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男爵とは?

男爵(だんしゃく、: baron)は、爵位の一つである。古代中国と近代日本で用いられ、子爵の下位に相当する。ヨーロッパ諸国の最下位の貴族称号の日本語中国語訳にも用いられ、イギリスbaronの訳にはこの語が用いられる。

目次

  • 1 古代中国の男爵
    • 1.1 主要な中国の男爵
  • 2 日本の男爵
    • 2.1 主な日本の男爵
  • 3 イギリスの男爵
    • 3.1 現存する世襲男爵家
      • 3.1.1 イングランド貴族
      • 3.1.2 スコットランド貴族
      • 3.1.3 グレートブリテン貴族
      • 3.1.4 アイルランド貴族
      • 3.1.5 連合王国貴族
    • 3.2 子爵以上の貴族が持つ世襲男爵位
    • 3.3 かつて存在した世襲男爵位
  • 4 その他の国の男爵
  • 5 男爵にちなんだ命名
  • 6 脚注
  • 7 参考文献
  • 8 関連項目

古代中国の男爵

西周時代に設置された爵について、『礼記』には「王者之制緑爵。公侯伯子男凡五等」とあり、五つある爵の最下級に位置づけている。一方で『孟子』万章下には「天子之卿、受地視侯、大夫受地視伯、元士受地視子男。」とあり、天子を爵の第一とし、子男をひとまとめにしている。『礼記』・『孟子』とともに男、もしくは子男は五十里四方の領地をもつものと定義している。また『春秋公羊伝』には「天子は三公を公と称し、王者之後は公と称し、其の余大国は侯と称し、小国は伯・子・男を称す」という三等爵制が記述されている。金文史料が検討されるようになって傅期年郭沫若楊樹達といった研究者は五等爵制度は当時存在せず、後世によって創出されたものと見るようになった。王世民が金文史料を検討した際には公侯伯には一定の規則が存在したが、子男については実態ははっきりしないと述べている。貝塚茂樹は『春秋左氏伝』を検討し、五等爵は春秋時代末期には存在していたとしたが、体系化された制度としての五等爵制度が確立していたとは言えないと見ている。

主要な中国の男爵

昭公13年にはによる平丘の会が開かれ、の君主も招かれた。鄭の君主は本来は「伯」であったが、本来下位にあると同列の「男」を称して覇者に対する貢納の負担を免れようとした。

日本の男爵

明治以降の華族制度において創設され、最下位の爵位とされた。以下のような人々が男爵位を与えられた。

公家
維新後華族に列せられたる者。すなわち明治以降に分家した家(26家)と、廃仏毀釈の風潮の中で還俗した公家出身の興福寺僧侶(いわゆる奈良華族、26家)がこれにあたる。さらにいわゆる地下家の中でもことに家格が高かった押小路家壬生家の2家、及び公家出身で維新に功績のあった玉松操の子孫である玉松家(閑院流出身)、太宰府天満宮宮司高辻家傍流とされる西高辻家にも特に男爵が与えられている。
武家
維新後華族に列せられたる者。すなわち明治以降に大名家から分家した家(35家)がこれにあたる。その他、御三家御附家老として1万石以上を領していた紀伊田辺藩安藤家、美濃今尾藩竹腰家、常陸松岡藩中山家、尾張犬山藩成瀬家(後に子爵)、紀伊新宮藩水野家の5家、交代寄合のうち維新時に現米1万石以上であった播磨福本藩池田家、出羽矢島藩生駒家、大和田原本藩平野家、常陸志筑藩本堂家、備中成羽藩山崎家、但馬村岡藩山名家の6家、長州藩の支藩とされてきた周防岩国藩吉川家(後に子爵)の計11家も、「江戸時代以前は藩とは見なされなかったが明治以後に華族になった」と見なして男爵を与えられた。また戊辰戦争で改易された上総請西藩林家は士族から再度華族に列せられたという扱いで男爵を授爵されている。
また維新時の功績などといった名目により、大藩の家老家のうちかなりの数が「国家に勲功ある者」として男爵を授けられているが、これらの叙爵は旧諸侯・新諸侯に比べて遅れている。また徳島藩筆頭家老稲田家、仙台藩家老の亘理伊達家は北海道開拓に功績があったとして男爵を与えられている。越前福井藩松平家の家老であった本多家(2万石)は士族とされたが、明治3年(1870年)には旧家臣・領民らによる華族への取り立てを求めた武生騒動が起きている。当時の当主本多副元が華族に列せられたのは、明治12年(1884年)のことである。
神職・僧職
特に内規としてあてはまるものはなかったが、各地の神職のうち特に古い家柄のもの(伊勢神宮荒木田家・河辺家、同外宮松木家阿蘇神社阿蘇家宇佐神宮到津家・宮成家日御碕神社小野家、物部神社金子家日前・国懸両神宮紀家出雲大社北島家・千家家熱田神宮千秋家、住吉大社津守家英彦山天台修験座主高千穂家。太字は国造家)、及び僧職のうち血縁によって職を世襲している家(浄土真宗木辺派管長木辺家、同渋谷派管長渋谷家、同高田派管長常盤井家、同興正派管長華園家)は華族に列せられた。このうち東西本願寺の大谷家は伯爵となり、それを除く18家は男爵とされた。
新華族
国家に勲功ある者。政治家官僚軍人以外に、三井家住友家鴻池家岩崎家のような実業家にも男爵が与えられた。なお、政治家系の新華族は、華族令当初に遅れた場合も、男爵を飛ばして子爵などから叙爵されたケースも多い(桂太郎陸奥宗光ら)。
旧南朝の功臣
菊池武臣五条頼定名和長恭南部行義新田俊純などが南朝の功臣の子孫であることを理由に新たに華族に列せられ、男爵を与えられた。

貴族院へは男爵中で互選した者が議員となった(華族議員)。

日本においては公爵伯爵と並んで知名度の高い爵位であり、文学作品、漫画などにも多くの男爵が登場する。その多くは大礼服よりも伝統的なスーツや乗馬服をまとった紳士風の人物として描かれており、貴族というよりは上位の紳士の称号として認識されている感が強い。

主な日本の男爵

イギリスの男爵

イギリス男爵の紋章の冠

男爵と訳される貴族称号を英語ではバロン (baron) という。バロンの女性形はバロネス (baroness) で、イギリスの制度では男爵の妻(男爵夫人)や男爵の爵位をもつ女性(女男爵)に用いる。

イングランドでは13世紀頃までbaronという言葉は、貴族称号ではなく直属受封者(国王から直接に封土を受ける臣下)を意味する言葉だった。そのためその数は非常に多かったが、13世紀から14世紀にかけて大baronのみを貴族とし、小baronは騎士層として区別するようになりはじめ、baronという言葉も国王から議会招集令状を受けてイングランド議会に出席し、それによって貴族領と認められた所領を所有する貴族を意味するようになっていった。

さらにヨーロッパ大陸から輸入された公爵(duke)、侯爵(marquess)、子爵(viscount)が貴族領の有無・大小と関わりなく国王勅許状(letters patent)によって与えられる貴族称号として登場してくると、baronも所領保有の有無にかかわらず勅許状によって与えられる最下位の貴族称号(「男爵」と訳される性質のもの)へと変化した。勅許状による称号としての男爵(baron)位を最初に受けたのは1387年にキッダーミンスター男爵(Baron of Kidderminster)に叙されたジョン・ド・ビーチャムである。

スコットランド貴族では、ロード・オブ・パーラメント(議会の卿)がイングランドにおける男爵位に相当する。スコットランドにおいてはbaronという言葉はずっと直属受封者の意味であり続け、国王から貴族称号をもらっていない地主を含んだ。ジェームズ1世の治世下の1428年に小baronはスコットランド議会に招集されなくなり、同じ頃から裕福なbaronがロード・オブ・パーラメントに叙されて議席を持つようになったのがその始まりである。

1958年一代貴族法によって制定された一代貴族は、全員が男爵位である。ただしその男爵位は世襲できない。

イギリスでは男爵を通常「Baron ○○(○○男爵)」とは呼ばず、「Lord ○○(○○)」と呼ぶが(子爵、伯爵、侯爵も同様に称することができるが、男爵はそれ以上に多くそう呼ばれる)、これはbaronがもともと直接受封者を意味する言葉だったことによる。その「○○」は家名(名字)ではなく爵位名である。例えばアシュバートン男爵の現当主は第7代アシュバートン男爵ジョン・ベアリングであるが、家名はベアリング家なのである。ただしロスチャイルド男爵ロスチャイルド家のように、爵位名と家名が同一である例も少なくはない。

また、日本の華族と違い、欧州貴族は同一人が複数の爵位を持つ場合が多い。その場合、所持する爵位のうち最高位のものを名乗り、他は「従属爵位」とされる。男爵の場合当てはまらないが、嫡男(法定推定相続人)が従属爵位のうち一つを儀礼称号として名乗る。

男爵の妻はLady(レディ)を冠して呼ばれる。女男爵はBaroness(バロネス)あるいはLadyを冠して呼ばれる。女男爵の夫には何も敬称は冠せられない。男爵の息子および娘はThe Honourable のあとにファーストネーム+ラストネームをつけて呼ばれる。

現存する世襲男爵家

イングランド貴族

  1. ド・ロス男爵 (1264年) マクスウェル家
  2. モウブレー男爵 (1283年), セグレイブ男爵 (1295年) ストートン男爵 (1448年) ストートン家
  3. ヘイスティングス男爵 (1295年) アストレイ家
  4. フィッツウォーター男爵 (1295年) プランプター家
  5. クリントン男爵 (1299年) クリントン家
  6. ド・クリフォード男爵 (1299年) ラッセル家
  7. ゾウチ男爵 (1308年) フランクランド家
  8. ウィロウビー・ド・アーズビー男爵 (1313年) ヒースコート=ドラモンド=ウィロウビー家
  9. ストラボルギー男爵 (1318年) ケンワージー家
  10. デイカー男爵 (1321年) ダグラス=ヒューム家
  11. ネイスのダーシー男爵 (1332年) イングラムズ家
  12. クロムウェル男爵 (1375年) ベウィッケ=コプリー家
  13. カモイズ男爵 (1383年) ストーナー家
  14. コッドナーのグレイ男爵 (1397年) コーンウォール=リー家
  15. バークリー男爵 (1421年) ギーターボック家
  16. ラティマー男爵 (1432年) マネー=クーツ
  17. ダドリー男爵 (1440年) ウォレス家
  18. セイ=セレ男爵 (1447年) ファインズ家
  19. バーナーズ男爵 (1455年) カーカム家
  20. ハーバート男爵 (1461年) サイフリッド=ハーバート家
  21. ウィロウビー・ド・ブローク男爵 (1491年) ヴァーニー家
  22. ハロウデンのヴォークス男爵 (1523年) ギルビー家
  23. ブレイ男爵 (1529年) オーブリー=フレッチャー家
  24. バーグ男爵 (1529年) バーグ家
  25. ウォートン男爵 (1544年) ロバートソン家
  26. ブレットソーのセント・ジョン男爵 (1559年) セント・ジョン家
  27. ハワード・ド・ウォルデン男爵 (1597年) チェルニン家
  28. ピーター男爵 (1603年) ピーター家
  29. ドーマー男爵 (1615年) ドーマー家
  30. ティナム男爵 (1616年) ローパー=カーゾン家
  31. ストレンジ男爵 (1628年) ドラモンド・オブ・メギンチ家
  32. スタッフォード男爵 (1640年) フィッツハーバート家
  33. バイロン男爵 (1643年) バイロン家
  34. ルーシャス男爵 (1663年) ディングウォール卿 (1609年、スコットランド) パーマー家
  35. アーリントン男爵 (1664年) フォーウッド家
  36. チャッドリーのクリフォード男爵 (1672年) クリフォード家
  37. バーナード男爵 (1698年) ヴェイン家

スコットランド貴族

  1. フォーブス卿 (1442年) フォーブス家
  2. グレイ卿 (1444年) キャンベル=グレイ家
  3. ソルトーン卿 (1445年) フレイザー家
  4. シンクレア卿 (1449年) シンクレア家
  5. ボースウィック卿 (1452年) ボースウィック家
  6. ラヴァト卿 (1464年) フレイザー家
  7. センピル卿 (1488年) センピル家
  8. テレグルズのヘリーズ卿 (1490年) マンフォード家
  9. エルフィンストン卿 (1510年)/エルフィンストン男爵(連合王国、1885年) エルフィンストン家
  10. トフィチェン卿 (1564年) サンディランズ家
  11. キンロス卿 (1602年) フリーマン=グレンヴィル家
  12. バーリーのバルフォア卿 (1607年) ブルース家
  13. ネイピア卿 (1627年)/エトリック男爵 (連合王国, 1872年) ネイピア家
  14. キャメロンのフェアファクス卿 (1627年) フェアファクス家
  15. リーイー卿 (1628年) マッカイ家
  16. エリバンク卿 (1643年) アースキン=マレー家
  17. ベルハーヴェン=スティントン卿 (1647年) ハミルトン家
  18. ロロ卿 (1651年) ロロ家
  19. ポルワース卿 (1690年) ヘプバーン=スコット家

グレートブリテン貴族

  1. ミドルトン男爵 (1712年) ウィロビー家
  2. ウォルポール男爵 (1723年) ウォルポール家
  3. モンソン男爵 (1728年) モンソン家
  4. ボストン男爵 (1761年) ボテラー家
  5. ヴァーノン男爵 (1762年) ヴァーノン=ハーコート家
  6. ディグビー男爵 (1765年) ディグビー家
  7. ホーク男爵 (1776年) ホーク家
  8. ブラウンロー男爵 (1776年) カスト家
  9. フォーリー男爵 (1776年) フォーリー家
  10. ダインバー男爵 (1780年) リース家
  11. ウィルシンガム男爵 (1780年) ド・グレイ家
  12. バゴット男爵 (1780年) バゴット家
  13. サウサンプトン男爵 (1780年) フィッツロイ家
  14. グラントリー男爵 (1782年) ノートン家
  15. ロドニー男爵 (1782年) ロドニー家
  16. サマーズ男爵 (1784年) サマーズ=コックス家
  17. サフィールド男爵 (1786年) ハーバード=ハモンド家
  18. ケニオン男爵 (1788年) ティレル=ケニオン家
  19. ブレイブルック男爵 (1788年) ネヴィル家
  20. サーロー男爵 (1792年) サーロー=カミング=ブルース家
  21. オークランド男爵 (1793年) イーデン家
  22. キャリントン男爵 (1796年) キャリントン家
  23. ボルトン男爵 (1797年) オード=ポーレット家
  24. リルフォード男爵 (1797年) ポウィス家

アイルランド貴族

  1. キングセール男爵 (1340年?) ド・クルシー家
  2. ダンセイニ男爵 (1439年?) プランケット家
  3. トリムレストン男爵 (1462年) バーンウェル家
  4. ダンボイン男爵 (1541年) バトラー家
  5. ラウス男爵 (1541年) プランケット家
  6. インチクィン男爵 (1543年) オブライエン家
  7. ディグビー男爵 (1620年) ディグビー家
  8. カーベリー男爵 (1715年) エヴァンズ=フリーク家
  9. エイルマー男爵 (1718年) エイルマー家
  10. ファーンハム男爵 (1756年) マクスウェル家
  11. ライル男爵 (1758年) ライソート家
  12. ニューバラ男爵 (1776年) ウィン家
  13. マクドナルド男爵 (1776年) マクドナルド家
  14. ケンジントン男爵 (1776年) エドワーディス家
  15. マシー男爵 (1776年) マシー家
  16. マスケリー男爵 (1781年) ディーン家
  17. シェフィールド男爵 (1783年), アルダリーのスタンリー男爵 (連合王国, 1839年)/エディスベリー男爵 (連合王国, 1848年) スタンリー家
  18. キルメイン男爵 (1789年) ブラウン家
  19. ウォーターパーク男爵 (1792年) キャヴェンディッシュ家
  20. グレイヴス男爵 (1794年) グレイヴス家
  21. ハンティングフィールド男爵 (1796年) バンネック家
  22. ロスモア男爵 (1796年) ウェステンラ家
  23. ハザム男爵 (1797年) ハザム家
  24. クロフトン男爵 (1797年) クロフトン家
  25. フレンチ男爵 (1798年) フレンチ家
  26. ヘンリー男爵 (1799年)/ノーシントン男爵 (連合王国,1885年) イーデン家
  27. ラングフォード男爵 (1800年) ローリー=コンウェイ家
  28. ダファリン=クランボイ男爵 (1800年) ブラックウッド家
  29. ヘニカー男爵 (1800年)/ハーティスミア男爵 (連合王国,1886年) ヘニカー=メージャー家
  30. ヴェントリー男爵 (1800年) モリンズ家
  31. ダンオーリー男爵 (1800年) プリティー家
  32. クランモリス男爵 (1800年) ビンガム家
  33. アッシュタウン男爵 (1800年) トレンチ家
  34. レンドルシャム男爵 (1806年) テルソン家
  35. カスルメーン男爵 (1812年) ハンコック家
  36. デシーズ男爵 (1812年) ベレスフォード家
  37. ガーバー男爵 (1818年) カニング家
  38. マラハイドのタルボット男爵 (1831年) アランデル家
  39. カリュー男爵 (1834年, 連合王国 1838年) コノリー=カリュー家
  40. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出典:wikipedia
2018/11/08 14:33

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