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競輪とは?

ラスト1周の攻防(大宮競輪場)

競輪(けいりん)とは、自転車競技法という特別法に基き指定された自治体自転車競走を開催、この結果を賭けの対象としてパリミュチュエル方式により勝者投票券(車券)を販売する公営競技の一つであり、日本(北九州市)を発祥の地とする賭博である。

目次

  • 1 開催・運営
  • 2 選手
    • 2.1 概要
    • 2.2 歴代賞金王
    • 2.3 グランドスラム
  • 3 競輪用自転車
  • 4 競輪場
    • 4.1 競走路(バンク)
    • 4.2 自転車競技場
  • 5 競走(レース)
    • 5.1 概要
    • 5.2 宿舎
    • 5.3 競走の進行
    • 5.4 ルール
      • 5.4.1 1レースあたりの出走人数
      • 5.4.2 勝負服
    • 5.5 先頭固定競走
      • 5.5.1 普通競走
      • 5.5.2 競技規則
    • 5.6 競輪の主な戦法
      • 5.6.1 先行
      • 5.6.2 追込
      • 5.6.3 捲り
      • 5.6.4 ライン
    • 5.7 競走における競輪道
    • 5.8 競走格付け
    • 5.9 開催
    • 5.10 都道府県コード
  • 6 歴史
    • 6.1 自転車競走の発展
    • 6.2 競輪の誕生
    • 6.3 爆発的人気と相次ぐ暴動事件
    • 6.4 相次ぐ競輪場の廃止
    • 6.5 後楽園競輪場の休止
    • 6.6 衰退の流れ
    • 6.7 KPK制度導入
    • 6.8 KEIRINグランプリの創設
    • 6.9 KEIRINグランプリ'89の中止
    • 6.10 相次ぐ借上施行者の撤退
    • 6.11 3場廃止
    • 6.12 衰退の流れ止まらず
    • 6.13 オートレースとの統合
    • 6.14 低迷打破へ、新たなるレースを開催
  • 7 投票券(車券)
    • 7.1 種類
    • 7.2 高額配当
    • 7.3 場外発売
  • 8 広報活動
    • 8.1 放送媒体での実況中継
      • 8.1.1 テレビ
        • 8.1.1.1 地上波
        • 8.1.1.2 BSデジタル放送・CS放送
        • 8.1.1.3 競輪中継番組の主な主演者
      • 8.1.2 ラジオ
        • 8.1.2.1 実況
          • 8.1.2.1.1 RFラジオ日本
          • 8.1.2.1.2 TBSラジオ
    • 8.2 競輪の歴代イメージキャラクター
    • 8.3 キャンペーンガール
  • 9 競輪をテーマにした作品
    • 9.1 漫画
    • 9.2 ドラマ
    • 9.3 映画
  • 10 脚注
    • 10.1 注釈
    • 10.2 出典
  • 11 参考文献
  • 12 関連項目
  • 13 外部リンク

開催・運営

主催者は地方自治体である。監督官庁は経済産業省(製造産業局車両室)で、運営統括は財団法人JKA。運営を補佐する団体として全国競輪施行者協議会日本競輪選手会がある。

地方自治体は所管省庁の経済産業省へ競走の開催を届け出、競輪選手と呼ばれるプロの選手達と「競輪場」と呼ばれる自転車競技場における競走出場に関する契約を交わす。番組編成、選手管理、審判など、実際の自転車競走の運営については競輪場の存在する各地域のJKA競輪競技実施事業本部(旧・日本自転車競技会)の支部へ委託している。審判の方法など、受け持つ支部によって運営手法に違いがある。

競輪選手の登録・斡旋、育成については中央団体である公益財団法人JKAが行ない、2014年4月からは審判および番組編成・選手管理・検車の4つの業務もJKAが管掌している(経済産業省はJKAを通して競輪選手、競技会、施行者などの監督指導を行う) 。

投票券(車券)の売り上げ金のうち75%は払戻金に充て、残り25%から一定額を選手賞金などの経費やJKAへの交付金(約3.3%)、公営企業金融公庫への納付金(約1.1%)を差し引いた額が純益として地方自治体の歳費となる。

競輪の収益金は、監督するJKAに納付される売上を元に各種の補助事業が行われ社会に還元されただけでなく、主催者として運営する自治体に多額の収入をもたらしたことで自治体財政を健全化し、戦災復興や公共施設の建設などに貢献することになった。収益金の使途として最も多かったのは主として土木事業費であるが、競輪のイメージ向上への期待も込めて、教育、福祉関連事業にも多くの費用が投入された。通産官僚の佐橋滋らによる発案で、当時資金調達が困難だった国産トランジスタ計算機の研究開発に競輪収益をあてたエピソードもある。

日本のプロスポーツでは選手数が最も多い競技とされ、およそ2,300人より構成される。また初期には女性選手による「女子競輪」が1964年(昭和39年)まで開催されたほか、2012年(平成24年)7月1日から女子選手による「ガールズケイリン」が開催されている。

創設以来、日本独自のものであったが、現在は日本側による技術指導の下、韓国で独自の施行者が国内3つの競輪場で開催している。なお、過去には、1949年5月にタイとの間で競輪輸出契約がまとまり日本以外で初の競輪が開催される予定であったが、直後の政変によりご破算となった(競輪二十年史では「ピブン政権の失脚により」との記述があるが、史実ではピブン政権の失脚は1957年)。このほか、アメリカ占領下にあった沖縄でも競輪開催の動きがあったが結局立ち消えになっている。

選手

競輪選手」および「日本競輪学校」も参照

概要

日本競輪学校
いわき平競輪場で練習中の競輪選手

競輪選手は、日本競輪学校において1年間研修を受けて競輪に関する知識と技能を習得し、競輪選手資格検定に合格して同校を卒業し、選手登録された者である。選手の権利を守る団体として日本競輪選手会があり、各選手は各都道府県にある日本競輪選手会の支部に所属している。

競輪学校の入学試験には一般試験と特別選抜試験があり、後者は各種スポーツ競技における成績優秀者を対象としている。特別選抜試験の受験資格は非常に厳しく、ほとんどの受験生は一般試験を受験する。一般試験には「自転車の競技経験者が対象で自転車の走力を測る」技能試験と「自転車の競技経験がない者が対象で運動能力を測る」適性試験があり、いずれについても1次試験と2次試験が課される。合格率は、109期以降では、男子は5倍程度、女子は2〜3倍程度である。受験1回目での合格率は約3割で、合格者の多くは複数回の受験を経験している。入学希望者は自転車競技愛好会や高校・大学の自転車部に所属して練習を積むケースが多い。

デビュー直後は、男子はA級3班に所属し、その後はS級戦(S級S・1・ 2班戦)・A級1・2班戦・A級チャレンジ戦(A級3班戦)に分けられた3クラス戦制の中で、2級6班制による半年毎の格付け入れ替えを経て、最上位のS級S班(9名)を目指す体系となっている。南関東公営競馬の予想屋で競輪ファンでもある佐々木洋祐は、最上位クラスの選手と最下級クラスの選手との実力差は、一緒に走ればほぼ100%最上位クラスの選手が勝つといえるほど絶対的なものであると述べている。なお、女子は現状では昇降級の制度はないため、全員がL級1班の所属である。

男子選手の所属する級および班は、競走得点および評価点に基づいて決められる。まず競走成績に応じて競走得点が算出される。競走得点は着順が良いほど、また格の高いレースほど高く設定されている。さらに競走得点をもとに評価点が計算され、それをもとに選手の所属する級および班が決められる。ちなみに、男子選手のランクはレーサーパンツの下地とラインの色から判断することができ、A級は黒地に緑のライン、S級は黒地に赤のライン、S級S班は赤地に黒のラインとなっている。

選手は月に2つないし3つの開催に出場する。出場レース数に換算すると、平均して月に6ないし9レースである。出場は、JKAのあっせんに対し選手が意思表示を行うことによって決められる。出場が決まった選手は開催前日、指定時間までに競輪場へ入らなければならず。競輪場に到着した選手は参加登録および健康診断を受け、さらに分解してバッグに入れて持ち込んだ自転車を組み立てて検査を受ける。検査に合格した選手は3日ないし4日間宿舎(主に4人部屋)に滞在し、外部との連絡を絶つ。開催当日は午前中に再度自転車の検査を受けた後で練習を行い、レースに備える。

レースへの出場がないとき、多くの競輪選手は練習漬けの日々を過ごすといわれている。競輪選手にはシーズンオフがない。そのためレースへの出場が続き、したがって練習のできない期間が長くなった選手は脚力に衰えが出る(「貯金がなくなる」と表現する)ようになる。各選手の過去の出場履歴は車券予想におけるファクターの一つである。

選手の収入源は賞金や出走手当で、実力下位であっても一般的なサラリーマンよりも高額の収入を得ているといわれている。JKAが公表した、2017年の全選手の賞金総額及び平均取得額によると、2017年12月31日時点での全登録選手2,339名の平均取得額は9,788,191円で、うちS級678名では16,534,196円、A級1,552名では7,155,176円、L級(女子)109名では6,666,809円であった。

なお、「競輪に係る業務の方法に関する規程」第83条第1項第3号には競走成績不良による登録消除の基準が定められており、一定期間、連続して成績の振るわない選手は斡旋を保留され選手登録を消除される(強制的に引退させられる)。

歴代賞金王

※は当年のKEIRINグランプリ優勝者とは異なるケース(第1回が開催された1985年以降。但し1989年は開催中止)。

1949年 小林源吉(埼玉) 1,921,000円
1950年 高橋澄(兵庫) 2,425,250円
1951年 (資料毀損のため集計せず)
1952年 高倉登(埼玉) 3,743,000円
1953年 山本清治(大阪) 3,532,100円
1954年 中井光雄(滋賀) 3,795,530円
1955年 松本勝明(京都) 3,793,780円
1956年 松本勝明(京都) 4,118,150円
1957年 西村公佑(大阪) 4,338,200円
1958年 石田雄彦(和歌山) 4,592,500円
1959年 山本清治(大阪) 5,010,370円
1960年 石田雄彦(和歌山) 5,796,080円
1961年 吉田実(香川) 4,876,590円
1962年 吉田実(香川) 6,160,800円
1963年 高原永伍(神奈川) 10,875,660円
1964年 石田雄彦(和歌山) 12,304,940円
1965年 白鳥伸雄(千葉) 12,101,480円
1966年 稲村雅士(群馬) 12,384,020円
1967年 平間誠記(宮城) 19,093,920円
1968年 吉川多喜夫(神奈川) 16,923,220円
1969年 高原永伍(神奈川) 17,899,460円
1970年 福島正幸(群馬) 16,866,540円
1971年 太田義夫(千葉) 17,642,200円
1972年 福島正幸(群馬) 23,799,720円
1973年 阿部道(宮城) 35,937,630円
1974年 阿部道(宮城) 40,595,800円
1975年 福島正幸(群馬) 39,613,900円
1976年 藤巻昇(北海道) 56,742,000円
1977年 中野浩一(福岡) 66,139,600円
1978年 中野浩一(福岡) 82,385,200円
1979年 中野浩一(福岡) 92,186,200円
1980年 中野浩一(福岡)111,410,600円
1981年 中野浩一(福岡)107,685,711円
1982年 井上茂徳(佐賀)108,267,311円
1983年 中野浩一(福岡)109,093,600円
1984年 井上茂徳(佐賀) 98,545,100円
1985年 滝澤正光(千葉) 96,287,600円※
1986年 滝澤正光(千葉)100,883,000円※
1987年 滝澤正光(千葉)131,285,100円
1988年 滝澤正光(千葉)129,654,000円※
1989年 坂本勉(青森) 99,305,700円
1990年 坂本勉(青森)121,627,000円
1991年 鈴木誠(千葉)118,745,700円
1992年 吉岡稔真(福岡)190,028,133円
1993年 神山雄一郎(栃木)156,129,100円※
1994年 吉岡稔真(福岡)158,604,533円※
1995年 神山雄一郎(栃木)185,597,533円※
1996年 吉岡稔真(福岡)178,409,511円※
1997年 神山雄一郎(栃木)228,571,400円※
1998年 神山雄一郎(栃木)183,822,500円※
1999年 神山雄一郎(栃木)180,272,200円※
2000年 児玉広志(香川)170,820,200円
2001年 伏見俊昭(福島)203,315,600円
2002年 山田裕仁(岐阜)244,348,500円(歴代最高賞金獲得額)
2003年 山田裕仁(岐阜)215,344,600円
2004年 小野俊之(大分)183,537,300円
2005年 加藤慎平(岐阜)186,102,000円
2006年 有坂直樹(秋田)191,489,111円
2007年 伏見俊昭(福島)185,159,999円
2008年 井上昌己(長崎)167,933,900円
2009年 海老根恵太(千葉)224,791,000円
2010年 村上博幸(京都)237,938,200円
2011年 山口幸二(岐阜)197,653,511円
2012年 村上義弘(京都)158,590,868円
2013年 金子貴志(愛知)189,569,722円
2014年 武田豊樹(茨城)220,921,000円
2015年 浅井康太(三重)189,633,600円
2016年 村上義弘(京都)229,204,000円
2017年 浅井康太(三重)182,787,400円

女子(賞金女王)はこちらを参照。

グランドスラム

2017年時点では6つあるGIカテゴリ競走(グレード制が制定される以前は特別競輪)を全て制覇すれば、「グランドスラム(グランドスラマー)」と称される。

現時点では、日本選手権(競輪ダービー)、高松宮記念杯寛仁親王牌全日本選抜オールスター競輪祭の6つ全てを優勝することが条件である。なお、KEIRINグランプリはGPのカテゴリであり、GIではないため含まれない。

過去に達成したのは僅か3人。但し、井上と滝澤は共に寛仁親王牌がGI競走となる前の出来事であるため、現在でもそのままグランドスラムとして扱われている。ちなみに、井上と滝澤は共にKEIRINグランプリも制覇したが、神山は未制覇である。

2018年2月時点で、現役選手の中で最もグランドスラムに近いのは山崎芳仁新田祐大で、山崎はあと日本選手権のみ、新田はあと寛仁親王牌のみである。山崎・新田に次ぐのは武田豊樹で、残り2つ(全日本選抜、寛仁親王牌)である。

なお、昭和期の女子競輪では、田中和子が1955年に全ての特別競輪制覇(全国争覇競輪高松宮妃賜杯競輪全国都道府県選抜競輪、競輪祭)を達成しており、また女子では唯一の全冠制覇選手であった。

ガールズケイリンの名称で行われている平成期の女子競輪では、小林優香が2015年にガールズグランプリガールズケイリンコレクションガールズケイリンフェスティバルの3つの特別レース完全制覇を達成した。

競輪用自転車

詳細は「トラックレーサー」を参照

競輪で用いられる自転車は「ピスト(レーサー)」と通称される、規格に基づいた専用仕様の一人乗りの競技用自転車である。固定ギアであり、ペダルを逆回転させることによって速度を制御するためブレーキはない。競輪の関係法令においては『競走車』(単式競走車)と呼称されており、この自転車はNJS規格(Nihon Jitensha Shinkoukaiの略。現在のJKAに改称後もこの呼称が継続している)に適合する部品により製作されることが義務づけられており、なおかつ組み立て後の車体検査に合格しなければレースに使用することができない。また、別途ブレーキを付けない限り公道での走行は道路交通法により禁止されている(ノーブレーキピストも参照)。

競輪用の自転車は、ここ十数年ほど、ほとんど規格や素材が変更される事のないまま現在まで用いられている。おおむね半世紀前のピストレーサーも同然といって良く、現在他のトラックレースで用いられるピスト競技用車とは大きな性能差がある。これは公営競技としての公正さが念頭にあることが大きいが、他にも規格緩和による部品代高騰の抑制、横方向への移動における操縦安定性の維持、落車事故時における衝撃吸収性、車両性能の向上に伴う過度の高速化による重大事故発生の防止など様々な要因が絡んでいる。なお部品によってはタイヤ(SOYO=ダイワボウプログレス)やリム(新家工業)など製造数や品質などの観点から事実上のワンメイクとなっているものもある。フレームだけで10数万円以上の製作費が必要となるが、その他の部品は規則上の自転車における制限が存在するため、車体総額で50万円を超える事は稀である。

なお2012年7月から開催されているガールズケイリン(女子競輪)および2014年1月から開催されている KEIRIN EVOLUTION においてはカーボンフレームにスポーク以外のホイールが使用されており、他のトラック競技で使われている車両の仕様に近いものとなっている。

女子向けの自転車については「ガールズケイリン#ガールズケイリンの自転車」を参照
KEIRIN EVOLUTIONの自転車については「KEIRIN EVOLUTION#自転車」を参照

ちなみに競輪草創期には実用車軽快車タンデム式(複式競走車)の自転車でも競走が行われていた。

部品全般

ハンドルサドルクランクペダルギアチェーンなどの部品は、規格に基づいて製作されたもの中から選択して使用する。

サドルは、一般の自転車と比べ細くて堅い。サドルを支える心棒(シートポスト)は、設定する高さが1,2mm違うだけでペダルを踏み込む際のバランスが変わるとされる。サドルを高くすると加速しやすくなる半面、横から力がかかった際にバランスを崩しやすくなり、落車の危険が増す。

ハンドルは、乗る選手の体型や脚質によって幅や湾曲、材質が異なる。フレームとハンドルの固定部分(ハンドルポスト)は、身長や腕が長い選手ほど長く設定する傾向にある。

ペダルはクリップ・アンド・ストラップモデル。選手が履く専用シューズの底には「サン」(桟)と呼ばれる溝の入った金属プレートが釘で打ちつけられており、このサンにペダルプレートを噛み合わせ、さらに靴の爪先をトウクリップで固定、足(脚ではない)をストラップベルトでペダルに縛り付ける。これにより、ペダルを踏み込む力だけでなく引き上げる力も加速に利用することができる。1980年代に登場しロードレースやトラックレースでお馴染みのビンディングペダルにNJS基準適合品はない。“位置につく”と足を着くことは出来なくなるので、スタートラインには号砲で飛び出すとロックが外れそのまま走り出せる専用のスタンドがあり、これに自転車をセットしてから乗る。

車輪は直径が27インチと決められており、金属スポークおよびリムにより構成され、タイヤは外径675mmのチューブラー(チューブ一体型)タイヤを使用するが、コースコンディションや脚質による選択は出来ない。

フレーム

車体となるフレームはクロムモリブデン鋼のパイプ(鋼管)を素材とした「クロモリフレーム」と呼ばれるもので、使用者の体格に合わせて完全オーダーメイドで製作されたものである。フレームのうち、サドルを支える心棒(タテパイプ)の角度は乗る選手の脚質によって異なり、具体的には先行選手は後ろに重心をかけて乗る傾向にあるためタテパイプの角度も後ろに寝ている。捲りの選手はチェーンの長さを短くし、踏み込む力が伝わりやすいようタテパイプの角度を立たせている。競輪選手は、前輪軸と後輪軸を結んだ線よりもクランク軸がどの程度下げるか(ハンガー下がり)に気を神経をとがらせる。ハンガー下がりが大きいと安定感が増す反面、力の伝わりが悪くなるためペダルの踏み込みが重く感じられるようになり、小さいと踏み込みを軽く感じるようになる。

ギア(ギヤ)

ギアは空回りのない固定ギアで、クランク側と後輪ハブ側のスプロケットの歯数を選手が自分で判断し交換する(下記に詳細)。ブレーキは装着しておらず、減速したい時にはギアが空回りしないことを利用して後ろへペダルを踏む(「バックを踏む」という)。ファンの車券作戦においてポイントとして結びつく重要なルールの一つに「ギヤ倍数」がある。ギヤ倍数とは、自転車についている前後2枚のギア(スプロケット)のうち、ペダルについているギヤ(大ギヤ)の歯車の数と後輪のギヤ(小ギヤ)の比率をいい、「大ギヤの歯車の数を小ギヤの歯車の数で割ること」で求めることができる。各選手はレース前にギヤ倍数を申告し、数値は出走表に記載される。出走表掲載後に急遽変更する場合もあり、その際は場内で告知される。

大ギヤの歯車の数は44から55、小ギヤの歯車の数は12から16と決められており、かつては最大倍数の4.58まで使用できていたが、2015年の開催からは男子は4.00未満(実質最大3.93)・女子は3.80未満(実質最大3.79)という規制も加えられ、その制限のもとでギヤ倍数が決められる。

従来の競輪における一般的なギヤ倍数は3.5ないし3.6で。ギヤ倍数が低いほど漕ぐ力が軽くなりダッシュ力に優れる。その逆では当然重くなることからダッシュ力は弱いがスピードに乗れば速くなり、高速を維持しやすくもなる。一般の自転車のギヤ倍数は2倍強であるが、競輪で使用する自転車の場合は3倍強から4倍弱である。ギヤ倍数が大きいとペダル1回転で進む距離が長い反面加速にしにくく、小さいと加速はしやすいがペダル1回転で進む距離が短い。

「先行選手がギヤ倍数を普段より落とせば先行・逃げ切り狙い」「先行選手がギヤ倍数を上げれば捲り狙い」などが読み取れる。なお近年は周回中における先頭誘導員(後述)の誘導スピードが速くなったっことによる体力の消耗防止や、勝負どころにおいてトップスピードで走れる距離を伸ばすため「大ギヤ」を選択する選手が近年は増えており、かつて脚力が衰えたベテラン選手が先行選手についていくためにギヤ倍数を上げるのとは異なる傾向にあるため、個々の選手の「ギヤ倍数」には注意を払う必要がある。

なお2015年の開催より使用できるギヤ比の最大比率が制限されたのは、従前から重いギヤ比では、前方の選手の急減速に対応・反応しづらく、バランスを崩して落車に至ることが起きやすいという指摘があり、実際の事故件数そのものは増加していなかったが、「速度の増加による事故の重大化」と「レースの単調化」を理由として実施されている。

競輪場

詳細は「競輪場」を参照

競走路(バンク)

競輪が行われる競走路(バンク)は、コンクリートまたはアスファルトで舗装され、形状はすり鉢状である。コーナー部分はおよそ30度、直線が2ないし4度内側に傾斜している。この傾斜カントといい、カントの傾斜はコーナー部分をバンクに対し垂直に立った状態で左右にヨレることなく走るには、時速60キロで走らなければならないように設定されている(時速60キロよりも速いと外側に、遅いと内側にヨレてしまう)。なお、コーナーだけでなく直線部分も内側に傾斜しているのが一般的である。直線部分のうち、ゴール側をホームストレッチ、ゴールと反対側をバックストレッチという。残り半周となった時のバックストレッチを最終バックという。

1周の長さは、以下のように3種類ある(多くの競輪場が400mを採用)。

競走距離は1,500mから3,000mで、競走格や周長により異なる。男子は2,000mが基本となっているが、A級チャレンジ戦は1,600mが基本であり、またGIレースの決勝やKEIRINグランプリでは2,400m以上走ることもある。女子は1,600mが基本である。競技規則上の25mを端数算入する競輪場もあれば、ゴール線からスタートするために端数が出ないところもある。

左側の赤い部分から、退避路、内圏線、外帯線、イエローライン

バンクには様々なラインが引かれており、基本的に幅は3cmだが、判定の基準位置はラインごとに異なる。

なおバンク上には表示されていないが、内圏線内側から30cmかつ外帯線内側から40cmの位置が「測定線」となっており、一周の周長はこれが基準となっている。

バンクを走る選手を取り巻く環境は、立地条件の影響を受ける。たとえば海沿いにある競輪場(富山、四日市、玉野、別府、佐世保)では海風の影響が大きい。また、ドーム式の前橋と小倉では、観客が増えるに従って場内の温度が上昇し、バンクが乾燥する。

自転車競技場

競輪場の他にも全ての都道府県には、自転車競技が行われる国体が開催された関係から、競輪場を含め1ヶ所以上の自転車競技用バンクが設営されており、競輪場がない県でも選手の本拠所属地にする事ができる。なお沖縄県を本拠所属地にしている選手もいるが、島根県が本拠所属地の選手は菅井孝治(60期)が2002年10月31日に引退したのを最後に存在しない。また、齋尾大丈夫(69期)が2014年1月14日に引退したことで、鳥取県が本拠所属地の選手もいなくなった。

競走(レース)

概要

バンクと呼ばれる擂鉢状のコースを周回し、ゴール前半周のタイムは計測されているもののタイムトライアルではなく、いかに早くゴールするかがポイントとなる。ただ、レース毎に「規定時間」(スタートから第一周回のホームストレッチラインまでのタイムで計測)が設けられており、第一周回のホームストレッチライン通過時にこれを超過すると「タイムオーバー」となり賞金は50%カットされる。

競技中、自転車の速度は時速60km前後、ゴール前では約70kmに達し、自転車は大きな風圧の抵抗を受けることから、選手は2人 - 4人で連携(ラインと呼ばれる)して戦う方が有利であり、その場合には、各ラインの先頭の選手が風圧を受ける代わりに、その後ろについた選手は、他のラインに追い抜かせないように抵抗するという役割分担を行う。そのため、競技は当然個人戦であるが、団体競技的な側面も併せ持ち、推理に複雑さと面白さを加えている。

宿舎

八百長防止のため、選手は、例え身内であっても競走参加中は外部との接触が一切禁止となる(身内の不幸など急を要する事態であれば、例外的に認められる場合もある)。そのため、競走参加中の選手は施行者が指定する選手宿舎で合宿生活を送らなければならず、外部とは隔離された状態となる。

競輪が始まった当初は、施行者が指定する競輪場近くの旅館が選手宿舎代わりとなっていた。現在は全ての競輪場で選手宿舎を備えており、大抵の競輪場では同一敷地内に選手宿舎を併設しているものの、岸和田競輪場などのように競輪場と離れた場所に選手宿舎を設けているケースもあり、その場合は専用のバスで選手宿舎と競輪場を移動する。

選手は、前検日より(最長で)開催終了日ないしその翌日まで選手宿舎で過ごすこととなるが、選手はまず宿舎入りする際に、選手手帳と携帯電話などの通信機器(通信機能の有無は問わない)を施行者に預けなければならない。また、特にドーピング防止の観点から、飲食物のうち酒、生もの、生菓子などが持ち込み禁止とされているほか、トランプや通信機能の付いたゲーム機、出前なども持ち込み禁止とされている。これらが発覚した場合は即、競輪場から出場契約が解除され欠場ないし途中欠場となり、後に一定期間のあっせん停止などの処分が下される。

競走の進行

スタート前、前レースの終了直後には選手紹介が行われる。この時すでにレースは始まっているともいわれ、各選手はラインや戦法について意思表示をし、バンクを軽く2、3周する。このスタート紹介は、「地乗り」「脚みせ」とも呼ばれる。一旦、選手たちは控え室に戻る。レースに臨む前に多くの選手が清めのを、自身の体や自転車にかける。

レース序盤は先頭誘導員を先頭に、全選手が一列(一列棒状)の隊列を組んで走るのが一般的である。その原因としては、隊列を外れると他の選手よりも外を走り、したがってより長い距離を走らなければならなくなること、他の選手の直後を走る場合よりも大きな風圧を受けることが挙げられる。ただし、位置取りを巡って争いが生じた場合は別である。

残りの周回数が3周になると、周回数を示す板が白色から青色の青板(あおばん)に変わり、さらに残り2周で赤色の赤板(あかばん)に変わる。先頭の選手が残り1周半を通過すると半鐘が打ち鳴らされる。これを「ジャン」といい、ゴールラインを通過して残り1周となるまで鳴らされ続ける。ここから誘導員が抜けてラストスパートがかかり、ゴールまで息詰まるデッドヒートが展開される。各車が込み合うような展開の場合には、時として接触・落車事故が発生することがある。

レース終了後は、各選手に対して、敢闘門に同県や同地区の(そのレースに出ていない)選手が自転車を取りに来てくれる風習がある。また、どのレースでも、勝利した選手が他の選手にポカリスエット(かつてはリポビタンDも)を配るのが慣わしとなっている。

悪天候などである日が中止となった際、順延しない場合の開催では、準決勝や決勝の進出者は抽選による「みなし着順」で決まる。また、万が一あるレースで9選手全員が1着同着となった場合の勝ち上がりについても、その対応を決めてある。

ルール

※以下の記述は男子についてのものであり、女子については男子とは異なる(女子のルールの詳細はこちらを参照のこと)。

1レースあたりの出走人数

通常は最大9名により行なわれるが、ミッドナイト競輪とA級チャレンジ戦(および一部のA級1・2班戦)は7名で行われ、最小は5名 。

なお、かつて後楽園競輪場大阪中央競輪場などでは最大12名でのレースも行われていた。逆に、初期の甲子園や、好景気の頃でも富山防府小松島佐世保が、経費節減のため原則(ダービートライアル等を除いて)8車立で開催していた時期があった(準決勝3着は抽選で2名のみが決勝進出)。

9車立の場合、4番5番・6番7番・8番9番は同一枠として単枠の1番・2番・3番をあわせて6枠を構成するため、慣習的に4番・6番・8番には格下、つまり競走成績の低い者がおかれる(例外もある)。中でも6番車は最も格下の選手があてがわれるが、これら4番・6番・8番の選手が入着した場合は高配当が出ることが多く、競輪ファンはこれをもじって「ヨーロッパ」と呼ぶ。

負傷や失格による翌日の欠場者が発生した場合、開催地の近県の選手(FI開催のS級戦では2班選手のみ)を中心に補充が行われる。GIでは事前に選定された補欠選手数名が、ホテルで待機する。

函館競輪場では、記念・ガールズを除く各レースの1番車に、競走得点トップの選手を置いている特徴がある(2017年9月現在)。

勝負服

競輪の勝負服。現行服は2002年4月より採用。旧服は1984年11月の小倉競輪祭初日より採用。
 | この項目ではを扱っています。閲覧環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。

レーサージャージと基本的には同じ。違いはバックポケットがなく、長袖のみ、またジャージと同じ色のヘルメットカバーを着用すること。またレーサーパンツの両脇に入る線も、級毎に色が異なる。

2002年4月に服色が改められ、全車が「単色」となった(※従来通り先頭誘導員は紺地にオレンジのラインの服で変更なし)。

2代前(1964年から1984年)の服は1番から5番までは今の色と同じだが、6番はを交えたもの7番はを交えたもの8番はを交えたもの9番はを交えたものとなっている。

1つ前(1984年から2002年)の服が導入される直前の1984年9月・オールスター競輪では、5番が、7番が、つまり差し色として赤を統一したが、その色使いは変更時に採用されなかった(他の番車の色はそのまま採用)。あわせて従来の五分程度の半袖から、長袖に変わった。

また、過去の12車立では10番・11番・12番だった。旧服は枠番の確認を容易にするため4枠4番から6枠9番までは枠番色を基調として奇数車に別の色を交えており、現行服は車番連勝車券が一般化したことから全車別色となっている。

なお、ビッグレースの決勝やGPでは、派手な限定ユニフォームが用いられることがある。1994年の第47回日本選手権競輪(静岡)では、上下同じデザイン・色の勝負服を着用した。他に、北京オリンピック日本代表選手応援協賛競輪を機に、2008年には特別ユニフォームが特定の大会で採用された。

2005年1月には武田豊樹ラ・ピスタ新橋と契約し、公営競技初となる個人スポンサー名入りユニフォーム(左肩)を着用。他の選手も追随した。

レーサーパンツは、横のライン上に7つの星が描かれている。その年のS級S班は黒いラインの赤いパンツを着用。他のS級選手は赤いライン、A級は緑のラインでどちらも黒いパンツ。また、ガールズケイリンは右が黄色・左が紫のラインで、ピンクを基調としたパンツ。

先頭固定競走

2012年のガールズケイリン開始により、従来のルールが男子向けの「先頭固定競走(オリジナル)」となり、新たに女子向けとして「先頭固定競走(インターナショナル)」のルールも設定された。ここでは従来からのオリジナルルールを中心に記述する。

先頭固定競走のスタート時。選手の前にいるのが先頭誘導員
1周目の周回の様子。誘導員が先頭に立っている

現在行われている競走は先頭固定競走と呼ばれ、スタートから残り1周半付近(ジャンが鳴る地点)までは選手と同じ型の自転車に乗った先頭誘導員が選手の前を走る(33バンクで残り2周半、それ以外のバンクでは残り2周を切るまで選手は先頭誘導員より前に出ること

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出典:wikipedia
2018/06/18 05:38

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