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環太平洋戦略的経済連携協定とは?

(環太平洋戦略的経済連携協定から転送)
このページは「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」との間で記事内容の一部転記が提案されています。
議論は「ノート:環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」を参照してください。(2018年11月)
【環太平洋パートナーシップ協定】

TPPに関する各国首脳の集い(2010年)

【通称・略称】
TPP
【起草】
2015年10月5日
【署名】
2016年2月4日(オークランド)
【効力発生】
未発効
【寄託者】
ニュージーランド
【言語】
英語フランス語スペイン語
齟齬がある場合は英語の本文による (協定第30.8条)
【主な内容】
加盟国間における関税の撤廃、投資家対国家の紛争解決知的財産権(特許著作権の保護期間等)・投資に関わるルール等
【関連条約】
大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定(TTIP)
北米自由貿易協定(NAFTA)
【条文リンク】
環太平洋パートナーシップ協定 - 外務省
交渉参加国(原協定加盟国を含む)
過去に関心を表明した国

環太平洋パートナーシップ協定(かんたいへいようパートナーシップきょうてい)(Trans-Pacific Partnership Agreement、略称: TPP)は、環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定 (EPA) である。

2016年2月4日に署名されたが、2016年11月の大統領選挙で当選したアメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプが、翌2017年1月20日の就任直後に、TPP離脱をアメリカ合衆国通商代表に指示する大統領覚書(Memorandum)に署名し、アメリカ合衆国通商代表部が協定の寄託国であるニュージーランド政府に脱退を通知したため当初の12ヶ国での協定発効の目処は立たなくなった。

アメリカ合衆国の離脱後、米国以外の11ヶ国(TPP Eleven)による協定発効に向けた協議が行われ、2017年11月に一部の規定の発効を停止して、参加11ヶ国により協定発効させることについて大筋合意が確認され、2018年3月8日チリサンティアゴで11ヶ国による署名式が行われた。

参加11ヶ国による協定の名称は環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(かんたいへいようパートナーシップにかんするほうかつてきおよびせんしんてきなきょうてい)(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership、略称: CPTPP)となった。参加11ヵ国約5億人の国内総生産合計は、世界経済の13%ほどを占める約10兆米ドル

中央日報レコードチャイナ、アメリカのワシントンポストなどの各国新聞各紙は、「アメリカ合衆国の離脱後は、日本が主導した」と報道している。

TPPには北大西洋版があり、大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定(略称TTIP)と呼ばれる。

目次

  • 1 TPP協定の締結まで
    • 1.1 原協定
    • 1.2 原協定の拡大
    • 1.3 拡大交渉会合開始までの流れ
    • 1.4 環太平洋パートナーシップ協定への拡大交渉
    • 1.5 大筋合意及び署名
  • 2 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)
    • 2.1 協定作成までの経緯
    • 2.2 協定作成以後の協議
    • 2.3 CPTPPの概要
    • 2.4 各国における国内手続き
      • 2.4.1 メキシコ
      • 2.4.2 日本
      • 2.4.3 シンガポール
      • 2.4.4 ニュージーランド
      • 2.4.5 カナダ
      • 2.4.6 オーストラリア
      • 2.4.7 ベトナム
      • 2.4.8 チリ
      • 2.4.9 ペルー
      • 2.4.10 ブルネイ
      • 2.4.11 マレーシア
    • 2.5 CPTPPの発効
    • 2.6 CPTPP参加希望国の動向
  • 3 TPP協定交渉時の資料
    • 3.1 大枠合意
    • 3.2 守秘義務合意
    • 3.3 拡大交渉会合への参加手順
    • 3.4 その後の流れ
    • 3.5 交渉参加後発国の追加条件
    • 3.6 作業部会
  • 4 合意条項
    • 4.1 ISDS条項
    • 4.2 ISDSでの賠償金
      • 4.2.1 仲裁
      • 4.2.2 特別法廷の構成員の決め方
    • 4.3 医薬品・医療機器の価格決定プロセス(手続き)
    • 4.4 特許・著作権保護
    • 4.5 転職・起業の制限
    • 4.6 ラチェット(Ratchet)条項
    • 4.7 TPPの為替操作防止条項
  • 5 交渉時点での各国の動向
    • 5.1 原加盟国
    • 5.2 拡大交渉参加国
      • 5.2.1 アメリカ合衆国
        • 5.2.1.1 TPP推進のためのアメリカ企業連合
        • 5.2.1.2 例外要求事項
        • 5.2.1.3 米国内での反対の動き
    • 5.3 拡大交渉に関心を示したが参加しなかった国
  • 6 経済への影響
    • 6.1 関連資料
    • 6.2 PECC(太平洋経済協力会議)試算
    • 6.3 タフツ大学の研究者による試算
  • 7 重大な問題点
    • 7.1 ウィキリークスによる「TPPの草案」の一部公開
    • 7.2 ISDS条項
    • 7.3 底辺への競争
    • 7.4 外国人労働者の受け入れを促進
  • 8 分析
  • 9 関連項目
  • 10 注釈
  • 11 脚注
  • 12 外部リンク
    • 12.1 協定の条文
      • 12.1.1 原協定
      • 12.1.2 TPP協定
      • 12.1.3 CPTPP協定
    • 12.2 各国政府の関連の公式サイト
    • 12.3 その他の関連のサイト

TPP協定の締結まで

原協定

TPSEP」も参照

環太平洋パートナーシップ協定の原協定(英語: Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement, TPSEP)は、シンガポールブルネイチリニュージーランドの4か国の経済連携協定(EPA)として始まり、2005年7月(ブルネイは8月)に署名され2006年5月28日にシンガポール、ニュージーランドについて、7月12日にブルネイについて、11月8日にチリについて発効した。

当初は、Pacific Three Closer Economic Partnership (P3-CEP) として知られ、2002年メキシコロス・カボスで開かれたAPEC首脳会議でチリ、シンガポール、ニュージーランドの3か国間で交渉が開始された。2005年4月に開かれた5回目の交渉会合から、ブルネイが完全な交渉当事者として加わった。この原加盟4か国は Pacific-4 (P4) と呼ばれる。また、拡大交渉中のTPP協定と区別するために、原協定 (original agreement) は、P4協定 (P4 Agreement) と呼ぶことがある。

加盟国間の全ての関税の90%を撤廃 産品の貿易・原産地規則・貿易救済措置・衛生植物検疫措置・貿易の技術的障害・サービス貿易・知的財産政府調達(自治体による公共事業や物品・サービスの購入など)、競争政策を含む、自由貿易協定の全ての主要な項目をカバーする包括的な協定となっている。目的の一つは、「加盟国の戦略的提携によってマーケットにおけるプレゼンスを上げること」である。

条文は、ニュージーランド政府サイト上で公開(#外部リンク参照)されており、日本語への私訳も複数存在している(日本政府からは、農林水産省から第3章の仮訳が公開されているのみである)。

原協定の構成、リスト

原協定の拡大

日本のTPP交渉については、日本のTPP交渉及び諸議論の項を参照

原協定の第20章 最終規定の第1条および第2条において、「別段の合意が無い限り、この協定に投資に関する章と金融に関する章を盛り込むことを目的として、この協定の発効(2006年5月28日)から遅くても2年後までに交渉を開始する」と定められている。これに従い協定の拡大交渉会合が開かれている。

拡大交渉に伴い、拡大交渉中の協定は 環太平洋パートナーシップ協定 (Trans-Pacific Partnership, TPP) と表現されるようになったが、内容は、環太平洋パートナーシップ協定 (Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement, TPSEP, P4) の拡大である。

拡大交渉会合開始までの流れ

2008年2月4日、アメリカ合衆国通商代表部(以下、USTR)代表(当時)のスーザン・シュワブは、アメリカが投資と金融に関する交渉に参加すると表明した。

その後、リーマン・ショックから1週間後にあたる2008年9月22日に、USTR代表のスーザン・シュワブは、原加盟国4か国の代表と共に交渉の立ち上げの声明を出し、アメリカは最初に追加された交渉国となった。

翌日の2008年9月23日に、オーストラリアは参加の検討を発表した。

なお、アメリカは、参加表明に先立ち日本、オーストラリアなど数カ国に一緒に参加することを外交ルートなどを通じ呼びかけたが、日本は、当時の経済産業大臣・二階俊博(自由民主党・公明党の連立政権)が参加に意欲をみせたものの、参加は見送っている。

2009年11月14日に、アメリカは改めて参加の意思を示し、その中で、大統領バラク・オバマは初めてTPPに係合する意向を発表し、USTR代表のロン・カークは輸出拡大と雇用確保などのメリットを強く訴えている。

2010年3月14日に、ペルー貿易観光大臣のペレスは交渉参加を発表した。

環太平洋パートナーシップ協定への拡大交渉

2010年3月に、オーストラリアにおいて、原加盟4か国にアメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルーの4か国を加えた第1回交渉会合が開催された。

2010年6月に、米国において第2回交渉会合が開催された。

2010年10月に、ブルネイにおいて第3回交渉会合が開催された。この会合からマレーシアが参加した。

2010年11月に横浜で行われたAPEC首脳会議の際に、TPP協定交渉参加国首脳会合が開催され、「2011年11月のハワイAPEC首脳会議までの交渉妥結を目指す」ことで一致。

2010年12月に、ニュージーランドにおいて第4回交渉会合が開催された。

2011年2月に、チリにおいて第5回交渉会合が開催された。>

2011年3月に、シンガポールにおいて第6回交渉会合が開催された。

2011年5月に、米国のモンタナAPEC貿易大臣会合の際に、TPP協定交渉参加国閣僚会合が開催され、共同声明で「2011年11月にTPP協定の大まかな輪郭を固めるとの目標を表明した。

2011年6月に、ベトナムにおいて第7回交渉会合が開催された。

2011年9月に、米国において第8回交渉会合が開催された。

2011年10月19日10月28日の日程でペルーにおいて第9回交渉会合が開催された。。

2011年11月12日、TPP協定交渉参加9カ国は首脳会合を開催し、会合後にTPP首脳声明及びTPP協定の輪郭。 に関する文書等を発表した。。また、オバマ大統領は「野心的な目標ではあるが、2012年中に協定を完成させるよう指示した」と発言した。

2011年12月5日12月9日の日程でマレーシアにおいて第10回交渉会合が開催された。。

2012年3月1日3月9日の日程でオーストラリアのメルボルンにおいて第11回交渉会合が開催された。。

2012年4月にロサンゼルス他においてTPP協定交渉分野別中間会合が開催された。。

2012年5月8日5月16日の日程で米国のダラスにおいて第12回交渉会合が開催された。。

2012年7月2日7月10日の日程で米国のサンディエゴにおいて第13回交渉会合が開催された。。

2012年9月6日9月5日の日程で米国のリーズバーグにおいて第14回交渉会合が開催された。。

2012年12月3日12月15日の日程でニュージーランドのオークランドにおいて第15回交渉会合が開催された。11月の中間会合から交渉に参加したメキシコ及びカナダが始めて全体交渉に参加した。。

2013年3月4日3月13日の日程でシンガポールにおいて第16回交渉会合が開催された。。

日本の安倍晋三内閣総理大臣は記者会見でTPP交渉参加表明した。 2013年5月15日5月24日の日程でペルーのリマにおいて第17回交渉会合が開催された。。

2013年7月15日7月23日の日程でマレーシアのコタキナバルにおいて第18回交渉会合が開催された。日本は、7月23日午後より参加した。

2013年8月24日8月30日の日程でブルネイにおいて第19回交渉会合が開催された。。

2013年9月18日9月21日の日程で米国のワシントンにおいて首席交渉官中間会合が開催された。。

2013年10月8日10月8日の日程でインドネシアのバリ島において首席交渉官会合(1.2.4.5日)、閣僚会合(3,4,6日)、首脳会合(8日)が開催された。。

2013年11月19日11月24日の日程で米国のソルトレイクシテにおいて首席交渉官会合が開催された。。

2013年12月7日12月10日の日程でシンガポールにおいて閣僚会合が開催された。。

2014年2月22日2月25日の日程でシンガポールにおいて閣僚会合が開催された。また閣僚会合に先立ち2月17日2月21日の日程で首席交渉官会合が開催された。

2014年4月9日4月10日の日程で東京において日米閣僚協議が開催された。

2014年4月16日4月18日の日程で米国のワシントンにおいて日米閣僚協議が開催された。

2014年4月24日の東京における日米首脳会談においてTPPについても協議され、これを受けて同日に日米閣僚協議が開催された。

2014年5月1日5月19日の日程でベトナムのホーチミンにおいて首席交渉官会合が開催された。。

2014年5月19日5月20日の日程でシンガポールにおいて閣僚会合が開催された。。

2014年7月3日7月12日の日程でカナダのオタワにおいて首席交渉官会合が開催された。。

2014年9月1日9月10日の日程でベトナムのハノイにおいて首席交渉官会合が開催された。。

2014年9月23日9月24日の日程で米国のワシントンで日米閣僚協議が開催された。

2014年10月25日10月27日の日程でオーストラリアのシドニーにおいて閣僚会合が開催された。またこの前後(10月20日から24日、10月28日から11月2日)に首席交渉官会合)が開催された。。

2014年11月6日11月10日の日程で中国の北京において首席交渉官会合(6,7日)、閣僚会合(8日)、首脳会合(10日)が開催された。。

2014年12月7日12月12日の日程で米国のワシントンにおいて首席交渉官会合が開催された。。

2015年1月26日2月1日の日程で米国のニューヨークにおいて首席交渉官会合が開催された。。

2015年3月9日3月15日の日程で米国のハワイにおいて首席交渉官会合が開催された。。

2015年4月19日夜から4月21日未明に東京において日米閣僚協議が開催された。

2015年4月23日4月26日の日程で米国のメリーランド゙において首席交渉官会合が開催された。。

2015年4月28日米国のワシントンにおける日米首脳会談においてTPPについても協議された。

2015年5月16日5月27日の日程で米国のグアム゙において首席交渉官会合が開催された。。

2015年7月24日7月27日の日程で米国のハワイにおいて首席交渉官会合が開催され、続いて7月28日7月31日の日程で閣僚会合が開催された。。

大筋合意及び署名

2015年9月26日9月28日の日程で米国のアトランタにおいて首席交渉官会合が開催され、続いて9月29日10月5日の日程で閣僚会合が開催され、最終日の10月5日にTPP交渉が大筋合意した。。

2015年11月5日にTPP協定の全体が暫定条文の形で初めて公表された。

2016年2月4日にニュージーランドのオークランドにおいてTPP協定が12カ国により署名がされた。日本経済新聞は、今後、署名式に参加した12カ国は、国内での承認を進める、と予測している。調印式会場のあるオークランドでは、この日に約20000人の人々がTPPに反対するために抗議活動を行った。反TPP運動の主催者らは、TPPがニュージーランドの主権を侵害し地元の企業を犠牲して海外の企業を利すると述べる。

TPP協定については、日本が2017年1月20日に、ニュージーランドが2017年5月協定の受諾のための国内手続きを完了した旨を通報したが他の国は米国の離脱表明後手続きを進行させていない。

環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)

【環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定】

批准国(濃緑)、その他の署名国(薄緑)

【通称・略称】
CPTPP
【署名】
2018年3月8日(サンティアゴ)
【効力発生】
2018年12月30日(予定)
【寄託者】
ニュージーランド
【言語】
英語フランス語スペイン語
齟齬がある場合は英語の本文による (協定第7条)
【主な内容】
TPPを米国以外の11カ国で発効させるもの
【関連条約】
環太平洋パートナーシップ協定
【条文リンク】
包括的・先進的TPP協定 - 外務省

協定作成までの経緯

2017年1月、アメリカ合衆国がTPPを離脱。TPP協定は米国抜きでは発効できず、合意した市場開放や貿易・投資ルールを適用するには協定の見直しが必要となった。

2017年5月21日、ベトナムにおいて開催された閣僚会合でアメリカを除いた加盟国11ヵ国でTPP協定を早期に発効する事を確認。新協定「TPP11」の発効を目指す事となった。

2017年7月12日-14日、神奈川県箱根町において首席交渉官会合が開催され、早期発効に向けた具体策が話し合われた。

2017年8月28日-30日、オーストラリアのシドニーにおいて首席交渉官会合が開催。医薬品データを8年間保護する項目の凍結が固まったほか、著作権延長や政府調達の規制緩和などの凍結や修正で50程度の要望が出た。

2017年9月21日-22日、東京都内において首席交渉官会合を開催。

2017年9月、日本、オーストラリアと共に「TPP11」を引っ張ってきたニュージーランドの政権が選挙で交替。TPP慎重派の労働党が政権についた 。

2017年10月30日-11月1日、浦安市舞浜において首席交渉官会合を開催。8月の会議で50程度出されたアメリカの復帰まで実施を棚上げする凍結項目を絞る作業が行われた。ニュージーランドの新政権もTPP11の発効を支持する方向に政策転換をした。

2017年11月ベトナムにおいて開催されたAPEC閣僚会合に合わせて開催されたTPP署名11ヶ国の閣僚会合において、いったんは11月9日に大筋合意が宣言されたが、カナダが大筋合意を否定するとともに、首脳会合の開催を拒否。11月10日夜に再開された閣僚会合でようやく大筋合意が再確認されたが、首脳会合は開催されなかった。この大筋合意では、オリジナル版TPPの内容のうち、20項目に関して米国が復帰するまで実施を「凍結」をすることとし合意し、新名称を「包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP, Comprehensive and Progressive Trans-Pacific Partnership)」にすること、CPTPPの略称も使うことを発表した。また4項目についてはなお協議することとされた。

2018年1月22日-23日、東京において首席交渉官交渉が行われ、継続交渉とされた4項目のうち、マレーシア、ブルネイの経過措置起算日については凍結で合意、ベトナムの労働、カナダの 文化例外については、発効後の取り扱いについて各国とサイドレターを取り交わすことで合意した。それにより凍結項目が確定し、英文の法技術的チェック(リーガルスクラブ)も終了したことから、新協定のテキスト(英文)が確定したことが確認され、署名式を2018年3月8日チリで行うことで一致したと発表された。カナダのトルドー首相も、世界経済フォーラム(ダボス会議)において、2018年1月24日にTPP11への署名の意向を表明。

TPP11は、参加11ヵ国の人口は合わせて約5億人(世界の約6%)、GDP合計は、日本円にして約1100兆円(世界全体の13%)規模の経済連携協定となる。

2018年1月25日、アメリカのトランプ大統領は訪問先のスイスで受けた米テレビCNBCのインタビューで、就任時「永久に離脱する」としていたTPPへの参加を「より有利な条件であればやる」と復帰を検討する用意があると表明した。

2018年3月8日、チリのサンティアゴにおいて、アメリカを除く11ヶ国によるTPP11の署名式が行われた。これにより、人口5億人の貿易圏が誕生することとなった。

協定作成以後の協議

2018年7月18日-19日、神奈川県箱根町において首席交渉官会合が開催され、1 各国の国内手続に関する情報交換、2 各国・地域からの新規加入希望を歓迎し、これらの 国・地域に対して積極的に情報提供を行う等の協力を行うことにつき確認し、発効後の対応等について引き続き協議を行うこと 3 TPP委員会等の運営についての協議がおこなわれた。

2018年11月20日-21日、東京において首席交渉官交渉が行われた。国内手続中の各国の状況の確認、第1回TPP委員会の運営の協議、新規加盟国・地域に対する基本的な方針等について議論が行われた。このなかで新規加入の手続きについては、CPTPPでは細かく規定はないが、TPP協定に準じて、ワーキンググループを立ち上げて、そのワーキンググループで交渉して、最終的に加入の是非を委員会で判断するということで概ね合意がされた。またTPP委員会の議長国のローテーションは2019年は日本、2020年以降は、協定の批准の順にメキシコからローテーションすることも概ね合意がされた。いずれも2019年1月に開催される第1回TPP委員会で正式に決定することになっている。

CPTPPの概要

TPP11として合意された「包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)」は、法的には環太平洋パートナーシップ協定(TPP)とは別の条約として作成された。本文7か条と附属書が1本で構成されている。

第1条 : TPP協定の組込み。

TPPの条文が「必要な変更を加えた上で、この協定に組み込まれ、この協定の一部をなす」と規定している。なおTPPのうち加入・脱退等に関する4カ条を除外している。これはTPPとCPTPPがそれぞれ異なる条約である以上、CPTPPにはCPTPP固有の運用規定が必要となるからである

第2条 : 特定の規定の適用の停止

附属書に定める特定の規定の適用を停止する。

第3条 : 効力発生

6カ国が、関係する国内法上の手続を完了した旨を書面により寄託者に通報した後60日で発効する。当初の6カ国に含まれなかった署名国については、それぞれの国が関係する国内法上の手続を完了した旨を書面により寄託者に通報した後60日後に個別に、当該国について協定は発効する。

第4条 : 脱退

締約国は6月の予告で脱退できる。

第5条 : 加入

国又は独立の関税地域は、CPTPPの効力発生の日の後、締約国と当該国又は独立の関税地域との間で合意する条件に従って加入することができると規定。TPPのように加入交渉についての詳細な規定はしていない。

第6条 : 本協定の見直し

TPP協定の効力発生が差し迫っている場合又はTPP協定が効力を生ずる見込みがない場合には、いずれかの締約国の要請に応じ、本協定の改正及び関係する事項を検討するため、本協定の運用を見直す。

第7条:正文(英、西、仏)

付属書において、CPTPPでは凍結する22(うち11は知財関係)の規定が列記されている。投資章および知的財産章での適用停止が目立つ。投資章の適用停止は、たとえば資源採掘やインフラ建設・運営(空港、高速道路等)のコンセッション契約を締結した投資家は、相手国政府に契約違反があっても、その違反が同時にTPP投資章の義務への違反でないかぎり投資家対国家間紛争解決手続(ISDS)に訴えられない。知的財産章では、TPP交渉の最終段階で米豪間の激しい対立を生んだ生物製剤特許の保護やミッキーマウス延命策とも揶揄される著作権保護期間延長(作者の死後70年)など、もっぱら米国の強い関心を反映した条項が停止された。他方で、電子商取引、国有企業、労働、環境といった新しい分野を規律する章はほぼそのままである。

各国における国内手続き

メキシコ

2018年4月24日に、メキシコ議会上院で賛成73、反対24、棄権4によりCPTPPの批准が承認された。次いで、エンリケ・ペニャ・ニエト大統領は5月23日、官報でCPTPPの批准を公布したこれにより、メキシコが参加11ヵ国で最も早く国内手続きを終了した国となった。協定の寄託国であるニュージーランドに対する通報は、2018年6月28日に行われた 。

日本

2018年3月27日に、CPTPPの締結承認案件と関連国内法の改正としてのTPP整備法改正法案が閣議決定され、同日衆議院へ提出された。関連国内法の改正案は、基本的にはTPP協定発効の日となっていた施行日についてCPTPP協定の発効日とするものであるが、TPP上のセーフガードにより廃止予定であった牛肉セーフガード(関税暫定措置法7条の5)は、主要牛肉輸出国の米国がTPPから抜けたため維持されることになり、この部分の施行日だけは依然としてTPP12発効日のままである。他方、今回のTPP整備法改正法案では著作権法および特許法のTPP整備法による改正の施行日もCPTPP発効日としており、日本はこの部分については適用停止条文の義務でも実施することになる(たとえば、著作権保護期間の延長(18.63条)、アクセスコントロール回避規制(18.68条)など)。

CPTPPの締結承認案件は、2018年5月18日に衆議院で自由民主党、公明党、日本維新の会及び希望の党の賛成で可決され、同年6月13日に参議院で、自由民主党・こころ、公明党、日本維新の会、希望の党、無所属クラブ、国民の声及び無所属の一部(山口和之渡辺喜美)の賛成多数で可決、承認された。

TPP整備法改正法案は、2018年5月24日に衆議院で自由民主党、公明党、日本維新の会及び希望の党の賛成で可決され、同年6月29日に参議院で、自由民主党・こころ、公明党、日本維新の会、希望の党、無所属クラブ、国民の声及び無所属の一部(山口和之、渡辺喜美)の賛成多数で可決、成立した。TPP整備法改正法は、2018年7月6日づけの官報(号外 第147号)で平成30年法律第70号として公布された。

国会での協定の承認と関係国内法改正の成立をうけ、2018年7月6日、日本政府は在ニュージーランド大使館から 協定の寄託国であるニュージーランド政府宛てに国内手続の完了通報を行い、メキシコに次いで2番目の国内手続の完了国となった。

シンガポール

シンガポールは2018年7月19日、CPTPPを批准し、CPTPPの3番目の締約国になった。

ニュージーランド

2018年6月25日に、CPTPP批准のための法案が議会に提出され、6月28日の第一読会を経て、外務防衛貿易委員会(Foreign Affairs, Defence and Trade Committee)で審議中され、8月17日までの期限で一般からの意見書(Submission)を受付が行われた 。外務防衛貿易委員会からの報告は10月3日に行われ、10月24日に法案は賛成111、反対8で可決された。10月25日に総督承認がされ法案が成立した。ニュージーランドは10月25日、CPTPPを批准し、CPTPPの4番目の締約国になった。

カナダ

2018年6月14日に、CPTPPの実施法案が下院に提出された。同法案は、与党自由党だけでなく、TPPの交渉を進めてきた前政権与党の保守党も早期の審議を目指して議会内で働き掛けを行っていた。一方、野党の新民主党(NDP)は、製造業と農業分野での失業の原因となるとして反対している。10月16日、賛成236、反対44で下院を通過し、上院へ送付された。10月25日、法案は上院において発声投票で可決し、同日総督承認がされ法案は成立した。カナダは10月29日、CPTPPを批准し、CPTPPの5番目の締約国になった。

オーストラリア

2018年5月25日に、CPTPP実施のための3法案のうち、政府調達に関係する法案が、議会下院へ提出され、ついで2018年8月23日に、3法案のうち関税関係の2法案が、議会下院へ提出された。オーストラリア最大野党の労働党は、法案について9月12日に賛成をすることを決定した。関税関係の2法案は、9月17日に下院において労働党の提出した修正案を採決し、71対71となったが議長採決で否決し、ついで本案について反対3で可決し、下院を通過した。翌9月18日に2法案は上院へ送付され、残る政府調達関係の法案も9月19日に可決し翌9月20日に2法案は上院へ送付された。関税関係の2法案は、10月17日に賛成33、反対15で上院通過し、政府調達関係の法案も10月18日に上院通過した。これら3法案は、10月19日に総督承認がされ法案が成立した。オーストラリアは10月31日、CPTPPを批准し、CPTPPの6番目の締約国になった。

ベトナム

2018年6月19日に、ベトナム外務省のレ・ティ・トゥ・ハン報道官は同省の定例記者会見で、「商工省が手続きを実施中で、次期国会に上程する」と発表した。。なお次期国会の会期は、10月22日から11月19日までの21日間の予定となっている。グエン・ハイン・フック国会事務局長は10月16日、国会常務委員会で第14期(2016~2021年)第6回国会の準備状況について説明しその中で事前に予定されていた議事内容に「包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(TPP11=CPTPP)」の批准決議の採択の項目が追加されると説明した。11月2日、グエン・フ・チョン国家主席は国会にCPTPPの批准案を提出した。11月12日、国会は賛成469、反対0で、CPTPPの批准案を可決した。ベトナムは11月15日、CPTPPを批准し、TPPの7番目の締約国になった

チリ

下院にすでに議案が提出され、下院の審議、上院の審議を経て、2019年明け早々にも手続きを終えるのではないかという見通し。

ペルー

鋭意作業中であり、議会にかけるかの判断を最終的にしている。

ブルネイ

全体の所管替えにより、外務省から財務経済省が担当となっており、鋭意作業中。

マレーシア

2018年10月31日に、マレーシアのマハティール首相は、同国政府はCPTPPの影響について依然として検討中だと語った。

首相は記者団に「わが国経済に悪影響がないことを確実にするため、非常に丹念に調べている」と述べ、CPTPPを批准する期限は設けていないと付け加えた。

CPTPPの発効

オーストラリアが2018年10月31日、CPTPPを批准し、CPTPPの締約国が6か国になったことにより、CPTPPは2018年12月30日に、メキシコ、日本、シンガポール、ニュージーランド、カナダ及びオーストラリアの間で発効する。

ベトナムは、2018年11月15日にCPTPPを批准したので、ベトナムについてはその批准の60日後の2019年1月14日に発効する。

残り未締結の4か国(ブルネイ、マレーシア、ペルー及びチリ)はそれぞれの国が批准を通知してから、60日後に個別に、当該国について協定は発効する。

CPTPP参加希望国の動向

2018年3月5日、台湾の陳建仁副総統は、CPTPP参加に必要な各種準備を進め、主要貿易パートナーに参加支持を働きかける旨、意向を示した。

2018年5月1日、タイのソムキット・チャトゥシピタク副首相は、日本の茂木経済再生担当相との会談において、タイ政府がCPTPP早期加盟に向け準備をしていることを伝え、今後タイが他のCPTPP加盟国と協議するに当たって、日本からのサポートに期待を表明した。

2018年6月15日、コロンビアマリア・ロレーナ・グティエレス商業・産業・観光相がCPTPPに公式に加盟申請したことを明らかにした。なお、コロンビアはCPTPPの寄託国のニュージーランド公式に通知しているがとしているが、CPTPPの発効の前のために、TPPの現参加国の見解では公式なものではないとしている。

2018年7月6日、イギリスのテリーザ・メイ首相は特別会議を開き、イギリス政府として初めて公式にTPPへの参加意思を表明した。報道では、TPPとあるが、後述のとおりCPTPP参加の意向である。また2018年7月18日、イギリスのリアム・フォックス英国際貿易相は、中小企業団体の会合の講演でCPTPP参加について一般から意見を求める方針だと明らかにした。この意見公募は、イギリス政府の公式HPで、7月20日に開始され10月26日に終了した。この意見公募に対する対応は後日発表される。

TPP協定交渉時の資料

大枠合意

2011年11月12日に拡大交渉は大枠合意に至り、輪郭が発表された。その中で、以下の5つが「重要な特徴」として挙げられ

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出典:wikipedia
2018/12/10 20:41

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