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特別区とは?

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特別区(とくべつく)は、日本における特別地方公共団体の一種で、の管轄にあって議会を持つ基礎的な地方公共団体(市町村に準ずる)。地方自治法第281条第1項で「」と規定される。2020年(令和2年)現在まで、「都」は東京都のみであるため、特別区とは事実上、東京都区部(東京23区)を指す。後述のとおり、東京都以外の道府県であっても、大都市地域における特別区の設置に関する法律に基づき、特別区を設置することもできるが、2020年現在まで、設置された例はない。

「区」という呼称を含むものの、市に準じた地方自治に関する権能を有する点で、同じく特別地方公共団体である「財産区」とは異なる。また市町村には属さない団体である点で、「地域自治区」「合併特例法における合併特例区」「政令指定都市に置かれる行政区」などとも異なる。「財産区」「合併特例法における合併特例区」と同様に、法人格を有する団体である。

一覧

区名 区旗 区章 地域 都名 近隣住区
千代田区 |  |  | 都心 | 東京都 | 大手町霞が関
中央区 |  |  | 都心 | 東京都 | 銀座日本橋
港区 |  |  | 都心 | 東京都 | 青山表参道
新宿区 |  |  | 副都心 | 東京都 | 新宿西新宿
文京区 |  |  | 副都心 | 東京都 | 小石川本郷
台東区 |  |  | 城東 | 東京都 | 浅草上野
墨田区 |  |  | 城東 | 東京都 | 錦糸町
江東区 |  |  | 城東 | 東京都 | 豊洲東陽町
品川区 |  |  | 城南 | 東京都 | 品川五反田
目黒区 |  |  | 城南 | 東京都 | 目黒自由が丘
大田区 |  |  | 城南 | 東京都 | 蒲田大森
世田谷区 |  |  | 城西 | 東京都 | 成城二子玉川
渋谷区 |  |  | 副都心 | 東京都 | 渋谷原宿
中野区 |  |  | 城西 | 東京都 | 中野
杉並区 |  |  | 城西 | 東京都 | 荻窪高円寺
豊島区 |  |  | 副都心 | 東京都 | 池袋目白
北区 |  |  | 城西 | 東京都 | 赤羽十条
荒川区 |  |  | 城東 | 東京都 | 日暮里
板橋区 |  |  | 城西 | 東京都 | 板橋
練馬区 |  |  | 城西 | 東京都 | 光が丘石神井
足立区 |  |  | 城東 | 東京都 | 北千住
葛飾区 |  |  | 城東 | 東京都 | 亀有
江戸川区 |  |  | 城東 | 東京都 | 江戸川

沿革

練馬区板橋区 北区 (東京都) 足立区 荒川区 豊島区 中野区 杉並区 葛飾区 新宿区 文京区 台東区 墨田区 世田谷区 渋谷区 目黒区 港区 (東京都) 千代田区 中央区 (東京都) 品川区 大田区 江東区 江戸川区
東京都区部の各区の位置(クリックでリンク先に移動) /  

特別区は、現行の地方自治法においては、その第281条の2第2項において都の地域内に存在する基礎自治体の一つとして位置づけられている。特別区の制度は、1947年(昭和22年)に公布された地方自治法に定められた。

なお、「特別区」という用語は特別区の制度創設当初から現在まで、日本において存在する地方公共団体としての「都」が東京都のみであり、実質的には「東京都区部(東京23区)」として用いられている。

特別区の制度は、明治時代に定められた区制、市制などの大都市制度を基とする。

1878年(明治11年)、郡区町村編制法が制定され、宮城(皇居)周辺の都心部に、麹町区神田区日本橋区など15区が定められた。1889年(明治22年)には、この15区に市制が施行され、東京市となる。

1932年(昭和7年)、周辺82町村が編入される。このとき、既存の15区に加えて、新たに20区が定められ、35区となった。第二次世界大戦中の1943年(昭和18年)には東京都制が施行されて東京府および東京市は廃止され、35区は東京都の行政区となる。

1947年(昭和22年)に地方自治法が公布されて35区は再編され、23の特別区となった。制度創設から長らく、特別区は東京都の「内部的団体」と位置付けられ、日本国憲法93条2項の「地方公共団体」にあたらないと解されてきた。

その後、2000年(平成12年)の地方分権改革により、特別区は「基礎的な地方公共団体」と規定され、その母体である東京都から相当程度の独立性を与えられた。ただし、特別区の法的地位は未だに「特別地方公共団体」であり、固定資産税の賦課徴収や消防責任など、本来は市町村の権限に属するものが東京都(特別区の連合体としての地位にある東京都)に留保されており、また都区財政調整制度のような地方税の特殊な分配制度があるなど、市町村のような「普通地方公共団体」と同一の権能を有するわけではない。

特別区と市町村の相違点

法律・行政上の相違点

地方自治法第3編「特別地方公共団体」第2章「特別区」(第281条から第283条)の規定に基づき運営されており、普通地方公共団体のように区議会を擁するが、区の管理・運営業務の一部はが行う。都と特別区及び特別区相互のこの連絡調整を図るため都区協議会が設けられている。また、国の行政機関や各省大臣が助言や勧告を行うことができる普通地方公共団体とは異なり、特別区の運営について助言及び勧告をすることができるのは都知事のみであり、または特別区財政調整交付金に関する事項については総務大臣のみである。

特別区は、基本的には基礎的自治体である「市町村」に準ずるものとされ(地方自治法第281条の2第2項・第283条)、「市」の所掌する行政事務に準じた行政権限が付与されている(同法第281条第2項・第283条)。

しかし特別区は「法律または政令により都が所掌すべきと定められた事務」および「市町村が処理するものとされている事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から当該区域を通じて都が一体的に処理することが必要であると認められる事務」を処理することができない(同法第281条第2項・第281条の2第1項)。

具体的には、特別区は上下水道・消防などの事務に関しては単独で行うことができず、特別区の連合体としての「都」が行っている(水道法第49条、下水道法第42条、消防組織法第26条ないし第28条など。東京都はこれらの規定に基づき、東京都水道局東京都下水道局東京消防庁などを設置している。ただし東京都では特別区以外の市町村でも、上下水道・消防に関しては特別区同様に都による一括運営となっている。

また都市計画や建築確認についても、一定規模以上のものについては法令により都に権限が留保され、都が直接事務を行っている。また特別区の自治権拡大に関する地方自治法改正法の施行前日の2000年(平成12年)3月31日までは清掃事業も都の業務とされており、東京都区部においては同日まで東京都の行政機関である「東京都清掃局」がこの地域の清掃事務を統一的に行っていたが、同年4月1日に各特別区および東京二十三区清掃一部事務組合に移管された。

さらに旧警察法においては、都知事の所轄と特別区公安委員会の管理の下、特別区の存する区域を管轄とする自治体警察を設けることとなっており(旧警察法第51条ないし第53条)、東京都ではこれに基づき東京都知事の所轄と特別区公安委員会の管理の下、旧警察法に基づく警視庁を設置していた。

東京都及び特別区の事務の処理については、都と特別区及び特別区相互の間の連絡調整を図るために設置された「都区協議会」によって協議され(同法第282条の2)、都と各特別区の相互間で調整を図っている。その一方、特別区は政令指定都市・中核市・その他特に政令で指定された相当な規模をもつ市でなければできない行政事務のひとつである「保健所の設置および運営」を行う責務を有する(地域保健法第5条第1項。保健所政令市参照)など、所掌する行政事務の一部において、通常の市町村とは大きく異なった扱いがなされている。

税制面でも、事務事業の特例に対応した特別の制度が存在する。通常であれば、市町村税である都民税(市町村民税法人相当分)、固定資産税特別土地保有税事業所税都市計画税は都税となっている。このうち、市町村民税(法人分)、固定資産税、特別土地保有税は、「都区財政調整制度」(地方自治法第282条)により、財政調整の原資となり、都と特別区とで協議の上、都条例で配分割合を決め、特別区の財源不足額に応じて、財源調整交付金として各特別区に交付される。国有提供施設等所在市町村助成交付金国有資産等所在市町村交付金特別とん譲与税は、通常は市町村に交付されるが、特別区の区域においては都の収入となる。都市計画税を原資とした都から特別区への補助金として、都市計画交付金がある。地方交付税制度上も、都と特別区の区域については、両者の基準財政需要額と基準財政収入額を算定した上で、道府県分と大都市分として合算して算定(合算特例)されることになっている。

正規職員の採用制度についても、市町村とは大きく異なった特徴がある。東京都の特別区では正規職員の採用事務のほとんどを、全区からなる一部事務組合である「特別区人事・厚生事務組合」のもとに設置された「特別区人事委員会」で一括して行っている。同委員会実施の採用試験に合格した者に対し、各区役所等が面接などを行って採用者を決定する。国家公務員国立大学法人等の採用手法と同様である。

そのほか、他の大規模な政令指定都市が通常行っている公営交通などの事業も都の主要な業務となっている(東京都交通局による都営地下鉄都営バスの運行など)。

東京都の都庁所在地

都道府県庁所在地#東京都の都庁所在地」も参照

都道府県庁所在地について、他の道府県では道府県庁のある市とされるが、都庁所在地を含む市が存在しない東京都では慣例的に「東京」とされることがある。これについては都民のみならず全国からも問い合わせが多いとして、東京都庁の公式サイトで明記されている。

1. 都道府県庁の位置は、条例でこれを定めるよう、地方自治法で定められている。
2. 東京都では「東京都庁の位置を定める条例」により、東京都新宿区西新宿二丁目と定めている。 — 東京都の県庁(都庁)所在地について、東京都政策企画局 公式サイト

行政以外

行政以外の面でも、特別区と市町村とで異なった扱いをする例がある。社会人野球都市対抗大会も、特別区では各チームのホームタウンの区ではなく一律「東京都代表」という形で出場するが、他の市町村はそれぞれのホームタウンである自治体の代表として出場している。

区長

区長公選制と区長専任制

1947年(昭和22年)に施行された地方自治法では、当初は市町村と同様に特別区の区長も公選とされていた。東京都の区においては、1946年(昭和21年)9月東京都制改正によって従来東京都長官官吏である書記官をもって任命するとしていた区長が区住民によって公選されるものに改められており、それが地方自治法下の特別区の区長にも引き継がれた。しかし1952年(昭和27年)の地方自治法改正によって特別区の独立性の制限と都への従属の強化が図られた。区長公選制も廃止されて、区長は区議会が都知事の同意を得て選任する区長選任制が導入された。

この区長選任制に関連して、渋谷区長選任贈収賄事件が起こった。これは1957年(昭和32年)6月から8月にかけて、渋谷区長の選任候補者らが複数の渋谷区議会議員に対し自らを区長に選任するよう働きかけ、現金の授受が行われたという贈収賄(汚職)事件で、特別区長公選制廃止事件とも呼ばれる。同年12月4日に起訴されて刑事訴訟となり、この訴訟中において、区長公選制廃止の合憲性が問われることになった。

1962年(昭和37年)2月26日の東京地方裁判所での一審判決では、一部被告の別件の都議選での選挙違反(告示前の戸別訪問)については有罪(執行猶予付き判決)としたものの、渋谷区長への選任をめぐる贈収賄事件については、区長公選制廃止そのものが違憲であるため「道義的には極めて高く非難するに値する」としながらも、罪状としては成り立たないとして無罪判決を下した。

これに対し検察側は上告、1963年(昭和38年)3月27日最高裁判所大法廷(跳躍上告審)では、区長公選制廃止は合憲であるとして、一審判決を破棄差戻しした。この最高裁判決の中では以下のとおり「特別区は憲法93条2項における地方公共団体であるとは認められない」という判断が示されたことが注目された。

特別区はその長の公選制が法律によって認められていたとはいえ、憲法制定当時においても、また昭和27年8月地方自治法改正当時においても、憲法93条2項の地方公共団体と認めることはできない。従って改正地方自治法が右公選制を廃止し、これに代えて区長は特別区の議会の議員の選挙権を有する者で年齢25年以上のものの中から特別区の議会が都知事の同意を得て選任するという方法を採用したからといって、それは立法政策の問題にほかならず、憲法93条2項に違反するものということはできない — 特別区長公選制廃止事件 跳躍上告審判決(昭和38年3月27日 最高裁大法廷判決)、京都産業大学公式サイト

1965年(昭和40年)以降は区長選任制が機能しないことが続き、後任区長が決まらない区が続出して区長が長期不在となる事態が発生した。自治権の拡充と独立性の強化を求める各特別区での動きや、美濃部革新都政下の住民運動の活発化もあり、1967年(昭和42年)に練馬区で区長準公選条例の制定請求運動が起こり、1972年(昭和47年)に品川区で、翌1973年(昭和48年)には練馬区と大田区で区長準公選条例が制定された。そのため1974年(昭和49年)に地方自治法が改正され、1975年(昭和50年)から区長公選制が復活した。

区長準公選条例」も参照

特別区制度の問題点

このような「特別区」制度の特殊性は、太平洋戦争中の1943年(昭和18年)に旧東京府と旧東京市が、戦時法令である旧東京都制の施行に伴って合併し東京都が設置されるに至ったことに起因する。地方自治法における特別区の規定は、戦前の東京都制における区の制度を手直しした上で「都」に置かれる「区」として承継したものである。

また現在の「特別区」は地方自治法において、普通地方公共団体である市に準ずる権限を有し(第281条第2項)、かつ平成12年の改正で基礎的自治体としての地位を回復したとは言えど(第281条の2第2項)、地方自治法の制定時には「基礎的自治体」として位置付けられていたものが、1952年の法改正によって「都の内部機関」に改められたという歴史的な経過もあり、その地位や権能は現在でも法律によって左右される可能性があることから、日本国憲法において地方自治権を保障された普通地方公共団体である市町村とは比較の対象にならないほどに脆弱である。

つまり現状の特別区は、自治権限こそ以前に比べ拡大してはいるものの、法体系上は未だに普通地方公共団体である市町村と同格ではなく、法律により市に準じた権限を付与された団体というの立場であり、いまもなお「東京都制」の影響、つまり「東京都」(=旧東京市)の内部機関としての位置付けを脱してはいない。そのことは、特別区が基礎的自治体であると位置付けられた2000年改正以後の地方自治法でも、特別区の規定を第2編「普通地方公共団体」に移動させず、なお従来どおり第3編「特別地方公共団体」(財産区事務組合地方開発事業団など、普通地方公共団体の機関を定める)に置いていることからもうかがえる。

特別区からの脱却と市への移行構想

東京都の特別区はこのことを強く意識しており、23区が共同で組織する公益財団法人特別区協議会(東京区政会館・東京都千代田区飯田橋)は「特別区制度そのものを廃止して普通地方公共団体である「市」(東京○○市)に移行する」という形での完全な地方自治権の獲得を模索している。例えば第二次特別区制度調査会は「戦時法令である東京都制下の区の制度を基礎とする特別区制度から脱却し、各々が独立しつつ自主的に協力・連合し合う東京○○市を目指す」という構想を打ち出しており、この中で「東京大都市地域に充実した住民自治を実現していくためには、戦時体制として作られ帝都体制の骨格を引きずってきた都区制度は、もはや時代遅れというほかはない。特別区が名実ともに住民に最も身近な政府として自らを確立していくためには、『大東京市の残像』を内包する『都の区』の制度から離脱することが必要である。そのためには、東京大都市地域における広域自治体と基礎自治体の役割をさらに明確に区分し、都が法的に留保している市の事務のすべてを特別区(後述の「東京○○市」)が担い、都区間で行っている財政調整の制度を廃止する必要がある」と明言している。

英訳表記

特別区の「」は、英語ではward、またはcityという。また、日本語ローマ字表記そのままにkuと表記する例もある。

区役所(建物)の英訳としては city officecity hallward officeward hall などが用いられる。行政機関としての区役所は、cityもしくはward government

2007年(平成19年)現在において、東京都の全ての特別区では、cityを公式の英訳表記として使用している。これは地方分権運動を推進しと同等であることを主張するためと、またwardという語が ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

出典:wikipedia
2020/07/20 17:24

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