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日本国憲法とは?

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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

【日本国憲法】


日本の法令
【通称・略称】
憲法、昭和憲法、現行憲法など
法令番号
なし
【効力】
現行法
【種類】
憲法
【主な内容】
国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、象徴天皇制など
【関連法令】
大日本帝国憲法皇室典範国会法内閣法裁判所法人身保護法国際法国籍法日本国憲法の改正手続に関する法律公職選挙法政党助成法宗教法人法など
【条文リンク】
e-Gov法令検索
ウィキソース原文

日本国憲法(にほんこくけんぽう、にっぽんこくけんぽう)は、現在の日本国家形態および統治組織作用を規定している憲法1947年(昭和22年)5月3日に施行された。ブルジョア憲法(資本主義憲法)の一種。

昭和憲法(しょうわけんぽう)、あるいは単に現行憲法(げんこうけんぽう)とも呼ばれる。

1945年(昭和20年)に、ポツダム宣言を受諾して連合国に対し降伏した日本政府は、そこに要求された「日本軍無条件降伏」「日本の民主主義的傾向の復活強化」「基本的人権の尊重」「平和政治」「国民の自由意思による政治形態の決定」などにより、事実上憲法改正の法的義務を負うことになった。そこで連合国軍占領中連合国軍最高司令官総司令部の監督の下で「憲法改正草案要綱」を作成し、その後の紆余曲折を経て起草された新憲法案は、大日本帝国憲法73条の憲法改正手続に従い、1946年(昭和21年)5月16日の第90回帝国議会の審議を経て若干の修正を受けた後、同年1946年(昭和21年)11月3日に日本国憲法として公布され、その6か月後の翌年1947年(昭和22年)5月3日に施行された。

国民主権の原則に基づいて象徴天皇制を定め、個人の尊厳を基礎に基本的人権の尊重を掲げて各種の憲法上の権利を保障し、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認という平和主義を定める。また国会内閣裁判所三権分立の国家の統治機構と基本的秩序を定めている。「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3つは、日本国憲法を特徴付ける三大要素と呼ばれることもある。

2017年現在、現行憲法としては世界で最も長い期間改正されていない憲法である。日本国憲法は、当用漢字表現代かなづかいの告示より前に公布されたもので、原文の漢字表記は当用漢字以前の旧字体であり、仮名遣いは歴史的仮名遣である。

原本は国立公文書館に保管されており、不定期に公開されている。

目次

  • 1 概要
  • 2 基本理念・原理
    • 2.1 日本国憲法の目的と基本原理
    • 2.2 基本的人権尊重主義
      • 2.2.1 自由主義
      • 2.2.2 福祉主義
      • 2.2.3 平等主義
      • 2.2.4 人権保障の限界
        • 2.2.4.1 公共の福祉を根拠とする人権制限
        • 2.2.4.2 その他の根拠に基づく人権制限
    • 2.3 平和主義(戦争放棄)
    • 2.4 権力分立制
    • 2.5 国民主権主義(民主主義)
    • 2.6 法の支配
  • 3 大日本帝国憲法との比較
    • 3.1 天皇
    • 3.2 内閣
    • 3.3 国務大臣の任命資格
  • 4 日本国憲法の構成
    • 4.1 人権規定
      • 4.1.1 包括的自由権と法の下の平等
      • 4.1.2 精神的自由
      • 4.1.3 経済的自由
      • 4.1.4 人身の自由
      • 4.1.5 受益権
      • 4.1.6 社会権
      • 4.1.7 参政権
    • 4.2 統治規定
      • 4.2.1 国会
      • 4.2.2 内閣
      • 4.2.3 裁判所
      • 4.2.4 財政・地方自治
    • 4.3 憲法保障
    • 4.4 憲法改正
  • 5 制定史
    • 5.1 大日本帝国憲法
    • 5.2 日本国憲法の制定
      • 5.2.1 ポツダム宣言の受諾と占領統治
      • 5.2.2 日本政府および日本国民の憲法改正動向
        • 5.2.2.1 憲法草案要綱
      • 5.2.3 マッカーサー草案
        • 5.2.3.1 マッカーサーの憲法改正権限(ホイットニー・メモ)
        • 5.2.3.2 毎日新聞によるスクープ報道の波紋
        • 5.2.3.3 総司令部による意思決定
      • 5.2.4 日本政府案の作成と議会審議
      • 5.2.5 芦田修正について
      • 5.2.6 日本国憲法の公布と施行
      • 5.2.7 占領下における日本国憲法の効力
  • 6 議論
    • 6.1 成立の法理
      • 6.1.1 大日本帝国憲法の改正の限界
      • 6.1.2 占領軍の関与
    • 6.2 憲法改正手続
      • 6.2.1 改正されない理由
    • 6.3 各種の議論
  • 7 憲法典に述べられていない問題
    • 7.1 領土
    • 7.2 国家の自己表現
  • 8 日本国憲法の解釈
  • 9 発行物
    • 9.1 切手
  • 10 参考文献
  • 11 脚注
    • 11.1 注釈
    • 11.2 出典
  • 12 関連項目
    • 12.1 用語
    • 12.2 制度・組織
    • 12.3 法律・条約
    • 12.4 その他
  • 13 外部リンク

概要


日本の政治

日本国憲法日本法

天皇


国民(主権者)


政府


立法


行政


司法


地方自治



日本国憲法は、他の多くの国の憲法と同じように、硬性憲法であり、人権規定と統治規定を含む。また象徴天皇制や間接民主制、権力分立制、地方自治制度、国務大臣の文民規定が盛り込まれ、加えて戦力放棄、刑事手続(犯罪捜査・裁判の手続)についての詳細な規定等もなされている。

基本理念・原理

日本国憲法原本「上諭」(1ページ目)
日本国憲法原本「御名御璽(ぎょめいぎょじ)と大臣の副署」(2ページ目)
日本国憲法原本「大臣の副署」「前文」(3ページ目)

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この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2018年1月)

日本国憲法の目的と基本原理

日本国憲法は、ポツダム宣言の条項を履行し、民主政治の確立および平和国家の建設を行うことを、その目的とする。日本国憲法の基本原理は、基本的人権の尊重・国民主権(民主主義)・平和主義の三つである。

基本的人権尊重主義

基本的人権の尊重とは、個人が有する人権を尊重することをいい、自由主義平等主義とから成る。

自由主義

憲法で自由主義原理が採用されるのは、“個人に至上価値を認める以上は、各人の自己実現は自由でなければならないからであり、また、自由は民主政の前提となるもの”だからである。

自由主義の内容を人権面と統治構造に分けてみると、

  1. 人権 自由権の保障 第3章 11条 97条
  2. 統治
    1. 権力分立制 41条 65条 76条(国家権力の濫用防止のため)
    2. 二院制 42条(慎重・合理的な議事のため)
    3. 地方自治制 92条〜(中央と地方での抑制・均衡を図るため)
    4. 違憲審査制 81条(少数者の自由確保のため)

となる。

当初は、国家権力による自由の抑圧から国民を解放するところに重要な意味があった。基本的人権は、単に「人権」「基本権」とも呼ばれ、特に第3章で具体的に列挙されている(人権カタログ)。かかる列挙されている権利が憲法上保障されている人権であるが、明文で規定されている権利を超えて判例上認められている人権も存在する(「知る権利」、プライバシーの権利など)。

また、権力の恣意的な行使により個人の人権が抑圧されることを回避するため、統治機構は権力が一つの機関に集中しないように設計され(権力分立地方自治)、個人が虐げられることのないように自由主義的に設計されているといわれる。

基本的人権の尊重は、古くは、人間の自由な思想・活動を可能な限り保障しようとする自由主義を基調とする政治的理念であった。政治的な基本理念である「自由主義」は、国家権力による圧制からの自由を意味し、国家からの自由の理念を示すため、「立憲主義」と表現されることも多い。特に、権力への不信を前提にすることから、単に「国家からの自由」ともいわれる。民主政治の実現過程において、国家権力による強制を排除して個人の権利の保障をするための理念として自由主義は支持された。自由主義は、政治的には市民的自由の拡大、経済的には自由政策の維持として表れるといわれている。さらに、自由主義は、個人の幸福を確保することを意図した理念でもあることから、国民が個人の集合体に変化するのにともなって、国のあり方を決定づける理念として把握されるようにもなった。日本国憲法における国家組織の規定も、国民主権の考え方と相互に関連して、自由主義を踏襲している。

福祉主義

憲法において福祉主義が採られるのは、資本主義の高度化は貧富の差を拡大し、夜警国家政策の下では、経済的弱者の生活水準の確保ないし個人の尊厳の確保が困難となったからとされる。

その内容を人権面と統治構造に分けると、

  1. 人権 社会権の保障 25条〜28条
  2. 統治 積極国家化(行政国家化)

が挙げられる。

ただし、積極国家化は自由主義原理と緊張関係にあり、一定の限界があるともいわれる。

現代においては、初期の自由政策的な経済によって貧富の格差が生じたことから、自由主義は、社会権(所得の再分配など)による修正を受けるようになった。他方で、現代民主主義が個人の自由の保障に強く依存するのにともなって、自由主義は飛躍的にその重要度を増した。特に、ナチス・ドイツが民主制から誕生し、甚大な惨禍をもたらしたことから、国民の自由を保障できない制度は、民主主義といえないことが認識され、自由主義と民主主義が不可分に結合した立憲的民主主義(自由民主主義)が一般化し、自由は、民主主義に欠くことができない概念として多くの国で認知されるようになった。日本国憲法でも、個々の自由と国家が衝突する場面において、自由を優先させる趣旨の規定が見られる(違憲審査権による基本的な人権の保護など)。

平等主義

平等主義は、原則として、「機会の平等」(自由と結びついた形式的平等)を意味し、内容としては、

  1. 人権
    1. 法の下の平等 14条1項
    2. 両性の本質的平等 24条
    3. 等しく教育を受ける権利 26条
  2. 統治
    1. 平等選挙 44条
    2. 普通選挙 15条3項
    3. 貴族制度の否定 14条2項
    4. 栄典の限界 14条3項

が挙げられる。

ただし、資本主義下で貧富の拡大した状況下での弱者の個人の尊厳確保のための修正理念として、平等の理念には「結果の平等〜条件の平等」(社会権と結びついた実質的平等(福祉主義))も含むとされる。

人権保障の限界

憲法における自由主義ないし人権保障とは、国家から侵害を受けないことを意味する。そして、人権が不可侵のものとして保障されている以上、国家は人権を制限できない(国会は人権を制限する法律を制定できず、行政権は人権を制限する行為ができない)のが原則である。

しかしそれでは、例えば通貨偽造を犯した者を処罰することもできず、他人の名誉を毀損する言論を制限することもできず、およそ近代国家は成り立ち得ない。そこで、一定の場合には人権を制限できる(国会は人権を制限する法律を制定できる)とすべきとの価値判断がなされる。

人権を制限できる場合としては、「憲法が特に認めた場合(18条等)」があるが、それ以外にも一般に「公共の福祉」12条を根拠に制限できるとされる。

公共の福祉を根拠とする人権制限

公共の福祉を根拠に人権を制約できるとされる場合、どのような基準・範囲で人権を制限できるか、すなわち「公共の福祉」の意味については争いがあり、22条や29条のような明文がある場合に限って制限できるとする説もある。しかし、通説は、全ての人権について制限が可能と解しており、その理論構成として「公共の福祉は各個人の基本的人権の保障を確保するため基本的人権相互の矛盾・衝突を調整する「公平の原理」であり、したがって全ての人権について制限できる」との論旨を主張している(一元的内在制約説)。一定の場合には国家は全ての種類の人権を制限できるとすべき との価値判断が最初にあり、その条文上の根拠として「公共の福祉」が用いられ、公共の福祉とは…公平の原理である とする解釈が採られる。このように、公共の福祉を人権相互間の調整原理であると考えることによって、制約は全ての人権に内在するものという結論を導くことになる。そこで、「公共の福祉」という語は明文上、12条13条22条1項29条2項にしかないものの、全ての人権が「公共の福祉」により制約され得ることとなる。

但し、そこでは制限目的の合理性制限手段の合理性が必要とされ、これらの合理性がない立法は立法権の裁量を逸脱し違憲とされる。但し、制限目的や制限手段の具体的限界や司法審査における判断基準(合憲性判定基準/違憲審査基準)は、権利の性質によって異なる。

その他の根拠に基づく人権制限

公共の福祉を根拠としない場合でも、憲法が特に認めた場合には人権は制限できる、とされる。

  • 憲法に規定がある場合(刑罰・財産収用・租税賦課/徴収・憲法尊重擁護義務)
公共の福祉を根拠とするのに問題があるが、憲法の明文もない事例として、在監関係公務員関係未成年者の人権制限がある。これらについては、「憲法秩序の構成要素」であるから という論拠と、未成年者の保護・育成のため憲法が認めている という論拠を主張する説が有力である。
  • 憲法秩序の構成要素とされる場合(在監関係・公務員関係)
  • 未成年者の保護・育成のための措置(未成年者の人権制限)
これらの場合も制限目的の合理性制限手段の合理性が必要とされ、これらの合理性がない立法は違憲と考えることができる。

国家からの自由という理念から、日本国憲法の重要な原則である基本的人権の尊重が導かれる。前文では「わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し(後略)」と規定され、11条では「国民は、全ての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」と宣言されている。また、「表現の自由」(21条1項)など第3章の詳細な人権規定、権力分立による権力集中の防止(これによる権利の濫用の防止)、裁判所の違憲立法審査権(民主的意思決定による基本的人権の侵害を防止・81条)、憲法の最高法規性(第10章)など、ほとんど全ての規定が自由主義の理念のあらわれといえる。

平和主義(戦争放棄)

平和主義は、自由主義と民主主義という二つの重要な理念とともに、日本国憲法の理念を構成する。平和主義は、平和に高い価値をおき、その維持と擁護に最大の努力を払うことをいう。平たくいえば、「平和を大切にすること」である。

平和主義の内容は、

  1. 人権 平和的生存権の権利性 - ただし、判例及び有力説は、平和的生存権の権利性を否定する。
  2. 統治
    1. 戦争の放棄 9条
    2. 戦力の不保持 9条
    3. 交戦権の否認 9条
    4. 国務大臣の文民性 66条2項

とされる。

平和状態が国民生活基盤において重要であることについてほとんど争いはない。むしろ、その平和な状態を国際秩序においていかにして確保するかという点で、激しい論争がある。平和主義は、多くの国で採用されている国際協調主義の一つと位置づけることができる。深刻な被害をもたらした第一次世界大戦後、自由主義・民主主義と結びつき、国民生活の基盤としての平和主義が理念として発展した。

しかし第二次世界大戦後の日本では歴史的経緯をふまえ、日本国憲法前文および9条に強く示されるように、国際協調主義を超えた平和主義がめざされてきたと指摘されることもある。

日本国憲法は9条1項で、「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と謳っている。さらに同条2項では、1項の目的を達するために「陸海空軍その他の戦力」を保持しないとし、「国の交戦権」を認めないとしている。

憲法9条の解釈について学説には、「国際紛争を解決する手段」ではない戦争というものはありえず憲法9条第1項で全ての戦争が放棄されていると解釈する立場(峻別不能説)、憲法9条第1項の規定は「国際紛争を解決する手段」としての戦争放棄を定めたもので自衛戦争までは放棄されていないが、憲法9条第2項で戦力の不保持と交戦権の否認が定められた結果として全ての戦争が放棄されたと解釈する立場(遂行不能説)、憲法9条第1項の規定は「国際紛争を解決する手段」としての戦争放棄を定めたものであり自衛戦争までは放棄されておらず、憲法9条第2項においても自衛戦争及び自衛のための戦力は放棄されていないとする立場(限定放棄説)がある。

このうち限定放棄説は憲法9条は自衛戦争を放棄しておらず自衛戦争のための「戦力」も保持しうると解釈する。これに対して政府見解は憲法9条第2項は「戦力」の保持を禁止しているという解釈のもと、これは自衛のための必要最小限度の実力を保持することを禁止する趣旨のものではなく、これを超える実力を保持することを禁止する趣旨であると解釈している。また、政府見解は交戦権を伴う自衛戦争と個別的自衛権に基づく自衛行動とは別概念で後者について憲法上許容されていると解釈しており、平成11年の参議院予算委員会において大森政輔内閣法制局長官(当時)は「個別的自衛権に基づく我が国を防衛するために必要最小限度の自衛行動というものは憲法が否定していないということを申し上げたのでございまして、いわゆる戦争の三分類による自衛戦争ができるんだということを申し上げたわけではないと。自衛戦争という場合には当然交戦権が伴うんでしょうけれども、先ほど我が国がなし得ると申し上げましたのは、自衛戦争という意味よりももう少し縮減された、あるいは次元の異なる個別的自衛権に基づく自衛行動というふうにお聞き取りいただきたいと思います」と述べている。また、平成11年の参議院外交防衛委員会において秋山收内閣法制局第一部長(当時)は「自衛戦争の際の交戦権というのも、自衛戦争におけるこのような意味の交戦権というふうに考えています。このような交戦権は、憲法九条二項で認めないものと書かれているところでございます。一方、自衛行動と申しますのは、我が国が憲法九条のもとで許容される自衛権の行使として行う武力の行使をその内容とするものでございまして、これは外国からの急迫不正の武力攻撃に対して、ほかに有効、適切な手段がない場合に、これを排除するために必要最小限の範囲内で行われる実力行使でございます」と述べている。

平和主義という言葉は多義的である。法を離れた個人の信条などの文脈における平和主義は(一切の)争いを好まない態度を意味することが多い。一方で、憲法理念としての平和主義は、平和に価値をおき、その維持と擁護に政府が努力を払うことを意味することが多い。日本国憲法における平和主義は、通常の憲法理念としての平和主義に加えて、戦力の放棄が平和につながるとする絶対平和主義として理解されることがある。これは、第二次世界大戦での敗戦と疲弊の記憶、終戦後の平和を求める国内世論、形式文理上、憲法前文と第9条が一切の戦力・武力行使を放棄したと解釈できること、第二次世界大戦以降日本が武力紛争に直接巻き込まれることがなかったことによって支えられた、世界的にも希有な平和主義だとされる。この絶対平和主義については、安全保障の観点がないのではないかという意見がある一方で、世界に先んじて日本が絶対平和主義の旗振り役となり、率先して世界を非武装の方向に変えていこうと努力することが、より持続可能な安全保障であるとの意見がある。なお、これらとは別に自衛権は自明の理であり、自衛権の行使は戦争には当たらないとする意見がある。

上記の議論から日本政府が編成する防衛組織である自衛隊は海外からは軍隊とみなされており憲法違反とする学説もあるが、日本政府の見解では自衛隊は戦力には該当せず憲法上許容されているとしている。2017年5月現在、最高裁判所による憲法判断は下されていない。

権力分立制

権力分立制は、国家権力の集中によって生じる権力の濫用を防止し、国民の自由を確保することを目的とする制度である。

権力分立制は、古典的には、立法・行政・司法の各権力を分離・独立させて異なる機関に担当せしめ互いに他を抑制し均衡を保つ制度 といわれ、自由主義的・消極的・懐疑的・政治的中立性という特質を持つ。

ただし、近代においては、ある程度の変容を伴うのが一般的であり、ある程度の変容を伴ったものも、近代的権力分立制として認められる。

日本国憲法では、国会の内閣に対する統制強化 と 司法権の強化 という特徴を持つ。

国会の内閣に対する統制とは、具体的には議院内閣制や国会の最高機関性 であり、国民主権主義と行政権肥大に伴う行政の権限濫用の危険増大に対応したものといえる。

司法権の強化とは、具体的には行政事件についての裁判権や違憲立法審査権 であり、法の支配の原理に基づくものといえる。

国民主権主義(民主主義)

民主主義は、平たく「民衆による政治」ともいわれ、この理念をもとにした政治形態は民主制(民主主義制、民主政)と呼ばれる。

民主主義を具体化したものとして、日本国憲法では、国民主権主義(前文 1段1文 §1)が採られる。

「主権」とは、国家の統治のあり方を最終的に決定し得る力である。

そして、国民主権の意味については、国家権力の正当性の根拠が全国民に存すること(代表民主制が原則)のみならず、国民自身が主権の究極の行使者であること(直接民主制が原則)も意味する とする折衷説が通説である。

そして、国民主権の内容としては、以下のものが挙げられる。

  1. 人権
    1. 参政権
      1. 選定・罷免権 15条 44条 (国会議員 44条 地方公共団体の長 93条2項 国民審査 79条2項)
      2. 国家意思の形成に直接参与する権利(国民投票 96条 地方特別法 95条)
      3. 参政権を補完する諸権利 (表現の自由 21条 知る権利 21条 集会・結社の自由 21条 請願権 16条)
  2. 統治
      1. 選挙制度
      2. 議院内閣制 66条3項 69条
      3. 地方自治制 8章
      4. 国民票決制 96条 95条
      5. 国政公開の原則 57条2項 91条
      6. 国会の最高機関性 41条
      7. 政党制
      8. 国民代表の解釈

国民主権とは、国家の主権が人民にあることをいう(日本国憲法においては国民と表現されている)。主権も多義的な用語であるものの、結局、国民主権とは国政に関する権威と権力が国民にあることをいうとされる。当初は主権が天皇や君主など特定の人物にないところに重要な意味があった。国民主権は、前文第1条などで宣言されている。国民主権は、統治者と被統治者が同じであるとする政治的理念、民主主義の国家制度での表れである。

民主主義を最も徹底すれば、国民の意見が直接政治に反映される直接民主制が最良ということになる。現に人口の少ない国(スイスなど)や日本でも地方公共団体(地方自治法94条の町村総会、74条以下の直接請求)では、現在でも直接民主制が広く取り入れられている。しかし、現代国家においては、有権者の数が多いため直接民主制を採ることが技術的に困難であることや、直接民主制が有権者相互の慎重な審議討論を経ず、多数決による拙速な決定に陥りやすいなど、国民意思の統一に必ずしも有利ではないことから、大統領や国会議員などを国民の代表者として選挙で選出し、国民が間接的に統治に参加する体制が採られる。この体制を間接民主制(代議制民主主義)という。日本国憲法は、原則として間接民主制を採用している(前文、43条など)。例外的に、憲法改正国民投票(96条)、最高裁判所裁判官の国民審査(79条)など一部の重要事項についてのみ、直接民主制を採り入れている。

「民衆による政治」は、「民衆によらない政治」との争いの中で次第に洗練され、現代の民主主義は、より実質的に「民衆による政治」の実現を目指す理念になっている。この理念の下では、単に投票ができることにとどまらず、政治に関する多角的な意見を知り、また発信できることなど、個人の権利が重んじられることが前提とされる。現代民主主義が、自由主義や個人主義を基盤にしていると指摘されるのはそのためである。

この「民衆による政治」という理念から、日本国憲法において国民主権が重要な原則として制度化された。前文では、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し(中略)ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」と表現されている。民主主義の憲法上のあらわれとしては、国民の選挙権(15条)、国会の最高機関性(41条)、議院内閣制(66条など)、憲法改正権(96条)など、多くの規定が見られる。

法の支配

大日本帝国憲法のとる狭い意味の「法治主義」に対置する概念。「法の支配」とは、「人の支配」(つまり権力者の恣意的判断)を排して、理性の法が支配するという概念で、英米系法学の憲法の基本的原理を取り入れたものである。

この「法」は、自由な主体たる人間の共存を可能ならしめる上で必要とされる「法」とされ、国民の意思を反映した法、すなわち日本国憲法である。そこで、憲法に基づいて権力が行使されたか否かを審査する裁判所がなければならず、制度的には、裁判所に違憲立法審査権を与え、憲法の番人としての司法の優位が確立し、「法の支配」が守られるように担保している。

法の支配の内容としては、

  1. 人権
    1. 基本的人権の永久不可侵性 11条 97条
    2. 法律の留保を認めない絶対的保障 3章
    3. 法律の手続き・内容の適正
    4. 制限規範ゆえに最高法規性が認められる 97条 98条1項
  2. 統治
    1. 裁判所の自主・独立性 77条 78条 80条
    2. 行政事件を含む争訟の裁判権 76条2項
    3. 法令審査権 81条
    4. 統治者に憲法尊重擁護義務 99条

大日本帝国憲法との比較

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この節の加筆が望まれています。 (2015年12月)

天皇

大日本帝国憲法(旧憲法、明治憲法)では、天皇は「統治権ヲ総攬(そうらん)」する元首(第4条)であって、神聖不可侵な存在とされた(第3条)。しかしこれらの権限は国務大臣による輔弼(advice、助言)に基づき、国務大臣による副署がなければ法的効力を有しない(第55条)。

日本国憲法(現憲法)では、天皇は「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」(象徴天皇制第1条)であり、「主権の存する日本国民の総意に基く」地位とされた(国民主権、同条)。天皇は、憲法に定める国事行為のみを行い、国政に関する権能を有しないものとされた(第4条第1項)。これらの権限は内閣の助言(advice)に基づき承認を必要とする(第3条)。なお、現憲法には日本の元首に関する規定はない。

天皇の持つ権限について新旧憲法で共通している点は、天皇が独断で命令を出したりすることは出来ず内閣の構成員である大臣のアドバイスに基づく点、大臣の了承がなければならない点である。

一方異なる点は、アドバイスと了承を伴う天皇の行為が国政に関わる行為かどうかである。どの大臣がどのようなことを天皇にアドバイスするのかという要素は新旧憲法両方において書かれていないが、新憲法では国政に関わる行為に天皇がかかわらない為に問題にならないこの曖昧さが、旧憲法では極めて重大な大臣同士の権限の衝突を引き起こす上に、誰が国政に責任を追うのかしばしば曖昧になることがあった。これらの権限の衝突を調停する仕組みは憲法の外に置かれた機関(内大臣・枢密院など)に委ねられ、憲法外の調停機関を少数の人間が牛耳ることにより思うままに独裁的な国政を行うことさえ出来た。

内閣

旧憲法には内閣および内閣総理大臣の規定は置かれず、これらは勅令である内閣官制に基づいて設置された。憲法では国務各大臣が天皇を輔弼(ほひつ)し、天皇に対してのみ責任を負うものとされた(第55条第1項)。内閣総理大臣および国務大臣は天皇が任免するものとされたが(第10条)、実際には元老重臣内大臣など、憲法外の機関が人選した。

現憲法では、内閣(第65条等)および内閣総理大臣(第6条第1項等)の規定が置かれた。天皇は国会の指名に基づいて国会議員の中から内閣総理大臣を任命し(第6条第1項)、内閣総理大臣が国務大臣を任免して内閣を組織し(第68条、第66条第1項)、内閣は行政権の行使について国会に対し連帯して責任を負う(第66条第3項)。内閣と国会(衆議院および参議院)との関係については様々に説明されるものの、議院内閣制を採用しているものと理解されている(第66条3項、第67条1項、第68条1項、第69条第70条第63条)。

国務大臣の任命資格

旧憲法では、国務大臣に任命される資格(任命資格)については規定されていない(第55条第1項第10条参照)。なお、時期により変遷があるものの、勅令により、軍部大臣(陸軍大臣海軍大臣)の任命資格は現役または予備役の武官(軍人)に限られた(軍部大臣現役武官制を参照)。

現憲法では、国務大臣を「文民」に限った(第66条第2項)。「文民」の解釈については諸説あるものの、「旧職業軍人の経歴を有する者であって、軍国主義思想に深く染まっていると考えられるものは、文民ではない」と解されている。この趣旨は、軍部大

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出典:wikipedia
2018/05/22 22:43

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