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鉄腕アトム_(アニメ第1作)とは?

大泉アニメゲートに設置されている「ねりまアニメ年表」の一コマ。

鉄腕アトム (アニメ第1作)では手塚治虫原作の漫画『鉄腕アトム』のアニメ第1作目を解説する。

フジテレビ系列にて、1963年1月1日から1966年12月31日まで放送。全193話。一部を除きモノクロ作品。

日本で最初の本格的な1話30分の連続TVアニメ、日本初の国産ロボットアニメである。(ちなみに放送当時には通常は「TVアニメ」とは呼ばれず「テレビまんが」とよばれていた。「アニメーション映画」も「まんが映画」であった。)

目次

  • 1 声の出演
  • 2 スタッフ
  • 3 主題歌
  • 4 オープニング
  • 5 エンディング
  • 6 視聴率
  • 7 各話リスト
  • 8 商品化権の概念の確立
  • 9 制作秘話
    • 9.1 費用
    • 9.2 原作ストック
    • 9.3 設定
    • 9.4 表現規制
    • 9.5 製作環境
    • 9.6 カラー
    • 9.7 番組終了
  • 10 劇場版
    • 10.1 鉄腕アトム 宇宙の勇者
    • 10.2 幻の完全新作版
    • 10.3 鉄腕アトム 地球防衛隊
  • 11 評価
  • 12 放送局
  • 13 補足
  • 14 脚注

声の出演

登場人物の設定は登場キャラクターを参照。

スタッフ

主題歌

オープニング

オープニングには、前期・中期・後期の3つのバージョンが有る(前期は、インスト・歌有りの2種類)。内容は次の通り。なお、いずれも切り替え時期は不明。

前期
アトムが空を飛びながら、フランケン、ホットドッグ兵団などの悪人達を退治し、最後は地面に立った所で、画面中央に「提供 明治製菓」のテロップが映し出される。
中期
空飛ぶアトムが、怪獣に襲われたウランを助け、悪人を退治しながら、ウランと共に世界各国の上空を飛ぶ(それを追うお茶の水博士)。ラストは2人で地面に立った所で、下に雲のようなものが現れ、それが「提供 明治製菓」のテロップとなる。
後期
雷雲を突き抜けたアトムが、飛行機の脇→海上→スイス→未来都市の順で空を飛び、ラストは地面に立つ。

これらの内、後年の再放送や懐かしのアニメ特集、さらにビデオソフト版では、もっぱら後期バージョンの物が使われている。2002年に発売したDVDでは、前期前半・前期後半・中期のオープニングが映像ソフトで初めて収録された。

なお、日本映画専門チャンネルの『手塚治虫アニメシアター』では、第56話を除く全話が後期バージョンで放送された(第56話は、1980年にリバイバル上映された時のオープニングを使用)。ただし別枠で、第116話&第117話が中期バージョンで放送された。

NHK BSプレミアムでの再放送時は、事情で提供テロップになる前に映像が止まってる。

エンディング

エンディングは2バージョン有り、前期はアトムの表情などで構成された静止画バージョン、後期は未来都市の上をアトムとウランが飛ぶ動画バージョンとなっている。OP同様切り替え時期は不明。双方とも映像には余白の部分が有るが、本放送当時は各話のスタッフやキャストのテロップが合成されていた。

なお『手塚治虫アニメシアター』で放送された際には、一貫して後期バージョンを使用し、スタッフなどのテロップは合成されなかった。その事に関してのお断りは、初期はED放送中にテロップされていたが、後に放送後にブルーバックで表示された

視聴率

各話リスト

1963年
【話数】
【サブタイトル】
【脚本】
【演出】
放送日
1 | アトム誕生 |  | 手塚治虫 | 1月1日
2 | フランケン | 1月8日
3 | 火星探検 | 1月15日
4 | ゲルニカ | 手塚治虫
坂本雄作 | 1月22日
5 | スフィンクス | 手塚治虫 | 1月29日
6 | 電光人間 | 杉井儀三郎 | 2月5日
7 | アトム大使 | 山本暎一 | 2月12日
8 | 幽霊製造機 | 石井元明 | 2月19日
9 | ブラックルックス | 紺野修司 | 2月26日
10 | イワンの馬鹿 | 坂本雄作 | 3月5日
11 | タイムマシン | 手塚治虫 | 3月12日
12 | 十字架島 | 杉井儀三郎 | 3月19日
13 | キリストの眼 | 山本暎一 | 3月26日
14 | 人工太陽 | 石井元明 | 4月2日
15 | 植物人間 | 紺野修司 | 4月9日
16 | 白い惑星号 | 坂本雄作 | 4月16日
17 | ロボットランド | 杉井儀三郎 | 4月23日
18 | ガデム | 山本暎一 | 4月30日
19 | アトム対魔神 | 手塚治虫 | 5月7日
20 | 気体人間 | 手塚治虫
虫プロ演出部 | 5月14日
21 | 人工衛星R-45 | 5月21日
22 | 海蛇島 | 5月28日
23 | ミュータント | 紺野修司 | 6月4日
24 | 海底王国 | 杉井儀三郎 | 6月11日
25 | 地底戦車 | 山本暎一 | 6月18日
26 | アトラス | 林重行 | 6月25日
27 | パール星 | 紺野修司 | 7月2日
28 | マッドマシン | 杉井儀三郎 | 7月9日
29 | 想い出の日 | 山本暎一 | 7月16日
30 | ZZZ総統 | 石井元明 | 7月23日
31 | 黒い宇宙線 | 林重行 | 7月30日
32 | ホットドッグ兵団 | 紺野修司 | 8月6日
33 | 三人の魔術師 | 杉井儀三郎 | 8月13日
34 | ミドロが沼 | 鈴木伸一
スタジオゼロ | 8月20日
35 | 人間牧場 | 山本暎一 | 8月27日
36 | プイプイ教 | 石井元明 | 9月3日
37 | ウランちゃん | 林重行 | 9月10日
38 | 狂った小惑星 | 杉井儀三郎 | 9月17日
39 | 赤い猫 | 白川大作
虫プロ演出部 | 9月24日
40 | ネオ・シーザー | 柴山達雄 | 10月1日
41 | X爆弾 | 手塚治虫
虫プロ演出部 | 10月8日
42 | 黄色い馬 | 片岡忠三 | 10月15日
43 | デッドクロス殿下 | 林重行 | 10月22日
44 | エジプト陰謀団 | 石井元明
虫プロ演出部 | 10月29日
45 | クレオパトラの首飾り | 杉井儀三郎 | 11月5日
46 | ロボット宇宙艇 | 林重行
虫プロ演出部 | 11月12日
47 | 宇宙ガニ | 坂本雄作 | 11月19日
48 | 天馬族 | 山本暎一 | 11月26日
49 | 透明巨人 | 杉井儀三郎 | 12月3日
50 | アトム西部へ行く | 柴山達雄 | 林重行 | 12月10日
51 | 子象プーラ |  | 虫プロ演出部 | 12月17日
52 | 雪ライオン | 鈴木良武 | 山本暎一 | 12月24日
53 | さようなら1963年 | 高橋健一 | 杉井儀三郎 | 12月31日
1964年
【話数】
【サブタイトル】
【脚本】
【演出】
放送日
54 | アルプスの決闘 | 本間文幸 | 林重行 | 1月4日
55 | 若返りガス | 片岡忠三 | 片岡忠三 | 1月18日
56 | 地球防衛隊 | 鈴木良武 | 高木厚 | 1月25日
57 | ロボット学校 | 柴山達雄 | 山本暎一 | 2月1日
58 | 13の怪神像 | 本間文幸 | 林重行 | 2月8日
59 | 白熱人間 | 高橋健一 | 片岡忠三 | 2月15日
60 | ダーマの宮殿 | 本間文幸 | 青木茂 | 2月22日
61 | 宇宙の寄生虫 |  | 山本暎一
虫プロ演出部 | 2月29日
62 | 幽霊船 | 柴山達雄 | 林重行 | 3月7日
63 | 人工氷山 | 山本暎一
高橋健一 | 山本暎一 | 3月14日
64 | こうもり伯爵 |  | 坂本雄作 | 3月21日
65 | 勇敢な脱走者 | 柴山達雄 | 林重行 | 3月28日
66 | スペースバイキング | 高橋健一 | 山本暎一 | 4月4日
67 | 夜の勇士達 | 能加平 | 手塚治虫
虫プロ演出部 | 4月11日
68 | 恐龍人の反乱 | 高橋健一 | 山本暎一 | 4月25日
69 | 時計塔の秘密 | 片岡忠三 | 林重行 | 5月2日
70 | ラフレシア | 豊田有恒 | 坂本雄作 | 5月9日
71 | 地球最後の日 | 山本暎一 | 5月16日
72 | 宇宙の漂流7日間 | 能加平 | 林重行 | 5月23日
73 | ビッグタイタン | 柴山達雄 | 青木茂 | 6月6日
74 | 地球探検 | 山本暎一 | 6月13日
75 | 空とぶ町 | 豊田有恒 | 林重行 | 6月20日
76 | モンスターマシーン | 虫プロ演出部 | 6月27日
77 | ケープタウンの子守歌 | 山本暎一 | 7月4日
78 | 50万年後の世界 | 豊田有恒 | 青木茂 | 7月11日
79 | ドクター脳 | 辻真先 | 林重行 | 7月18日
80 | ヒューマノイドピル | 柴山達雄 | 紺野修司 | 7月25日
81 | 夢みる機械 | 片岡忠三
辻真先 | 片岡忠三 | 8月1日
82 | ロボット競技大会 | 坂本雄作 | 8月15日
83 | 怪鳥ガルダ | 豊田有恒 | 高木厚 | 8月22日
84 | イルカ文明 | 勝井千賀雄 | 8月29日
85 | 狂ったベルトウェイ | 辻真先 | 青木茂 | 9月5日
86 | 時間銃 | 豊田有恒 | 林重行 | 9月12日
87 | 新かぐや姫 | 能加平 | 沢わたる | 9月19日
88 | 細菌部隊 | 片岡忠三 | 9月26日
89 | ゴメスの亡霊 | 手塚治虫 | 杉井儀三郎 | 10月3日
90 | ロボット砦 | 手塚治虫 | 10月10日
91 | ガロン逆襲 | 柴山達雄 | 勝井千賀雄 | 10月24日
92 | ロボット三銃士 | 能加平
上梨満雄 | 青木茂 | 10月31日
93 | コバルト | 辻真先 | 林重行 | 11月7日
94 | アルプスの天使 | 高橋健一 | 沢わたる | 11月14日
95 | 魔のパンチカード | 片岡忠三 | 片岡忠三
林重行 | 11月21日
96 | ロボットヒューチャー | 新田修介 | 11月28日
97 | 宇宙の対決 | 豊田有恒 | 青木茂 | 12月5日
98 | ゼオの遺産 | 富野喜幸 | 高木厚 | 12月12日
99 | 小さなコロンブス | 能加平 | 林重行 | 12月19日
100 | ロボットハウス | 豊田有恒 | 勝井千賀雄 | 12月26日
1965年
【話数】
【サブタイトル】
【脚本】
【演出】
放送日
101 | 地図にない世界 | 辻真先 | 紺野修司 | 1月2日
102 | 魔境の女王 | 手塚治虫 | 1月9日
103 | 宇宙への階段 | 辻真先 | 瀬山義文 | 1月16日
104 | 悪魔の風船 | 富野喜幸 | 1月23日
105 | アトム将軍 | 豊田有恒 | 青木茂 | 1月30日
106 | 宇宙から来た少年 |  | 杉井儀三郎 | 2月6日
107 | 地球解放 | 辻真先 | 永島慎二 | 2月13日
108 | サターンマン |  | 片岡忠三 | 2月20日
109 | 不死鳥 | 辻真先 | 紺野修司 | 2月27日
110 | 水星探検 | 豊田有恒 | 北野英明 | 3月6日
111 | ロボットポリマー | 富野喜幸 | 3月13日
112 | サムソンの髪の毛 | 出﨑統 | 3月27日
113 | 笑わぬバック国 | 能加平 | 青木茂 | 4月3日
114 | メトロモンスター | 山野浩一 | 富野喜幸 | 4月10日
115 | 逃げだした大金庫 | 能加平 | 高木厚 | 4月17日
116 | 史上最大のロボット(前) | 手塚治虫 | 柴山達雄 | 4月24日
117 | 史上最大のロボット(後) | 石津嵐 | 上梨満雄 | 5月1日
118 | ロボットラグビー | 豊田有恒 | 青木茂 | 5月8日
119 | 空とぶレンズ | 能加平 | 杉井儀三郎 | 5月15日
120 | タイムハンター |  | 富野喜幸 | 5月22日
121 | ガニメート号 | 豊田有恒 | 5月29日
122 | 怪獣マントラー | 手塚治虫 | 6月5日
123 | ドッグ隊長 | 鳥海尽三 | 出﨑統 | 6月19日
124 | おきみやげ | 富野喜幸 | 7月3日
125 | 細菌をさがせ | 石津嵐 | 7月10日
126 | ロボイド | 島海尽三 | 高木厚 | 7月17日
127 | 実験ロボット | 石津嵐 | 西牧秀雄 | 7月24日
128 | インカ帝国の宝 | 富野喜幸 | 7月31日
129 | アトム対アトム | 広川和行 | 8月14日
130 | 火星の嵐 | 石津嵐 | 岡崎稔 | 8月21日
131 | ムーンチャンピオン | 富野喜幸 | 8月28日
132 | ルイ王子 | 石津嵐 | 出﨑統 | 9月4
133 | 10年目の復讐 | 富野喜幸 | 9月11日
134 | 脱出作戦 | 坂本雄作 | 大西清 | 9月18日
135 | ロボット犬バッキー | 西牧秀雄 | 9月25日
136 | ジャガー警部 | 平見修司 | 西牧秀雄 | 10月2日
137 | 小さいクーリー | 石津嵐 | 高木厚 | 10月9日
138 | 長い1日 | 富野喜幸 | 10月16日
139 | 盗まれたアトム | 10月23日
140 | 王様とアトム | 石津嵐 | 岡崎稔 | 10月30日
141 | 機関車行進曲 | 能加平 | 西牧秀雄 | 11月6日
142 | ミーニャの星 | 石津嵐 | 大西清
遠藤政治 | 11月13日
143 | バードストリート物語 | 出﨑統 | 11月20日
144 | 失われた友情 | 片岡忠三 | 11月27日
145 | アトム深海を行く | 石津嵐 | 岡崎稔 | 12月4日
146 | 未来からの報告 | 能加平 | 大西清 | 12月11日
147 | 空中スクリーン | 西牧秀雄 | 12月18日
148 | ロビオとロビエット | 杉井儀三郎 | 12月25日
1966年
【話数】
【サブタイトル】
【脚本】
【演出】
放送日
149 | カンヅメ狂騒曲 | 富野喜幸 | 1月1日
150 | マグネットちゃん | 石津嵐 | 高木厚 | 1月8日
151 | ひとりぼっちのアトム | 小森四郎 | 虫プロ演出部 | 1月15日
152 | ロボット爆弾 |  | 岡崎稔 | 1月22日
153 | 赤い木馬 | 西牧秀雄 | 1月29日
154 | 青い鳥物語 | 井上 | 大西清
遠藤政治 | 2月5日
155 | 狂った国境線 | 片岡忠三 | 2月12日
156 | ロボット市長 | 富野喜幸 | 2月19日
157 | ジプシーの星 | 豊田有恒 | 遠藤政治 | 3月26日
158 | おかしな道づれ | 能加平 | 西牧秀雄 | 3月5日
159 | 悪魔と天使 | 石津嵐 | 岡崎稔 | 3月19日
160 | 黄金のフルート | 小森四郎 | 富野喜幸 | 3月26日
161 | 夢を売る宇宙人 | 石津嵐 | 永樹凡人 | 4月2日
162 | キャンデー作戦 | 遠藤政治 | 4月9日
163 | 別世界への道 | 富野喜幸 | 4月16日
164 | 宇宙ぐも | 坂本雄作 | 4月23日
165 | 赤ん坊騒動 | 石津嵐 | 岡崎稔 | 4月30日
166 | ジュエルの魔像 | 高木厚 | 上梨満雄
山本義也 | 5月7日
167 | 風船がいっぱい | 能加平 | 西牧秀雄 | 5月14日
168 | おどりあがった島 | 石津嵐 | 片岡忠三 | 
169 | 未来人の贈り物 | 西牧秀雄 | 5月28日
170 | 二人の王女 | 石津嵐 | 上梨満雄 | 6月4日
171 | 永遠のクッチャー | 能加平 | 富野喜幸 | 6月11日
172 | ヘラルド兄弟 |  | 片岡忠三 | 6月25日
173 | ロボッティ | 富野喜幸 | 7月2日
174 | 海底大運河 |  | 西牧秀雄 | 7月9日
175 | ロボット大戦争(前) | 坂本雄作 | 出﨑統 | 7月23日
176 | ロボット大戦争(後) |  | 山本暎一
虫プロ演出部 | 7月30日
177 | ばかでかいロボット | 片岡忠三 | 8月6日
178 | チータン夜の冒険 | 加藤靖三 | 上梨満雄 | 8月20日
179 | 青騎士(前) | 富野喜幸 | 8月27日
180 | 青騎士(後) | 加藤靖三 | 富野喜幸 | 9月3日
181 | 幽霊製造機(2作目) | 富野喜幸 | 9月10日
182 | 狂ったコバルト | 加藤靖三 | 斎出光布 | 9月24日
183 | 宇宙から来た日本人 | 能加平 | 富野喜幸 | 10月1日
184 | タイム戦争 | 佐脇徹 | 上梨満雄 | 10月8日
185 | アフリカの星 | 斎出光布
加藤靖三 | 斎出光布 | 10月22日
186 | おばけは夜来る |  | 杉山卓 | 10月29日
187 | ベーリーの伝説 | 秋玲二 | 11月5日
188 | 鞍馬の天狗 | 富野喜幸 | 11月19日
189 | 撮影所騒動 |  | 坂本雄作 | 11月26日
190 | メソポタミアの奇蹟 | 斎出光布 | 12月3日
191 | さすらいのロッピ | 柴山達雄 | 上梨満雄 | 12月17日
192 | メドッサの館 | 富野喜幸 | 12月24日
193 | 地球最大の冒険 | 手塚治虫 | 12月31日

商品化権の概念の確立

本作は日本のキャラクターとしては初めて商品化権の概念を確立した。本作の関連商品は日本のアニメキャラクターで初めて著作権表示をつけたとされている。本作以前のキャラクター商品は海賊版が当然であり、著作権者に許諾を求めることも、使用料を支払うこともほとんどなかった。

手塚治虫も本作ではそれでいいように考えていたが、ディズニーと取引があったセイカノートがディズニーの許諾業務のノウハウを手塚に教えたのである。セイカノートの狙いは商品化権の独占にあり、商品化権を取得していない同業他社を排除することにあったのだが、結果として著作権者に使用料が払われるようになり、赤字体質だった虫プロを救い、テレビアニメに商業性があることを示した。

もっとも、『アトム』商品が市場に登場したのは放映開始から3ヶ月後である。放映開始が元旦で、当初は半年で放映が終わる予定だった。つまり3ヶ月で『アトム』の知名度を上げ、残り3ヶ月で商品を流通させる計画だったことになる。となると「制作費の不足を商品化権収入で補う」というよりは「制作費の赤字を放映終了までにできるだけ減らす」という「守り」の発想だったのではないか、とする説もある。

制作秘話

費用

「当初の制作費は1話当たり55万円であった」と手塚が生前に書いたり語ったりしたことがあちこちに引用され定説化してしまっている。しかし、各種の資料や当時の関係者の証言などを再調査した津堅信之は、実際には代理店より1話当たり155万円が支払われており、放映終了の頃には300万円を越えていたとしている。

もっとも、『ジャングル大帝』の総監督を務めた山本暎一によると、工業簿記を取り入れて1日単位で制作費管理をした『ジャングル大帝』に対して、『アトム』は簿記管理体制を最終回まで使っておらず、さらに『アトム』では手塚社長による脚本、絵コンテ等のチェックが行われるやり方だったために「先生待ち」(まんが家として超多忙だった手塚はなかなか時間を割いてくれなかった)で制作作業が止まってしまってスタジオがフル稼働できずそのぶん人件費がかさむという悪循環が続き、そのためカラー制作の『大帝』よりも白黒の『アトム』のほうが実制作費がかかったという。

本作は手塚がフジテレビに企画を持ち込み、実現したと巷間伝えられるが、フジテレビの別所孝治プロデューサーによれば、実際には当時萬年社の制作課長だった穴見薫が仕掛け人だったという。虫プロのアニメーターに穴見の妻となる中村和子がいたことで手塚と関わりを持ち、スポンサーに明治製菓(現・明治)を引っ張ってきてこれを実現し、この縁で穴見は虫プロに常務待遇で迎えられることとなったそうである。

原作ストック

放映開始時にはそれまで10年以上の長期にわたって月刊誌で連載された漫画原作のストックがあった。しかし、1つのエピソードを月刊連載の数回分で完結させていた原作に対し、アニメでは原作の1つのエピソードを毎週放送の1回分で完結させたので(例外は前編と後編に分けた「史上最大のロボット」と「青騎士」だけ)、原作のストックはたちまち使い尽くされてしまった。このため、すでにアニメ化したエピソードをアレンジし直したり、別の手塚漫画作品などを元にしたオリジナルなアトムのエピソードが多数を占めるようになった。

後に映画『ミクロの決死圏』の元ネタではないかという説の出た第88話「細菌部隊」も、手塚が1948年に発表した漫画『吸血魔団』がベースである。また、「幽霊製造機」のように全く同じタイトルで2度制作されたエピソードもある。

手塚原作にはない完全にオリジナルなストーリーは、辻真先や後にSF作家となる豊田有恒などが執筆した。

『鉄腕アトム』以外で原作として使用された手塚漫画作品には、以下のものがある。

設定

本作では、アトムの誕生日は2013年4月1日という設定(原作では2003年)。

表現規制

『アトム』原作から続くテーマの1つに人種差別があるが、それを正面から取り上げた第9話「ブラックルックスの巻」は米国では放映されなかった。

製作環境

製作環境は凄まじく、特に放映初期に関しては様々な証言が残されている。その後は安定したかというとそうでもなく、途中から参加した富野喜幸は「製作が放映に間に合わない時には以前のフィルムから使えそうな部分をツギハギして1話分でっち上げた」と後に述懐している。これは主要スタッフが『ジャングル大帝』に異動し、半ば放置されたためである。一説にはこの時の富野の経験が、『機動戦士ガンダム』の軍艦ホワイトベースのプロットのモデルになったとも、この時に富野が「既存のフィルムに最小限の新作を繋ぎ合わせて一作品でっち上げる」技法を身に付けた、とも言われている。

第34話「ミドロが沼の巻」は、手塚治虫本人からの依頼で、スタジオ・ゼロが作画を担当したが、担当者(鈴木伸一石ノ森章太郎藤子不二雄(藤子・F・不二雄藤子不二雄A)・つのだじろうら)毎にキャラクターのタッチが異なってしまっていた為、その後は虫プロからの発注は2度となかった、この回のフィルムは長らく行方不明となっていたが、アメリカで放映されたフィルムが発見され、日本語版の音声テープを組み合わせて2002年にDVD-BOXが発売された際には復元された。鈴木らは、フィルムが行方不明になった理由について「作画が気に入らなかったので手塚が破棄したのではないか」と考えていたという。それに対し、当時スタッフの1人であったりんたろうは「手塚は周囲にとても気を遣う人だったので、外部の人に作ってもらったものを捨ててしまうとは考えられない」と述べている(2002年に放送されたNHKBSの番組のインタビューによる)。

1965年からは、虫プロは『鉄腕アトム』に加えて『ジャングル大帝』『W3』の制作を並行して開始して、生え抜きスタッフはこぞって『ジャングル大帝』に参加した。そのため、手塚治虫本人から旧知のうしおそうじが率いるピープロへ原動画以降の外注を依頼。1965年1月23日放送の104話「悪魔の風船」から1クールの予定が、都合3クール分の39本の外注となった。

この他にも、TCJから独立した大西清が設立した大西プロが、1965年9月18日放送の134話「脱出作戦」から月に1本ということで制作を請け負った。

カラー

第56話「地球防衛隊」のみ試験的にカラーで制作された。ただし、放送自体はモノクロで行われている。この回は40.3%(ニールセン調べ、関東地区)の視聴率を記録した。このエピソードは後に再編集されて劇場公開もされた(下記を参照)。

番組終了

最終回「地球最大の冒険」は1966年大晦日に放送された。内容は地球を救うための太陽活動を抑える装置を載せたロケットをアトムが抱えて太陽に突入するというもので、当時の子供達に与えた影響は大きかった。

視聴率はこの時点でも20%を超え好調だったが、終了は輸出先のアメリカのテレビがカラー化が進行していてモノクロの本作品が売れなくなったこと、長期に渡る放送でアトムの商品イメージが限界に来たというスポンサーの明治製菓の意向が理由であった。終了はテレビで予告されて、視聴者の母子からは続行を希望する手紙が殺到したという。

この最終回の続編として手塚が1967年1月24日より執筆したのが、サンケイ新聞連載版『鉄腕アトム』(単行本化の際に『アトム今昔物語』に改名)である。それとは別に、1972年4月から小学館の学習雑誌『小学二年生』『小学四年生』に別設定で連載した。

放映期間中の1965年10月16日に放送された『スター千一夜』に、漫画・アニメの登場人物としては初めてアトムがゲスト「出演」し、三木鶏郎(司会)・手塚治虫と対談した。この出演パートは新たに作画を起こして制作され、完成には約5か月を要した。

劇場版

『鉄腕アトム』劇場アニメはいずれも(未完含め)テレビアニメ第1作の派生作品のため本項で解説する。

鉄腕アトム 宇宙の勇者

1964年7月26日日活系封切、日本初のテレビアニメからの劇場版アニメ作品。併映作はユーゴスラビアの児童映画『ぼくらの冒険旅行』。

『宇宙の勇者』は正式サブタイトルだが、オープニングではクレジットされていない。

テレビ版の第46話・第56話(上記)・第71話を劇場用にブローアップし再編集した作品。これらの内、第56話はテレビでは使用しなかったカラー版を使用、また第71話は一部がカラー化された。更にプロローグやつなぎ部分が新しく作画された。

当初、映画化に名乗りを上げたのは松竹で、虫プロと共同制作する予定だった。だが松竹では、業績不振から城戸四郎の社長復帰と言う上層部の入れ替えに伴い、製作方針の転換で映画化を断念した。それを知った東宝と日活は虫プロに自主制作を勧め、その結果、配給権は日活が獲得した。

期待された割には興行成績は振るわず、5日前に東映で公開されたまんが大行進(『鉄人28号』『狼少年ケン』などのブローアップ再編集作品で構成)に敗れてしまった。理由は色々だが、一番なのは「アクション映画路線で売った日活で上映したため」だと言われる。

2010Happy Mail