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近鉄特急とは?

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近畿日本鉄道 > 近鉄特急
名阪甲特急向けの車両80000系「ひのとり」

近鉄特急(きんてつとっきゅう)とは、近畿日本鉄道(近鉄)が運行している有料特急列車の総称であり、同社のブランドの一つでもある。

主に、ひのとり、しまかぜ、青の交響曲、アーバンライナー、伊勢志摩ライナー、さくらライナー、ビスタEXなどがある。

近鉄特急の歴史については「近鉄特急史」を、近鉄特急のダイヤ変更の詳細については「1987年までの近畿日本鉄道ダイヤ変更」および「1988年からの近畿日本鉄道ダイヤ変更」をそれぞれ参照されたい。

概要

近鉄特急は高頻度運転のため特急同士のすれ違いも多い(小俣駅 - 宮町駅間)
異なる編成同士を繋いで需要の多寡に対応する弾力性の高さも近鉄特急の特徴
輸送密度が低い山田線、鳥羽線、志摩線における2両編成のワンマンローカルと8両編成特急の離合。閑散線区における採算手段として特急運営は必要不可欠である。

大阪名古屋の2大都市をはじめ、四日市橿原等の地方都市、京都奈良飛鳥吉野伊勢志摩等の観光地に路線網を張る近畿日本鉄道は、路線の大半で座席指定の有料特急を運行し、都市間輸送、レジャー輸送、通勤輸送、観光輸送など様々なニーズに対応した特急運用を行なっている。

運行頻度、本数は私鉄最大で、複数系統が全路線の約8割をくまなく走行し、特急ネットワークを形成している。また、系統の異なる特急が各接続駅で相互に連絡のうえ、系統間を跨いだ移動の自由度、およびフリークエントサービスを提供している。

特急には特急専用車両が限定で用いられ、JRグループ各社のように特急車両を特急運用以外の用途(ホームライナー快速普通の各列車)に用いる事例や、南海特急「サザン」名鉄特急(全車特別車の「ミュースカイ」除く)・京阪特急(8000系「プレミアムカー」連結編成)などのような一般車両(自由席)と混成する運用も存在しておらず、一般通勤車両および運用とは厳格に区別されている。座席は回転式リクライニングが基本で、伊勢志摩観光向けとしてソファタイプのグループ席も用意されている。

特急ネットワーク

現在1日約400本を運行する近鉄特急も、1947年に創始された時は、大阪 - 名古屋間1日4本(2往復)であった。その後、同区間で国鉄優等列車と競合しながら着実に需要を伸ばし、1963年までに路線改良や特急車の増備を経て都市間連絡を主体とした特急が3系統、78本まで増発された。

しかし、1964年10月の東海道新幹線開業を転機として運行体系を抜本的に見直す必要に迫られ、特に新幹線と運行区間が重なる大阪 - 名古屋間特急はスピードと利用頻度において新幹線に太刀打ちすることは不可能で、また料金面で大差がないことから大きくシェアを落とすことが予想された。近鉄特急は創始以来、大阪 - 名古屋間特急を主体として営業展開を行ってきたが、新幹線の出現によって瓦解の危機に直面する。この状況に対して、時の近鉄社長の佐伯勇は「名阪間で新幹線に勝てないのは自明の理」と認識したうえで、新幹線の高速輸送によって東京から近畿・中部地区の観光地まで概ね3時間の範囲に収まることを逆手に取り、新幹線から来た客を名古屋ないし京都乗換えのうえ自社線内の観光地に誘致して新たな需要を喚起する方針に転じた。

この戦略の転換によって都市と観光地を結ぶ系統が相次いで新設された。そして主要幹線を特急が縦横に駆け回り、各接続駅で特急列車同士の乗継に配慮したダイヤとしたことから、その堅密に連携された特急網をして特急ネットワークと称され、その運行スタイルは今に至るも近鉄特急の特徴となっている。

制度の面からも、乗り継ぎの際の特急料金の算定方式や、特急券の発券様式を利便性の高いスタイルにすることで、特急ネットワークをバックアップしている。

特急運営について

近鉄沿線には過疎地域山間部が多く、大都市圏並の輸送量を持つ路線の割合は全体の30%に過ぎず、残りの70%は閑散路線で構成されている。このことは、大都市圏を中心に路線を展開し、その営業距離が近鉄よりも遥かに短い東急をはじめ阪神などの各電鉄会社と比較しても近鉄路線全体の採算状態が芳しくないことを示している。その弱点をカバーするために、閑散路線を経由する形で沿線に散らばる大都市、中小都市、観光地を特急列車で有機的に結合のうえ、旅客流動を創出して採算を得ている。そのために特急専用車両を使用し、全席指定、かつ高速輸送、そして旅客の需要に合わせた運用を行い、それらのサービスの見返りとして、特別急行料金を徴収して長大路線の維持管理運営を行なう原資としている。近鉄が歴史的に特急運営及び特急車両の質的改善にこだわりを見せる要因の一つが、このような事情にあるとされている。

特急列車の系統・運行概況

現在、近鉄特急の各列車には列車愛称が存在しないため、本節では各列車の解説手段として、近鉄部内で呼び慣わしている系統名を用いる。

現在、近鉄特急には、大阪・京都・名古屋を起点に、各地方都市・観光地を結ぶ系統が8つ存在し、例えば、この内の大阪 - 名古屋間系統の場合は「名阪」と称する。この定義に沿って8つの系統名を言い表せば、名阪(めいはん)阪伊(はんい)名伊(めいい)京伊(けいい)京橿(けいかし)京奈(けいな)阪奈(はんな)吉野(よしの)で、以下その順番で解説する。また、本節では系統名の下に特急と付記して「名阪特急」と記述する。なお、他社で使用されている「快速特急」「準特急」などの公式的な派生種別は存在しない。

近鉄部内における分類として、名阪、阪伊、名伊の3系統については、速達タイプの停車駅の少ない特急を甲特急、主要駅停車タイプの特急を乙特急と区別の上呼称し、速達タイプと主要駅停車タイプとに分けていないその他の列車では、単に特急と呼称している。本項でも解説の便宜上、それに倣う。ただし「しまかぜ」「青の交響曲」については、甲・乙の区別とは別に観光特急として分類され、近鉄公式の刊行物やホームページでも「観光特急」と称されている。よって、本項では「近鉄特急」や「特急」の呼称の他にも、特記する必要のある部分については「甲特急」「乙特急」「観光特急」との呼称も使用する。

「アーバンライナー」「伊勢志摩ライナー」「しまかぜ」「さくらライナー」「青の交響曲」「ひのとり」などの名称は、車両固有の名称であって列車名ではない。ただし「しまかぜ」(50000系電車)と「青の交響曲」(16200系電車)のように観光特急専用車両で運用する特急列車については、近鉄が既存の特急とは別に観光特急として案内していることから、阪伊特急、京伊特急、名伊特急および吉野特急の各節では述べず、「観光特急しまかぜ」および「観光特急青の交響曲」の節で別途解説する。

本節では編成表も掲載しているが、掲載対象は時刻表に使用車両の記載がある固定編成系列を主体とした。汎用特急車両については、運用日直前まで車種および両数が確定しないため一例だけを例示するか割愛した。

各系統の運行区間と停車駅を下図に示す。図では主要駅に停車する標準的な特急(乙特急および特急)と、長距離を直通で結ぶために途中の駅にはほとんど停車しない速達型の特急(甲特急および観光特急)を分けて示した。また、天理・湯の山温泉方面などの臨時運行は除外した。なお、名阪間の途中駅始発・終着の列車については慣例上、中川短絡線を経由する列車のみ名阪特急として扱い、大阪難波駅 - 伊賀神戸駅間内相互のみを運行する列車は阪伊特急、近鉄名古屋駅 - 津駅間内相互のみを運行する列車は名伊特急として扱う。

近鉄特急運行系統と停車駅(2014年10月10日現在)

名阪特急(大阪 - 名古屋間)

名阪特急運行路線図

名阪(めいはん)特急は大阪難波駅大阪上本町駅名張駅 - 近鉄名古屋駅間に運行され、鶴橋駅 - 近鉄名古屋駅間を原則、津駅のみに停車する甲特急と、三重・奈良両県内の主要駅に停車する乙特急の2種類がある。大阪線名古屋線を直通するため、途中の伊勢中川駅には入線せず、同駅手前に設けられた短絡線でショートカットする。

列車ダイヤは、大阪難波駅・近鉄名古屋駅とも甲特急は毎時00分発(両駅とも7:00-21:00発)とし、土休日には大阪難波駅6時発、近鉄名古屋駅8時20分発と、16 - 18時台の大阪難波駅20分発と近鉄名古屋駅25分発が加わる。乙特急は30分発(両駅とも6:30-21:30)とし、早朝の近鉄名古屋駅発(5:58発・平日は大阪上本町行、土休日は大阪難波行)が追加される。大阪難波発の列車のうち平日の乙特急の大半と、土休日の甲特急の大半が大阪難波駅で阪神なんば線方面からの快速急行の接続を受けるダイヤになっている。甲特急は上下列車とも津駅で名伊乙特急と接続し、甲特急が停車しない白子、近鉄四日市、桑名の各駅と大阪を連絡する。また、乙特急は大和八木駅にて京伊特急や京橿特急と接続して愛知県や三重県と奈良県、京都府間における都市間連絡の役割も担う。名阪乙特急の設定は1時間に1本となっているが、名伊乙特急と阪伊乙特急が伊勢中川駅で接続するため、大阪と名古屋線沿線都市、あるいは名古屋と大阪線沿線都市との連絡は時間あたり実質3本となる。

名阪特急の列車番号は、下りを奇数、上りを偶数とする原則の例外とされる。これは大阪に向かう名阪特急が名古屋線で下りとして走行しても、中川短絡線経由で大阪線に入線した際に、大阪線の上りに変化するため、奇数偶数に捉われない番号を付与しているためである。00分発の甲特急の場合、大阪から名古屋へ向かう特急は発車時刻に合わせた番号として(8時始発なら8列車)、これとは逆方向の名古屋から大阪ゆきの場合は50をプラスする(8時始発なら58列車)。甲特急のうち、土休日の夕方に増発される列車はさらに700をプラス(大阪難波駅16時20分発なら716列車)し、大阪難波駅21時発は白子駅、近鉄四日市駅、桑名駅にも停車することから、600をプラスした621列車として区別してる。また、乙特急はさらに100をプラスする(大阪難波駅8時30分発は108列車、逆方向は158列車)。21000系「アーバンライナー」の登場当初は、この列車番号を「アーバンライナー○号」として旅客案内に用いていたほか、80000系「ひのとり」でも上記の法則に則り「ひのとり○列車」として旅客案内している。

主要駅間の所要時間
大阪難波駅 - 近鉄名古屋駅間:約2時間05分 - 2時間33分 (189.7km)
大和八木駅 - 近鉄名古屋駅間:約1時間37分 - 1時間52分 (152.9km)
大阪難波駅 - 近鉄四日市駅間:約1時間50分 - 1時間59分 (152.8km)
大阪難波駅 - 津駅間:約1時間20分 - 1時間30分 (123.2km)
停車駅
甲特急「ひのとり」
大阪難波駅 - 大阪上本町駅 - 鶴橋駅 - (大和八木駅) - 津駅 - (白子駅) - (近鉄四日市駅) - (桑名駅) - 近鉄名古屋駅
甲特急
大阪難波駅 - 大阪上本町駅 - 鶴橋駅 - (大和八木駅) - 津駅 - (白子駅) - (近鉄四日市駅) - (桑名駅) - 近鉄名古屋駅
  • 2021年3月までに全列車が「ひのとり」に統一される予定。
乙特急
大阪難波駅 - 大阪上本町駅 - 鶴橋駅 - 大和八木駅 - 名張駅 - (桔梗が丘駅) - (伊賀神戸駅) - 津駅 - 白子駅 - 近鉄四日市駅 - 桑名駅 - 近鉄名古屋駅
  • ( )は一部の列車が停車。
  • 太字は始発・終着駅。
  • 大和八木駅には以下の列車が停車する
    • 大阪難波駅6 - 10時発と土休日の夕方のみ運転される名古屋行き甲特急
    • 近鉄名古屋駅7 - 10時発(平日のみ)、8時20分発(土休日のみ)、夕方以降の大阪難波行甲特急
    • 全ての乙特急
  • 白子駅・近鉄四日市駅・桑名駅には全ての乙特急と大阪難波駅21時発の名古屋行甲特急「ひのとり」が停車する。
  • 伊賀神戸駅は早朝と夜の大阪方面行きと早朝の名古屋行が停車する。桔梗が丘駅は早朝の大阪方面行のみが停車する。
  • 平日の早朝に、近鉄名古屋駅発大阪上本町行乙特急が設定されている。
「ひのとり」6両編成
← 大阪難波
近鉄名古屋 →

6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1
P | 指 | 指  | 指 | 指 | P


「ひのとり」8両編成
← 大阪難波
近鉄名古屋 →

8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1
P | 指 | 指  | 指 | 指 | 指 | 指 | P


「アーバンライナー」6両編成
← 大阪難波
近鉄名古屋 →

6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1
指 | 指  | 指 | 指 | 指 | DX


「アーバンライナー」8両編成
← 大阪難波
近鉄名古屋 →

8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1
指 | 指  | 指 | 指 | 指 | 指 | 指 | DX


汎用特急車両6両編成
← 大阪難波
近鉄名古屋 →

6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1
指 | 指 | 指 | 指  | 指 | 指


使用車両・編成

甲特急の車両は、「ひのとり」の付帯案内がある列車には80000系、「アーバンライナー」の付帯案内がある列車には専用系列である21020系(アーバンライナーnext)や21000系(アーバンライナーplus)が充当される。なお、「ひのとり」は2020年3月14日のダイヤ改正から導入された新型特急で、乗車の際には特急料金の他に、「ひのとり」特別車両料金が必要となる。乙特急は汎用特急車(4、6、8両編成)の他に21020系「アーバンライナーnext」や21000系「アーバンライナーPlus」が充当されるが、「ひのとり」の増備後は「アーバンライナー」に統一される予定である。専用車両が充当される甲特急は早期に喫煙ルーム以外禁煙となったが、健康増進法の改正により2020年3月1日からは近鉄特急全列車で同様の施策が取られたため、現在は他の特急列車との間で禁煙施策に差はなくなっている。

沿革

系統自体は近鉄特急の中では最も古く1947年10月に上本町駅(現・大阪上本町駅) - 近畿日本名古屋駅(現・近鉄名古屋駅)間で運転を開始している。当時は大阪線名古屋線軌間が異なっていたことから、伊勢中川駅で乗り換えを要した。1948年7月からは大阪線側の名阪特急が宇治山田駅まで延長され、名阪特急には伊勢連絡の役割も付与された。1959年12月には名古屋線の軌間拡幅工事完成に伴いダイヤ変更を実施、新製された10100系に置き換えて名阪間乗り換えなしの直通運転が開始されたが、伊勢中川駅には停車して、伊勢中川駅 - 宇治山田駅間の短区間特急と接続することで伊勢連絡は継続された。しかし、その翌月(1960年1月)には伊勢中川駅を無停車化して(実際はスイッチバックのための運転停車)鶴橋駅 - 近畿日本名古屋駅間でノンストップ運転を開始、名阪特急における伊勢連絡は廃止された。また、この時から乙特急が設定された。1961年3月29日には中川短絡線が開通して伊勢中川駅におけるスイッチバックを廃止した(当初は甲特急のみが短絡線を経由していたが、1963年3月21日から乙特急も短絡線を経由)。1964年10月に東海道新幹線が開業すると甲特急のシェアは大きく低下したが、乙特急は途中駅間利用の利便性から乗車率が年々向上して本数も増加の一途を辿り、衰退傾向の甲特急とは対照的な動きを見せた (これ以後の甲特急の動向は「新幹線と近鉄名阪特急」にて後述)。1970年3月21日からは難波線開業によって近鉄難波駅(現・大阪難波駅)発着に改められた。1990年3月からは朝晩の甲特急が津駅と大和八木駅に停車して以降は年毎に停車列車が拡大され、2012年3月ダイヤ変更をもって全ての甲特急が津駅停車となったことにより、ノンストップ運行は終了し、津駅で前後を行く名伊特急の接続を受けるダイヤとなった。2016年3月19日のダイヤ変更により、近鉄名古屋駅発の甲特急が土休日に1本増発された。また近鉄名古屋駅6時発(2020年3月14日変更後は5時58分発)の甲特急(土休日のみ)が乙特急に格下げされ、大阪難波駅21時発の甲特急の停車駅に白子、近鉄四日市、桑名の各駅が追加されるとともに、伊賀神戸駅に停車する乙特急が増加した。さらに途中駅始発の区間運転列車が廃止された。

新幹線と近鉄名阪特急

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整備中の名阪特急車両が競合する東海道新幹線と顔を会わせる(米野駅 - 近鉄名古屋駅間)
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大阪難波駅は地下鉄御堂筋線改札口と近接し、南海線とも地下道で結ばれている。大阪ミナミの地の利を生かして新幹線に対抗する。

名阪特急は東海道新幹線の開通直後は所要時間・運賃の両面で優位性を失った。特に新幹線と直接競合する甲特急は大打撃を受け、名阪間における近鉄のシェアは、1964年上期の69.4%から、1965年には32.7%、1966年には19%とわずか2年で大幅に下落した。そして凋落傾向のシェアに連動して、編成も短縮され、1編成として成り立つ最小単位の2両ないし3両による運用が常態化した。その後も新幹線における「ひかり」の料金値下げ(「こだま」との料金格差の廃止)や「ひかり」への自由席設定などが追い討ちをかけ、1976年3月18日のダイヤ改正では甲特急の減便を実施し同時に全列車を2両編成運転とした。

ところが、1976年11月に実施された国鉄の運賃・料金大幅引上げを契機として、名阪特急は運賃面で優位となったことから、家族連れを中心に乗客数が急速に増加に転じた。これに併せて翌1977年1月18日のダイヤ改正では早くも全列車2両編成での運転を見直し、3両ないし4両編成の列車も再び設定され、1980年3月18日のダイヤ改正では甲特急の2両編成の列車が消滅し、最低編成両数は3両編成となった。

その後も国鉄の運賃・料金の値上げは繰り返し実施されたこともあり、名阪特急の乗客数の伸びは著しく、甲特急の編成は乙特急のそれと同様に長大化され、3ないし4両編成の列車のほか、5両から最大8両の編成で運転される列車が出るなどした。この傾向に拍車をかけるため、1988年3月には、21000系(アーバンライナー)が6往復の甲特急に投入された。効果として、最大6分の所要時間短縮もさることながら、綿密なマーケティングリサーチを行なって車両やサービスに反映したことが功を奏し、結果的に名阪特急全体で概ね1割の需要増加を見た。この成功により、甲特急全列車の21000系化と、21000系の一部8両編成化が実施された。

その後、数回の近鉄の料金値上げ(JRは消費税導入時および消費税率改定時を除き、運賃・料金ともに据え置いている)や国鉄分割民営化後の新幹線の利便性向上、バブル崩壊後の景気の悪化ならびにモータリゼーションによる乗客減も加わって、21000系投入以前の実績に逆戻りしているが、割引率の高いクーポン券の導入やユニバーサル・スタジオ・ジャパンの開業も手伝って、ある程度の回復を果たしている。

2020年3月14日からは、国内の鉄道車両では初となる全席バックシェル完備などの設備充実を図った新型車両である80000系「ひのとり」を導入し、高い快適性で新幹線に対抗する。

名阪間の所要時間は、東海道新幹線が新大阪駅 - 名古屋駅間で最速48分、地下鉄でのアクセス時間を加えても難波駅 - 名古屋駅間は1時間20分前後となっている。また、フリークエンシーも近鉄が時間あたり片道2本(伊勢中川駅乗換え便を加えても4本、うち1本は伊勢中川駅接続中に甲特急に追い抜かれるため有効本数は3本)であるのに対し、新幹線は概ね10本となっており、双方で不利な近鉄特急は以下の条件で対抗している。

運賃・料金
正規料金では、大阪難波駅 - 近鉄名古屋駅間が運賃、特急料金込みで4,340円(アーバンライナーのレギュラーシート)、新大阪駅 - 名古屋駅間が運賃と新幹線特急料金込みで6,470円(通常期のひかり・こだまの指定席)で、近鉄が2,130円安い(通常期ののぞみの指定席よりは2,340円、のぞみ・ひかり・こだまの自由席利用よりは1,600円安い)。なお、「エクスプレス予約」及び「スマートEX」で利用可能な「EXこだまファミリー早特」(名阪間片道4,280円)を購入の場合は、近鉄とほぼ拮抗するが、エクスプレス予約またはスマートEXの会員登録が必要なことや、こだま号限定で3日前までの予約かつ2名以上の利用に限られること、繁忙期に設定除外日が設けられているなどのデメリットがある。
利便性
近鉄は大阪市南部の繁華街である難波に直接乗り入れており、乗り換えを必要としない。また、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)や南海電気鉄道(南海)、そして阪神との結節点となる難波にターミナルを置くため、特に大阪の東部・南部と名古屋の間での利用は近鉄の方が距離が短い。このほか、2012年3月より甲特急を津駅に停車させることにより、大阪ないし名古屋と津駅間の速達性を向上させた。

阪伊特急(大阪 - 伊勢志摩間)

阪伊特急運行路線図

阪伊(はんい)特急は、大阪と伊勢志摩を結ぶ特急で、大阪難波駅・大阪上本町駅 - 名張駅・伊賀神戸駅・松阪駅宇治山田駅五十鈴川駅鳥羽駅賢島駅間に列車が設定されている。名阪特急と同様に、停車駅の少ない甲特急と、主要駅停車の乙特急がある。乙特急は伊勢中川駅で名伊乙特急、大和八木駅で京橿特急と相互に接続し、名阪乙特急もしくは京伊特急の補完列車としての役割も兼ねる。従って、名阪特急の停車しない大和高田駅・榛原駅などから名古屋方面への利用を可能とする他、京都線内特急停車駅と名古屋線内特急停車駅との連絡も可能としている。

基本的に毎時2本が設定され、うち1本が難波線志摩線直通の大阪難波駅 - 賢島駅間の運行(朝8時台、9時台は大阪上本町駅始発)、残り1本が大阪上本町駅 - 宇治山田駅、五十鈴川駅(土休日の始発のみ)間もしくは鳥羽駅間の区間運行で、それぞれが交互に運行されている。宇治山田駅ないし鳥羽駅止まりの特急で志摩線内に行く場合は後述の志摩線直通の名伊特急が連絡する。上り大阪方面行も同様で、志摩線内から乗車の場合、直近の列車が名古屋ゆき名伊特急の場合は鳥羽駅や五十鈴川駅、宇治山田駅にて始発の阪伊特急が連絡する。なお、大阪方面発で夕方以降、志摩線直通列車が運行されない時間帯は、終着駅で名伊特急が連絡する。深夜帯に近くなるにつれ運行区間も短縮され、名張駅止まりが最短区間となる。また20時以降は全列車が大阪難波駅始発となる。なお、大阪線内では名阪乙特急と運行区間が重複することから、大阪市内と大和八木駅または名張駅間の移動であれば、1時間に3本、20分ヘッドの運行となる。甲特急は大阪難波駅と賢島駅間の運行で、土休日のみ1往復となっている。下りは大阪難波駅を9時20分、上りは賢島駅を15時に発車し、乙特急とは別枠で設定されている。

主要駅間の所要時間
大阪難波駅 - 名張駅間:約1時間 (69.2km)
大阪難波駅 - 宇治山田駅間:約1時間41分 - 1時間52分 (139.2km)
大阪難波駅 - 賢島駅間:約2時間24分 - 2時間33分 (176.9km)
停車駅
甲特急
大阪難波駅 - 大阪上本町駅 - 鶴橋駅 - 伊勢市駅 - 宇治山田駅 - 鳥羽駅 - 志摩磯部駅 - 鵜方駅 - 賢島駅
乙特急
大阪難波駅 - 大阪上本町駅 - 鶴橋駅 - (布施駅) - (大和高田駅) - 大和八木駅 - (榛原駅) - 名張駅 - (桔梗が丘駅) - (伊賀神戸駅) - (榊原温泉口駅) - 伊勢中川駅 - 松阪駅 - 伊勢市駅 - 宇治山田駅 - 五十鈴川駅 - 鳥羽駅 - 志摩磯部駅 - 鵜方駅 - 賢島駅
  • ( )は一部の列車が停車。
  • 太字は始発・終着駅。
  • 日中は以下の列車が交互に運転されている。
    • 布施駅・榊原温泉口駅に停車する列車(概ね、大阪上本町駅 - 鳥羽駅間の運行)
    • 大和高田駅・榛原駅・伊賀神戸駅に停車する列車(概ね、昼間は大阪難波駅 - 賢島駅間の運行)
  • 朝と夕方から夜間にかけて、伊賀神戸駅・榊原温泉口駅の両駅に停車する列車がある。さらにこれら両駅に加えて大和高田駅・榛原駅に停車する列車や桔梗が丘駅にも停車する列車がある。
  • 布施駅は日中のみの停車である。
「伊勢志摩ライナー」
← 大阪難波
賢島 →

6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1
DX | S | 指 | 指 | 指  | 指


汎用特急車両4両編成
← 大阪難波
賢島 →

4 | 3 | 2 | 1
指 | 指  | 指 | 指


使用車両・編成

汎用特急車両の他、23000系「伊勢志摩ライナー」も投入される。なお、23000系は車両検査のため汎用特急車両に差し替える場合がある。甲特急は23000系の限定運用である。夜の大阪難波駅発名張行きは21000系「アーバンライナー」での運用もある。汎用特急車両及び30000系で運用される列車は基本的に4両で運用されることが多いが、ラッシュ時や繁忙期には編成両数が増加し、最大10両での運用が行われる。また正月ダイヤを中心に大阪上本町 - 鳥羽間の列車に10両での運用が設定されることがある(鳥羽-賢島は特急停車駅のホーム有効長が8両までなので10両編成の場合は後部2両は鳥羽で切り離される)。また名張以東では利用客数が低下することもあって、6両以上の列車は名張駅で後部編成を切り離して、名張以東を4両で運用する列車も多く存在する(鳥羽駅で切り離す列車も存在する)。

沿革

本系統は1948年7月、軌間の相違から分割運転されていた名阪特急の大阪線側、上本町駅 - 伊勢中川駅間を宇治山田駅に延長する形で誕生している。しかし、名古屋線の改軌完了後の1959年12月ダイヤ変更で名阪特急は統合され、従来は大阪 - 伊勢間が直通であった運行体系が、伊勢中川駅乗り換えのうえ、この時に新設された伊勢中川駅 - 宇治山田駅間の短区間特急と接続する形態に変更された。翌1960年1月には名阪甲特急が鶴橋駅 - 近畿日本名古屋駅間をノンストップ運転化するため、伊勢中川駅を無停車化したことで伊勢連絡がなくなるため、上本町駅 - 宇治山田駅間に乙特急5往復が新たに設定された。以後、高度経済成長の波に乗って運行本数も拡大され、1967年には甲特急も設定された(1970年までは週末のみ運行)。1994年の志摩スペイン村開業により甲特急を一部時間帯は1時間当たり片道2本とするなど増発が図られたが、その後のバブル崩壊による乗客減のほか、マイカー観光の増加など観光ニーズの多様化とリゾートブームの終焉によって伊勢志摩観光の需要が低迷したため、観光列車としての性格が強い甲特急は逐次本数が減少し、土休日の1往復を除いて運転取りやめになった。

名伊特急(名古屋 - 伊勢志摩間)

名伊特急運行路線図

名伊(めいい)特急は、名古屋と伊勢志摩を結ぶ系統で、近鉄名古屋駅 - 津駅・松阪駅・宇治山田駅・五十鈴川駅・鳥羽駅・賢島駅間で運行されている。阪伊特急と同じく、甲乙両タイプが設定されている。乙特急は伊勢中川駅で阪伊乙特急と連絡し、名阪間のフリークエンシーを高めている。一部の列車は津駅で名阪甲特急に接続し、大阪と白子、近鉄四日市、桑名の各駅を連絡している。

列車本数は近鉄特急中最大である。ビジネス利用の多い上り朝時間帯と下り夕方時間帯に本数が多く、日中は上下片道それぞれ2本運行が基本である。ただし近鉄名古屋駅から津駅までの移動であれば、運行区間が重複する名阪乙特急も本数に加わることから、1時間に3本、20分ヘッドの運行となる。阪伊特急と同じく志摩線直通の列車と宇治山田駅または鳥羽駅止まりの列車が交互に設定され、後者で志摩線に向かう場合は志摩線直通の阪伊特急が連絡する。上りも概ね同様の運行・連絡体系だが、日中の一部列車が五十鈴川駅始発化するなどの違いもある。また下りの場合、志摩線直通便は19時台の運行で終了となり、以降は終着駅で各駅停車による接続となる。深夜になるにつれて運行区間も短くなり、最終は津駅止まりである。甲特急は近鉄名古屋駅と賢島駅間の運行で、土休日のみ1往復となっている。下りは近鉄名古屋駅を9時25分、上りは賢島駅を14時40分に発車し、乙特急とは別枠で設定されている。

主要駅間の所要時間
近鉄名古屋駅 - 津駅間:約45分 - 52分 (66.5km)
近鉄名古屋駅 - 宇治山田駅間:約1時間16分 - 1時間28分 (107.1km)
近鉄名古屋駅 - 賢島駅間:約2時間2分 - 2時間12分 (144.8km)
停車駅
甲特急
近鉄名古屋駅 - 津駅 - 伊勢市駅 - 宇治山田駅 - 鳥羽駅 - 志摩磯部駅 - 鵜方駅 - 賢島駅
乙特急
近鉄名古屋駅 - 桑名駅 - 近鉄四日市駅 - 白子駅 - 津駅 - (久居駅) - 伊勢中川駅 - 松阪駅 - 伊勢市駅 - 宇治山田駅 - 五十鈴川駅 - 鳥羽駅 - 志摩磯部駅 - 鵜方駅 - 賢島駅
  • ( )は一部の列車が停車
  • 太字は始発・終着駅。
  • 久居駅には朝の上りと夕方から夜間にかけての下りが停車する。
「伊勢志摩ライナー」
← 賢島
近鉄名古屋 →

6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1
指 | 指  | 指 | 指 | S | DX


「アーバンライナー」
← 賢島
近鉄名古屋 →

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出典:wikipedia
2020/07/06 03:55

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