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生物の分類とは?

生物の分類(せいぶつのぶんるい)では、生物を統一的に階級分類する方法を説明する。分類学学名、Category:分類学、ウィキスピーシーズも参照のこと。

目次

  • 1 上位の分類階級
    • 1.1 ドメイン
      • 1.1.1 エオサイト説
    • 1.2 従来の分類との関係
    • 1.3 真核生物のスーパーグループ
  • 2 下位の分類階級
    • 2.1 階級
    • 2.2 分類名の接尾辞
  • 3 一般的分類例
    • 3.1 原核生物
      • 3.1.1 真正細菌(ドメイン:バクテリア)
      • 3.1.2 古細菌(ドメイン:アーキア)
    • 3.2 真核生物
      • 3.2.1 原生生物界
      • 3.2.2 植物界
      • 3.2.3 菌界
      • 3.2.4 動物界
  • 4 分子系統学的分類例
  • 5 歴史
    • 5.1 アリストテレスの分類
    • 5.2 リンネの分類
    • 5.3 ドメインの提唱
  • 6 脚注
  • 7 関連項目

上位の分類階級

生物に関する科学的知見が蓄積されるにつれ、生物の分類は何度も修正されたが、特に20世紀末の分子系統解析の成果により、大きな修正が測られた。本稿ではこの分子系統解析の成果に基づいた近代的な系統分類を述べる。

生物全体に3ドメインへの分類

ドメイン

詳細は「ドメイン (分類学)」を参照

まず、分子系統解析(の一つである16S rRNA系統解析)によって得られた大きな成果は、生物全体がドメインと呼ばれる3つの単系統群(真正細菌(Bacteria)、古細菌(Archaea)、真核生物(Eukaryota))に分類される事がわかったことである。これは、これまで「原核生物」と称されていた真核生物以外の生物群が実は真正細菌古細菌という2種類の系統に分かれていた事を意味する。また(後生)動物のような我々のよく知る多細胞生物はいずれも真核生物に属するが、単細胞生物は、真正細菌真核生物古細菌のいずれのドメインにも属する。

真正細菌(青字)、真核生物(緑字)、古細菌(赤字)の関係。左は古細菌を単系統とする説(3ドメイン系統樹)、右はエオサイト説。エオサイト説に従えば、古細菌は真核生物を除いた側系統群であるということになる。

エオサイト説

なお、真核生物は古細菌から進化したとする有力な仮説(エオサイト説)がある。この仮説を認めた場合、古細菌は側系統群で、真核生物と古細菌をあわせた全体が単系統群である事になる為、単系統群のみを分類群とする原則に従えば、3つのドメインにわけるよりも、「真核生物+古細菌」と「真正細菌」の2つに分けるほうが適切という事になる。しかし本稿では、2018年現在多くの学術書等で採用されている3ドメイン説を前提に話を進めるものとする。

従来の分類との関係

3ドメイン説とそれまでの説の関係を以下にまとめた:

リンネ
(1735年)
2界説
ヘッケル
(1894年)
3界説
ホイタッカー
(1969年)
5界説
ウーズ
(1977年)
6界説
ウーズ
(1990年)
3ドメイン説
具体例
 | 原生生物 | モネラ界 | 真正細菌 | 真正細菌 | 細菌
古細菌 | 古細菌 | メタン生成菌好熱好酸菌
原生生物 | 原生生物 | 真核生物 | 藻類原生動物変形菌類
植物 | 植物 | 菌界 | 菌界 | キノコカビ地衣植物
植物 | 植物 | コケ類シダ類種子植物
動物 | 動物 | 動物 | 動物 | 無脊椎動物脊椎動物

上の表の「動物界」、「植物界」などに登場する「界」という語は、生物の分類階級の一つで、3ドメイン説が登場するまでは最上位の分類階級として位置づけられていた。それに対し3ドメイン説ではまず生物全体を3つのドメインに分け、これらドメインよりも下位の分類階級として「界」を扱う。なお、日本の初等教育では3ドメイン説以前の二界説(2011年まで)ないし五界説(2012年以降)に基づいて生物の分類を説明している。

真核生物のスーパーグループ

詳細は「真核生物」を参照

分子系統解析によるもう一つの大きな成果は、真核生物がいくつかのスーパーグループという単系統群に分類でき、さらにそれらスーパーグループがいくつかのクラスターという単系統群にまとめられる事がわかった事である。以下に国際原生生物学会による公式的な分類体系(Adl et al. 2012)の概観を表に示した。

クラスター スーパーグループ 下位分類、具体例

 | アモルフェア

Amorphea

 | オピストコンタOpisthokonta | ホロゾア Holozoa(動物襟鞭毛虫 など)
Nucletmycea(菌類 など)
アメーボゾアAmoebozoa | ツブリネア Tubulinea古アメーバ類 Archamoebae原生粘菌(プロトステリウム目)Protosteliida変形菌(ホコリカビ類)Myxogastria

タマホコリカビ類 Dictyosteliaディスコセア DiscoseaGracilipodidaマルチシリア MulticiliaProtosporangiidaFractovitelliida

Schizoplasmodiida


エクスカバータ

Excavata

 | メタモナス類 Metamonada(フォルニカータパラバサリアプレアクソスチラ)
Discoba(ユーグレノゾアヘテロロボサジャコバ類 など)
マラウィモナス Malawimonas
ディアフォレティケスDiaphoretickes | アーケプラスチダArchaeplastida | 緑色植物 Chloroplastida(緑藻植物陸上植物など)
紅藻 Rhodophyceae
灰色藻 Glaucophyta
SAR

Sar

 | ストラメノパイル Stramenopiles | 不等毛植物(褐藻珪藻ラフィド藻黄金色藻黄緑藻など)、

オパリナ類ビコソエカ類ラビリンチュラ類サカゲツボカビ卵菌ディクチオカ藻ペラゴ藻、、シヌラ類など


アルベオラータ Alveolata | 渦鞭毛藻アピコンプレクサ繊毛虫 など
リザリア Rhizaria | クロララクニオン藻有孔虫放散虫 など

なお、未だこれらのスーパーグループに分類できていない生物もあるが、表を簡単にする為、それらの生物に関しては省略した。完全な表は真核生物の項目を参照。

下位の分類階級

詳細は「階級 (生物学)」および「界 (分類学)」を参照

ドメインやスーパーグループといった上位の分類の下には、 (kingdom) や(phylum/division)といった、伝統的な分類階級がある。これら伝統的な分類体系は、あくまでも人が扱いやすくするための人為的なものである側面があることに注意する必要がある。ただしさまざまな分野で伝統的な分類体系を系統学の知見を反映させた体系に組替える動きが盛んである。

階級

生物
ドメイン
界(かい)
門(もん)
綱(こう)
目(もく)
科(か)
属(ぞく)
種(しゅ)

以下では現時点で生物分類でほぼ一般的に使われている分類体系フレームを記述する。

和名 | 英名 | ラテン語名 | 例:ヒト | 例:ローズマリー | 例:エノキタケ | 例:大腸菌 | 例:A. ペルニクス
ドメイン: | domain: | regio: | 真核生物 | 真核生物 | 真核生物 | 細菌(真正細菌) | 古細菌
: | kingdom: | regnum: | 動物界 | 植物界 | 菌界 | なし | プロテオ古細菌界
: | phylum
/division
: | phylum
/divisio
: | 脊索動物門
(脊椎動物亜門) | 被子植物門 | 担子菌門 | プロテオバクテリア門 | クレン古細菌門
: | class: | classis: | 哺乳綱 | 双子葉植物綱 | 菌蕈綱 | γプロテオバクテリア綱 | テルモプロテウス綱
: | order: | ordo: | サル目 | シソ目 | ハラタケ目 | 腸内細菌目 | デスルフロコックス目
: | family: | familia: | ヒト科 | シソ科 | キシメジ科 | 腸内細菌科 | デスルフロコックス科
: | genus: | genus: | ヒト属
Homo | ローズマリー属
Rosemarinus | エノキタケ属
Flammulina | エスケリキア属
Escherichia | アエロピュルム属
Aeropyrum
: | species: | species: | H. sapiens | R. officinalis | F. velutipes | E. coli | A. pernix

分類名の接尾辞

属より上位の分類名には、植物・藻類・菌類については国際藻類・菌類・植物命名規約、動物・原生動物では国際動物命名規約、細菌・古細菌では国際細菌命名規約で定められた規則的な接尾辞が付けられている。

 | 分類単位
Taxon | 植物
Plants | 
Algae | 
Fungi | 動物
Animals | 真正細菌古細菌
Bacteria, Archaea
門 | Division/Phylum | -phyta | -phyta | -mycota |  | 
亜門 | Subdivision/Subphylum | -phytina | -phytina | -mycotina |  | 
綱 | Class | -opsida | -phyceae | -mycetes |  | (-ia)
亜綱 | Subclass | -idae | -phycidae | -mycetidae |  | (-idae)
目 | Order | -ales | -ales | -ales |  | -ales
亜目 | Suborder | -ineae | -ineae | -ineae |  | -ineae
上科 | Superfamily | -acea | -acea | -acea | -oidea | 
科 | Family | -aceae | -aceae | -aceae | -idae | -aceae
亜科 | Subfamily | -oideae | -oideae | -oideae | -inae | -oideae(現在使用されていない)
族(連) | Tribe | -eae | -eae | -eae | -ini | -eae(同上)
亜族(亜連) | Subtribe | -inae | -inae | -inae | -ina | -inae(同上)

分野によっては慣習的に、よく使われる語尾がある。たとえば、動物門の -zoa、綱の -morpha、目の -iformes、-ida、古細菌門の -archaeota などである。しかしこれらはルールではなく、例外が多い。


一般的分類例

原核生物

真正細菌(ドメイン:バクテリア)

古細菌(ドメイン:アーキア)

真核生物

原生生物界

植物界

菌界

動物界

分子系統学的分類例

全生物を対象にした系統樹の1例。色は生物分類表に従っている

20世紀後半から勃興した、タンパク質アミノ酸配列や核酸塩基配列決定法の技術、そしてそのデータを用いて系統の類縁関係を推定する解析手法の進展に伴って、従来の生物系統分類法は大きな変革を迫られている。特に、これまで他のグループに所属させることができないために一括りに分類されていた、原生生物や藻類、一部の菌類につき系統が大幅に見直されつつある。学問上は二界説ないし五界説は既に瓦解したと言っても過言ではない。ここではキャヴァリエ=スミス (Thomas Cavalier-Smith) らが中心となって提唱している分子系統学的分類の一例を示す(ただし現生生物のみ。原核生物はリンケらの説も参考)。従来の界、門、綱との整合性は今後の課題である。この分野は現在さらに進展しつつあるため、今後も大小の変更があり得る。

出典:wikipedia
2018/08/16 22:33

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