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武器とは?

この記事には参考文献や外部リンクの一覧が含まれていますが、脚注による参照が不十分であるため、情報源が依然不明確です。適切な位置に脚注を追加して、記事の信頼性向上にご協力ください。(2019年10月)
古代の石器。大きなものは、石斧として用いられたと考えられている。
飛行中のMGM-29A短距離弾道ミサイル

武器(ぶき、: weapon, armsラテン語: arma アルマ)は、戦闘や狩猟に用いる道具や器具の総称である。

広義では、戦争や軍隊で用いる兵器や武装、さらには人員・物資までも含めて「武器」とよぶ場合や、人間や動物がもつ社会競争で有効な長所や生き残りの手段を「武器」と比喩表現することまで含める場合もある(例:「逃げ足の速さが武器」「豊富な知識が武器」「コネクションの広さが武器」などなど)。

武器は殺傷、損傷、捕縛、破壊、無力化を元来の目的として攻撃能力を有する道具である。主な用途は戦闘と狩猟だが、それらを模して行われるスポーツ競技や演劇用の模造品・玩具がある。

人が手にして攻撃に用いれば様々な道具や物体が武器となる。握りやすくある程度の重みがあり武器としての使用に適するため、「柄のあるもの」、つまりは斧や銛(もり)、鎌(かま)、鎚(つち)のような農・工具、狩猟道具類は武器としての使用や転用がたやすく、それらから本格的な武器へと発展するものもあった。ダーク(短剣の一種)のように、非常時での武器としての使用を意図した道具もあり、武器と道具の関係は深い。

英語では「weapon ウェポン」「arms アームズ」と呼び、中国語では武器の他「兵器」(へいき)「器械」(きかい)と呼んでいる。それぞれの指す意味は日本語の狭義の「武器」と同一ではない。

武器の強弱はしばしば話題になるが、状況の変化によって長所が短所となりえるため「全てにおいて優れる」武器は存在しない。例えば槍の長所である「長さ」は、閉所には持ち込みすらできない、持ち込めたとしても十分には振り回せずに「短所」となる。破壊力の高い銃も弾薬の補給が滞れば本来の能力を発揮できず、またこのような銃は近距離では使えないものも多い。また複合武器の欠点は、複雑なため使いこなすには長期間の訓練が必要なこと、多目的武器は、どの用途に使っても専門の武器には及ばないことが上げられる。

そういった武器の構成要素として長さ・射程、重量、威力、速度・連射力、操作性などが問題となり、さらに軍での運用視点から見ると、操作に必要な熟練度、調達コスト、生産性、信頼度、耐久性、携帯性といった要素も問われる。隠密性を求める特殊な武器も存在する。それら長所や短所は、他の武器や兵科との組み合わせ、操法や戦術の工夫によってある程度補われる。

武器はその能力以外に民族や権力の象徴のような特別な意味を持つ場合がある。儀礼に用いる武器のほか、職権を示す職杖や魔よけなどがある。高度な技術を利用した武器は多く、財産的価値を持つものも多い。また装飾とは別に武器が持つ一種の機能美に美術的価値が見出される。

武器のエネルギー

武器に限らず、道具が効果を発揮するにはエネルギーが必要である。まず一つは動作を行うエネルギー源であり、もう一つが攻撃対象に作用するエネルギーである。武器の多くが対象へ物体を衝突させる運動エネルギーによる攻撃方法をとる。

人間の力をエネルギー源とする武器は、使用のたびにエネルギーを失う(疲労する)。これに対し、化学エネルギーをエネルギー源とした武器は、基本的に人力よりも大きなエネルギーを得ることができ、弾薬やバッテリーの交換によりエネルギーの回復が容易である。

運動エネルギー

前述の通り多くの武器が運動エネルギーによる攻撃、つまり物体を運動させ対象へと衝突させる攻撃を行う。 運動エネルギーは質量に比例し、速度(角速度)の2乗に比例する。 運動エネルギーを保持した武器は対象へと食い込み、構造を物理的に破壊する。 棍棒などの打撃武器は衝撃を対象内部へと浸透させて構造を破壊する仕組みをもつ。 青銅のような、硬く靱性(粘り)があり強度の高い材質は変形しにくく堅牢なため武器に向く。 硬さはあるが粘りがない材質(ガラス)は武器に成形しても自壊してエネルギーを逃がしてしまうため、武器には不向きといえる。ただし投射武器としては優秀な物となることがある。即席の打撃武器としても通用しやすく、また鋭利な刃物としても使うこともできるが、長くは維持できない(使用するたび切断力が落ちる)ため、あまり実用性はない。

これらの武器では、運動エネルギーを小さな断面積に集中させ、より大きな効果を得る構造をもつ。 メイスの出縁やの穂先は点に、刀剣は線に集中させる構造といえる。

人力

平治物語絵巻』(ボストン美術館蔵)に描かれた鎌倉時代武士薙刀で戦っている。
弓で鹿を仕留める源経基を描いた『貞観殿月』(月岡芳年「月百姿」)

伝統的武器のほとんどは人間の力をエネルギー源として武器を運動させる。多くは体やひじ・手を軸とした回転運動で、てこの働きにより大きな力となる。長い武器は回転半径が長くなるため効果もまた大きなものとなる。棍棒や剣を「振るう」動作はこの回転運動を利用する攻撃方法といえる。

これに対し、槍などの「突く」動作は「振るう」動作に比べると回転が小さく、動作から生まれるエネルギーは小さい。しかし、使用者もしくは攻撃対象の直線運動を効率よく加えることが可能となっている。 騎兵の槍での突撃と、騎兵に対する槍での防御を思い浮かべるとわかりやすい。また突く動作は動作が小さく「点」での攻撃のため防御されにくいという利点もある。また一点に力が集中するため、エネルギー自体は小さくてもあまり問題はない。

これら伝統的な武器は、単純に言えば、重く硬く長い武器を高速で運動させれば強力な攻撃を行える。ただし、大型の武器はモーメントが大きくなるため扱い辛く、充分に広い場所が必要になり疲労もまた大きい。また安定した足場が必要になるものも多い。またこのような武器(射撃武器などにもいえる)はできる限り構造は単純に構成するほうが強力になりやすく、利点も多い(機械構造を持つナイフでボタン一つで三叉になるものがあったが実用性、信頼性ともに悪かった)。

また、伝統的な武器はその見た目から、その痛みを想像しやすいものが多く、相手に恐怖を与えることが射出武器などよりも容易であり、心理戦においてこれは絶大な効果を持つ。

弾性によって射撃する弓、空気によって矢を飛ばす吹き矢などもあるが、根本が人力であるため大きな変わりはない。

武術
このような自身の体や武器を効率よく操るための技術体系として発展したものが武術である。特に一つの武器に修練を絞ったものは、その武器の名を冠して「○○術」あるいは「○○道」と言った呼び名を与えられる。剣であれば剣道剣術、槍であれば槍術などと日本ではこれらの(槍術の場合、上流階級が代々継承していることも多い。剣術の場合、“間合い”等の関係から全ての武術の基本と考えられているので、厳密には武器を持つほとんどの人も修練していることが多い。またこれら以外にも投石器火縄銃等を習う武士もいた)。流派によっては武器の操法にとどまらず精神修練も含めて修練を納める流派や、技そのものを学び個別の武器の操法を重視しない流派もあり内容は様々である。

他にも色々な武術がある。代表的なものとして、柔術水術(古式水泳)、砲術組討術など。

投射する武器では、射出あるいは投擲した後のコントロールはできない。そのため精神的なものを除けば、構えや射出方法がその技術の大半を占めている。特に銃は射出方法も機械式であるため武術的な修練は成立しがたいと考えられている。銃を使用する武術としてはCQBCQCで用いられる現代軍隊の近接戦闘術が近い。ただしCQCが行われる至近距離では銃器はむしろ使用されない。また銃を用いる銃剣術は銃と銃剣を用いた格闘術なので発砲をその技術に含んでいない。銃を用いた格闘術ガン=カタはフィクションの武術である。

火・燃焼

ベトナム戦争ナパーム弾を投下するアメリカ軍

熱エネルギーを燃焼する武器は人力以外では古い歴史を持つ代表的存在である。可燃物を延焼させる火の性質を利用するものと、燃焼によって生じるエネルギーを利用するものがある。

火炎・燃焼
人類の火の利用の歴史は古く、武器への利用もまた古代から行われていた。木製の建築物や船舶、陣地を焼き払うのに威力を発揮する火矢は広く世界で使われてきた。古くは可燃性の液体を用いたギリシア火薬、火薬を用いた焙烙玉があり、現代の火炎放射器焼夷弾は、大規模な延焼のみならず酸素消費、発生する煙・ガスによる窒息効果をもたらす。ロケット兵器や爆弾では可燃性の炸薬や推進剤に、火をまき散らす副次効果をもたせたものがある。
爆発
燃焼による急速な気体膨張は爆発と呼ばれ、特に膨張速度が音速 (sonic) を超えるものは爆轟(ばくごう)と呼ばれ超音速 (supersonic) の衝撃波を伴う。特に爆轟は大きな破壊力と爆風を生み出し炸薬の量と質によっては大規模な破壊を起こす。弾頭に炸薬を充填し命中時に爆発するミサイルは現代の軍事において重要な役割を担っている。小規模な爆発を利用した武器も多く、爆弾手榴弾砲弾は衝撃と爆風を利用する。これに対し、破片手榴弾や指向性対人地雷は、爆発によって破片や弾丸に運動エネルギーをあたえ飛散物による攻撃を行う。
発射薬・推進薬
銃は火薬の燃焼によって発生する高圧のガス圧力によって、弾丸を運動させる(発射する)武器である。火箭やミサイル・ロケット弾は燃料によって飛翔体を推進させる武器で、これらの中には発射時の速度が遅さと安定度の低さを補うため、発射薬で撃ち出し初速を得るものがある。

特殊なものでは、燃焼によって発生する光や煙を利用するものがある。発煙弾や閃光弾・曳光弾はそれらにより、視界を遮ったり逆に目印とすることを目的としている。原始的な化学兵器も燃焼によって発生する有毒ガスや煙を利用したものであった。

生物(兵器)

古代でも動物を兵器として利用する方法が模索されていた。もっともポピュラーなのは、土器のツボに毒サソリや毒ヘビなどを詰め投石機(カタパルト)で跳ばすというもので、特に密集している部隊や、軍船や要塞などの密閉した空間に対し絶大な混乱作用が期待できた。中世には病気で死んだ動物を投石機で城内まで跳ばし、病原菌を充満させ敵兵士に感染させ戦力を低下させるのに使っていた。

特殊な方法としては、確実性に欠けるが市街地を襲撃する際に、町から飛んできた鳥を重点的に捕まえて足に小さめの松明をくくり付けて放し巣に帰った所で巣に引火して、都合良く行けば家屋に火事(小火かできれば大火事)を狙い目標の混乱を誘い、突撃時の足がかりにする方法や、牛を野戦の陣地等に対し、前線突破の際、前列に布陣して強襲に使うなどがある。

電気

電気エネルギーは機械的な制御や発火装置などにも用いられるがここでは割愛する。電気エネルギーの大きな特徴の一つは、他のエネルギーとの交換が容易な点で、化学エネルギーとして電池などに蓄えられ、スイッチにより電気エネルギーが取り出され、さらに他のエネルギーへと変換される。 実際にレーザーなどの動力源として広く使用されている。エネルギー供給も容易でバッテリーや電池、発電機によって供給が可能である。

電気の性質を利用する武器ではスタンガンがある。対象に電極を当て高電圧かつ微弱な電流を送り込み、痛みとともに筋肉の痙攣を引き起こす。その形状は様々で携帯電話のような直方体型、ペンライト型、警棒型、電極を発射する銃型(テイザー)などがある。

電気エネルギーによって弾体を発射する銃や、電気エネルギー自体を発射する銃の発想は多く、理論までも確立されたものが殆どだが、技術的問題により実用化に至っているのは遊戯用の電動ガン程度である。

光線

YAL-1Aによる弾道ミサイル撃墜の想像図

電磁波を投射する光線武器はSFではおなじみの武器である。現時点では光線を制御する技術が不十分で、強力な光線を発生させるエネルギーの供給が難しいため、実用的な武器としての利用は少なく大型兵器での実用化が模索されている程度である。光は直進する性質を利用した低出力のものが、競技用ビームライフルや遊戯用の光線銃や、銃の照準としてレーザーポインターに利用されている。

目潰しを目的とした最も強力なものに、目潰し用レーザー (Blinding Laser Weapon) がある。目の網膜を損傷させ回復不可能なダメージを与える恐れがある「非人道的武器」として、またテロリストにうってつけの武器といえるため、実用化以前の研究段階ながらジュネーブ協定によって使用が禁止されている。

目をくらませる目的では他に閃光手榴弾(しゅりゅうだん)などもある。

また光線というよりも光そのものを武器とし、鏡による反射を利用した目潰しやかく乱、大鏡による着火を利用した兵器などは比較的古い時代から少数ながら存在する。

毒・化学物質

第一次世界大戦でのフランス軍による化学兵器使用。(1917年1月)

毒やある種の化学物質は少量で人体に機能異常を引き起こす。生体へ効果を与えるメカニズムはそれぞれに異なり様々である。効果は嘔吐や、昏睡・麻痺程度から、炎症、腐食、死と幅広く、効果の発現時間や持続時間もまた様々である。ちなみに毒も化学物質の一種であるため、化学兵器と毒を区別する明確な基準はない。

主に毒はとげや刃に塗布し傷口から体内へ注入される。先史時代から矢毒として狩猟に使用されており、軍隊の矢じりや暗器に塗布され効果を発揮した。アルカロイド系毒物のトリカブトキニーネクラーレが有名である。糞尿は傷口を化膿させる目的で毒として使用されることがある。

化学兵器は、効果が大規模で広範囲にわたるものや、科学的に成分を抽出したり合成したものである。史上最古の化学兵器は、紀元前429年に使用された石炭や硫黄を燃やし発生させた亜硫酸ガスとされている。従来の毒と異なり吸引や皮膚から体内へ侵入し効果を発揮し、ゴムを浸食する性質をもつものさえ存在する。必ずしもガス(気体)とは限らず、液体や固体を散布・飛散させて用いる化学兵器も存在する。

致死性はごく低いものの催涙弾催涙スプレーなども化学兵器の一種といえる。

には酵素の動きを阻害する作用があり、時として鉛中毒を引き起こす毒物として作用する。狩猟に使用した散弾による土壌汚染と、弾を飲み込んだ動物が死亡する事例が発生している。またそれらが食物連鎖によりヒトに蓄積される可能性があるため規制が議論されている。

その他

ガス(気体)を圧縮し圧力で弾を発射する空気銃は遊戯・競技用、狩猟用が主だが、実戦で使用されたものもわずかに存在する。また、圧搾空気による迫撃砲も第一次世界大戦で使用された例がある。水を発射する水鉄砲は遊戯用として一般的な玩具である。

弾性エネルギーを用いた武器では パチンコ銀玉鉄砲などがある。弾性体にエネルギーを蓄積(弓を引く、バネを縮める)して矢や弾を発射する。

原子力エネルギーを用いた武器には携帯型核弾頭からMIRVまで幅広く存在する。主に冷戦中に多く作られたが、2つの爆弾を除いて実戦での使用は無い。

武器の構造

日本刀の各部の名称

以下では代表的な構造を述べるが武器の種類や形態は幅広いため、ここに記すものとは異なる武器もまた多い。

なお、弓矢、およびそれらが使用する弾丸などの発射体については、それぞれの項目に詳しいので参照のこと。

大抵の武器では攻撃部位を「前」と見立てている。槍で言えば穂先が「前」、石突きが「後」となる。刀剣類はこの逆で帯刀した際に前に位置する柄の端、あるいは剣身を下にして上にくる柄端を「前」としている。しかしこれにも例外があり、中世以降の日本の刀では刀身の方向を「前」、逆端を「後」とする見方もあり両者が混在している。日本刀包丁などでは柄の接合部を柄首、逆端を柄尻と呼ぶと同時に柄尻部の金具を柄頭と呼んでいる。

武器を持ちやすくするために握る棒状の部分。機能と長さにより2種類に分かれる。

両者の区別は厳密なものではなく、長巻のように長い握りを備える中間的なものや、長柄の後端に握りを備える武器もある。

刃や棒を持ちやすくするため取り付けられる短い取っ手には棒状の他、緩やかに反ったものやリング型のものもある。剣身との間にをそなえる場合が多い。保持に必要な短い全長しかもたないが、手で握る位置にぶれが少ないため、握りやすい加工が施され保持力を高めている。凹凸や太さを変える形状の工夫と、刻み模様や糸や革を巻くことで摩擦を高め滑りにくくする方法が一般的である。柄と刀身を一体成型する方が頑丈ではあるのだが、金属材料の節約や軽量化、製造の工程数や手間の軽減を理由として別個に製作される場合が多い。

柄の剣身に対して逆の端を柄頭、ポンメル (Pommel) と呼ぶ(後述する長柄武器の柄頭とは別種である)。剣類の多くが大型のポンメルをもち、武器がすっぽ抜けるのを防ぎ、剣身に対するカウンターウェイトの役割をもつ、これによって重心が手の内に収まることにより重くても扱いやすくなる工夫。副次的に至近距離での打撃にも用いられる。装飾を施しやすい位置であり、中世カトリック系の騎士が用いた剣には聖遺物を納めたものがしばしば見られる。ただし、大きすぎるポンメルは手首の動きを阻害する。

柄には拳を撃ち合いから守る役割をもつ部品を取り付けたものが多い。これには剣身と取っ手の間の鍔(つば)や、拳の甲を守るナックルガードがある。柄頭と同様、装飾が施しやすい部位である。ナックルガードは柄の片端から逆端へ、握ったときに手の甲を守るように配置される。緩やかにそった棒・板状のものや、幅が広く編み込まれたような形状をもつかご状のものがある。

長い柄は握りであると同時に、武器を延長する構成部品でもある。主に木製でのように頑丈さと弾力を兼ね備えた木材が用いられる。柄頭が切り落とされるのを防ぐ目的で、しばしば鉄板などによって補強される。全金属製の長柄は重く扱いにくい上、温度変化が激しく手袋を着用しなければならないなどの理由で一般的ではなかったが、近現代になると軽量で一定の強度を持つステンレス鋼のような合金が登場したため、全金属製の長柄も広くみられるようになった。

柄頭

長柄の先に接続される攻撃部位。穂先・槍頭、槌状の槌(鎚)頭、斧頭、鉤、ピック、月牙、鎌など、役割や地域、時代により多種多様な柄頭がある。それらを複合的に組み合わせたハルバードのような複合型の柄頭の武器もある。

切断する鋭利な部位。刃の構造自体はくさびと同一で圧力を線に集中する。刃と言うと、金属製のものを連想しやすいが、鋭利さに差はあるにせよ他の材質でも刃を形成することは可能である。

単純に言えば厚みが薄く滑らかな刃の方が切れ味は高くなるが破損や彎曲を引き起こし易く、刃欠けや刃荒れも起きやすい。

さらに刺突を目的とした切っ先や穂先の刃がある。単純な貫通力で言えば必ずしも穂先に刃は必要ないのだが、穂先の刃は適度な重さと広い攻撃範囲をもたらし、深く刺さるにしたがって傷口を大きく広げる効果がある。

ちなみに、引き切る切断の仕組みは現代でも完全に解明されていない。引くことで刃がより鋭角となって切れるとする説と、摩擦力によって削り切るとする二つの説が有力となっている。

刀身・剣身

刀剣類の刃とそれを支える胴部の部品。刀剣は剣身の形状と刃の位置により分類される。一般的には胴部両側刃を備える両刃のものをと呼び、片刃あるいは刀身が彎曲したものをと呼ぶ。さらに刀のうち刀身がまっすぐのものは直刀、彎曲し反りのあるものを彎刀(曲刀)と区別している。片刃と言っても先端部分が両刃になっているものや、峰の中程まで両刃になった刀も多い。

片刃では彎曲の外側が刃となる外反りが主だが、内側が刃となる内反りククリ、鎌形のハルパーなどがある。刃を持たない刀身では、刺突用の錐状の剣身(剣針)をもつエストックスティレットフェンシングで使用するフルーレが有名である。また日本の十手や中国ののように刃がなく打撃を目的とした刀身を持つ武器もある(鉄刀兜割り朴刀フェンシングソード)。他に刃がない武器としては、相手の剣等を折る為の鈎針のような突起で覆われた、ソードブレイカーのような特殊な武器も存在する。

刀剣類の刀身はおおむね一つだが、柄の両端に複数の刀身を持つ金剛杵、四方へ刃が付きだした複雑な形状を持つアフリカ地方の投げナイフがある。長柄の武器になると複数の刀身を備えるものは珍しくなく、多機能の柄頭をもつハルバード、十字に組み合わせた穂先を持つ十文字槍、穂先に加え左右に月牙を配置した方天戟などがある。

鎖物・縄

棍、分銅、穂先などを接合する縄状やリング状の部位。武器に回転の軸(支点)をもたらし、特徴的な柔軟な挙動を行う。そのため中国ではこれらの武器を軟兵器と呼んでいる。フレイルのように関節が一つのもの、多節鞭のように複数の関節を備えたもの、流星錘羂索のように全体が縄の武器がある。関節が増えるにしたがって、全体のしなる動きが大きくなる。縄が命中した部分は新たな軸となり回転し絡みつく動きになる。

縄の先に武器を結わえた武器は、絡みつくだけでなく、武器部分を回転させて勢いを付け投射する機能をもち、また縄をたぐりよせることでその回収が可能である。これらには鎖鎌や剣鏢、流星錘などがある。これら軟兵器はその挙動ゆえに防御が難しいが、使用者にとっても操りにくく自らを傷つけることさえ起こる。

鉤(かぎ)、フック (hook) は彎曲した先端をもつ爪・棒状の部位。名称の通り対象を引っかけて、引き寄せたり、引き倒したりする機能をもつ。また鉤に対象を挟み込み拘束するのにも用いられた。近世以前の海上戦では、鉤縄や鉤状の長柄武器によって船を接舷させる道具兼武器として頻繁に使用された。この鉤を防御的な受けに使用する十手のような武器もあり、特に刀や細い剣の刀身ならばひねって折ることも可能である。直接的に殺傷する要素は薄いため、警備や捕り物武器では鉤の機能を取り入れたものが多く見られる。

暗器

暗器護身暗殺を目的とした隠密性の強い武器の総称である。隠し持つという性質上、倫理的な意味合いで是非に関する意見が分かれる。

隠密性を得るには、武器そのものを小型あるいは折り畳んで小さくするものと、擬態によるものがある。擬態では、仕込み刀のように他の道具に武器を仕込む場合と、鉄扇のように通常の道具を金属製にして強度を持たせたものがある。さらに考えを推し進め、通常の道具そのものを武器として使用する技の研究も行われた。中国武術ではこれら道具型暗器の套路が多く見られる。戦闘時の奇襲効果を狙い、武器にさらに武器を仕込んだものも暗器とされる場合がある。穂先を仕込んだ十手や、発射可能な刀身をもつスペツナズ・ナイフなどがある。戦闘専用の武器に比べると暗器自体の戦闘力は低いため、攻撃目的では毒を用いる場合が多い。

機械

機械式の武器の攻撃機構にはいくつか共通する構造がある。引き金やボタンのようなエネルギーの解放装置と、エネルギーを蓄える装置である。以下に一例をあげる。

歴史

武器の発展に影響を与える戦術や技術の変遷等、歴史的背景については軍事史も併せて参照のこと。

石器・自然物

中石器時代の石器

武器の歴史は古く、人類の祖先が二足歩行をはじめた猿人時代から武器を使用していた。木、骨、石などを手に握り狩猟に用いたと考えられているが、それらは遺物として残りにくく、出土してもそれと明確に判別できないため推測の範囲にとどまっている。旧石器時代には、石斧、握斧やナイフ、手斧、棍棒中石器時代には弓矢が発明された。ヘビ毒やアルカロイド等の毒物を塗布しての利用も行われた。石、木やつたなどの自然物、動物の革や骨角やスジを用いて武器が作成され、加工や組み合わせの工夫もされたが、武器としては脆弱で耐久性に難があるため、投射するか、罠で捕まえた動物に対して使用される程度であったと考えられている。

金属精錬技術が伝わらなかった地域や、鉱石に恵まれなかった地域ではその後も自然物を使った武器が使われ続けた。代表的な地域としてオーストラリアや太平洋諸国、アメリカ大陸があげられる。

自然物の中でも、木は調達が簡単で安価かつ軽量と性質に長所が多いため、金属が発達しても広く使われ続けている。

新石器時代(紀元前8500年頃)に原始的な定住農業が始まると共に戦争の規模が拡大し、武器も対人用途を重視するようになっていった。

日本では、旧石器時代から狩猟用や生活用具としての石器がみられ、縄文時代には狩猟用や生活道具としての石器や弓矢が発明されている。とくに弥生時代中期になると畿内に突如として重さも重く、深く突き刺さりやすい形の石器(石鏃)が大量につくられた。石槍も発達した。この事情から弓矢が狩猟用から武器に変質したと考えられる。また、金属器では銅鏃・鉄鏃、銅剣・銅矛・銅戈(どうか)、鉄剣・鉄戈などがある。しかし、青銅製や鉄の武器は実用よりも祭祀用に使われることが多く、弓矢が武器の中心を占めていたのではないかと推測できる。

金属製武器の登場

紀元前4世紀頃の古代ギリシャで製造された製の

紀元前6000年 - 5000年ごろからメソポタミア文明で銅の冶金技術が発達するが、材質として柔らかすぎるため儀式用の短剣などを造るにとどまっていた。紀元前3500年頃にスズとの合金青銅が発見されると、銅に比べ十分な硬さをもち、研磨や鋳造・圧延等の加工が可能であったため、大型の金属製刃をもつ戦斧などが登場した。本格的な鉄器・鉄製武器の登場は、紀元前1500年頃にヒッタイト文明が精錬技術を得たのに発する。それまでも隕石に含まれる鉄(隕鉄)はあったものの、ごく少量の利用にとどまっていた。青銅と比べ含有鉱石が多く安価で大量に生産できたので、ヒッタイト文明が周囲諸国を滅ぼした大きな原動力となった。紀元前1200年頃にヒッタイト文明が滅亡すると、秘匿されていた製鉄技術は世界へ広がっていった。その後、鋼や刃を強化する数々の技術(焼入れ、焼き直しなど)が発見され、鉄製武器は武器の主役となった。

ただし、融点が低く自然発見がたやすかった銅は、生産性でこそ鉄に劣っていたものの、初期の鋳鉄と比べれば強度に差は認められなかった。春秋戦国時代に中国を統一したは、成熟した技術で造られた青銅製の武器を使用して、鉄製武器を使用する周辺国を打ち破っている。その剣の切れ味は鉄と同程度であったと伝えられている。また、青銅は戦場の主流から退いたものの、精錬の仕方により白銀色や黄金色の光沢を持つため、その後も儀式用や装飾性の強い武器に用いられた。地域によっては、青銅と鉄の伝播時期が重なり、青銅器時代が短期間で終わった文明や、青銅器時代そのものが存在しない地域もあった。

鉄の登場以降、戦術の変遷や流行、地域性にも左右されるが、防具の重装化とそれに対する武器の大型化が進んでいった。武器の技術的な伝播と発展に大きな影響を与えた国家の興亡では、前述のヒッタイト文明の製鉄技術、十字軍によるイスラーム諸国とカトリック諸国の戦争や、モンゴル帝国による東西の技術交流があげられる。

銃の登場

元寇モンゴル帝国が使用したとされる火器「てつはう」

13世紀後半の中国で誕生したが、15世紀前半のアナトリアで改良され、武器のあり方を大きく変化させた。中国で使用されていた火器が、13世紀のモンゴル帝国の遠征と交易によって中東へと伝播して、アナトリアで銃が発展したと考えられている。

銃は従来の武器に比べ、格段に優れた点と欠点をもっていた。重装化された鎧を貫く高い破壊力を有した。一方、装弾の手間による射撃間隔の長さ、水気に弱いといった特徴がある。近接攻撃力と防御力および突破力に欠ける弱点があった。

火器の発展に伴い近接武器も大型の近接武器は姿を消し、軽い刀剣類が主流となる。銃の長所を伸ばし弱点を補う改良と運用の研究が行われ、軍隊の中心武器へと比重を高めていくことになる。初期では銃兵による射撃、射撃の間隙(かんげき)を突く騎兵、長槍を装備した槍兵による防御を組み合わせて運用されたが、銃剣の発明により銃兵が白兵戦に対応可能となったため槍兵は姿を消した。17世紀に片手で操作できる本格的な小型拳銃(ピストル)が誕生すると、馬上射撃用として普及し抜剣突撃戦術と併せて騎兵の有用性を高めた。

その後も、弾薬自体を複数備えるリボルバーや連装化、装填する弾薬と火薬を梱包する薬莢と実包の登場。弾道を安定させるライフリング、先込めに比べ装填が楽な後装式など、次々に改良が行われた。

15世紀末に始まるヨーロッパ人による植民地経営にも携行され、殺害や戦闘に用いられた。特に金属製の剣や銃は金属技術を持たない文明を圧倒し、文明の滅亡と大規模な殺戮を生んだ。

近代

第一次世界大戦ドイツ軍が使用したMG08 水冷式機関銃
第一次世界大戦
1914年から始まった第一次世界大戦は、据え付け式の大型銃器や、火砲、兵器が次々と登場した世界規模の大戦争である。この時の先進国の軍隊の多くはボルトアクション方式の後装式ライフル銃を標準装備としていた。自動拳銃の黎明期にあたり、連射が可能な銃も登場しはじめた。機関銃の弾幕により騎兵の突撃はほぼ無力化された。歩兵の突撃も困難であったため要塞戦塹壕戦が発生した。塹壕突破には、迫撃砲クロスボウによる爆発物投擲、爆薬戦車のような兵器、化学兵器(毒ガス)の散布など様々な武器兵器が使用され、塹壕の中ではナイフや即席の棍棒、スコップを使用する格闘戦がしばしば発生した。特に主戦場となったヨーロッパ地域では総力戦の様相を呈した。武器の精密化がすすんで構造的な遊びが少なくなり、他の弾薬が使用出来なくなったことや、連射性能の向上により弾薬消費量が増大したことから、深刻な弾薬不足が生じた。中でも弾丸はあるのに規格が合わず使えない状況から、弾薬規格を共通化する概念が生まれた。
ごく初期の航空戦は飛行機が偵察任務を目的とし武装が施されていなかったため、パイロットが銃で撃ちレンガや爆弾を投擲する攻撃が行われた。
第二次世界大戦
第二次世界大戦中期からは、機械によって装填を行う自動式小銃も本格的に用いられはじめる。特にドイツでは歩兵用としてバランスのとれたアサルトライフルの基本概念が確立されたが、実戦配備が1942年後半と遅く従来のボルトアクション式ライフルを代替することはなかった。地上での戦闘は飛行機による航空支援のもと、戦車・火砲と歩兵の随伴が基本となったが、戦場での中核を占める兵器に対抗する武器も開発され、バズーカを始めとする無反動砲や、パンツァーファウストのような携帯式グレネードランチャーが対戦車武器として使用された。
第一次世界大戦を先訓として弾薬規格を絞り込む動きはあったものの、銃のテクノロジー自体が模索状態であり様々な新型銃が生産された。政治的理由も重なり、前大戦と同様に弾の規格が合わない状況が至る所で発生した。

第二次大戦後

5.56x45mm NATO弾NATO加盟国の各国で標準化されており、多くの小火器で使用できる。

第二次大戦後、共産主義陣営(東側)と資本主義陣営(西側)の対立(冷戦)が生じた。これにより武器の技術や規格は大まかに東側(共産主義)と西側(資本主義)に分かれることとなった。この東西両陣営と、さらに異なったイデオロギーをもつイスラム国家は、植民地の民族独立運動や第三世界の国家運営に介入し、武器の供与などを行ったため、紛争を拡大させ慢性的な紛争地域やゲリラやテロを生む土壌を作った。

大戦後に活発化した民族独立運動では、第二次世界大戦により現地に残されていた

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出典:wikipedia
2020/07/14 15:50

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