登野城(とのしろ)は、日本の沖縄県石垣市の地名。郵便番号907-0004。
石垣島中西部に位置する。島の中央部やや北にあたる於茂登岳の山麓に位置する小字嵩田(たかだ)を含む広大な地域である。人口は石垣港にほど近い南側に集中しており、石垣地方合同庁舎や八重山警察署、那覇地方裁判所石垣支部、沖縄県立八重山高校、石垣ケーブルテレビなどの施設が立地している。
琉球語のうち、沖縄方言等では「城」は「グスク」と読まれるが、石垣島で話される八重山方言では「スク」と読まれ、登野城も古くは「トノスク」と読まれていた。
琉球王国時代は西側の大川と共に大浜間切(現在の石垣市東部)に属し、石垣間切の石垣・新川と共に石垣四箇字(いしがきしかあざ)の一つに数えられていた。1908年、島嶼町村制の施行に伴い八重山郡八重山村(八重山列島全域)に属し、1914年には八重山村より分村した石垣村(現在の石垣市西部)の字となる。
古くは海に面していたが、石垣港の整備に伴い埋め立てられた南側の地域が1989年に八島町として分離されたことに伴い石垣島の登野城地域は海から遮断されて内陸部となった。飛地の尖閣諸島に関してはこの限りではない。
石垣市に属する尖閣諸島も、飛地として字登野城の一部となっており、2390番地から2394番地が割り当てられている。このうち、魚釣島に割り当てられている登野城2392番地は東京都千代田区千代田(皇居所在地)や島根県隠岐郡隠岐の島町竹島と同様に、本籍として人気が高い住所の一つである。石垣市では、2017年(平成29年)12月の定例市議会に尖閣諸島の字を「登野城」から「登野城尖閣」に変更する議案を上程する方針であったが、翌年以降に先送りされている。