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東日本大震災による電力危機とは?

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東日本大震災 > 東日本大震災による電力危機

東日本大震災による電力危機(ひがしにほんだいしんさいによるでんりょくきき)では、2011年3月11日東日本大震災以降、地震と津波で発電所などの電力設備が被害を受けたこと、また福島第一原子力発電所事故後に日本国内の原子力発電所が安全審査のため停止していることなどによって発生している、電力への影響を述べる。

震災直後の2011年3月は設備被害や原発事故に伴う電力供給低下により東京電力管内で輪番停電実施を伴う電力危機が発生、同年夏季には原発停止の影響が大きくなる中東北電力・東京電力・関西電力などの管内で、2011-2012年冬季には原発停止により関西電力・九州電力管内でそれぞれ節電を実施した。

2012年夏季以降も供給不足が懸念され節電が実施された一方、原発安全審査の妥当性、地元同意を主とした再開の是非、日本の原子力政策やエネルギー政策などが議論されている。

福島第一原子力発電所の事故については「福島第一原子力発電所事故」を参照

目次

  • 1 概要
  • 2 発電所等の被害
  • 3 被災した発電所の復旧と電力確保の動き
    • 3.1 発電所の復旧状況一覧
      • 3.1.1 東京電力
      • 3.1.2 東北電力
      • 3.1.3 日本原子力発電
      • 3.1.4 その他
    • 3.2 火力発電所の復活・増設
      • 3.2.1 火力発電所の長期計画停止号機の運転再開について
      • 3.2.2 火力発電所の緊急設置電源について
      • 3.2.3 火力発電所の増出力について
      • 3.2.4 震災以前からの火力発電所の建設計画と運転開始について
    • 3.3 その他の電力確保措置
  • 4 原子力発電所の安全性・再稼働問題
    • 4.1 全原発の運転停止へ
    • 4.2 運転再開への動き(2011-2012年)
    • 4.3 原子力規制委員会設置後
  • 5 2011年3月の計画停電
    • 5.1 東京電力
    • 5.2 東北電力
  • 6 2011年夏季の電力危機
  • 7 2011 - 2012年冬季の電力危機
  • 8 2012年夏季の電力危機
  • 9 2012年冬季以降
  • 10 使用側の電力危機への対応
    • 10.1 節電運動
    • 10.2 需給予測の精度問題
  • 11 その他の問題
    • 11.1 温室効果ガス排出量の増加
  • 12 脚注
    • 12.1 注釈
    • 12.2 出典
    • 12.3 参考文献
  • 13 関連項目
  • 14 外部リンク

概要

日本の電力網。明治時代に初導入された交流発電機の製造国が、東西で異なっていた事に由来し、東日本の商用電源周波数は50Hz、西日本は60Hzと異なる。融通可能な電力に余裕があっても、周波数変換所の能力が2011年3月現在100万kWに限られているため、これを超える電力を東西間で融通することは出来ない。

2011年3月11日東北地方太平洋沖地震が発生し、東北・関東の広い範囲で停電が起きた。東京電力管内では、茨城県全域など、405万世帯が停電した。東北電力管内では、3月11日の地震発生2時間後である午後5時時点で青森県秋田県岩手県全域、および山形県宮城県のほぼ全域、福島県の一部地域(福島市伊達市伊達郡など)が停電し、東北地方での停電は全体で約440万世帯にのぼった。

地震と津波で複数の発電所が停止したため、東京電力と東北電力では供給できる電力が不足した。電力の需要と供給のバランスが崩れると、管内全体の大規模停電につながる恐れがあった。そのため、両社管内での電力使用抑制を両社・政府が呼びかけて需要の抑制を図ったほか、被災した発電設備や電力流通設備の復旧、被災していない電力会社からの融通を実施した(電源周波数の違いにより、西・中日本からの融通には限界があり)。しかしピーク時の需要超過が予想されたため、東京電力と東北電力の管内では3月14日から、供給不足に陥ると予想される時間帯に地域を区切って順々に停電させる、輪番停電(計画停電)の実施の可能性があることを発表した。

東京電力の管内では、3月14日から28日にかけて計画停電を行った。周知の方法や区割り等を巡って混乱が発生したほか、停電に伴って社会活動全般に影響が生じた。東北電力の管内では他社からの融通などにより供給を確保し、実施せずに済んだ。その後は供給回復と需要抑制によって、計画停電を行わずに済むレベルで推移している(2011年末現在。なお両社では、需要が逼迫した場合には再び実施する可能性があるとしている)。

電力需要が少ない時期にあたる春は上記のように乗り越えたが、冷房などにより電力需要が年間のピークに達する夏季には再び供給不足に陥る可能性が懸念されたことから対策が検討され、政府は5月13日に東北電力・東京電力管内において夏季のピーク時間帯で需要の15%削減(ピークカット)を目指すことを発表した。また、契約電力500kW以上の大口需要家に対して電気事業法第27条に基づく法的拘束力のある「電力使用制限」を発動することを発表し、7月1日から9月上旬にかけて実施した。対象地域では大口需要家の企業を中心に様々な節電施策を実施し、家庭などでも社会運動として節電を行った。

一方で、福島第一原子力発電所事故によって原発の安全性に対する危機が高まったことで、日本国内各地の定期検査中の原子炉の再稼働が延期されはじめたほか、5月には運転中だった中部電力浜岡原発の4, 5号機を政府の要請により停止した。再稼働延期は徐々に増加していき、2011年2月に71%前後だった原発稼働率は、2011年12月には15%まで低下している。そのため、震災の影響を直接受けていないが原発依存度の高い関西電力九州電力で、電力需要が夏季に準じてピークに達する冬季に自主的な節電要請を行う事態となった。

発電所等の被害

東京電力
詳細は「福島第一原子力発電所事故」および「福島第一原子力発電所事故の経緯」を参照

地震後、福島第一原子力発電所の稼働していた1 - 3号機、福島第二原子力発電所の1 - 4号機が地震により停止した。福島第一原子力発電所の4 - 6号機は定期検査で停止中だった。福島第一原子力発電所では地震の影響で冷却水を供給するための電力を確保不能な状況に陥った。その後、原子炉格納容器内の圧力上昇、弁からの放射性物質の排出、水素爆発による建屋の崩壊、第一原発及び第二原発の周辺住民への避難指示が出されるなど、重大な原子力災害へと進展した。このほか、広野火力発電所の2・4号機、常陸那珂火力発電所の1号機、鹿島火力発電所の2・3・5・6号機、大井火力発電所の2・3号機、五井火力発電所の4号機、東扇島火力発電所の1号機が停止し、水力発電所も福島県内で14箇所、栃木県内で4箇所、山梨県内で4箇所、変電所も9箇所が停止した。一方新潟県柏崎刈羽原子力発電所は通常運転を継続した。

その後、五井火力発電所については3月12日午前1時までに運転を再開し、3月13日10時時点では水力発電所はすべて復旧、変電所の停止が4箇所に減少した。

また発電量の8割程度の供給を受けている日本原子力発電東海第二発電所で1基の原子炉が自動停止した。東海第二発電所では使用済み核燃料貯蔵プールから放射性物質を含む水が溢れた。

1ヶ月以上復旧に時間がかかった火力発電所もあり、鹿島火力発電所が4月6日から20日にかけて、常陸那珂火力発電所が5月15日に復旧している。また広野火力発電所は、2011年4月22日の区域縮小までは福島第二原発の屋内退避指示区域内だった事で復旧作業が遅れていたが、5月に区域から外れ復旧作業が再開された事で7月中旬に復旧する見通しとなり、2・4号機が予定通り7月中旬に復旧した。

以上の、地震に伴う複数の発電所の停止や送変電設備の被害により、電力不足になった。東京電力は、中部電力関西電力九州電力JR東日本から電力の融通を受けたものの、電力需給が逼迫しているとし、電力の節約を呼びかけるとともに、3月14日から輪番停電(計画停電)を実施した。

東北電力
津波により甚大な被害を受けた仙台火力発電所では懸命の復旧作業が行われた。(2011年6月7日撮影)

東北電力では、女川原子力発電所の稼働中だった1・3号機が自動停止、定期検査中で起動作業中であった2号機も自動停止した。1号機のタービン建屋地下1階にて発煙が確認されたが、消火活動により消火が確認された。この他に大きな被害の報告は無かった。青森県の東通原子力発電所は定期検査中で原子炉が停止していた。六ヶ所再処理工場では使用済み核燃料貯蔵プールから放射性物質を含む水が溢れた。このほか、八戸火力発電所3号機、能代火力発電所1・2号機、秋田火力発電所2 - 4号機、仙台火力発電所4号機、新仙台火力発電所1・2号機、原町火力発電所1・2号機、葛根田地熱発電所1・2号機、上の岱地熱発電所1号機、澄川地熱発電所1号機が停止したが、3月12日9時時点で秋田火力発電所の2号機は運転を再開している。現在は八戸・能代・秋田・仙台・新仙台・原町の火力発電所は運転を再開しているが、新仙台2号機は2011年10月末で廃炉された。

仙台火力発電所新仙台火力発電所は、津波被害で2011年夏期までに復旧は間に合わなかったが、12月11日に新仙台火力発電所が、12月20日に仙台火力発電所が復旧している。また、原町火力発電所福島第一原子力発電所の屋内退避指示区域内になっていたが、2011年秋に緊急時避難準備区域が解除となりようやく復旧作業が開始し、2013年3月29日に復旧している。

節電・停電問題の他、通常業務の検針も交通事情などの理由から3月14日から16日(一部地域は3月23日まで)の間、中止された。検針が中止となった対象の顧客への料金請求は、3月分を2月分と同一に請求し、請求差額分については、次回以降の請求額により精算する対応が発表された。

北海道電力

北海道電力は3月13日から津軽海峡の海底を通る送電線(北本連系)を使って、電線の最大能力である60万キロワット近い電力をほぼ毎日東京電力と東北電力に供給してきたが、4月7日夜の地震の直後から東北地方が停電した影響で送電の設備が自動停止し、電力の供給が止まった。その後、2011年4月8日夜に、最大送電能力60万キロワットのうち、30万キロワット分の運転を再開し、残る30万キロワット分も4月9日に再開した。それ以降、60万キロワットを、東北電力東京電力にフル送電している。なお、北海道の電力需要のピークは夏ではなく、冬であることなどから、北海道で夏に電力危機が起こる可能性はほとんどなく、節電要請は行わなかった。ただし北海道の冬の寒さは本土と比べて非常に厳しい事情を抱え、また電気代の再三にわたる値上げから、例えば札幌市交通局では2014年冬より、地下鉄全線で早朝を除く終日、市電では朝夕のラッシュ時に暖房を全面停止する措置を取った。

被災した発電所の復旧と電力確保の動き

発電所の復旧状況一覧

以下の発電所の情報は、地震発生時に稼働中かつ地震により停止した発電所を記している。

定格出力に関しては、連続して発揮しうる機器の最大能力のことである。全ての時系列は日本時間を元にしている。

東京電力

被災直後の情報は、東京電力2011年3月11日16時30分2011年3月11日18時30分2011年3月11日23時の情報を元にしている。

発電所名 | 号機 | 定格出力 | 復旧日 | 備考
各水力発電所 |  |  | 3月12日 | 福島県内15発電所、栃木県内3発電所、
山梨県内3発電所、群馬県内1発電所が停止した。
千葉火力発電所 | 2-1号 | 36万kW | 3月11日 | 
五井火力発電所 | 4号機 | 26.5万kW | 3月12日 | 
大井火力発電所 | 2号機 | 35万kW | 3月13日 | 
3号機 | 35万kW | 3月17日 | 
東扇島火力発電所 | 1号機 | 100万kW | 3月24日 | 
横浜火力発電所 | 8-4号 | 35万kW | 3月11日 | 
鹿島火力発電所 | 1号機 | 60万kW | 5月16日 | 1、4号機は停止中だった。
2号機 | 60万kW | 4月7日
3号機 | 60万kW | 4月6日
4号機 | 60万kW | 4月1日
5号機 | 100万kW | 4月8日
6号機 | 100万kW | 4月20日
常陸那珂火力発電所 | 1号機 | 100万kW | 5月15日 | 
広野火力発電所 | 1号機 | 60万kW | 7月3日 | 2011年4月22日まで福島第二原発の屋内退避指示区域内だった。
1・3・5号機は停止中だった。
2号機 | 60万kW | 7月11日
3号機 | 100万kW | 7月16日
4号機 | 100万kW | 7月14日
5号機 | 60万kW | 6月15日
福島第一原子力発電所 | 1号機 | 46万kW | 2012年4月20日廃止 | 詳細は福島第一原子力発電所事故を参照。
4〜6号機は定期点検中だった。
2号機 | 78.4万kW
3号機 | 78.4万kW
4号機 | 78.4万kW
5号機 | 78.4万kW | 2014年1月31日廃止 | 
6号機 | 110万kW
福島第二原子力発電所 | 1号機 | 110万kW | 未復旧 | 
2号機 | 110万kW | 未復旧 | 
3号機 | 110万kW | 未復旧 | 
4号機 | 110万kW | 未復旧 | 

東北電力

被災直後の情報は、東北電力2011年3月11日20時の情報を元にしている。

発電所名 | 号機 | 定格出力 | 復旧日 | 備考
各水力発電所 |  |  | 一部未復旧 | 
澄川地熱発電所 | 1号機 | 5万kW | 3月12日 | 
葛根田地熱発電所 | 1号機 | 5万kW | 3月14日 | 
2号機 | 3万kW | 3月13日 | 
上の岱地熱発電所 | 1号機 | 2.88万kW | 不明 | 停止中だった。
秋田火力発電所 | 2号機 | 35万kW | 3月12日 | 
3号機 | 35万kW | 3月12日 | 
4号機 | 60万kW | 3月13日 | 
能代火力発電所 | 1号機 | 60万kW | 3月13日 | 
2号機 | 60万kW | 3月14日 | 
八戸火力発電所 | 3号機 | 25万kW | 3月16日 | 
仙台火力発電所 | 4号機 | 44.6万kW | 12月20日 | 
新仙台火力発電所 | 1号機 | 35万kW | 12月11日
2015年9月16日廃止 | 1号機は長期計画停止中だった。
2号機 | 60万kW | 10月31日廃止 | 
原町火力発電所 | 1号機 | 100万kW | 2013年4月26日 | 2011年秋まで福島原発の屋内退避指示区域内だった。
2号機は停止中だった。
2号機 | 100万kW | 2013年3月29日
三居沢発電所(水力) | - | 0.1万kW | 3月14日 | 
女川原子力発電所 | 1号機 | 52.4万kW | 未復旧 | 
2号機 | 82.5万kW | 未復旧 | 原子炉起動作業中だった。
3号機 | 82.5万kW | 未復旧 | 

日本原子力発電

被災直後の情報は、日本原子力発電2011年3月14日プレスリリースの情報を元にしている。

発電所名 | 号機 | 定格出力 | 復旧日 | 備考
東海第二発電所 | 1号機 | 110万kW | 未復旧 | 

その他

発電所名 | 号機 | 定格出力 | 復旧日 | 備考
酒田共同火力発電
酒田共同火力発電所 | 1号機 | 35万kW | 3月14日まで | 
2号機 | 35万kW | 
相馬共同火力発電
新地発電所 | 1号機 | 100万kW | 12月27日 | 
2号機 | 100万kW | 12月19日 | 
常磐共同火力
勿来発電所 | 7号機 | 25万kW | 12月21日 | 長期計画停止中だった6号機(17.5万kW)は
2012年4月21日に運転を再開。
実証機は2013年4月1日より10号機として営業運転開始。
8号機 | 60万kW | 7月17日
9号機 | 60万kW | 6月30日
実証機 | 25万kW | 7月28日
鹿島共同火力
鹿島共同発電所 | 1号機 | 35万kW | 4月16日 | 長期計画停止中だった2号機(35万kW)は
2012年9月30日廃止。
3号機 | 35万kW | 6月7日
4号機 | 35万kW | 7月20日
新日鐵住金
鹿島火力発電所 | 1号機 | 50.7万kW | 3月25日 | 

火力発電所の復活・増設

各電力会社などでは電力不足対策として、老朽化などの理由で休止していた発電設備を再整備し再び稼働させる措置や、既存発電所敷地内でのガスタービンディーゼル発電設備の増設などを行い、一部は2012年夏に向けての稼働を目指して整備が進められている。

東京電力
設備の再稼働や増設が相次いで行われた横須賀火力発電所(2010年3月撮影)

東京電力は、運転休止中だった横須賀火力発電所3号機(35万kW)を6月19日から、4号機(35万kW)を7月6日からそれぞれ復活させ再運転させている。

4月下旬より順次ガスタービンの増設計画を発表した。横須賀火力発電所では、4月24日から14.4万KWの2号ガスタービン、6月2日から3万kWの1号ガスタービンを運転させている。また千葉火力発電所内では33.4万kW3基の設置を計画し、9月9日までに2基が運転開始し、もう1基は2012年7月に運転開始する予定である。更に5月16日常陸那珂火力発電所の敷地内に、ガスタービン発電機2基とディーゼル発電機計185基の合計約25万kWの緊急増設を発表、7月29日までにすべて運転開始した。

さらに同年7月末にかけて、横須賀火力発電所内に緊急設置電源として13台の移動ガスタービン発電機(合計32.96万kW)を設置した。大井火力発電所内で8月15日から12.8万kW、9月22日から8.1万kW、川崎火力発電所内で8月10日から12.8万kWがそれぞれ運転開始した。うち12.8万kWのガスタービン2基はタイ発電公社(EGAT)から東京電力へ無償貸与である。

東北電力

東北電力も運転休止中だった東新潟火力発電所港1号機(35万kW)を3月下旬から整備、6月1日に復活させた。常磐共同火力勿来発電所では長期計画停止中の6号機(17.5万kW)を2012年4月21日から再稼働している。

新潟火力発電所内にガスタービンの増設を行い7月30日から10.9万kWの5号機、12月18日から3.4万kWの6号機、東新潟火力発電所内でも同様に8月26日から5.38万kWの港3号系列機を、それぞれ運転している。なお2011年9月末の計画ではさらに、秋田火力発電所内に33.3万kWの5号機、東新潟火力発電所内に33.9万kWの5号機を増設し2012年7月までに運転開始した。

火力発電所のリスク

復活した発電所の中には老朽化の進んでいる設備が多く、2011年7-8月に国内の火力発電所がトラブルにより停止する事例が17件発生するなどリスクもある。2012年2月3日早朝には節電要請期間中であった九州電力管内で、定格229.5万kWの新大分火力発電所が全停止したが、前日に九州電力と隣接する四国電力管内で寒波による需要急増で供給予備率3%を記録していたことから、予期せぬ停電の可能性があった。

火力発電所の長期計画停止号機の運転再開について

2012年夏現在も長期計画停止中設備の運転再開には、ボイラ、タービンの腐食や発錆、ボイラ過熱管の肉厚薄化などの対策に、材料手配から修理まで2〜3年以上必要。

【長期計画停止号機と運転再開号機一覧】

【運営会社】
【発電所名】
【号機】
【出力】
【燃料】
【運転開始年】
【状態】

東北電力 | 新仙台火力発電所 | 1号機 | 35万kW | 重油 | 1971年 | 2011年12月11日再開、2015年9月16日廃止
東新潟火力発電所 | 港1号機 | 35万kW | 重油、LNG | 1972年 | 2011年5月31日再開
東京電力 | 横須賀火力発電所 | 3号機 | 35万kW | 重油、原油 | 1964年 | 2011年6月19日再開、2014年4月1日より長期計画停止中、2017年3月31日廃止
4号機 | 35万kW | 1964年 | 2011年7月6日再開、2014年4月1日より長期計画停止中、2017年3月31日廃止
5〜8号機 | 各35万kW | 1966年 | 長期計画停止中、2017年3月31日廃止
1号GT | 3万kW | 軽油 | 1971年 | 非常用。2011年6月2日再開、2014年4月1日より長期計画停止中、2017年3月31日廃止
2号GT | 14.4万kW | 都市ガス、軽油 | 1992年 | 2011年4月28日再開、2014年4月1日より長期計画停止中、2017年3月31日廃止
中部電力 | 渥美火力発電所 | 1号機 | 50万kW | 重油、原油 | 1971年 | 長期計画停止中、2017年度廃止
西名古屋火力発電所 | 1、2号機 | 各22万kW | 重油、原油 | 1970年 | 2013年11月30日廃止
知多第二火力発電所 | 2号機GT | 15.4万kW | LNG | 1983年 | 2011年8月2日再開
武豊火力発電所 | 2号機 | 37.5万kW | 重油、原油 | 1972年 | 2011年8月9日再開、2016年3月31日廃止
尾鷲三田火力発電所 | 1号機 | 37.5万kW | 重油 | 1964年 | 長期計画停止中
関西電力 | 宮津エネルギー研究所 | 1、2号機 | 各37.5万kW | 重油、原油 | 1989年 | 長期計画停止中
多奈川第二発電所 | 1、2号機 | 各60万kW | 1977年 | 長期計画停止中
海南発電所 | 2号機 | 45万kW | 1970年 | 2012年7月6日再開 2017年4月1日休止
中国電力 | 大崎発電所 | 1-1号機 | 25.9万kW | 石炭 | 2000年 | 長期計画停止中(設備不具合により休止)
四国電力 | 阿南発電所 | 1号機 | 12.5万kW | 重油 | 1963年 | 長期計画停止中
2号機 | 22万kW | 重油、原油 | 1969年 | 2011年12月9日再開、2016年8月より長期計画停止中
九州電力 | 苅田発電所 | 新2号機 | 37.5万kW | 重油、原油 | 1972年 | 2012年6月8日再開、2017年5月廃止。
唐津発電所 | 2号機 | 37.5万kW | 重油、原油 | 1971年 | 2015年6月30日廃止
3号機 | 50万kW | 1973年
大分発電所 | 1、2号機 | 各25万kW | 重油 | 1969年 | 2013年3月31日廃止
常磐共同火力 | 勿来発電所 | 6号機 | 17.5万kW | 重油 | 1966年 | 2012年4月21日再開、2015年11月20日廃止
鹿島共同火力 | 鹿島共同発電所 | 2号機 | 35万kW | 副生ガス、重油 | 1973年 | 2012年9月30日廃止

火力発電所の緊急設置電源について

  • 納期・据付期間等の工程面に合致する製品が市場にほとんどないこと、設置に必要なインフラ制約(電力系統、敷地、燃料設備)があるのが現状。
  • 東北電力、東京電力による緊急設置電源は、災害復旧のため環境影響評価法を免除された。
【緊急設置電源一覧】

【運営会社】
【発電所名】
【号機】
【出力】
【燃料】
【運転開始年月日】
【備考】

北海道電力 | 苫小牧発電所 | 2〜83号機(DE) | 7.438万kW | 軽油 | 2012年7月16日 | 複数機種構成。2017年10月廃止。
南早来発電所 |  | 7.416万kW | 軽油 |  | 南早来変電所構内に設置。2018年3月廃止。
東北電力 | 八戸火力発電所 | 5号機(GT) | 27.4万kW | 軽油 | 2012年7月2日 | 2014年8月6日CC方式へ移行、通常電源化(+12万kW)。
能代火力発電所 | (計40台) | 8万kW | NAS電池 |  | 不具合により2012年3月30日計画中止
秋田火力発電所 | 5号機(GT) | 33.3万kW | 軽油 | 2012年6月22日 | 
新潟火力発電所 | 6号機(GT) | 3.4万kW | 天然ガス | 2012年1月31日 | 2015年3月21日廃止
東新潟火力発電所 | 港3-1、2号(GT) | 5.38万kW | 軽油 | 2011年8月26日 | 2015年3月21日廃止
5号機(GT) | 33.9万kW | LNG | 2012年6月21日 | 
東京電力 | 常陸那珂火力発電所 | 1、2号GT | 5.14万kW | 軽油 | 2011年7月19日 | 2012年3月31日廃止
1〜183号DE | 20.183万kW | 1〜64号:2011年7月29日
65〜183号:2011年7月28日 | 複数機種構成。2012年3月31日廃止
鹿島火力発電所 | 7-1〜3号(GT) | 80.4万kW | 都市ガス | 7-1号:2012年7月12日
7-2号:2012年6月29日
7-3号:2012年7月19日 | 2014年6月18日CC方式へ移行、
通常電源化(+45.6万kW)。
千葉火力発電所 | 3-1〜3号(GT) | 100.2万kW | LNG | 3-1号:2011年8月28日
3-2号:2011年9月9日
3-3号:2012年7月10日 | 2014年7月31日CC方式へ移行、
通常電源化(+49.8万kW)。
姉崎火力発電所 | 1〜4号DE | 0.56万kW | 軽油 | 2011年4月27日 | 韓国現代重工業から無償提供。2015年3月廃止
袖ケ浦火力発電所 | 1-1〜102号GE | 11.22万kW | LNG | 2011年7月12日 | GE=ガスエンジン。2013年3月31日廃止
大井火力発電所 | 1号GT | 12.8万kW | 都市ガス | 2011年8月15日 | タイ発電公社(EGAT)から無償貸与。2014年4月1日廃止
2号GT | 8.1万kW | 2011年9月22日 | 2015年3月廃止
川崎火力発電所 | 1号GT | 12.8万kW | LNG | 2011年8月10日 | タイ発電公社(EGAT)から無償貸与。2014年4月1日廃止
横須賀火力発電所 | 3-1〜3号GT | 7.59万kW | 軽油 | 2011年8月2日 | 2013年3月31日廃止
5-1〜4号GT | 10.21万kW | 2011年8月2日 | 複数機種構成。2013年5月10日廃止
6-1〜6号GT | 15.16万kW | 6-1〜5号:2011年8月2日
6-6号:2011年6月30日 | 複数機種構成。2013年5月10日廃止
関西電力 | 姫路第一発電所 | 1号GT | 3.27万kW | LNG | 2012年8月8日 | 
2号GT | 3.27万kW | 2012年8月13日 | 
九州電力 | 豊前発電所 | 1〜3号DE | 0.36万kW | 軽油 | 2012年7月18日 | 2016年冬季から使用されず

火力発電所の増出力について

  • 過負荷運転や炭種変更、重油の専焼等による火力の増出力は、計画的または緊急時に対応している(あくまでも一時的である)。
  • 東北電力東新潟火力発電所3号系列(109万→121万kW)、4号系列(161万→170万kW)は運用見直しを行い、必要な手続きを経て2011年3月17日より正式に増出力。仙台火力発電所4号機(44.6万→46.8万㎾)も2017年4月に、新仙台火力発電所3号系列(98万→104.6万㎾)も2017年7月に正式に増出力。
  • 九州電力新大分発電所2号系列(87万→92万㎾)は2016年10月3日に正式に増出力。
  • 東京電力横浜火力発電所7号系列、8号系列(各140万→各150.8万㎾)はガスタービン等を更新したうえで、2015年から3年かけて増出力する。また、富津火力発電所2号系列もガスタービンなどの取替が順次進み、高効率ユニットの運転台数が増加したことから、一層の発電設備の効率運用を推進するために定格出力を100万kWから112万kWに変更(総出力は504万kWから516万kWに増加)した。
【増出力運転状況】

北海道電力 | 東北電力 | 東京電力 | 中部電力 | 北陸電力 | 関西電力 | 中国電力 | 四国電力 | 九州電力
1万kW | 11万kW | 64万kW | 10万kW | 1万kW | 10万kW | 6万kW | 1万kW | 6万kW

震災以前からの火力発電所の建設計画と運転開始について

震災以前より計画されていた火力発電所建設計画(または更新計画)と、震災以降に運転開始した号機を掲載する。

【火力発電所運転開始・建設計画一覧】

【運営会社】
【発電所名】
【号機】
【出力】
【燃料】
【着工(予定)】
【運転開始(予定)】
【状況】
【備考】

北海道電力 | 石狩湾新港発電所 | 1〜3号機 | 170.82万kW
(各56.94万kW) | LNG | 1号機:2014年10月
2号機:2018年4月
3号機:2024年4月 | 1号機:2019年2月
2号機:2021年12月
3号機:2028年12月 | 計画中 | CC方式
東北電力 |  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出典:wikipedia
2018/05/22 17:17

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