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石炭とは?

【構成物】

【主要構成物】
炭素
【他構成物】
硫黄
水素
酸素
窒素
プロジェクト:地球科学/Portal:地球科学
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  • 出典がまったく示されていないか不十分です。内容に関する文献や情報源が必要です。(2016年4月)
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石炭(せきたん、英語: coal)とは、古代(数千万年~数億年前)の植物が完全に腐敗分解する前に地中に埋もれ、そこで長い期間地熱や地圧を受けて変質(石炭化)したことにより生成した物質の総称。見方を変えれば植物化石でもある。

石炭は黒いダイヤモンドと称されたこともある。特に産業革命以後20世紀初頭まで最重要の燃料として、また化学工業都市ガスの原料として使われてきた。しかし、第一次世界大戦前後から、の燃料が石炭の2倍のエネルギーを持つ石油に切り替わり始めた。戦間期から中東での油田開発が進み、第二次世界大戦後に大量の石油が採掘されて1バレル1ドルの時代を迎えると産業分野でも石油の導入が進み(エネルギー革命)、西側先進国で採掘条件の悪い坑内掘り炭鉱は廃れた。

1970年代に二度の石油危機で石油がバレルあたり12ドルになると、産業燃料や発電燃料は再び石炭に戻ったが、日本国内で炭鉱が復活することは無かった。豪州露天掘りなど、採掘条件の良い海外鉱山で機械化採炭された、安価な海外炭に切り替わっていたからである。海上荷動きも原油に次いで石炭と鉄鉱石が多く、30万トンの大型石炭船も就役している。

他の化石燃料である石油や天然ガス等と比べても、燃焼した際の二酸化炭素 (CO2)や硫黄酸化物(SOx)などの有害物質の排出量が多く、地球温暖化大気汚染の主な原因の一つとなっている。

日本では、一般的に石炭(せきたん)と呼ばれるようになったのは、明治初年に西欧の採炭技術が入って、特にドイツ語Steinkolenを和訳したものとされる。それ以前は地方によって、五平太(ごへいだ)、石炭(いしずみ)岩木(いわき)、燃石(もえいし)、烏丹(うに)、烏朱(うし)などと様々に呼称されていた。

石炭の起源

現存する泥炭地 霧多布湿原

石炭は数千万年前~数億年前の植物が湖底や海底に層状に堆積し、地殻変動や造山活動等による地圧や地熱の影響により変化し、濃集して石炭化したものである。特に石炭の成因植物となっているのは、石炭紀時代(紀元前2億4千万年前~3億年前)の湿地帯で森林を形成していた巨大なシダ類と、第三紀時代(紀元前2千5百万年~6千万年)の針葉樹類などと考えられている。

古生代においては菌類等の分解者が、まだ出現していなかったり少数派であったため大量の植物群が分解前に埋没していた。植物の遺体が分解されずに堆積する場所として湿原や湿地帯が挙げられる。これらの場所においては植物の死体は酸素の少ない水中に沈むことによって生物による分解が十分進まず、分解されずに残った組織が泥炭となって堆積する。泥炭は植物が石炭になる入り口とされている。他の成因として大規模な洪水で大量の樹木が湖底等の低地に流れ込んで土砂に埋まることも考えられる。地中に埋まった植物は年代を経るに従って 泥炭褐炭歴青炭無煙炭 に変わってゆく。この変化を石炭化と呼ぶ。

石炭化

地中に埋まった植物が地圧や地熱を受けて石炭になる変化を総称して石炭化と呼ぶ。これは多様な化学反応を伴った変化である。セルロースリグニンを構成する元素は炭素酸素水素であるが、石炭化が進むに従って酸素や水素が減って炭素濃度が上がってゆき、外観は褐色から黒色に変わり、固くなってゆく。炭素の含有量は泥炭の70%以下から順次上昇して無煙炭の炭素濃度は90%以上に達する。化学的には植物生体由来の脂肪族炭化水素が脱水反応により泥炭・褐炭になり、次に脱炭酸反応により瀝青炭となり、最後に脱メタン反応により芳香族炭化水素主体の無煙炭に変わってゆく。植物が石炭化する速度は地中での圧力や温度の影響を受ける。日本は環太平洋造山帯に位置し地殻変動が盛んなため、諸外国の産地よりも高温・高圧にさらされて石炭化の進行が早いとする説もある。

石炭が産出する地層と歴史

石炭は元となった植物が繁茂していた時代に相当する地層から産出される。

古生代の地層は石炭が産出する地層としては最も古く、産出は無煙炭が主体。古生代に繁茂していた植物は現在のシダ類やトクサ類の祖先に相当するが、当時の代表的な植物であるリンボクは高さ30メートルになる大木で、大森林を形成していたと考えられている。

中生代ソテツイチョウなどの裸子植物が優勢となった。この時代の地層から産出する石炭は海外ではほとんど瀝青炭だが、日本で産出するのは無煙炭が主体である。

新生代第三紀(7~2千万年前)の植物は、現在に近い樹種が主体。産出する石炭は、外国では石炭化の低い褐炭が主体だが、日本の炭鉱では瀝青炭が産出される。

植物の体はセルロースリグニンタンパク質樹脂などなどで構成されている。このうち古生代に繁茂したシダ類ではセルロースが40~50%リグニンが20~30%であり、中生代以後に主体となる針葉樹類ではセルロースが50%以上リグニンが30%である(何れも現生種のデータ)。これらの生体物質を元にして石炭が形成された。

石炭の成り立ちの主な参考文献 - 『石炭技術総覧』Batman、『太陽の化石:石炭』第1章石炭の生い立ち

シルル紀後期にリグニンを有した植物が登場した。歴史上上陸した植物が立ち上がるためにはセルロースヘミセルロースを固めるためのリグニンが必要であった。リグニンを分解できる微生物がその当時はいなかったので植物は腐りにくいまま地表に蓄えられていった。これが石炭の由来となる。石炭紀に石炭になった植物はフウインボクリンボクロボクなどであり、大量の植物が腐らないまま積み重なり、良質の無煙炭となった。石炭紀以降も石炭が生成されたが時代を下るに従って生成される石炭の量も質も低下することとなった。白色腐朽菌は、地球上で唯一リグニンを含む木材を完全分解できる生物で、リグニン分解能を獲得したのは古生代石炭紀末期頃(約2億9千万年前)であると分子時計から推定された。石炭紀からペルム紀にかけて起こった有機炭素貯蔵量の急激な減少は白色腐朽菌のリグニン分解能力の獲得によるものと考えられている。

石炭の種類

石炭の化学構造の例:瀝青炭

石炭化度による分類

石炭は炭素の濃集度合(炭素の濃縮の程度) により石炭化度の高い方から、無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭、亜炭、泥炭に分類される。日本で一般に石炭と呼ばれているものは無煙炭から褐炭までである。なお、石炭化度は発熱量と燃料比(固定炭素÷揮発分、通常では無煙炭:4以上、瀝青炭:1~4、褐炭:1以下)を用いているが、国際的には一般に揮発分が用いられている。

(石炭化度の高い順に)

無煙炭 (anthracite)
炭素含有量90%以上。最も石炭化度(炭素分)が高く燃やしても煙をほとんど出さない。カーバイドの原料、工業炉の燃料に使われるほか、家庭用の練炭や豆炭の原料となることもある。かつては軍艦用燃料に重んじられた。ただし揮発分が低く、着火性に劣る。焼結に使用可能な低燐のものは原料炭の一種として高価格で取引される。
半無煙炭 (semianthracite)
炭素含有量80%以上。無煙炭に次いで石炭化度が高いが、粉鉄鉱焼結にも適さない一方、電力等微粉炭ボイラー用としては揮発分が少なすぎて適さず、比較的安値で取引される一般炭。セメント産業の燃料や流動床ボイラに使われる。着火性に劣るが比較的発熱量が高く、内陸工場への輸送コストが安く済む。
瀝青炭 (bituminous coal)
炭素含有量70~75%。石炭として最も一般的なもの。加熱により溶けて固まる粘結性が高く、コークス原料に使われたり、製鉄用燃料となる。
亜瀝青炭 (subbituminous coal)
瀝青炭に似た性質を持つが、水分を15~45%含むため比較すると扱いにくい。粘結性がほとんどないものが多い。コークス原料には使えないが、揮発分が多くて火付きが良く、熱量も無煙炭・半無煙炭・瀝青炭に次いで高い。特にボイラー用の燃料として需要がある。豊富な埋蔵量が広く分布しており、日本で生産されていた石炭の多くも亜瀝青炭であった。
褐炭 (brown coal)
炭素含有量60%以上。石炭化度は低く植物の形を残すものも含まれ、水分・酸素の多い低品位な石炭である。練炭・豆炭などの一般用の燃料として使用される。色はその名の示す通りの褐色。水分が高すぎて微粉炭ボイラの燃料としては粉砕/乾燥機の能力を超えてしまう場合が多く、重量当たり発熱量が低いので輸送コストがかさみ、脱水すれば自然発火しやすくなるという扱いにくい石炭なので価格は最安価で、輸送コストの関係で鉱山周辺で発電などに使われる場合が多い。最近褐炭を脱水する様々な技術の開発が行われている。
亜炭 (lignite)
褐炭の質の悪いものに付けられた俗名。炭素含有量60%未満。ただし、亜炭と呼ぶ基準は極めて曖昧である。学名は褐色褐炭。埋れ木も亜炭の一種である。日本では太平洋戦争(大東亜戦争)中に燃料不足のため多く利用された。現在では亜炭は肥料の原料としてごく少量利用されているにすぎない。
泥炭 (peat)
泥状の炭。石炭の成長過程にあるもので、品質が悪いため工業用燃料としての需要は少ない。ウイスキーに使用するピートは、大麦麦芽を乾燥させる燃料として香り付けを兼ねる。このほか、繊維質を保ち、保水性や通気性に富むことから、園芸用土として使用される。
日本産業規格による分類 (JIS M 1002)
分類 発熱量
補正無水無灰基
kJ/kg (kcal/kg)
燃料比 粘結性 主な用途 備考
炭質 区分
無煙炭 (A)
Anthracite | A1 | --- | 4.0 以上 | 非粘結 | 一般炭
原料炭 | 
A2 | 火山岩の作用で生じたせん石
瀝青炭 (B, C)
Bituminous | B1 | 35,160 以上
(8,400 以上) | 1.5 以上 | 強粘結 | 一般炭
原料炭 | 
B2 | 1.5 未満 | 
C | 33,910 以上 35,160 未満
(8,100 以上 8,400 未満) | - | 粘結 | 一般炭
原料炭 | 
亜瀝青炭 (D, E)
Sub-Bituminous | D | 32,650 以上 33,910 未満
(7,800 以上 8,100 未満) | - | 弱粘結 | 一般炭 | 
E | 30,560 以上 32,650 未満
(7,300 以上 7,800 未満) | --- | 非粘結 | 一般炭 | 
褐炭 (F)
Lignite | F1 | 29,470 以上 30,560 未満
(6,800 以上 7,300 未満) | --- | 非粘結 | (一般炭) | 

F2 | 24,280 以上 29,470 未満
(5,800 以上 6,800 未満) | ---

用途による分類

原料として製鉄用コークス、石炭化学工業、都市ガスなどに使用されるものを原料炭、燃料として火力発電や一般産業用ボイラー、セメント回転炉燃料などに使われる石炭を一般炭という。

粒度による分類

石炭は形状または粒度から、大きい順に切込炭、塊炭、中塊炭、小塊炭、粉炭、微粉炭に分類される。

石炭の採掘

ワイオミング炭鉱の露天掘り
詳細は「炭鉱」を参照

石炭は太古の植物の遺体が堆積したものであるため、地中には地層の形で存在する。石炭の鉱山を特に炭鉱と呼び、炭鉱が集中している地域を炭田と呼ぶ。

石炭の層(炭層という)が地表または地表に近いところに存在する場合、地面から直接ドラッグラインという巨大なパワーショベル等で掘り進む露天掘りが行われる。アメリカやオーストラリアの大規模な炭鉱で多く見られる。中国の撫順炭鉱は、700年ほど前から露天掘りがなされたと言われており、当時は陶器製造のための燃料として用いられたとされる。その後、朝は「風水に害あり」との理由から採掘禁止としていたが、1901年、政府許可のもとで民族資本により採掘が始まり、その後ロシア資本が進出、さらに日露戦争後は東清鉄道及びその付属地日本の手に渡ることとなり、1907年には南満州鉄道の管理下に移って、鞍山の鉄鋼業の発展に寄与した。

一方で地下深いところに石炭がある場合、日本の在来採炭法では炭層まで縦坑を掘り、その後炭層に沿って水平または斜め(斜坑)に掘り進む。石炭は層状に存在するので採掘は広い面積で行われるため、放置すれば採掘現場の天井が崩れ落ちる危険性が非常に高い。石炭を採掘する際には、天井が崩れないように支柱を組むなど様々な対処を行いながら掘り進む。従来採炭法では手持ち削岩機とダイナマイトの併用が多かったが、採掘も手間がかかり、崩した石炭をトロッコに積むのも手作業で、掘ったあとに支柱を組むので能率が悪かった。

オーストラリアやアメリカ合衆国などでは日本に比べ坑内掘りでも炭層が水平で厚く、厚さ数メートルにも及ぶ場合があり、ロングウォールという一種のシールドマシンによって機械採炭を行っている。これはコの字断面のシールドを横に長く並べ、コの字の内側を機織機のシャトルのようにドリルが往復して炭層を削り取ってゆくもので、ベルトコンベアで石炭は機械的にトロッコに積まれてゆく。省人員で生産能率が露天掘りに次いで高く、低コストである。ロングウォール炭鉱の場合、上層から採炭して採炭後の空間は支柱を立てずに崩す場合もある。(ただし、上層が高硫黄炭で下層が低硫黄炭で、保証スペックにあわせるため上層炭と下層炭ブレンドしたい場合なども多く、必ず支柱を省けるわけでもない) 最近は中国などでもロングウォールを取り入れている炭鉱もあるが、人件費が安いので依然従来採炭法の鉱山も多い。旧ソ連などでは石炭を地層内で不完全燃焼させガス化して取り出して採炭を簡略化するという、かなり乱暴な手法も研究されていたようである。

20世紀初頭、ウェールズには600以上もの炭鉱があり、約20万人が働いて経済を支えていた。

世界の埋蔵量

比較的埋蔵量の多い国はアメリカ合衆国ロシア連邦中華人民共和国古期造山帯で多く産出される。炭層が厚く、広範囲に分布することから、露天掘りが多い。輸出向けの実績はオーストラリア、インドネシアが堅調に推移。インドネシアは良質な瀝青炭の埋蔵量が減少傾向にあり、今後は亜瀝青炭の生産量が増加していくものと見られる。[1]、日本は、オーストラリア、インドネシア、中国、ロシアなどから年間約1億8千万トンもの石炭を輸入している。

( )内は2017年の埋蔵量(億トン、BP統計)。

主な産炭地

( )内は1980年からの産出量の割合(%)。年合計は38.34億トン。

参考資料:鉄鋼統計要覧など

主な消費国

平成29年(2017年)の主要消費国上位5ヶ国は中国(48.2%)、インド(12.4%)、アメリカ(8.4%)、ロシア(3.0%)、ドイツ(2.9%)である。

日本の炭鉱

2007年度、年間60万トン体制での採炭を続けている。この炭鉱のある釧路炭田は、推定埋蔵量20億トンと大規模であり、炭層が厚く水平に広がり、機械化(SD採炭)採掘が容易であることから、採炭技術の継承と海外技術者の研修受入先としても活用されている。

日本の炭鉱はアメリカやオーストラリアの大規模炭鉱と比べて地層構成が複雑なため、石炭は地下の深部にあることが多い。そのため何キロメートルにも及ぶ坑道を掘り採掘していたが、労働条件は悪く、上記のようにメタンガス粉塵による爆発事故・落盤などが多発し、多くの殉職者を出してきた。

明治維新以後 石炭は燃料や工業原料(特に製鉄業)として使用量が増大した。北海道福島県山口県福岡県佐賀県長崎県が主産地で、最盛期にはこれらの地域を中心に全国に800以上の炭鉱が開かれ、第二次世界大戦中に年間産出量は6000万トンに達した。終戦後急激に減少し、その後産業の回復につれて産出量は再度増加した。

1950年以降ほぼ5000万トンを超えるレベルに回復したが、石油の大量輸入(エネルギー革命)、コスト面で外国産のものに太刀打ちできないなどの問題で1961年をピークに徐々に衰退し、2002年以降国内で操業している坑内掘り炭鉱は、北海道の釧路炭鉱の1箇所のみとなった。

しかし石炭価格の高騰に伴い、国産石炭もコスト競争力をもつようになってきたため、露天掘り炭鉱が次々と開発される。また福島第一原発事故後、国内の原子力発電所が順次運転を停止する中、電力会社は電力の安定供給のため、既存の石炭火力発電所をフル稼働させるようになったため、採掘事業者に対して増産を求める動きもある。

2015年度の石炭生産は坑内掘りと露天掘りを合わせて120万トン弱で、内訳は坑内掘り(釧路コールマイン)が約47万トン、露天掘り(7社)が約73万トンとなっている。

主な日本の産炭地

稼働中の炭鉱あり
国内唯一の坑内掘り炭鉱として年50万t生産中。採炭とベトナム・中国等への石炭技術の継承も行う。おもに発電用。
規模の小さな露天掘りによる炭鉱が数カ所存在する。
  • 北菱美唄(北菱産業埠頭):美唄市
  • 三美炭鉱(三美鉱業):美唄市
  • 砂子炭鉱(砂子組):三笠市
  • 空知新炭鉱(空知炭鉱):歌志内市
  • 東芦別炭鉱(平野重機鉱業):芦別市
  • 新旭(芦別鉱業):芦別市

出典:3.坑内掘炭鉱について (PDF)”. 北海道庁 (2017年3月9日). 2017年11月26日閲覧。4.露天掘炭鉱について (PDF)”. 北海道庁 (2017年3月9日). 2017年11月26日閲覧。

全て閉山
日本には珍しい無煙炭の炭鉱。
主に海軍・国鉄向けの官有炭鉱。

炭鉱事故

詳細は「炭鉱#炭鉱事故」を参照

石炭が他の鉱石と著しく異なる点は「良く燃える」ことであり、それによる大規模な炭鉱災害が度々発生している。炭層内に含まれるメタンガスが突然噴出し引火して爆発したり、炭鉱内に飛散した石炭の粉塵(炭塵)に引火して炭塵爆発を起こしたりなどで多数の犠牲者が出た事故が過去何度も発生している。犠牲者が最も多かったのは日本統治下の満州本渓湖炭鉱で1943年に発生した炭塵爆発事故で、死者の数は1,527名に達した。日本国内の事故では1914年に方城炭鉱でのガス爆発事故が死者687名を出している。1910年頃までヨーロッパでも死者300人を超える事故があったが、1913年のイギリスのセングヘニス炭鉱事故(死者439名)以後、欧米では犠牲者300名以上の爆発事故は発生していない。それに対して日本では1963年の三池炭鉱(盆踊り炭坑節で有名)炭塵爆発事故で458名の死者を出している。アメリカにある炭鉱都市のセントラリアは、1962年に発生した坑内火災で町全体に退去命令が出てゴーストタウンと化した。現在も地下では火災が続いており、地上では煙が上がっている。

炭鉱災害の参考文献 - 『太陽の化石:石炭』2.5炭鉱災害と保安の技術史について

産業分野の利用

石炭は一般家庭や産業分野で利用されているが、産業分野では電力分野、製鉄分野、コークス製造分野、土壌改良分野などで利用されている。また、石炭からは各種の誘導品が製造される。

各産業分野

電力分野
石炭は蒸気ボイラー用燃料として発電に利用される。
製鉄分野
製鉄分野では精錬工程での還元剤や熱源として使用されている。
コークス製造分野
製鉄や鋳造、金属鉱石の精錬時の還元剤に使用されるコークスは石炭を高温乾留したものである。
土壌改良資材分野
亜炭や泥炭は主に土壌改良材に利用されている。

各種誘導品

燃焼による誘導品
ボイラーで石炭を燃焼して発生した灰はフライアッシュ、灰が凝集して底部に残ったものをクリンカアッシュ(ボトムアッシュ)という。
乾留による誘導品
石炭の乾留による誘導品がコークスであり、その工程で副生成物として石炭ガス、コールタール、ガス軽油、ピッチなどが得られる。
コークスと水蒸気との反応
赤熱したコークスと水蒸気との反応により水性ガスが得られる。

石炭利用の歴史

石炭を化学的に液化(石炭液化)して人造石油を合成する方法として水素添加法や、石炭をガス化した一酸化炭素と水素を元にフィッシャー・トロプシュ反応により炭化水素を合成する方法(南アフリカで実用化)などが工業化、第二次大戦ではドイツは人造石油で軍用燃料をまかなっている。以下に石炭利用の歴史を概説する。

石炭利用の歴史この章の主な参考文献 - 『石炭技術総覧』第3章石炭を使う

石炭使用の黎明期

古代ギリシアのテオプラストスの記録(紀元前315年)に石炭が鍛冶屋の燃料として使われたと書かれている。ほぼ同年代の中国戦国時代でも石炭を使用した遺跡が見つかっている。かつて中国華北代に用いられたとされ、同時代の江南では木炭、四川では竹炭を利用していた。 日本での工業使用は、江戸時代筑豊炭田の石炭が瀬戸内海の製塩に用いられた記録がある。元禄年間貝原益軒が著した『筑前国続風土記』によれば、日本の筑前では山野に露出した石炭を『燃石』と称して、庶民がの代用燃料としていたようで、風呂煮炊き用に火持ちの良い燃石を用いたと著されている。イギリスは国内に豊富な石炭資源を有し、一部は地表に露出していたため700年以上前から燃料として使われていた。18世紀にイギリスで産業革命が始まり、製鉄業をはじめとした工業が大規模化した。燃料消費量が増え 従来の薪や木炭を使用した工業システムでは森林資源の回復が追いつかなくなる問題が持ち上がり、工業用燃料として石炭が注目され始めた。

石炭の第一次黄金時代

1904年製の蒸気機関車City of Truro

18世紀になってジェームズ・ワットによって蒸気機関が実用化され、燃料として石炭が大量に使用されるようになった。また同じ頃に石炭を乾留したコークスによる製鉄法が確立され、良質な鉄が安価に大量に生産できるようになり、産業革命を大きく推進させた。19世紀末になるとコークスを製造する際の副産物として出てきたドロドロの液体コールタールを原料として石炭化学工業が始まり、染料のインディゴ、薬品のアスピリンナフタリンなどが作られるようになった。石炭と石灰岩を高温(2,000℃)で反応させてできた炭化カルシウムからアセチレンが作られ、有機化学工業の主原料となった(現在この地位は石油起源のナフサ/エチレンに替わっている)。燃料としての石炭は工場の動力のほか、鉄道の蒸気機関の燃料として使われた。

都市の照明や暖房・調理用に石炭由来の合成ガスが使われた。これは石炭の熱分解から得られたガスで、最初はコークスを作る際に発生するメタン水素を主成分とするコークス炉ガスがロンドンのガス灯などに使われた。次にもっと大量に生産できる都市ガスが開発された。灼熱したコークスに水をかけて得られる一酸化炭素水素からなるガスで、大都市で1970年代まで使用されたが、便利ではあるが毒性が強いものであったため現在では毒性の少ない天然ガスに切り替わりつつある。19世紀末から20世紀中旬にかけて、先進各国の都市では工場や家庭で使用する石炭から出る煤煙による公害問題が大きくなっていった。

石炭の黄金時代の主な参考文献 - 『Ghezunteidt』第3章石炭を使う

石炭から石油への移行

第一次大戦で活躍したドイツ巡洋艦エムデン、石炭燃焼による目立
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出典:wikipedia
2020/07/27 23:01

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