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日本標準時とは?

UTC・JST
 | 10月21日(日) 08:36 (UTC)
10月21日(日) 17:36 (JST)


明石天文科学館、親時計

日本標準時(にほんひょうじゅんじ、英語: Japan Standard Time略語:JST)は、国立研究開発法人情報通信研究機構原子時計で生成・供給される協定世界時(UTC)を9時間(東経135度分の時差)進めた時刻(すなわちUTC+9)をもって、日本における標準時としたものである。同機構が決定するUTCは“UTC(NICT)”と称され、国際度量衡局が決定する協定世界時 (UTC) との差が±10ナノ秒以内を目標として調整し管理されている。俗に日本時間とも呼ばれる。 情報通信研究機構が通報する標準時は、日本全国で日本放送協会 (NHK) などの放送局NTT (117) の時報に用いられている。

一方、中央標準時(ちゅうおうひょうじゅんじ、英語: Japan Central Standard Time、略語:JCST)は、大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台が決定し、現実信号として示す時刻で、水沢VLBI観測所の天文保時室でセシウム原子時計が運転されている。なお、国立天文台が編纂する「理科年表」では中央標準時について、中央標準時=協定世界時+9 としている。

日本標準時 (JST) と協定世界時 (UTC) との差を示す場合などには、「12:31:40(UTC+0900)」(日本標準時で123140の場合)などと表記される。

目次

  • 1 標準時と中央標準時
  • 2 夏時間(サマータイム)
  • 3 JSTと定義が同じ標準時
    • 3.1 既に廃止されたJSTと定義が同じ標準時
  • 4 歴史
    • 4.1 South Ryukyu Islands時間
    • 4.2 標準時の通報の歴史
      • 4.2.1 標準時の報時のはじまり
      • 4.2.2 無線報時のはじまり
      • 4.2.3 標準電波による標準時の通報
      • 4.2.4 振り子時計から水晶時計へ
      • 4.2.5 時刻、時間、周波数(時間の逆数)の乖離
      • 4.2.6 原子的標準に基づく周波数と時間
      • 4.2.7 うるう秒の導入
      • 4.2.8 国際標準と結ばれた時刻、時間、周波数
      • 4.2.9 インターネットによる標準時の配信
  • 5 標準電波
  • 6 NTP
  • 7 UTCとJSTの換算
  • 8 日本標準時を変更する動き
  • 9 脚注
  • 10 参考文献
  • 11 関連項目
  • 12 外部リンク

標準時と中央標準時[ソースを編集]

日本における「標準時」に関する法令は十分に整理されておらず、法令上「標準時」と「中央標準時」という名称は現れるが、「日本標準時」という名称は現れない。

日本国の法令では、標準時の定義について「東経135度子午線の時」をもって日本における一般の標準時と定め、その標準時を中央標準時と称すること以外に具体的な定めはない。

ただし、標準電波の発射及び標準時の通報に関しては、総務省(情報通信国際戦略局技術政策課)がその事務をつかさどる(この所掌事務は、旧電気通信省から旧電波監理委員会、旧郵政省を経て総務省に引き継がれている)。 さらに、郵政大臣(総務大臣の前身)が法令に基づいて発した郵政省告示により、標準電波で通報される標準時は協定世界時を9時間進めた時刻とされる(この定めは、1971年(昭和46年)の郵政省告示(1972年(昭和47年)1月1日施行)からである)。 なお、独立行政法人情報通信研究機構は法令と告示に基づいて標準電波を発射し、及び標準時を通報する業務を行う。

また、中央標準時の決定及び現示に関しては、大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台がその事務を目的の一部として設置されている(この設置目的は、1955年(昭和30年)に改正された旧東京大学東京天文台の目的から引き継がれている)。したがって中央標準時は、法令に基づいて国立天文台が中央標準時として決定及び現示する時刻と言える。

情報通信研究機構が通報する標準時と、国立天文台が決定及び現示する中央標準時との関係については、どちらの機関も国際原子時の作成に寄与する原子時計を運転し、それらの時計で決定する協定世界時 (UTC) + 9時間をそれぞれ標準時、中央標準時としているが、いかに不確かさが小さい(正確度と精度に優れた)時計であっても、同一の時計ではないので完全に時刻が一致することはない。これについて、情報通信研究機構を所管する総務省と国立天文台を所管する文部科学省は共同告示により、情報通信研究機構が通報する標準時については国立天文台の決定する中央標準時により、その偏差を算出し、これを情報通信研究機構において公表するとしている。

なお、過去の関係やその経緯については、#標準時の通報の歴史 を参照。

夏時間(サマータイム)[ソースを編集]

2018年現在、法令に基づき、JSTに1時間を加えたタイムゾーンを採用する夏時間(サマータイム)は実施されていない。ただし、過去には、1948年から1951年、5月(1949年のみ4月)第1土曜日から9月第2土曜日までの間、夏時刻法に基づきサマータイムが施行されていた。なお、2004年 - 2006年(2006年で終了)の7月 - 8月に北海道札幌市で試行されたいわゆる「北海道サマータイム」は、標準時を変えずに始業・終業時刻を1時間早める試みで、通常の意味での夏時間ではない。

JSTと定義が同じ標準時[ソースを編集]

以下の標準時は、日本標準時 (JST) と同じく協定世界時 (UTC) を9時間進めた標準時である。ただし厳密には、基準とする原子時計が異なるため、体感できないほど僅かな不確かさ(誤差)がある。

既に廃止されたJSTと定義が同じ標準時[ソースを編集]

歴史[ソースを編集]

日本の標準時に関して初めて制定された法令は、本初子午線経度計算方及標準時ノ件(明治19年勅令第51号、1886年(明治19年)7月13日公布)である。この勅令では、グリニッジ天文台子午儀の中心を通る子午線(グリニッジ子午線)を本初子午線(経度0度)とし、東西それぞれ180度で、東を正、西を負として表すことを定めた上、東経135度 (GMT+9:00) の時刻を日本の標準時(「本邦一般ノ標準時」)と規定した。この日本の標準時に関する部分は1888年(明治21年)1月1日から適用された。

標準時ニ関スル件

その後、標準時ニ関スル件(明治28年勅令第167号、1895年(明治28年)12月28日公布、1896年(明治29年)1月1日施行)が制定され、第1条において東経135度の標準時の呼称を「中央標準時」と、第2条において東経120度 (GMT+8:00) の時刻を「西部標準時」とそれぞれ規定した。後者は八重山列島宮古列島日本統治下の台湾澎湖諸島に適用された。中央標準時と西部標準時との時差は1時間であった。

この「二つの日本時間」は41年余り続いたが、明治二十八年勅令第百六十七号標準時ニ関スル件中改正ノ件(昭和12年勅令第529号、1937年(昭和12年)9月25日公布、同年10月1日施行)という改正勅令により、前の明治28年勅令第167号の第2条(西部標準時に関する条)の条文が削除され、再び日本の標準時は一つとなった。なお、この改正では第1条(中央標準時に関する条)については改正されなかったため、「中央標準時」との呼称は維持された。 西部標準時が年半ば(9月)で廃止された理由は、台湾及び澎湖諸島並びに八重山及び宮古列島において、政治経済交通その他諸般の点に鑑み中央標準時に依る必要があることによるとされる。 1954年(昭和29年)ごろ、中央標準時の中央を除くことや明治以来の時関連の法令改正案が検討されていたようだが、日の目を見ることはなかった。

この2つの勅令は現在も政令として有効であり(文部科学省の所管)、「中央標準時」が日本の標準時の法令上の正式名称とされる。現行法上、上記勅令以外にも、電波法施行規則、無線局運用規則や国立大学法人法施行規則において用いられている。

ちなみに、この改正が行われた当時は本土の標準時とは別に、1920年ヴェルサイユ条約パリ協定で日本の委任統治領となった、南洋諸島の標準時が1919年2月1日より施行されており、南洋群島東部標準時が日本の中央標準時+2時間、南洋群島中部標準時で日本の中央標準時+1時間、南洋群島西部標準時は日本の中央標準時と同じであった。1937年に南洋群島西部標準時・南洋群島東部標準時の2つに再編している。1945年の敗戦による統治権の放棄により廃止した。

明石市立天文科学館

かつては、兵庫県明石市を通る東経135度の子午線における地方平均太陽時と定義されていた。子午線上にある明石市立天文科学館では、日本標準時を刻む大きな時計が設置されている。1978年に設置された2代目の時計は1995年阪神・淡路大震災で破損し、停止してしまったため、撤去されて神戸学院大学で展示されている。現在設置されている大時計は3代目であり、服部セイコーからの寄贈である。

South Ryukyu Islands時間[ソースを編集]

FreeBSDなど一部のUNIX系OSでは、1999年初頭までインストール時にタイムゾーンとして「Japan」を選択すると、選択肢として「Most Locations」と「South Ryukyu Islands」の2つの選択肢が現れ、「South Ryukyu Islands」を選ぶとタイムゾーンとして西部標準時 (UTC+8) が設定される問題が存在した。

これはこれらのOSがタイムゾーン設定の元データとして利用しているtzdataに誤って西部標準時に関するデータが含まれていたためである。これの元は「The International Atlas (3rd edition)」(Thomas G. Shanks、1991年)という文献において、「西部標準時が現在も石垣市を含む地域で使用されている」旨の誤った記載が行われていることが原因であった。

このことが雑誌「UNIX USER」(ソフトバンク)で取り上げられた結果、1999年にはtzdataから西部標準時が削除され、その後のバージョンでは「South Ryukyu Islands」という選択肢はなくなった。2006年4月1日にリリースされた、エイプリルフール版のFreeBSD 2.2.9-RELEASEでは、このバグがわざと残されている。

標準時の通報の歴史[ソースを編集]

標準時の通報や、有線/無線報時に関する歴史は次の年表の経過をたどる。

標準時の報時のはじまり[ソースを編集]

無線報時のはじまり[ソースを編集]

標準電波による標準時の通報[ソースを編集]

振り子時計から水晶時計へ[ソースを編集]

時刻、時間、周波数(時間の逆数)の乖離[ソースを編集]

原子的標準に基づく周波数と時間[ソースを編集]

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