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最高速度とは?

最高速度(さいこうそくど)とは法令の下で、道路車両が超えて進行してはならないとされる速度。制限速度規制速度とも言う。

世界各国の道路の最高速度の最大値。左側の標識はキロメートル毎時 (km/h)、右側の標識はマイル毎時 (mph)である。

目次

  • 1 概要
  • 2 世界の最高速度
  • 3 日本の法令
    • 3.1 通則
    • 3.2 法定最高速度
  • 4 新たな速度規制基準の検討
    • 4.1 高い評価を得ていた旧速度決定方法
    • 4.2 新しい規制速度の検討
      • 4.2.1 実勢速度の調査と85パーセンタイル速度
      • 4.2.2 基準速度の設定
      • 4.2.3 トラフィック機能に特化した道路
      • 4.2.4 生活道路
    • 4.3 規制速度の決定
  • 5 最高速度の決め方(一般道)
    • 5.1 一般道路
  • 6 最高速度規制の見直し
    • 6.1 旧基準での見直し
    • 6.2 現行基準での見直し
      • 6.2.1 1回目 速度規制基準の改定に伴う見直し
      • 6.2.2 2回目 片側2車線以上の道路での見直し
      • 6.2.3 3回目 交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する提言を踏まえた見直し
      • 6.2.4 3回の見直しの結果
      • 6.2.5 4回目 一般国道及び主要地方道の見直し
      • 6.2.6 規制見直しの事例
  • 7 最高速度の決め方(高速道路)
    • 7.1 本線車道
      • 7.1.1 規制区間長の考え方
      • 7.1.2 90 km/hおよび110 km/h以上の最高速度の指定時の問題
    • 7.2 本線車道以外
    • 7.3 高速道路等の最高速度引き上げの検討
      • 7.3.1 高速道路の最高速度120 km/hへの引き上げ試行
  • 8 最高速度設定の現状
  • 9 特定の状況における最高速度
    • 9.1 時間帯や特定の期間での速度規制
    • 9.2 悪条件下での速度規制
    • 9.3 夜間
  • 10 速度超過に対する取締り
    • 10.1 違反点数
    • 10.2 反則金
  • 11 脚注
  • 12 出典
  • 13 参考文献
  • 14 関連項目

概要

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この節の加筆が望まれています。 (2017年11月)

事故の件数と被害の大きさは車両の速度を増すに従い大きくなる傾向になると指摘されている。また、衝突発生時の運動エネルギーは速度の2乗に比例し、高速走行ほど事故が重大になりやすい。こうした中で交通安全の確保を目的として最高速度規制の必要性とされている。 また、最高速度の規制によって走行速度のばらつきを小さくして交通流を均一にさせることができると考えられている。更には、騒音などの交通公害を抑制し、沿道環境の保全をはかることも最高速度規制の狙いとなる。

最高速度には「絶対最高制限速度 (absolute speed limit)」と「一応の制限速度(英語版:prima facie speed limit)」の2種類の制度がある。「絶対最高制限速度」とは指定の速度を超過すれば理由・状況を問わず違反とされるもので、「一応の制限速度」が採用されている国では指定の速度を超過すれば法によって一応は違反ではあるが自分の走行速度が安全なものであると立証できれば違反とならないものである。

世界の最高速度

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この節の加筆が望まれています。

各国の最高速度」も参照

道路の最高速度は通常、国または地方政府が法令によって定める。世界で最も早い最高速度は160キロメートル毎時(以下 km/h と表記する)でありアラブ首長国連邦の高速道路に設定されている。

ドイツ高速道路(アウトバーン)は速度無制限となっているが、混雑が多い区間や勾配がある区間では、100 - 130 km/hの速度制限がなされている。近年では速度無制限区間は減少傾向にあり、アウトバーン全体の50 %に留まる。また、マン島では唯一、非市街地の一般道路での制限速度が設けられていない。

ほとんどの国で最高速度にキロメートル毎時 (km/h) が使用されているが、主にアメリカ合衆国イギリスではマイル毎時 (mph) が使用される。

日本の法令

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この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

日本の最高速度標識

ここでは日本道路において、法令の下で車両などが出すことのできる最高の速度について説明する。括弧内は標識の番号である。

通則

車両などは、その種類に応じて次に示す最高速度を超えて進行してはならない。すなわち、最高速度と同じ速度ならば進行しても良いが、1 km/hであっても最高速度より高い速度で進行してはいけない。追い越しをする際などに一時的に越える場合でも許されない。

以下、「最高速度」の道路標識 (323) や道路標示 (105) によって最高速度が指定されている区間を、単に最高速度が指定されている区間という。また、その指定されている最高速度は法的には指定最高速度というが、一般的な規制速度という言葉は特にこのことを指す。

  1. 車両(2 - 4号に挙げる車両を除く)
    • 最高速度が指定されている区間では、その速度(指定最高速度。以下同)
    • 指定されていない区間では、政令で定める最高速度(法定最高速度。以下同)
  2. 原動機付自転車、故障車などを牽引している車両、125cc以下の自動二輪車の通常牽引(牽引側・被牽引側ともに規定構造装置具備の場合をいう。以下同)
    • 最高速度が指定されている区間であっても、その速度が法定最高速度を超える速度である場合には、(法令上は指定されていないことになるので、)法定最高速度。指定最高速度が法定最高速度以下の場合には、指定最高速度。
    • 指定されていない区間では、法定最高速度。
  3. 緊急自動車
    • 最高速度が指定されている区間であっても、その速度が法定最高速度未満の速度である場合には、(標識令上は指定されていないことになるので、)法定最高速度。指定最高速度が法定最高速度以上の場合には、指定最高速度。
    • 指定されていない区間では、法定最高速度。
  4. 路面電車トロリーバス
    • 最高速度が指定されている区間であっても、その速度が軌道法で定める最高速度を超える速度である場合には、軌道法で定める最高速度。指定最高速度が軌道法で定める最高速度以下の場合には、指定最高速度。
    • 指定されていない区間では、軌道法で定める最高速度。

また、最高速度に違反するスピード違反車両などを取り締まる場合における緊急自動車には、最高速度に関する規定は一切適用されず、制限なしとなる。自動車警ら隊パトカー高速道路交通警察隊交通機動隊の高速パトカーなどによる取り締まりの場合がこれに該当する。

この他にも、同様に速度を制限する規制に徐行が存在するが、あくまで車両等がただちに停止することができるような速度を指し、具体的な速度は示されていない。

法定最高速度

法定最高速度(法定速度)は、次の区分に従い次のとおりとなる。ここで、本線車道とは、高速自動車国道または自動車専用道路の本線車線により構成する車道をいう。

  1. 高速自動車国道の本線車道のうち、対面通行でない区間
  2. 上記以外の道路
    具体的には、一般道路、自動車専用道路、高速自動車国道の本線車道のうち対面通行の区間(暫定2車線の非分離区間等)や登坂車線
    • 80 km/h(緊急自動車)
    • 60 km/h(自動車、自動二輪車)
    • 30 km/h(原動機付自転車)
  3. 特例(故障車等をけん引する場合、及び125cc以下の自動二輪車または原動機付自転車の通常けん引または故障車等けん引)
    • 40 km/h(被けん引側が車両総重量2トン以下で、けん引側が車両総重量で被けん引側の3倍以上の自動車(125 cc以下の自動二輪車以外)の場合)
    • 30 km/h(前号および次号以外)
    • 25 km/h(125 cc以下の自動二輪車または原動機付自転車の通常けん引または故障車等けん引)

なお、大型乗用自動車および中型乗用自動車のうち後部座席にシートベルトが装備されていない旅客運送事業に供する自動車(保安基準の緩和された路線バスなど)は、上記の道路交通法の規定の適用による最高速度と、60 km/hの、いずれか低い方の速度を最高速度として運行するよう指導されている。

新たな速度規制基準の検討

高い評価を得ていた旧速度決定方法

一般道路の幹線道路(注1)では、最高速度の制限は多くの場合60,50,又は40 km/hに設定されています。この最高速度の制限についてどのように思いますか。
(注1)片側2車線以上(4車線以上)の道路で両側に歩道があり、主として 通過交通に利用されている道路。(2006年)

制限が厳しいところが多い (23.6%)
制限が厳しいところや穏やかなところがあるがおおむね適当である (45.5%)
適当である (25.2%)
制限が緩やかなところが多い (1.6%)
わからない (3.3%)
その他 (0.5%)
無回答 (0.3%)

かつては最高速度は1979年に出された規制速度算出要領によって決められていた。これは、住宅や店舗が道路沿いにあるかなどで区分された算出表を用いて、車線数・車線幅や交差点の数、中央分離帯の有り無しをポイント化し、それを足した合計を四捨五入する形で決められていた。この規制速度算出要領は合理的な基準であったが、車線数によるポイントが大きいため、郊外の2車線(片側一車線)道路は安全な区間でもほぼ全て50 km/hが指定されることになり、逆に歩行者の保護が必要な道路では危険な速度が指定されることもあった。(とは言え、当時は法定速度が高速車 (60 km/h) と大型貨物等の中速車 (50 km/h) で異なっていたことにも留意する必要がある)

その後、中速車の区分が廃止されると同時に、1992年から規制速度決定手法に関する調査研究(平成元年度)で決定された標準規制速度算出表を基に道路構造、設計速度、交通の状況、交通事故の発生状況、沿道環境等の諸条件を総合的に勘案し、決定することになった。この基準によって、特に最高速度50 km/hが指定されていたような2車線道路で最高速度の引き上げが行われると同時に、事故防止や歩行者の保護などの理由で引き下げも行われた。

こうして決定されていた最高速度は道路や交通の実態に適しており、2006年の調査で運転免許所持者の7割以上が「適当」「おおむね適当」と回答するなど、高い評価を得ていた。

このように、日本の道路には「速すぎず、遅すぎない」適切な最高速度が設定されていたが、法定最高速度の上限60 km/hは1960年(昭和35年)から変更されておらず、さらに最後の規制速度を決定した調査から(2006年度時点で)17年も経過しており、その間に道路状況は変化しているため新たな速度規制基準として設定することが求められた。

新しい規制速度の検討

実勢速度の調査と85パーセンタイル速度

新たな規制速度の検討にあたって、85パーセンタイル速度を使用し検討することになった。これは天候や他の交通の影響を受けない場合に85パーセントの自動車が超過しない速度、すなわち100台の自動車が通過した場合速度が低い方から数えて85台目(高い方から数えて16台目)の自動車の走る速度であり、多くのドライバーにとって合理的で、速度制限の適切な基準であり、欧米では規制速度検討時の指標として利用されることが多い。

そこで、実勢速度を基にした速度規制を行うため、平成19年度に全国447地点で実勢速度の測定を行った。この速度データをもとに「市街地・非市街地」「車線数」「中央分離有無」「歩行者交通量」を変数とした数量化I類モデルを作成した。

実測値を基にした数量化I類による実勢速度の計算結果(85パーセンタイル速度)
アイテム カテゴリー カテゴリー係数

(回帰係数)


市街地・非市街地 | X1 | 市街地 | a1 | -3.54
X2 | 非市街地 | a2 | 2.73
車線数 | X3 | 2車線 | a3 | -3.55
X4 | 4車線以上 | a4 | 3.34
歩行者交通量 | X5 | 多い | a5 | -3.86
X6 | 少ない | a6 | 1.28
中央分離の有無 | X7 | 中央分離あり | a7 | 0.15
X8 | なし | a8 | -0.10
定数項 |  |  |  | 62.89

計算の結果、モデル式が目的変数をどの程度説明できるかを表す重相関係数の2乗の値は0.2265であった。この数量化I類モデルを利用し実勢速度を推定したのち、2008年(平成20年)に再び全国509地点の速度データから実測速度とモデル推定速度の適合度を検証したところ、乖離は最大で4.9 km/hであり、若干の乖離があるものの実測値とほぼ等しい結果が得られた。このモデル推定速度を使用して規制速度を検討する。

基準速度の設定

一般道路の法定速度の引き上げについて(2006年)

制限速度を上げる (16.4%)
今のままでよい (77.2%)
制限速度を下げる (2.6%)
わからない (3.3%)
無回答 (0.5%)

しかしながら、実勢速度は一般運転者が道路の状態や経験などから選択した速度によるもので、運転者によって視覚的に認識された危険性のみによって決定されている。そのため、非市街地でも住居が存在することを考えると、日本でドライバー本位の速度である実勢速度をそのまま規制速度としてしまうと交通事故が増加する恐れがあるため、交通事故抑制の観点から実勢速度である85パーセンタイル速度よりも低い速度制限を設ける必要がある。 そこで新たな全国一律の規制速度の基準となる速度として「基準速度」が導入されることになった。

基準速度の決定にあたって市街地、中央分離施設の設置されていない区間では事故の危険が高いことや、歩行者保護の観点を考慮したうえで85パーセンタイル速度を補正し10 km/h単位で設定されている。

ただし、日本の一般道路の多くは走行速度60 km/hを目標とした設計が行われているため、基準速度の上限は60 km/hに設定された。なお、法定速度 (60 km/h) については免許所持者に対する調査でも77.2 %が「今のままでよい」と回答している。

規制速度の決定においては、現場の状況に応じてこの基準速度を最大限尊重しつつ、原則10 km/hの範囲で補正を行い最高速度を決定する。ただし、後述するように基準速度60 km/hについては警察庁は上方補正を原則として行わないとしている。

トラフィック機能に特化した道路

最高速度の設定には区分ごとの実勢速度を基にして決定された基準速度を用いる。しかしながら、平成19年度(2007年)調査では、85パーセンタイル速度が80 km/hを超えるような道路が存在しており、これは基準速度の決定に使用された実勢速度を大きく上回っている。このような道路の中には道路構造の水準が高く、走行上の危険因子が少ない自動車の走行性を重視した道路が存在した。そのため、基準速度±10 km/hの範囲で設定した場合、道路の実態からかけ離れた速度が指定される可能性がある。

地域高規格道路宇都宮北道路では、2005年(平成17年)11月から主要区間の最高速度が60 km/hから80 km/hに引き上げられており、このような事例に基づき、歩行者が極端に少なかったり、道路の見通しが良いなど安全が確保される区間においては、基準速度の補正範囲内にとらわれることなく、個別に60 km/hを越える速度の指定を検討する。

トラフィック機能に特化した道路の特徴
【分類】
特徴
道路構造 | 
交通特性 | 

※ 一例であり、トラフィック機能特化道路の絶対条件ではない。

後述するように、実際の規制における定義とは異なる点に注意されたい。

生活道路

速度の低下を目的として設置されている狭窄(狭さく)

ブレーキを踏んだ際の停止距離は速度が大きくなるほど伸びる他、歩行者・自転車と自動車との接触時の速度が30 km/hを超えると急激に死亡率が高まるとされる。したがって生活道路では30 km/h以下の最高速度を設定することとした。

同時に大型自動車通行止め規制や、速度の低下を目的として舗装を盛り上げて凸型にするハンプ、車道を屈折させるクランク、車道部分を狭くする狭窄(狭さく)や車道を蛇行させるスラロームを設置したり、中央線の抹消や路側帯の設置、防護柵を設置する取り組みが行われている。

規制速度の決定

見通しが良く、速度が出やすい道路の例
免許所持者の根強い反対にもかかわらず、新しい速度基準では一般道でも補正の範囲内で70 km/h、場合によってはそれ以上の最高速度が指定される可能性があった。しかし、最終的にはこのような道路では60 km/hを超える速度は指定しないと決定された。

警察庁は2009年10月29日に通達を出し、規格の高い一般道路(中央分離帯があり、立体交差化された第3種1級や2級道路)については標識により法定速度 (60 km/h) を超える80 km/hまでの設定を認め、その他の一般道路についても実勢速度を基に40 - 60 km/hの基準速度を定め、個別の状況に応じて原則として基準速度から±10 km/hの範囲で各都道府県の公安委員会が規制速度を設定するという方針を伝達した。

なお、調査により作成された規制速度決定方法をそのまま導入したわけではなく、以下のような差異が見られる。

特に、基準速度60 km/hの道路は原則として70 km/hへの上方補正を行わないとした他、「自動車の通行機能を重視した構造の道路」についても「一般道路のうち、道路構造の水準が高く、走行上の危険因子が少ない自動車の走行性を重視した道路」と定義しているものの、指定には原則として上下線分離や立体交差が必要となったため、車道を横断する交通が存在する交差点や脇道がある区間は無条件で60 km/h以下となり、一般道での70 km/h以上の指定は極めて限定されることになった。しかし一般道において70 km/h以上の最高速度を指定することについては免許所持者にも慎重な意見が多く、一般道の法定速度 (60 km/h) について「今のままでよい」と「制限速度を下げる」を合わせるとおよそ8割にも上る他、道路の現在の規制速度を引き上げることについても、生活道路・幹線道路共に反対が賛成を上回っており、多くの運転者の意識にも適合する変更である。

ゾーン30の区域を示す標識

生活道路については原則30 km/hに設定する方針を定めたことにより、多くの生活道路の最高速度が引き下げられた一方で、最高速度20 km/h規制は原則として指定しないことになり、最高速度20 km/hの区間は減りつつある。

この通達により40 km/hや50 km/hの道路が法定速度 (60 km/h) に引き上げられたり、バイパスなどの地域高規格道路では80 km/hや70 km/hに引き上げられるケースも出た。同時に歩行者保護のため、ゾーン30規制を行うなど多数の道路で速度の引き下げを行っている。

最高速度の決め方(一般道)

一般道路

実勢速度を基にした一般道の最高速度の設定
日本の最高速度の決定には実勢速度(85パーセンタイル速度)を使用している。ただし、ドライバー本位の速度である実勢速度で走行することは危険であるから、交通事故抑制を考慮した実勢速度より低い「基準速度」を設定し、必要であれば原則10 km/hの範囲で補正を行い最高速度が決定される。
  1. 下記の基準速度一覧表より、道路に合致する基準速度を決定する。
    一般道においては実勢速度(85パーセンタイル速度)を基に規制速度を検討している。ただし、実勢速度は一般運転手によって決定されたドライバー本位の速度であり、このような速度を規制速度としてしまうと交通事故が増加する危険性がある。
    そのため、事故の危険性が懸念される実勢速度より低い速度で走行するよう、道路の区分ごとに実勢速度を推定した上で、歩行者等の保護など交通事故抑制の観点を考慮して、実勢速度を引き下げて決定された基準速度を導入している。ただし、日本の一般道路の多くは走行速度60 km/hを目標とした設計が行われているとして、基準速度の上限は60 km/hに設定された。
  2. 表から決定した基準速度を最大限尊重しつつ、補正要因の例示を参考にして原則として±10 km/hの範囲で補正を行い、規制速度を決定する。なお、表の要素以外による補正も可能である。

ただし、基準速度60 km/hについては警察庁は原則として70 km/hへの上方補正を行わないとしている。


一般道路の基準速度
【区分】
【地域】
【車線数】
【中央分離】
【歩行者交通量】
【85パーセン
タイル速度】
【基準速度】
基準速度の決定時に考慮した要因
(実勢速度からの引き下げの理由)
1 | 市街地 | 2車線 | -
 | 多い | 51.9 km/h | 40 km/h | 市街地,歩行者
2 | 少ない | 57.1 km/h | 50 km/h | 市街地
3 | 4車線以上 | あり | 多い | 59.0 km/h | 50 km/h | 市街地,歩行者
4 | 少ない | 64.1 km/h | 60 km/h | 市街地
5 | なし | 多い | 58.7 km/h | 50 km/h | 市街地,歩行者,中央分離
6 | 少ない | 63.9 km/h | 50 km/h | 市街地,中央分離
7 | 非市街地 | 2車線 | -
 | 多い | 58.2 km/h | 50 km/h | 歩行者
8 | 少ない | 63.3 km/h | 60 km/h | 基準速度の上限値
9 | 4車線以上 | あり | 多い | 65.3 km/h | 60 km/h | 歩行者
10 | 少ない | 70.4 km/h | 60 km/h | 基準速度の上限値
11 | なし | 多い | 65.0 km/h | 50 km/h | 歩行者,中央分離
12 | 少ない | 70.1 km/h | 60 km/h | 中央分離
(参考) | 
生活道路
主として地域住民の日常生活に利用される道路で
自動車の通行よりも歩行者・自転車の安全確保が
優先されるべき道路
 | 
生活道路や自動車の通行機能を重視した構造の道路は、基準速度とは異なり、この速度から±10 km/hの補正を行うわけではない。

 | 30 km/h
(原則) | ただし、例えば

等においては、個別の道路交通環境の実態を踏まえつつ
20 km/hを指定することができる。


(参考) | 
自動車の通行機能を重視した構造の道路
一般道(高速自動車国道および自動車専用道路を除く)で、原則として次のいずれにも該当する道路
  1. 設計速度が60 km/h以上
  2. 立体交差化
  3. 上下線分離
かつ安全が確保された道路
 | 70 km/h
または
80 km/h
(原則)
 | 70 km/h以上の最高速度を指定する場合は
交通事故発生状況を考慮するとともに
原則として歩行者、軽車両及び原付の
通行止め規制を実施すること
 | 
ここでは一般道について解説している。道路管理者により自動車専用道路に指定されている道路については、#最高速度の決め方(高速道路)節を参照。


  1. ^ 85パーセンタイル速度は「中央分離なし」として算出されているが、中央分離ありの道路では速度の検討は行われていないので、この基準速度は中央分離ありの道路にも適用される。
  2. ^ 「通行機能を重視した道路かつ安全が確保された道路」として扱うかどうか、あるいはどの区間を指定するかは都道府県の公安委員会が決定するので、基準速度60 km/h±10 km/hまで考慮すると、50 km/hから80 km/hの範囲で指定できる。(基準速度50 km/hなら40 km/hから80 km/h)

歩行者交通量多い
市街地 :701 人/12 h以上
非市街地:101 人/12 h以上
歩行者交通量少ない
市街地 :700 人/12 h以下
非市街地:100 人/12 h以下
規制速度設定時に基準速度を補正する主な要因
【観点】
【基準速度を下方補正するケース
(原則-10 km/hまで)】
基準速度を上方補正するケース
(原則+10 km/hまで)
安全性の確保 交通事故が多い
重大事故の発生割合が高い | 交通事故が少ない
重大事故の発生割合が低い
生活環境の保全 人家、商店が多い
通学路である
大気汚染、騒音に配慮する必要がある | 人家、商店が少ない
通学路でない
道路構造 歩道が設置されていない
視距が確保されていない
道路線形が悪い
路肩が確保されていない | 歩道が設置されている
視距が確保されている
道路線形が良好である
路肩が確保されている
沿道状況 沿道出入口が多い
交差点間隔が短い | 沿道出入口が少ない
交差点間隔が長い
交通特性 大型車混入率が高い
歩行者・自転車が多い
実勢速度が低い | 大型車混入率が低い
歩行者・自転車が少ない
実勢速度が高い

最高速度規制の見直し

旧基準での見直し

2009年に現在の速度規制基準へと改定される以前にも、1992年から規制速度決定手法に関する調査研究(平成元年度)に基づく速度規制の見直しが行われており、2003年(平成15年)から2007年(平成19年)に規制速度の見直しが行われた道路を調査したところ、引き上げが7割、引き下げが3割程度であった。

現行基準での見直し

2008年度末の40 km/hおよび50 km/hの規制総延長のうち、これまでの3回の見直しの対象となった合計(2016年度末)

見直し完了(引き上げ決定) (6.9%)
見直し完了(現状維持) (19.4%)
見直し対象外 (73.7%)

1回目 速度規制基準の改定に伴う見直し

速度規制基準が改定された2009年度(平成21年度)から新しい基準での速度の見直しが行われた。

一般道は新しい基準でも引き続き60 km/hを上限とすることが決定されたため、40 km/hまたは50 km/hの規制が行われている道路を見直し対象とした。

2009年度(平成21年度)から2011年度(平成23年度)までの点検・見直しにより一般道路の12,017 km(4,999区間)が検討対象となり、うち4,828 km(2,060区間)が引き上げられ、引き上げ率は40.2 %であった。

生活道路では30 km/hの区間規制や区域規制が広く行われた。

設計速度60 km/h以上や立体交差化などの条件を満たす道路で、法定速度を超える70 km/hまたは80 km/hの指定が可能になったことに伴い、20区間 (169 km) が検討対象となり、2013年(平成25年)3月末時点で9区間 (79 km) で引き上げが行われ、引き上げ率は45.0 %であった。

2回目 片側2車線以上の道路での見直し

2012年度(平成24年度)から2013年度(平成25年度)は片側2車線以上(4車線以上)の道路における50 km/h以下の最高速度規制を重点に規制速度の見直しが行われ、9,085 km(4,209区間)が検討対象となった。40 km/h以下の区間の中には、法定速度へは引き上げないものの50 km/hへ引き上げた区間もあり、合わせて800 km(386区間)が引き上げられ、引上げ率は8.8 %であった。

3回目 交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する提言を踏まえた見直し

2014年度(平成26年度)から2016年度(平成28年度)に、2013年(平成25年)12月の「交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する提言」を踏まえ出された通達を基に速度の見直しが行われた。現行規制速度と現在の基準である「交通規制基準」の基準速度との整合性を確認し、下方補正を行っている場合には、その合理性について判断した上で見直し対象路線とすることを検討するよう要請した他、提言を踏まえ実勢速度と乖離している道路での検討も要請した。

交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する提言

一般道路については、40 km/h規制、50 km/h規制を中心に交通事故の発生状況等を勘案しつつ、実勢速度との乖離が大きい路線を優先的に見直しを行っていくべき。

また、運転者が視覚から得られる情報のみでは判断できない理由に基づき規制速度を下方補正している場合には、国民に周知する必要がある。

実勢速度との乖離による見直しは、規制速度40 km/hまたは50 km/hの路線のうち、次のいずれかの条件に当たるものから、交通事故発生状況等も勘案して、各都道府県警察が抽出。

  1. 規制速度と実勢速度(85パーセンタイル速度)がおおむね20 km/hを超えて乖離
  2. 車道・歩道が分離された道路で、規制速度と実勢速度がおおむね10 km/hを超えて乖離
  3. その他、現行の速度規制の見直しを検討する必要があるもの

また、この通達を基に生活道路での速度規制の引き下げも進められた。

この見直しでは19,337 km(8,006区間)が見直し対象になり、2017年(平成29年)3月末までに5,000 km(2,610区間)で引き上げが決定され、引き上げ率は25.9 %であり、現在の基準での見直しでは最多・最長となった。一方で、実勢速度との乖離が見られる路線を見直し対象としたにもかかわらず、「通学路である」、「道路線形が悪い」、「人家等が多い」等の理由から74.1 %が現状維持とされた。

また、この間に見直し対象路線以外の路線で、438区間 (758 km) の規制速度が引き上げられた。

3回の見直しの結果

現在の基準での3回の点検・見直しを合計すると、平成20年度末の40 km/h及び50 km/hの規制総延長80,219区間 (153,274 km) のうち、見直し対象となった路線 (40,438 km) は延べ約26 %、引上げ決定路線 (10,627 km) は延べ約7 %となった。

見直しにより現状維持とされた路線や、引き上げ後も実勢速度と規制速度の乖離が見られる路線については、道路への減速表示や取り締まりの強化等、更に実効性のある速度抑制を図る対策を推進する。

4回目 一般国道及び主要地方道の見直し

これまでの3回の見直しにより、条件を満たす道路では70 - 80 km/hの指定が行われ、片側2車線以上の道路では法定速度 (60 km/h) へ引き上げられ、更に規制速度と実勢速度が乖離していた一般道でも、速度の引き上げにより乖離が縮小するなど大きな成果を上げた。しかし、各都道府県における点検対象路線の選定状況等を見ると、その取組度合に差異も見られた。そこで、今回は原則として全ての一般国道及び主要地方道を重点的な点検の対象とする。

次のいずれかに該当する区間を点検対象とする。

  1. 一般国道または主要地方道の規制速度が40 km/hまたは50 km/hである区間のうち、実勢速度が規制速度を10 km/h以上上回っている区間(これまでの3回の点検・見直しにおいて点検対象区間とされたものを除く)
  2. これまでの3回の最高速度規制の点検の取組において、警察として規制速度の引上げの可能性を積極的に検討していたが、住民等の理解が得られなかった等の理由により規制速度が現状維持とされた区間
  3. これら以外の区間のうち、各都道府県警察において点検の必要性を認めた区間

2017年度(平成29年度)末までに点検対象区間を抽出し、2020年度(令和2年度)末までに見直しが完了される。

規制見直しの事例

都道府県によっては速度規制の見直しが特に進んだところもあり、

最高速度の決め方(高速道路)

高速道路(高速自動車国道および自動車専用道路。以下同じ)では、実勢速度ではなく道路構造などから規制速度を決定する。

2009年以前はインターチェンジ間単位の設計速度を基準として車線数やトンネル等の道路構造、交通量等の交通環境、安全施設の整備状況、交通事故発生状況などを勘案して決定されていた。設計速度は道路構造令の規定であり、「天候が良好でかつ交通密度が低く、車両の走行条件が道路の構造的な条件のみに支配されている場合に、平均的な運転者が安全にしかも快適性を失わずに走行できる速度である」とされている。なお道路の幾何構造の要素には余裕を持たせているため、普通の運転者は線形等の条件が良ければ設計速度を超える速度で安全に走行することが可能であるとされている。

走行速度は道路形状によって大きく影響を受けるが、以前の基準では設計速度を基準にインターチェンジ間単位で最高速度を決定していたため、道路構造の良い場所では実勢速度との乖離が見られた。そこで、道路構造条件に対応した規制速度を指定するために、道路の設計速度ではなく、速度規制に必要な道路構造のいくつかの要素について道路構造令の設計速度を逆引きした構造適合速度を設定し、細かく最高速度を決定することになった。

本線車道

  1. 以下の項目の個別構造適合速度を個別に算出し、最小値をその地点の構造適合速度とする。必須条件以外については道路構造令の特例値(地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合に採用する緩い基準)を採用している。曲線半径以外の必須条件には道路構造令に特例値が存在しないため、曲線半径が基準を下回った場合を除き、構造適合速度
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    出典:wikipedia
    2019/05/21 21:42

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