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福島第一原子力発電所事故の経緯とは?

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福島第一原子力発電所事故 > 福島第一原子力発電所事故の経緯

福島第一原子力発電所事故の経緯(ふくしまだいいちげんしりょくはつでんしょじこのけいい)では、2011年(平成23年)3月11日日本で発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)によって引き起こされた福島第一原子力発電所事故の経緯・経過の内、事故発生から2011年3月末までを詳述する。

2011年4月以降の経緯については「福島第一原子力発電所事故の経緯 (2011年4月以降)」を参照

目次

  • 1 施設の損害状況
  • 2 経過
    • 2.1 3月11日
    • 2.2 3月12日
    • 2.3 3月13日
    • 2.4 3月14日
    • 2.5 3月15日
    • 2.6 3月16日
    • 2.7 3月17日
    • 2.8 3月18日
    • 2.9 3月19日
    • 2.10 3月20日
    • 2.11 3月21日
    • 2.12 3月22日
    • 2.13 3月23日
    • 2.14 3月24日
    • 2.15 3月25日
    • 2.16 3月26日
    • 2.17 3月27日
    • 2.18 3月28日
    • 2.19 3月29日
    • 2.20 3月30日
    • 2.21 3月31日
  • 3 脚注
    • 3.1 注釈
    • 3.2 出典
  • 4 参考文献
  • 5 関連項目

施設の損害状況

2011年4月12日16時00分現在の福島第一原発の損害等状況は下記表のとおり(主な出典:社団法人日本原子力産業協会による状況とりまとめ、原子力災害対策本部発表)。

重要度(原産協会評価)
低 | 高 | 深刻(緊急対応要)
【4月12日16時00分現在の状況】
【1号機】
【2号機】
【3号機】
【4号機】
【5号機】
【6号機】

出力 (kw) | 46万 | 78.4万 | 78.4万 | 78.4万 | 78.4万 | 110万
原子炉型式 | BWR-3 | BWR-4 | BWR-4 | BWR-4 | BWR-4 | BWR-5
格納容器型式 | マーク I | マーク II
地震時の運転状況 | 運転中⇒自動停止 | 運転中⇒自動停止 | 運転中⇒自動停止 | 2010年11月30日から定期点検中 | 2011年01月03日から定期点検中 | 2010年08月14日から定期点検中
燃料装荷体数:燃料集合体種類 | 332体:B型(9×9)
68体:高燃焼度燃料(8×8)
計400体 | 548体:B型(9×9) | 516体:A型(9×9)
32体:MOX燃料(8×8)
計548体 | 燃料なし(使用済み核燃料プールに移送) | 548体:B型(9×9) | 764体:B型(9×9)
炉心燃料健全性(燃料装荷体数) | 炉心損傷 70%(400体)
燃料ペレット溶融 | 炉心損傷 30%(548体)
燃料ペレット溶融 | 炉心損傷 25%(548体)
燃料ペレット溶融 | 燃料なし(使用済み核燃料プールに移送) | 健全(548体) | 健全(764体)
原子炉圧力容器
構造健全性 | 不明 | 不明 | 不明 | 安全状態 | 安全状態 | 安全状態
原子炉格納容器
構造健全性 | 漏洩の疑いあり(窒素注入で圧力が上がらず、また、原子炉建屋が非常に高線量) | 損傷・漏洩の疑いあり | 不明 | 健全 | 健全 | 健全
圧力抑制プール
構造健全性 | おそらく健全 | 損傷。漏洩中 | おそらく健全 | 健全 | 健全 | 健全
交流電源を要する原子炉冷却機能(淡水による大容量注水機能) | 機能喪失 | 機能喪失 | 機能喪失 | 必要とせず | 機能有り | 機能有り
交流電源を要しない原子炉冷却機能(熱交換器を介した冷却機能) | 機能喪失 | 機能喪失 | 機能喪失 | 必要とせず | 稼働中 | 稼働中
建屋健全性 | 大きく損傷
(水素ガス爆発) | 損傷。ブローアウトパネルは脱落して開放状態 | 大きく損傷
(水素ガス爆発) | 大きく損傷
(水素ガス爆発) | 屋上孔開け実施(水素ガス爆発対策) | 屋上孔開け実施(水素ガス爆発対策)
原子炉圧力容器内水位 | 燃料露出
(部分又は全体) | 燃料露出
(部分又は全体) | 燃料露出
(部分又は全体) | 安全状態 | 安全状態
(冷温停止) | 安全状態
(冷温停止)
原子炉圧力容器内圧力・温度 | 圧力:上昇傾向、温度:400℃以上に上昇(3月22日)後やや低下 | 圧力:不明、温度:安定 | 不明 | 安全状態 | 安全状態 | 安全状態
格納容器圧力 | 0.4Mpaまで上昇(3月24日)後やや低下 | 安定 | 一時上昇(3/20)後低下 | 安全状態 | 安全状態 | 安全状態
炉心への注水 | 実施中(淡水) | 実施中(淡水) | 実施中(淡水) | 必要とせず | 必要とせず | 必要とせず
格納容器への注水 | 確認中 | 確認中 | 確認中 | 必要とせず | 必要とせず | 必要とせず
格納容器ベント | 一時停止 | 一時停止 | 一時停止 | 必要とせず | 必要とせず | 必要とせず
使用済み核燃料プール内の燃料健全性(燃料の貯蔵体数) | 不明(292体) | 損傷の疑いあり(587体) | 損傷の疑いあり(514体) | 損傷の可能性(1331体)(5階の爆発は燃料被覆管溶融のための水素ガス爆発と思われる。また、水面上で高い線量が検出された)2014年12月22日共用プールへの移送完了。 | 健全(946体) | 健全(876体)
使用済み核燃料プール内の冷却機能 | 放水実施(淡水) | 注水実施(海水から淡水へ) | 水位低、放水・注水実施(海水から淡水へ) | 水位低、放水実施(海水から淡水へ)、燃料は水面下(4月14日無人ヘリで確認)、プール自体に大きな損傷はない模様(4月28日水中カメラで動画撮影) | 一時機能を喪失するが、回復し冷却中 | 一時機能を喪失するが、回復し冷却中
中央制御室の居住性・操作性 | 交流電源喪失により悪化(照明、監視系のみ回復) | 交流電源喪失により悪化(照明、監視系のみ回復) | 健全(推定)
環境影響 | 
環境モニタリングによる放射線計測値:西門付近にて 15 μSv/h (5月12日21時00分)

近県の農畜産物から食品衛生法上の暫定規制値を超える放射能を検出。3月21日以降、出荷制限、摂取制限を実施中。
3月13日、女川原子力発電所のモニタリングポストで21μSv/hの放射線を観測。しかし同発電所には放射性物質の大量拡散に繋がる要素は確認できず。
3月23日、発電所付近の海水から、放射性ヨウ素、セシウム、ルテニウム、テルル等が検出されたことを発表。
近県の水道水から食品衛生法上の暫定規制値を超える放射性ヨウ素が検出。
3月28日、2号機外の立て坑に溜まった水の表面で1000mSv/h以上の強い放射線が検出されたことを発表。
3月28日、敷地内土壌からプルトニウムが検出されたことを発表。
4月2日、2号機ピットに溜まった1000mSv/hを超える水がピット亀裂から海に流出していることを発見したと発表。
4月4日、高レベル廃液の移送先確保のため低レベル廃液約1万トンを海に投棄開始。


避難勧告 | 3月12日18:25 総理指示:20km圏内住民に避難指示
3月25日11:30 総理指示:20 - 30km圏内住民に自主避難促進
国際原子力事象評価尺度(4月12日) | 
レベル7
 | - | -
その他 | 使用済み核燃料共用プール:満水。水温:28℃(4月4日08:10)。21日共用プールへの注水開始、24日冷却ポンプを外部電源により起動
乾式輸送容器建屋の外観:異常無し

経過

3月11日

【3月11日】
【1号機】
【2号機】
【3号機】
【4号機】
【5号機】
【6号機】

14時46分地震発生 | 運転中⇒自動停止 | 運転中⇒自動停止 | 運転中⇒自動停止 | 停止中
定期点検作業中 | 停止中 | 停止中
15時41分ディーゼル発電機故障停止 | 全交流電源喪失
バッテリー動作(?時間) | 全交流電源喪失
バッテリー動作(?時間) | 全交流電源喪失
バッテリー動作(?時間) |  |  | 
15時45分にオイルタンクが大津波によって流出 | 16時36分冷却装置注水不能 | 冷却装置注水不能と思われたが、12日非常用炉心冷却装置のポンプが作動中を確認 | 非常用炉心冷却装置のポンプが作動中 |  |  | 
 | ?時?分バッテリー終了? | ?時?分バッテリー終了? | ?時?分バッテリー終了? |  |  | 
沸騰水型原子炉圧力容器及び再循環回路の詳細図(※:原子炉格納容器)

1.原子炉本体
2.コンクリート遮蔽プラグ
3.設備プール
4.ドライウェルヘッド
5.使用済み核燃料プール
6.燃料充填空洞
7.ドライウェルフランジ
8.原子炉圧力容器
9.生物シールド
10.第二コンクリート遮蔽壁
11.立鋼ドライウェル
12.ビーム
13.コンクリート埋込部
14.ジェットノズル
15.拡張ベローズ
16.ベントヘッダー
17.排水管
18.水(ウェットウェル)
19.シェル接合領域
20.土台基盤
21.原子炉建屋(側壁)
22.プラットフォーム
23.バルクヘッド
24.減圧室
25.ベントバルブ
26.クレーン
27.使用済み核燃料
28.冷却液パイプ
29.冷水パイプ(発電機から)
30.蒸気パイプ(発電機へ)
31.制御棒作動装置
39.制御棒
40.スチームセパレーター
41.スチームドライヤー

⇒ ドライウェル (11.) 、ウェットウェル (18.) は原子炉格納容器冷却設備、原子炉格納容器および原子炉格納容器冷却方法に大きく関連。

2011年3月11日14時46分(日本時間)、日本三陸沖で、モーメント・マグニチュード (Mw) 9.0となる地震が発生した。これは日本の観測史上最大で、アメリカ地質調査所 (USGS) によれば世界でも1900年以降4番目の規模である(地震の詳細は「東北地方太平洋沖地震」を参照)。

同時刻、4号機から6号機は定期点検のため停止中であったが、稼働中だった1号機(46万kW)、2号機(78.4万kW)、3号機(78.4万kW)がこの地震により自動停止した。

東京電力福島第一原子力発電所敷地内で記録した揺れの最大加速度は448ガルを記録した。これは、経済産業省原子力安全・保安院が同原発の耐震安全の最大値としていた600ガルの4分の3であった。

この揺れにより、1 - 4号機は発電所内の受電設備が損傷し受電不能に陥り、5、6号機は受電経路である原発西側の夜ノ森線の第27号鉄塔が倒壊し受電不能に陥った。本来はどちらかの外部電源から受電できれば発電所内部で融通できるシステムが有る為全機外部電源喪失を防げる筈だったが、結果的に全機受電不能になり外部電源喪失状態に至った。

受電不能によりいったんは非常用交流電源(ディーゼル発電機)が起動したが、地震41分後の15時27分に到達した第一波以後、数次にわたり本原発を大規模津波が襲った。津波は低い防波堤を越え、施設を大きく破壊し、地下室や立坑も浸水した。地下の非常用交流電源は水没し燃料のオイルタンクも流失した。このため、原子炉は全交流電源を失い、非常用炉心冷却装置(ECCS)や冷却水循環系を動かせなくなった。しかも冷却用海水系ポンプはむきだし状態に設置されていたので津波で壊れた(最終ヒートシンク喪失)。

これにより、1・2・3号機は共に全交流電源喪失状態に陥り、原子炉内の燃料棒に対する注水冷却機能を直流電源であるバッテリーに頼らざるを得ず、継続的な冷却を喪失する恐れが発生したことから、東京電力は15時42分頃、第1次緊急時態勢を発令、原子力災害対策特別措置法第10条に基づく特定事象発生の通報を経済産業大臣(海江田万里)、福島県知事(佐藤雄平)、大熊町長(渡辺利綱)、双葉町長(井戸川克隆)と関係各機関に対して行った。

さらに15時45分にオイルタンクが大津波によって流出し、16時36分に1号機と2号機は非常用炉心冷却装置による「冷却装置注水不能」と判断されたため(翌12日3時33分に2号機は可能と判明)、同42分に東京電力は同法第15条に基づく通報を行った。なお3号機は、非常用炉心冷却装置の原子炉隔離時冷却系(RCIC系)のポンプが作動している。2号機では、電源喪失直前の15時39分頃にRCICを手動で起動していたが、電源喪失後は制御盤の表示が消え、RCICの作動状況は不明となっていた。

19時03分に枝野幸男官房長官首相官邸での記者会見にて原子力緊急事態宣言の発令を発表、20時50分に福島県対策本部から1号機の半径2kmの住民1,864人に避難指示が出された。内閣総理大臣の要請により、19時30分には防衛大臣自衛隊原子力災害派遣命令(翌12日9時20分に再度命令)。

21時23分には、菅直人内閣総理大臣から1号機の半径3km以内の住民に避難命令を出したほか、半径3kmから10km圏内の住民に対し「屋内退避」の指示が出た。

23時16分、日本経済新聞は「経済産業省原子力安全・保安院によると、冷却水を注水するための非常用ディーゼル発電機が稼働せず、現在はバッテリーで動かしている」と報じた。

3月12日

【3月12日】
【1号機】
【2号機】
【3号機】
【4号機】
【5号機】
【6号機】

0時49分 | 原子炉格納容器圧力異常上昇 |  |  |  |  | 
14時過ぎ | 核燃料の一部が溶け出た可能性 |  |  |  |  | 
14時30分 | 弁の開放は成功し、格納容器の破損は免れた |  |  |  |  | 
15時36分 | 建屋で水素のガス爆発。上部の壁材のみ爆砕 |  |  |  |  | 
20時20分 | 海水注入を開始 |  |  |  |  | 
22時15分 地震 | 海水注入を一時中断 |  |  |  |  | 
水素ガス爆発した1号炉のイメージ。
建屋上部の壁材のみ爆砕し、鋼鉄の骨組みが残っている。

0時49分、東京電力は1号機の「原子炉格納容器圧力異常上昇」により、原子力災害対策特別措置法15条に基づく特定事象発生が発生したと判断。01時20分に通報を行った。また、海江田経産相は3時05分からの記者会見で、原子炉格納容器の破損を防ぐため、1号機に関してベント作業、すなわち格納容器内の蒸気の放出作業の実行を発表。

7時すぎ、菅直人首相が、ヘリで第1原発に降り立ち、1時間弱滞在し、職員らから状況の説明を受ける 。

10時17分、電源喪失状態の中手作業でベント作業が開始されたが、作業は難航。最終的にベテラン作業員1人の手により14時30分に弁の開放は成功し、格納容器の破損は免れたが、10分ほどの作業で人間が1年間に浴びても良いとされる放射線量の100倍以上に相当する106.3ミリシーベルト(約10万マイクロシーベルト)の放射線を浴び、作業員の男性は吐き気やだるさを訴え、病院に搬送された。

午後、米軍のヘリで真水を大量輸送することが可能か東京電力から駐日米国大使館への要請が行われる。

14時12分、原子力安全・保安院は、福島第一原子力発電所の1号機周辺でセシウムが検出され、核燃料の一部が溶け出た可能性があると発表した。

15時29分、敷地内モニタリングポストにて毎時1015.1マイクロシーベルトの放射線が観測される。このモニタリングポストは、飯舘村の方向にあった。なお、東京電力から公表されたのは、3桁小さい原発正門付近での線量(毎時5.5マイクロシーベルト、15時30分の値)であり、毎時1015.1マイクロシーベルトの値は公表が遅れた。

15時36分頃、1号炉付近で水素ガス爆発が発生。白い煙が確認され、東京電力社員2名、協力会社の社員2名が負傷した。

なお、時間は前後するが、3時33分、2号機の非常用炉心冷却装置の原子炉隔離時冷却系(RCIC系)ポンプが作動していたことが確認された。

19時55分、1号機の海水注入について内閣総理大臣が指示を出し、20時20分から1号機へ消火系からの海水注入が開始されたが、22時15分に発生した地震により、一時中断された。

21時前に行われた枝野官房長官の記者会見では、15時36分の爆発について、冷却機能を失った原子炉内において燃料被覆管を構成するジルコニウムと水蒸気との高温下での反応を由来とした水素を含んだ蒸気が原子炉格納容器内から漏れ出し、建屋(たてや)内に充満して発生した水素ガス爆発であり、原子炉格納容器の損傷もないという見解が発表された。

3月13日

【3月13日】
【1号機】
【2号機】
【3号機】
【4号機】
【5号機】
【6号機】

1時23分 | 海水注水再開(ホウ酸添加) |  |  |  |  | 
1時50分 | 東北電力 女川原子力発電所のモニタリングポスト各基の数値が急上昇、同MP-2にて最大約21μSv/hを記録。
2時44分 |  |  | 高圧注水系が停止 |  |  | 
4時15分 |  |  | 燃料棒が露出 |  |  | 
12時55分 |  |  | 燃料棒1.9m露出 |  |  | 
 | 燃料棒露出
水位が上がらない |  | 海水注入後も
水位が上がらない |  |  | 
沸騰水型原子炉の断面図
1.緊急停止用制御棒
2.制御棒
3.燃料棒
4.生体防御遮蔽
5.蒸気出口
6.水入り口
7.熱遮蔽

1時23分、12日22時15分から中断されていた1号機への海水の注入作業が、津波の恐れが去ったと判断されたため再開された。使用する海水には、中性子を吸収し核分裂反応を抑える作用のあるホウ酸が添加されている。

1時50分、東北電力女川原子力発電所のモニタリングポストが21μSv/hを観測。同発電所では震災対応の真っただ中であったが、炉心温度100℃未満の「冷温停止」状態にあり、加えて一部電源の破壊・停止もあったものの多重系により全原子炉の冷却系は稼働中であり、同発電所の原子炉からの放射性物質の大気放出を疑う要素は何らなかった。原子力安全・保安院は、検出された放射線は前日の福島第一原子力発電所1号機の水素爆発の際に放出された放射性物質によるものと判断した。。

2時44分、3号機の非常用炉心冷却装置の高圧注水系が停止した。冷却水が沸騰して水位が下がり、4時15分から燃料棒が露出し始めた。5時10分に非常用炉心冷却装置の原子炉隔離時冷却系(RCIC系)による注水を試みるも起動しないため、東京電力は、同38分に「冷却装置注水不能」として原子力災害対策特別措置法15条に基づく通報を行った。12日に爆発が起きた同原発1号機と同様に、格納容器内の圧力が高まるため、東京電力は放射性物質が混じった蒸気を外部に放出する準備を進め、海水注入も検討した。

8時41分、3号機の格納容器内の蒸気を排出し、内部の圧力を下げる弁を開けることに成功した。8時56分、放射線量の値が再び上昇し、制限値の0.5ミリシーベルト/時を超えたため、原子力災害対策特別措置法に基づく「緊急事態」の通報を行った。午前、福島県が合わせて22人の被曝を確認したと発表した。

敷地正門付近で中性子が検出されていた午前の段階で、3号機が炉心溶融に至っていた。

午前の記者会見で、枝野官房長官は、1号機の原子炉圧力容器内部が海水で満たされていると判断されると述べた。1号機の水位計は正確に計測できない状態となっているため、ポンプの能力どおりに海水が供給されていることから判断したという。また、3号機については、9時5分に安全弁を開いたことで原子炉圧力容器内部の圧力が低下し、9時8分に真水の注入を開始したと述べた。9時20分には格納容器の排気が開始され、9時25分にはホウ酸の混入が開始された。12時55分には、燃料棒の上部1.9メートルが冷却水から露出したため、海水注入に踏み切った。水位低下で核燃料が露出して溶融する恐れが出たため、13時12分から3号機の原子炉に海水の注入を始めた。

13時52分に第一原発の周辺でこれまでで最も多い1.5575ミリシーベルト/時を観測したが、2時42分に0.1841ミリシーベルト/時に低下した。枝野官房長官は午後の記者会見で、「爆発的なことが万一生じても、避難している周辺の皆さんに影響を及ぼす状況は生じない」と述べた。しかし、1号機と3号機は依然として十分な水位が確保できず、燃料が露出した状態になっており、海水注入後も水位に大きな変化が見られない。

3月14日

【3月14日】
【1号機】
【2号機】
【3号機】
【4号機】
【5号機】
【6号機】

1時20分 | 海水の注水を停止 |  | 海水の注水を停止 |  |  | 
11時1分 |  |  | 爆発 |  |  | 
13時25分 |  | 冷却機能喪失 |  |  |  | 
16時34分 |  | 海水の注水 |  |  |  | 
19時45分 |  | 燃料棒全露出 |  |  |  | 
21時37分 | 福島第一原発の正門付近でこれまでの最高となる3.130ミリシーベルト/時の放射線を観測
22時00分 | 福島第二原発のモニタリングポストMP-4にて通常(約0.03~0.04マイクロシーベルト/時)を超える放射線量を観測され始め、3.84マイクロシーベルト/時の放射線量を観測
22時7分 | 福島第一原発の10km南に設置されていた放射能のモニタリングポストで、通常の260倍にあたる9.6マイクロシーベルト/時の放射線量が観測
22時20分 | 福島第二原発のモニタリングポストMP-4にて、小ピークの7.95マイクロシーベルト/時の放射線量が観測
23時39分 |  | 格納容器圧力異常上昇 |  |  |  | 
23時39分 | 福島第二原発のモニタリングポストにてMP-4にて、大規模な放射線量の上昇が観測され始め、28.1マイクロシーベルト/時の放射線量を観測
避難指示範囲等
アメリカ空軍から提供された消防車を操作する東京電力職員

1時10分、汲み上げ場所の海水が少なくなったため、1号機と3号機への海水の注水を停止した。7時50分、3号機の「冷却機能喪失」により、原子力災害対策特別措置法第15条に基づく特定事象の通報を行った。

11時1分に3号機の建屋が爆発し、大量の煙が上がった。この煙は灰褐色で、1号機のものと比べるとより高くまで上がり、炎が上がる様子も見られた。枝野官房長官は1号機と同様の水素ガス爆発であると発表。この爆発で建屋は骨組だけになり、作業をしていた東京電力と協力企業の作業員、および自衛隊員の合わせて11人が怪我をした。このうち重傷を負った東京電力の作業員1人は被曝した。さらに、3月27日付の英テレグラフ電子版では、3号機が爆発した時現場に居合わせた陸上自衛隊中央特殊武器防護隊の6人が、爆発に巻き込まれ死亡していたと報じている(ただし、3月28日現在の政府広報発表では、この事故によって死者が出たとの報告はない)。この爆発を受け、原子力安全・保安院は原発周辺20km以内に残っていた住民600人に屋内退避を勧告した。枝野官房長官は、「原子炉格納容器の堅牢性は確保されており、放射性物質が大量に飛散している可能性は低い」と発言した。

アメリカ海軍第7艦隊は、震災の救援のために三陸沖に展開していた原子力空母ロナルド・レーガン所属のヘリコプター作業員17人から、低レベルの放射能を検知したと発表した。同空母は福島原発の北東160kmほどを航行していたが、この汚染を受け、発電所の風下から移動した。

13時25分、それまで安定していた2号機でも原子炉内部に冷却水を送り込むことができなくなったため、「冷却機能喪失」として原子力災害対策特別措置法第15条に基づく特定事象の通報を行った。これにより2号機の原子炉の水位が下がったため、16時34分より海水の注水による冷却が開始された。

19時45分、2号機の冷却水が大幅に減少し、燃料棒がすべて露出した。14日夕方より海水注入を行っていたが、ポンプの燃料が切れて注入できなくなっていた。東京電力は20時頃から再び海水注入を開始し、次第に水位は回復した。

21時37分、福島第一原発の正門付近でこれまでの最高となる3.130ミリシーベルト/時の放射線を観測。22時7分、福島第一原発の10km南に設置されていた放射能のモニタリングポストで、通常の260倍にあたる9.6マイクロシーベルト/時の放射線量が観測された。

22時00分、福島第二原発のモニタリングポストMP-4にて通常(約0.04~0.03マイクロシーベルト/時)を超える放射線量を観測され始め、3.84マイクロシーベルト/時の放射線量を観測。

23時39分、2号機の「原子炉格納容器圧力異常上昇」により、原子力災害対策特別措置法第15条に基づく特定事象の通報を行った。

23時50分、福島第二原発のモニタリングポストMP-4にて大規模な放射線量の上昇が確認され始め、28.1マイクロシーベルト/時の放射線量を観測。

同日、東北電力三居沢発電所(水力発電所、最大認可出力1000kW)が設備点検を終え、被災発電所としては始めて営業運転を再開。絶望的だった東北南部太平洋岸地方の送電再開に一歩前進する。

3月15日

【3月15日】
【1号機】
【2号機】
【3号機】
【4号機】
【5号機】
【6号機】

0時0分 |  | ドライベントを数分間実行
ただし、圧力の下降が確認されない為、結果放射性物質の放出は無かったとの東京電力による推定
(3/21公表) |  |  |  | 
0時0分 | 福島第二原発のモニタリングポストMP-4で最初のピークである95.7μSv/hを観測。
0時頃 | 正門にて約1200 mR/hr≒約12000 μSv/h(9時の放出と同規模)の高濃度の線量が観測。ただしアメリカ合衆国エネルギー省のデータであり、東京電力公式データ中には存在しない。
1時頃 | 茨城県にて初めて北部から徐々に南下する0.1から0.5 μSv級の放射線量の有意な上昇を観測
1時11分 |  | 原子炉圧力:
1.44 MPa⇒0.92 MPa |  |  |  | 
4時20分 | 福島第二原発のモニタリングポストMP-4で事故以降観測された中で最大の放射線量である155μSv/hを観測。
2時30分 |  |  | 海水の注水 |  |  | 
3時00分 |  | 格納容器圧力が設計圧力を超えた |  |  |  | 
4時20分 | 福島第二原発のモニタリングポストMP-4でこの日最後のピークである140μSv/hを観測。以降徐々に放射線量は減少していく。
4時頃 - 7時頃 | 茨城県において徐々に南下する1から5.5μシーベルト/時級の高濃度放射線量が観測
5時50分 | 北茨城市で5.575マイクロシーベルト/時の高濃度放射線量が観測
6時10分 |  | 異音発生
圧力抑制室の圧力低下 |  |  |  | 
6時14分 |  |  | 煙発生 | 音がして壁の一部破損 |  | 
8時25分 |  | 白煙確認 |  |  |  | 
9時 | 正門付近で、これまでで最高の11.93ミリシーベルト/時のガンマ線を検出
9時38分 |  |  |  | 火災確認 |  | 
10時22分 |  |  | 周辺で400 mSv/h |  |  | 
福島第一原子力発電所の正門において測定した放射線量。
(縦軸)放射線量(単位:ミリシーベルト/時)
(横軸)3月12日から3月19日までの時系列。
(※:測定は東京電力による)

0時、2号機の格納容器内の圧力を低下させるため初のドライベント(放射性物質を水を通さずそのまま大気中に放出する弁の解放)を数分間実行。圧力が下がらなかった為、結果的に外部に流出していないと東京電力により推定された。

0時頃、正門にて約1200 mR/hr≒約12000 μSv/h(9時の放出と同規模)の高濃度の線量が観測。ただしアメリカ合衆国エネルギー省のデータであり、東京電力の公式なデータ中には存在しない。

0時頃(23時50分)より、福島第二原発の100~150μSv/h級の大規模な放射線量の上昇が観測され始め、断続的なピークを計測。5時20分には福島第二原発での観測上最も高い値である155μSv/hを計測。4時20分に最後のピークである140μSv/hを観測した後は徐々に放射線量は減少し、6時以降に起きた福島第一原発の大規模漏洩による放射線量の上昇は翌日になるまで観測されない。


1時頃より、茨城県にて初めて北部から徐々に南下する0.1~0.5 μSv/h級の放射線量の有意な上昇を観測。

  • 1時11分、2号機に関し、原子炉圧力:1.44 MPa⇒0.92 MPa。
  • 2時30分、3号機に海水の注入を再開。。
  • 3時00分、2号機に関し、格納容器圧力が設計圧力を超えたことから、減圧操作および注水操作を試みるも、減圧しきれず。

4時頃から7時頃にかけて、茨城県において県北東部(日立市)から県東部(鉾田市)に向かって徐々に南下する高濃度放射線量が観測された。最大で5時50分に北茨城市で5.575マイクロシーベルト/時の高濃度放射線量が観測された。これに関連して、関東地方全域の広範囲で高濃度放射線量が初めて観測された。

6時10分、2号機に関し、圧力抑制室(サプレッションプール)付近で異音発生。圧力抑制室の圧力低下 通常は3気圧ある圧力抑制プール(サプレッションプール)内の圧力が外気と同じ1気圧になっていることから、ここが損傷した可能性が高いとされている。

  • 6時14分、3号機に関し、煙発生。
  • 6時14分、4号機に関し、音がして壁の一部破損を確認 。
  • 6時20分頃、2号機に関し、圧力抑制室に損傷の疑い 。
  • 6時56分、4号機に関し、建屋の上が変形した模様 。
  • 7時頃、所員の90%にあたる約650人が、吉田所長の命令により、福島第二原発へ退避
  • 8時25分、2号機に関し、建屋5階付近から白煙確認 。
  • 9時、正門にて、これまでで最高の11.93ミリシーベルト/時のガンマ線を検出。
  • 9時38分、4号機に関し、建屋3階北西付近より火災確認 。
  • 10時22分、3号機に関し、周辺で400 mSv/hの線量を測定 。
  • 10時59分、オフサイトセンターに対し、退避命令発出。福島県庁へ退避 。
  • 11時59分、国土交通省は福島第一原発の半径30 km以内の上空を高度に関わらず飛行禁止とした。ただし、人命救助や緊急物資の輸送のための航空機は対象外とされた。
  • 12時25分、4号機に関し、鎮火確認(翌日同場所にて再び火災を確認することになった)。

20時40 - 50分、文部科学省は、住民に屋内退避指示が出されている福島県浪江町内の福島第一原発から約20キロの距離の山間部地点、川房・昼曽根・尺石の3ヶ所にて車内外で計測、195 - 330マイクロシーベルト/時の放射線量を観測したと3月16日に発表。なお車の内外で観測値に大きな違いはなく、「車には遮蔽効果がなかった」とした。

厚生労働省は、福島第一原発に限り、緊急作業に従事する労働者の放射線量の限度を100ミリシーベルト/年から250ミリシーベルト/年に引き上げた。なお、自衛隊員・消防・警察の上限は50ミリシーベルト/年。

群馬県衛生環境研究所(前橋市)の空間放射線量測定値が10時以降上昇し始め、13時には0.562マイクロシーベルト/時となった。以後翌16日深夜まで断続的に高い値が続いたが、以後安定した漸減傾向になる。

放射線量は一度安定化したものの、夜になって再度上昇し、23時30分に正門で8.08ミリシーベルト/時のガンマ線を検出した。

国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成1975年に撮影。左から4・3・2・1号機。

3月16日

5時45分頃、福島第一原発4号機で3月15日に出火した部分で再び出火した。6時15分頃、火は見えなくなったが、鎮火したかどうかは不明。

8時37分、3号機で白煙が上がり、水蒸気が出たと推測された。

10時以降、観測される放射線量が上昇し、同40分には正門で10ミリシーベルト/時、また12時30分にも正門で10.85ミリシーベルト/時のガンマ線が検出された。この放射線量の上昇について、東京電力の報告を受けた原子力安全・保安院は、記者会見で「圧力抑制室が破損した2号機が原因である可能性が高い」と説明した。

13時20分、警視庁機動隊の11名が放水の準備のため空自百里基地に向けて移動。

16時過ぎ、東京電力の協力企業が福島県富岡町で送電線の支柱を直す工事を行っていたところ、社内専用の通信回線を誤って切断した。これによって福島第一原子力発電所から東京本店などへの詳細なデータ送信ができなくなり、17日0時40分頃に復旧するまでおよそ9時間近く通信が途絶え、放射線量が高い建物外に出て衛星電話で必要最小限の報告をするしかなくなった。

福島県災害対策本部によると、21時発表(環境放射能モニタリング測定値 可搬型モニタリングポスト 第8報)の第一原発から20 - 40kmの地域での観測では、飯舘村役場の0時での0.0383ミリシーベルト/時(38.3マイクロシーベルト/時)が放射線量の最高値であった。

3月17日

9時48分、使用済み核燃料プールの水位が低下していた3号機に対し、陸上自衛隊第1ヘリコプター団CH-47ヘリコプター2機が消火バケットを使い、計4回30トンの放水を行った。作業前、9時20分時点のモニタリングでは、高度300フィート(約90メートル)で87.7ミリシーベルト/時、高度1000フィートでは4.13ミリシーベルト/時と高い放射線量が検出されていたが、作業にあたった自衛隊員の浴びた放射線量は全員1ミリシーベルト以下であった。作業後の会見で火箱芳文陸上幕僚長は、隊員の被曝は「基準値以下で健康に問題はない」と述べた。なお、このとき3号機への放水を優先した理由について、東京電力は、16日にヘリで上空から視察したところ、3号機は屋根に残骸があるなどしてプールの状態を確認できなかったが、4号機プールには燃料棒が隠れるほどの水があることを確認したためと説明した。

正午前、原発入りに備えて常磐自動車道四倉パーキングエリアに自衛隊の消防車が集結する。

14時24分、自衛隊の消防車11台のうち、海自下総航空基地の車両が積載していた水を空自車両へ移す。当初予定だった、複数のポンプ車で大型消防車まで海水をリレーする案を変更し、大型消防車が交代で放水を行う事になった為。

19時5分、警視庁機動隊高圧放水車が3号機に対し、地上から最初の放水を行った。 当初予定の44トン(タンク4t、プール40t)のうち、12トンを放水したところで水の勢いが弱くなり終了した(「失敗」は誤報)。

19時35分、自衛隊の各飛行場から集合した大型破壊機救難消防車救難消防車計5台が3号機に対して約30トンの注入を行った。放水前の放射線量は3.630ミリシーベルト/時、放水後は3.586ミリシーベルト/時で、放射線量に大きな変化は見られなかった。なお、航空自衛隊による大型破壊機救難消防車などの派遣は、百里基地より3台、三沢基地より1台、小松基地より1台、入間基地1台の合計6台を派遣している。また、小牧基地では福島原発の消火活動に出動した百里基地を支援するために消防車3台を派遣した。

四日市の中央建設が50メートルアームの生コン圧送車を操縦士とともに2台提供できる準備が整っていることを東京電力鈴木英敬を通じて連絡する。

3月18日

10時00分、各号機共用で使用済み核燃料を貯蔵するプールの水位が確保されていること、使用済み核燃料の乾式輸送容器建屋の外観に異常がないことが確認された。

14時前 - 14時45分、自衛隊の消防車と東京電力の協力企業社員が操作する在日米軍提供の消防車を使い3号機に放水。

2号機の非常用炉心冷却装置を復帰させるため、東京電力が外部送電線からの予備電源変電設備への受電を完了。建屋内への送電の準備を始めた。

3月19日

東京消防庁ハイパーレスキュー隊遠距離大容量送水車“スーパーポンパー”/ホースの延長とポンプにより海水を送り続けた。
東京消防庁ハイパーレスキュー隊の特殊災害対策車(スーパーハズマット)。
日本で唯一の放射線防護機能を持った車両で偵察活動に使われた。

0時30分 - 1時10分、東京消防庁消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー隊)が約350メートルにわたって手作業でホースをつなぎ、屈折放水塔車から3号機に向かって毎分約3トンを放水した。この結果、放射線量は放水を終えた段階でほぼ0ミリシーベルト/時に近い値にまで減少した。

早朝、6号機の非常用ディーゼル発電機が復旧し、合計2台が使えるようになった。また、5号機には仮設の電源車が接続された。これにより、5・6号機の使用

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出典:wikipedia
2018/04/20 02:29

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