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熱中症とは?

【分類および外部参照情報】

診療科・
学術分野

集中治療医学[*]
ICD-10 T67.0
ICD-9-CM 992.0
DiseasesDB
5690
MedlinePlus
000056
eMedicine
med/956
MeSH
D018883
【熱疲労】

【分類および外部参照情報】

診療科・
学術分野

集中治療医学[*]
ICD-10 T67.3 - T67.5
ICD-9-CM 992.3 - 992.5
DiseasesDB
5690
eMedicine
emerg/236
MeSH
D006359
ヒトの体温分類
 | 
深部体温(直腸、食道など)

低体温 | <35.0 °C (95.0 °F)
平熱 | 36.5–37.5°C (97.7–99.5 °F)
発熱 | >37.5あるいは38.3 °C (99.5 or 100.9 °F)
高体温 | >37.5あるいは38.3 °C (99.5 or 100.9 °F)
超高熱 | >40.0あるいは41.0 °C (104 or 105.8 °F)


熱中症(ねっちゅうしょう、: hyperthermia)とは、暑熱環境下においての身体適応の障害によっておこる状態の総称である。本質的には、脱水による体温上昇と、体温上昇に伴う臓器血流低下と多臓器不全で、表面的な症状として主なものは、めまい失神頭痛吐き気、強い眠気、気分が悪くなる、体温の異常な上昇、異常な発汗(または汗が出なくなる)などがある。また、熱中症が原因で死亡する事もある。特にIII度の熱中症においては致死率は30%に至るという統計もあり、発症した場合は程度によらず適切な措置を取る必要があるとされている。また死亡しなかったとしても、特に重症例では脳機能障害や腎臓障害後遺症を残す場合がある。

屋内・屋外を問わず高温や多湿等が原因となって起こり得る。湿球黒球温度21 - 25℃あたりから要注意になるといわれている。国立衛生研究所の資料によると、25℃あたりから患者が発生し(段階的に増え)、31℃を超えると急増する。

日射病とは違い、室内でも発症するケースが多い。高温障害で、日常生活の中で起きる「非労作性熱中症」と、スポーツ仕事などの活動中に起きる「労作性熱中症」に大別することが出来る。

目次

  • 1 分類
    • 1.1 熱中症の重症度分類
    • 1.2 熱中症の種類(国際分類)
      • 1.2.1 熱失神(heat syncope)
      • 1.2.2 熱痙攣(heat cramps)
      • 1.2.3 熱疲労(heat exhaustion)
      • 1.2.4 熱射病(heat stroke)
  • 2 原因
    • 2.1 環境
    • 2.2 学校管理下
    • 2.3 素因
  • 3 予防
    • 3.1 尿の色
  • 4 治療
    • 4.1 現場での措置
    • 4.2 鑑別疾患
    • 4.3 医療機関における治療
    • 4.4 予後
  • 5 疫学
    • 5.1 熱帯地方
  • 6 ペットの熱中症
  • 7 脚注
  • 8 出典
  • 9 関連項目
  • 10 外部リンク

分類

熱中症の重症度分類

熱中症の重症度分類(日本神経救急学会による。新潟大学保健管理センターより引用)
【分類】
【症状】
【対応例】
従来の分類
I度
(軽症) 眼前暗黒、気分が悪い、手足のしびれ
四肢・腹筋痙攣こむら返り、筋肉痛、硬直
血圧低下、皮膚蒼白 | 日陰で休む
水分補給
衣服を緩めるとともに体を冷やす | 熱痙攣、熱失神
II度
(中等症) 強い疲労感頭痛吐き気、倦怠感
脱力感、大量発汗、頻脈、めまい下痢 | 医療機関での治療(輸液)、管理 | 熱疲労
III度
(重症) 深部体温上昇
脳機能障害による意識混濁、譫妄状態、意識喪失
肝臓機能障害・腎臓機能障害
血液凝固障害 | 救急車で救命医療を行う医療施設に搬送し治療、管理 | 熱射病

III度熱中症の診断基準は

の3つを満たすもの。血液凝固は体温の過度の上昇によって体タンパク質が壊れ内出血をした結果、内出血を止めるために血液が凝固するために起こる。言い換えれば、熱射病になった後に起こる症状である。

熱中症の種類(国際分類)

【】
【重症度】
【意識】
【体温】
【皮膚】
発汗
熱失神 Ⅰ度 | 消失 | 正常 | 正常 | (+)
熱痙攣 Ⅰ度 | 正常 | 正常 | 正常 | (+)
熱疲労 Ⅱ度 | 正常 | 〜 39℃ | 冷たい | (+)
熱射病 Ⅲ度 | 高度な障害 | 40℃〜 | 高温 | (-)

病態生理学に基づいた国際分類では下記のような用語が用いられている。

熱失神(heat syncope)

原因
直射日光の下での長時間行動や高温多湿の室内で起きる。発汗による脱水と末端血管の拡張によって、脳への血液の循環量が減少した時に発生する。
症状
突然の意識の消失で発症する。体温は正常であることが多く、発汗が見られ、脈拍徐脈を呈する。
治療
輸液と冷却療法を行う。
分類
I度

熱痙攣(heat cramps)

原因
大量の発汗後に水分だけを補給して、塩分ミネラルが不足した場合に発生する。
低ナトリウム血症」を参照
症状
突然の不随意性有痛性痙攣硬直で生じる。体温は正常であることが多く、発汗が見られる。
治療
経口補水液(水1Lに対し砂糖40g、3g)の投与を行う。
分類
I度

熱疲労(heat exhaustion)

原因
多量の発汗に水分・塩分補給が追いつかず、脱水症状になったときに発生する。
症状
症状は様々で、直腸温は39℃程度まで上昇するが、皮膚は冷たく、発汗が見られる。
治療
輸液と冷却療法を行う。
分類
II度

熱射病(heat stroke)

かつては高温多湿の作業環境で発症するものを「熱射病」、日光の直射で発症するものを「日射病(sun stroke)」と言い分けていたが、その発症メカニズムは全く同じものであり、最近では「熱射病」に統一されつつある。

原因
視床下部の温熱中枢まで障害されたときに、体温調節機能が失われることにより生じる。
症状
高度の意識障害が生じ、体温が40℃以上まで上昇し、発汗は見られず、皮膚は乾燥している。
治療
死の危険性のある緊急事態であり緊急入院で速やかに冷却療法、人工透析、輸液を行う。
分類
III度

原因

環境

学校管理下

事故事例
事故事例1を参照
事故事例2を参照
事故事例3を参照
事故事例4を参照
判例

素因

予防

根本的には環境温度を熱中症を発症する温度以下にすることである。しかし、熱中症を発症の危険性がある温度環境下で過ごす場合は、人に対する対策が必要である。

特に運動中に際して冷たい飲み物を飲み、極端な運動を避け、涼しい風呂やシャワー、体に水をかける、明るい色のゆるい服装、熱い時間帯の直射日光を避け、酒の飲みすぎを避ける。

外気温が35度を超えると、外部から熱も入ってくるようになる。水分を摂るのは、人間は汗を出して体温調整しているので水分が必要になるということである。28度というのは室内温度の目安であって、エアコンの設定温度のことではなく、設定した温度にならないこともあれば、28度でも西日が入り暑いということもある。

厚生労働省による『H27熱中症予防リーフレット』などによれば、下記の例が予防策として上げられている。

暑さを避ける。
こまめに水分補給をする。

運動時における予防策として日本体育協会により下表の様な「熱中症予防の為の運動指針」が掲げられている。

熱中症予防の為の運動指針 日本体育協会(2013)による
湿球黒球温度
(WBGT) 【湿球温度
(℃)】
【乾球温度
(℃)】
熱中症予防のための運動指針
31 - | 27 - | 35 - | 運動は原則中止 | 特別の場合以外は禁止。
特に子供の場合は中止すべき。
28 - 31 | 24 - 27 | 31 - 35 | 厳重警戒
激運動中止 | 激しい運動や持久走などは避ける。
積極的に休憩を取り、水分補給。
体力の無い者、暑さに慣れていない者は運動中止。
25 - 28 | 21 - 24 | 28 - 31 | 警戒
積極的休憩 | 積極的に休息をとり、水分補給。
激しい運動では、30分おきぐらいに休息。
21 - 25 | 18 - 21 | 24 - 28 | 注意
積極的水分補給 | 死亡事故が発生する可能性がある。
熱中症の兆候に注意。運動の合間に水分と塩分を補給。
- 21 | - 18 | - 24 | ほぼ安全
適宜水分補給 | 通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分補給を行う。
市民マラソンなどではこの条件でも要注意。
  1. 環境条件の評価には暑さ指数(WBGT)が望ましい。
  2. 乾球温度を用いる場合には、湿度に注意する。湿度が高ければ、1ランク厳しい環境条件の運動指針を適用する。

尿の色

脱水尿色チャートを使うと尿の色によって簡易的に脱水状態を知ることができる。

状態 水分摂取の行動
問題無し | 普段通りに水分摂取
問題無し | コップ1杯の水分を摂取
脱水 | 1時間以内に 250ml の水分を摂取
屋外あるいは発汗していれば 500ml の水分を摂取
脱水 | 今すぐ 250ml の水分を摂取
屋外あるいは発汗していれば 500ml の水分を摂取
脱水 | 今すぐ 1000ml の水分を摂取
この色より濃い、あるいは「赤色」「茶色」が混ざっていたら直ちに医療機関へ

※厚生労働省 職場の安全サイト「尿の色で脱水症状チェック」より引用し改変。(表示環境によって色調が異なります)

治療

現場での措置

鑑別疾患

鑑別が必要な疾患として注意が必要なのは糖尿病高血圧の既往歴を有する場合で、低血糖発作心筋梗塞脳梗塞などの血管梗塞の症状を誤認し適切な対応が遅れる例が報告されている。

医療機関における治療

全身の冷却が行われるが、応急処置として体表面体温の低下の為に冷却輸液、氷嚢や蒸散冷却、胃洗浄などが用いられ、同時に血液中の電解質バランスを正常にするための輸液、人工透析も行われる。

2015年に日本救急医学会から『熱中症診療ガイドライン2015』が発表され、ガイドラインに沿った治療が行われる。前述「熱中症の重症度分類」表 II度とIII度は医療現場での対処が行われ、中枢神経症状、肝・腎機能障害、血液凝固異常などの臓器障害を呈しているならば入院治療が必要となる。更に、基礎疾患の既往、服用薬歴、意識レベル、自力歩行の可否、食事の摂取状況など様々な視点から治療方針の判断が行われる。特に、III度重症患者では短時間で深部体温を平常体温にまで下げる必要があるため、水冷式のジェルパッド、心停止後症候群治療時に使用される低体温療法用装置、血管内冷却カテーテルが用いられ、有効性が報告されている。

予後

重度の熱中症になった場合、深部体温が上がって高発熱状態になった段階で徐々に脳細胞が死滅するとされる。仮に救命できたとしても、間脳視床下部に存在する体温調節中枢に永久的な障害を残す場合もある。もしも体温調節中枢に障害が残ると、以後、極端な高温や低温に対する耐性が低くなってしまう。この他、幻覚、視力低下構音障害(吃り、呂律が回らない)、運動障害意識障害、肝機能低下、痙攣、等の後遺症が残った例もある。 一度死滅した脳細胞が再生する事は無いため、全快の見込みはほぼ望めない。

疫学

日本では、年々増加傾向にある。

発症者を年齢層別で見てみると65歳以上の人が半数以上で、年齢が高いほど発症率が増している。

年齢帯ごとに発生が多い場所(特徴的な場所)は次のとおり。

なお日本において、熱中症については厚生労働省文部科学省環境省でそれぞれ指導・対策が公表されている。

熱帯地方

高温多湿地域であるギニア出身のオスマン・サンコンは「熱中症」に該当する症状はギニアで聞いたことがなく、日本に来て初めて知った。

インドでは南部を中心に、毎年、熱中症による死者が数百人の規模で発生する。2015年5月、テランガーナ州アーンドラ・プラデーシュ州では過去20年来最悪の熱波に襲われ、1,800人以上の死者を出した。

ペットの熱中症

イヌは汗腺が少ないため特に5月から10月にかけて熱中症にかかりやすいとされている。散歩の際には地面から体までの距離が人よりも近く舗装道路からの反射熱がイヌに大きな影響を及ぼすため注意が必要とされている。

脚注

  1. ^ 1954年、アメリカ合衆国サウスカロライナ州パリスアイランド海兵隊新兵訓練所にて、服装や装備の厳しい制約や訓練に加えて同地区は湿度が高く、熱中症リスクを事前に判断するためWBGT(Wet-Bulb Globe Temperature“湿球黒球温度”)を用いた暑さ指数の測定を導入。
  2. ^ 関連項目として「意識障害」も参照可。

出典

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  49. ^ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出典:wikipedia
2018/10/05 21:54

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