国で原則として認められており、日本でも労働者としての性格を十分に考慮して、団結権は認めるべきだとの意見がある。また、その仕事の特殊性から心身のバランスを崩す職員が増加傾向にあるため、採用時点で適性を慎重に吟味しつつ職員数を増やし、定期的な職員への研修やカウンセリングを行い、指導能力の向上、悩みや問題点の早期解決の助けにするなどの改善策をとって、刑務官の業務を少しでも適正にする必要がある。犯罪を犯しても、人権の制限は矯正に必要な範囲で適正に保たれるべきであるのは現在の憲法の理念からいっても当然であるため、刑務官の質の向上と適正な人員の配置が求められる。

地域との関係

日本は世界でまれにみる脱獄の少ない国である。ここ20年ほどの間、脱獄は年間3件以下で推移しているが、近年は外国人被収容者が増加し、その中には特殊部隊経験者もいる。1996年(平成8年)、東京拘置所で起きたイラン人の集団脱走事件はそのような状況に対応しきれていない日本の行刑政策の現状を露呈したものであり、脱獄の周辺地域へ与える影響を考える際の大きな課題となっている。

一方、刑務所が出来る事による住民増加を期待し、過疎に悩む市町村が刑務所を誘致しようとする例もある。

PFI方式の刑務所運営

美祢社会復帰促進センター

2006年(平成18年)の構造改革特別区域法施行令の改正により、構造改革特区の指定を受けた地域へのPFI手法による刑務所の設置が可能となった。この方式により設置されたのが2007年(平成19年)4月に供用開始の美祢社会復帰促進センター(山口県美祢市)である。この施設は刑務官と民間職員が協働して運営する混合運営施設であり、刑罰権の行使にかかわる業務は刑務官、その他の業務(施設の維持・管理、食事の提供など)に関しては社会復帰サポート美祢株式会社が担当する。この施設では、PFI事業期間中(20年間)においては、武器や手錠等の特殊な物品を除いた施設などほとんどの設備・物品の所有者は民間事業者のものであり、しばしば刑務所の「民営化」「民営刑務所」と言われるが、処遇の最終決定権はあくまで「官」にあり、一部民間委託にすぎないが日本における刑務所改革の一つの動きとして注目されている事に違いはない。

なお、現時点で4つ新施設でPFI事業が行われており、美祢社会復帰促進センター島根あさひ社会復帰促進センター(島根県浜田市)のPFI事業は建設からのPFI事業であるが、喜連川社会復帰促進センター(栃木県さくら市)・播磨社会復帰促進センター(兵庫県加古川市)のPFI事業は運営特化型PFI事業で、建設は国が行っており、設備や物品の所有者は最初からすべて国である。また、民間事業者が関与する勤務もそれぞれ違っている。

なお、PFI運営が可能な特区対象が「栃木県内」となっていることから、既存施設である黒羽刑務所(栃木県那須塩原市)においても喜連川社会復帰促進センター同様の運営特化型PFI事業を行っている。女子施設である栃木刑務所では犯罪傾向に関わらずW級受刑者(女性)は女子刑務所に送られるため、現時点ではPFI運営は不可能だと思われる(収容分類級については別項を参照)。

PFI方式を利用する施設といっても、職員はすべて民間人というわけではなく刑務官もいる。しかし、職員はほとんど増員されない上に2007年問題も重なり、既存施設に欠員が出るのは避けられない状況となっている。仮に、増員されたとしても新採用職員での補充となるわけであり、現場のベテラン職員の不足は深刻な問題になると思われる。ここ数年、既存施設では過剰収容状態を改善するために、施設を増改築している事が多いのだが、職員数は変わっていない。つまり、増えた被収容者を管理する面では非常に厳しい職員配置状況であり、今後も刑務官のさらなる負担増が懸念される。

刑務所民営化の先進国であるアメリカでは、民営化によって利益を受ける集団(: Prison–industrial complex, 産獄複合体)が形成され、集団の意を受けた厳罰化が進んだという指摘がある。

刑務官の採用方法

刑務官採用試験(高等学校卒業程度)の合格者から採用するのが一般的であるが、武道(柔道、剣道有段者)を対象とした選考試験による武道拝命(剣道柔道)や国家公務員総合職試験・一般職試験からの採用もある。国家公務員II種採用の場合は看守部長から、I種採用の場合は副看守長からの採用となる。

かならずしも4月に採用される訳ではなく、必要に応じて採用候補者名簿の有効期限内に随時採用される。武道拝命以外にも、武道が奨励されているために武道を好む職員が多い。採用後、選抜試験を経た上で中等科研修や高等科研修といった研修受けることにより、幹部職員になることが可能である。

受刑の概要

入所から出所まで

以下の流れは有期刑の場合である。

  1. 収容:収容後まもなく刑執行開始時の指導・処遇調査・医務診察などが行われる。→処遇方針決定
  2. 処遇方針決定後、処遇(作業、矯正指導、保護調整)
  3. 釈放前指導等
  4. 釈放(満期か仮釈放)

無期刑の場合は刑に終わりがないため満期釈放は不可能であるが、現行法は無期刑にも仮釈放を認めているため、無期刑の受刑者に対しても、10年を経過した後、改悛の状などによって仮釈放を許すことができる(刑法28条)。ただし、実務上は、仮釈放が認められた無期刑受刑者は、2003年以降は全員が20年以上在所している(2011年の仮釈放者の平均は35年2ヶ月)。

収容

受刑者は刑事施設に収容されると、単独室(いわゆる独居房)と共同室(いわゆる雑居房)のどちらかに収容される。定員は、原則、単独室は1名、共同室は6名である。かつては過剰収容状態にあり、多くの施設で単独室に2名を収容、共同室に8名を収容するといった状態が続いていたが、過剰収容から高率収容となり、定員オーバーは徐々に解消されつつある。なお、収容中に反則行為を起こした場合、その事実について調査の上、「懲罰」を受けることもある。「報奨金計算額の3分の1の削減」、「書籍等の閲覧停止」などいくつかの種類があるが、大半は一定の期間、単独室の中で正座あるいは安座で過ごす、いわゆる「閉居罰」を科されることになる。懲罰は刑罰ではなく「行政処分」なので単に懲罰を受けただけでは刑期自体が延びることはないが、仮釈放の時期に大きな影響を及ぼす。また、収容中に暴行や器物損壊などの刑罰法令に触れる疑いのある行為があった場合、所内で特別司法警察職員の指定を受けている職員が捜査し、検察庁に事件送致する場合がある。その場合、刑事事件として審理されるわけであるが、有罪判決が出れば、新たな刑を受ける(つまり刑期が延びる)ことになるが、1刑目の仮釈放は甘くなるので、必ずしも刑期が延びるとは限らない。むしろ早く出所できる場合がある。なお、死刑判決を受けた者は刑務所には収容されることはなく、拘置所に収容され、刑の執行を待つこととなる。

受刑者の一日

平日の起床は午前7時前。施設によって若干の違いはあるものの、おおむね6時40分ころである。その後、開室点検(人員点呼等)を行った後朝食をとり、工場へ出役する(作業を望まない禁錮刑の受刑者は除く)。そして、刑務作業を行い、その間に、運動・面会・医務診察などがある。夕方、おおむね午後4時半前後に各居室へ戻り、閉室点検、夕食の配膳が行われ、食事後は余暇時間帯となる。午後7時ころからテレビが視聴できる。ニュースはテレビの時間外にラジオで流すケースが大半であるが、朝のニュースを昼や夕方に流すといったケースもある。ニュースに関しては工場備え付けの日刊新聞の回覧で得ることもできるし、自弁購入で新聞を購入することもできる。多くの施設では、午後9時に就寝時間となって消灯されるが、完全に明かりが消えるわけではなく、読書できる程度の明るさが維持されている。この時間については読書を認めている施設と認めていない施設とで対応が分かれる。当然、認められていない施設では時間外読書となり、場合によっては調査・懲罰を受けることになる。

作業内容

刑務作業は、木工金工紙工縫製などの生産作業から、洗濯炊場(被収容者の食事の支度)・水道電気などの経理作業まで多岐にわたる。刑務所製品の即売会などで販売される商品を作る作業を「事業部作業」といい、外部の民間業者の製品を作る作業を「提供作業」という。刑務所における作業の大半は提供作業であり、その製品は身近な物も多数ある。他にも、自動車整備士等各種免許取得が可能な職業訓練、地域の学校と協力しての通信教育など懲役と一言でいっても、その作業・矯正教育の幅は非常に広く、社会復帰に向けての様々な工夫がされている。施設によっては、大手企業の第一線で活躍する職員(技能五輪参加経験者など)が中に入り、直接指導をしていたり、IT企業が出所後の採用を前提にプログラミングの訓練を行っていたりする場合もある。土曜日曜祝日並びに年末年始は免業日と呼ばれ、原則的に刑務作業はないが、たまに残業や休日の作業もある。また、炊事・内掃などを担当している者については免業日がシフト制になっている。また、月に2日ほど、「矯正処遇日(教育的処遇日)」と呼ばれる日が指定されている。これは、平日ではあるが工場などでの作業を行わずに、矯正「教育」に当てるために作られた日で、施設によっては指定されたテレビ番組やラジオ番組(いずれも録画・録音)を視聴し、感想文などの提出を求めるところもあるが、専門職員が不足していることもあり、本来の目的が果たされているかは疑問が残る。

職業訓練

「受刑者等の作業に関する訓令」(法務大臣訓令)に基づき30職種以上あり訓練修了者のうち,総合訓練施設において年間1,400時間以上の訓練を修了した者には,厚生労働省職業能力開発局長から履修証明書が発行されている。職業訓練の希望者は多く極めて倍率は高いため、訓練を受けられる場合はまれである。また、資格によっては免許証などの交付があるが、それらについては自弁での支払いとなる場合が多い。

事務・福祉

商業デザイン科、義肢・装具科、経理事務科、一般事務科、OA事務科、介護サービス科、理容科、美容科

自動車

自動車整備科、自動車車体整備科、農業機械整備科

情報処理

コンピュータ制御科(数値制御機械科)、OAシステム科、ソフトウェア管理科(情報処理科)、データベース管理科、 プログラム設計科、システム設計科、データベース設計科

製造

機械加工科(機械科)、精密加工科、機械製図科、電子機器科、電気機器科、製材機械整備科、縫製機械整備科、織布科、織機調整科、染色科、ニット科、洋裁科、縫製科、和裁科、寝具科、木工科、紙器製造科、製版科、印刷科、製本科、プラスチック製品成型科、鞄製造科、ガラス製品製造科、石材加工科、製麺科、パン・菓子製造科、水産加工科、発酵製品製造業、陶磁器製造科、竹工芸科

建設

園芸科、造園科、塑性加工科(板金科)、塑溶接科、構造物鉄工科、電気工事科、建設機械整備科、木造建築科、枠組み壁建築科、とび科、鉄筋コンクリート施工科、プレハブ建築科、建築設計科、屋根施工科、スレート施工科、建築板金科、防水施工科、サッシ・ガラス施工科、畳科、インテリア・サービス科、床仕上施工科、表具科、左官・タイル施工科、ブロック施工科、配管科、住宅設備機器科、土木施工科、測量・設計科、ビル管理科、ボイラー運転科、クレーン運転科、建設機械運転科、木材工芸科、漆器科、貴金属・宝石科、金属塗装科、木工塗装科、建築塗装科、広告美術科、工業デザイン科

その他

運転免許証の書き換えについては、2年以上の受刑者のみ、自弁での書き換えが可能。それ以下の場合は在監証明の発行を受け、住所地の運転免許試験場などでの再発行手続きとなる。国民年金については、収容中も支払い義務が発生するため、収容後速やかに手続きが必要。ただし無収入なので申請免除は可能。納付期間によっては年金受給額が減額されたり、支払われなくなる場合があるので注意が必要である。それ以外の民間の支払い義務(NTT固定電話、各社携帯電話、電気・ガス・水道などのインフラ系、家賃、クレジットカード、ローン等々)は全くと言っていいほど特例なく、ほとんどの会社で有罪判決が確定した場合は強制解約となる。仕組み預金などは満期を迎えていても、刑事施設に収容された日にさかのぼって解約することができる。

過剰収容問題

2000年代に入り受刑者数が激増し、各刑務所では過剰収容が問題となった。統計では犯罪発生数に目立った増加がないのに受刑者数が激増した理由として、オウム真理教事件や、犯罪報道の増加による国民の体感治安の悪化で厳罰化が進んだこと、景気の悪化により就労先が見つからない者や、高齢者などが出所後すぐに生活に困った結果、衣食住が保証される刑務所に戻ろうと窃盗や詐欺(特に万引き食い逃げ)、暴行・傷害事件等の犯罪を再び犯すという、いわば刑務所が福祉施設代わりになっていることが挙げられる。

過剰収容対策として、既存施設の大幅な増改築や、PFI施設4庁の新設により、収容定員を大幅に増やしたのだが、現在は受刑者総数が減った事もあり、現在のところ、全体で見れば全国刑事施設の総収容定員に対する収容率は100%を下回っている。

しかしながら、これまでの過剰収容対策は、PFI施設を中心とするA級受刑者に対する対策が中心のものであり、LA級施設、B級施設、女子施設については現在でも過剰収容状態が続いているため、LA級施設、B級施設、女子施設に対する重点的な過剰収容対策ならびに出所後の再犯防止のための就労支援や、保護観察、福祉制度による支援の充実が必要であると言われる。

日本の刑務所一覧

奈良少年刑務所が平成29年3月末で閉鎖されたことにより、47都道府県で奈良県のみ刑務所が存在していない。

札幌矯正管区

仙台矯正管区

東京矯正管区

出典:wikipedia
2018/06/25 22:51

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