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離婚とは?

離婚(りこん)とは、婚姻関係にある生存中の当事者同士が、有効に成立した婚姻を婚姻後に生じた事情を理由として将来に向かって解消することをいう。

概説

本来、婚姻は終生の生活関係の形成を目的としている(故に離婚の予約は許されず法律上無効とされる)。しかし、実質的に破綻状態にある婚姻に対してまでも法律的効力の下に当事者を拘束することは無益で有害であると考えられることから、今日ではほとんどの国の法制は離婚制度を有するとされる。とはいえ夫婦の一方の意思のみによって他方配偶者や子に苛酷な状況を生じさせることは妥当でなく、これらの者の保護のために離婚に一定の制約を設ける立法例が多い。

離婚制度は有効に成立した婚姻を事後的に解消するものである点で、婚姻成立の当初からその成立要件の点で疑義を生じている場合に問題となる婚姻の無効婚姻の取消しとは区別される。離婚の類義語としては、離縁、破婚、離別などがある。

なお、婚姻の解消原因には離婚のほかに当事者の一方の死亡(失踪宣告を含む)があり、講学上、「婚姻の解消」という場合には離婚よりも広い意味となる。

国ごとに離婚率は異なる。ポルトガルでは離婚率は7割以上。なお、バチカン市国フィリピン共和国には、離婚制度そのものが法律上無い。

離婚の歴史

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西欧における離婚史

前近代

古代ローマ法やゲルマン慣習法において離婚は比較的自由であったとされるが、中世に入ってキリスト教の影響のもとに西洋では婚姻非解消主義が一般化することとなる。教会法における婚姻非解消主義は西欧における婚姻法制に大きな影響を与えたとされる。

レビ記21章には、祭司が子孫を汚すことのないために、「離婚された女」、「あるいは淫行で汚れている女」をめとってはならないとする規定がある。マラキ書2章16節にはイスラエルの神は離婚を憎むと記されている。ホセア書では主はホセアに「淫行の妻と、淫行によって生れた子らを受けいれよ。」と述べている。

イエス・キリストは神の創造から夫婦は一体であり、神が結び合わせたものを、人が引き離してはならないと命じた。イエス・キリストは「不貞」、「不品行」、「不法な結婚」以外に離婚を認めておらず、離婚された女と結婚する者も姦淫の罪を犯すと教えた。イエス・キリストのこのことばはカトリック教会でもプロテスタント教会でも、離婚を禁じるイエス・キリストの命令であると受け止められてきた。

ただ、現実には夫婦間に不和を生じて婚姻が実質的に破綻状態となる場合もあるため、教会法では離婚の否定を原則としつつ、婚姻の無効、未完成婚、別居制度などの方法によってこれらの問題の解決が試みられたとされる。

カトリック教会

ローマ・カトリック教会では教会法上離婚が存在しない。民法上の離婚をして再婚をした場合は、教会法上の重婚状態とされ、その罪のため聖体拝領を受けることが出来ない。性的に不能であった場合は結婚そのものが成立していないので、バチカンにはかったうえで婚姻無効が認められることがあるが離婚ではない。

ペトルス・ロンバルドゥスの『命題集』4.31は、配偶者が姦通して離れた場合でも再婚してはならないとしている。

プロテスタント教会

ウェストミンスター信仰告白は相手が姦淫の罪を犯した場合にのみ離婚を認めている。潔白な方は罪を犯した配偶者を死んだ者として扱う。マーティン・ロイドジョンズも離婚が認められる唯一の理由は、相手の姦淫だと断言している。モーセの時代の司法律法で姦淫は死刑になるため、離婚ではなく、死刑によって結婚が終了した。

ジャン・カルヴァンは『キリスト教綱要』4篇19章「5つの偽りの聖礼典」の37「ローマ教会の婚姻に関する無意味な規定」で相手が姦通の罪を犯したために離婚しても、再婚してはならないとするローマ教会の規定を「迷誤を隠蔽」し専制を行っているとして批判している。

近代以降

近代以降、西欧においては離婚の法的規律は教会によるものから国家によるものへと移行した(婚姻の還俗化)。そこでも当事者の合意による婚姻の解消には消極的であり、配偶者の一方に夫婦間の共同生活関係の継続を困難にさせるような有責行為がある場合に限って、有責配偶者への制裁として、その相手方からの離婚請求のみを認める有責主義(主観主義)がとられ、現在でもカトリック教国でこの法制をとる立法例が多いとされる。

これは根本では「現在ある人間関係を維持する」ことを意識している。同意のない離婚を事実上不可能にし、離婚の選択権を、離婚の原因(落ち度)の無い配偶者にゆだねている。これによって、配偶者が現在の人間関係を続けることを望めば、離婚できないようにしている。

その後、自由主義の浸透とともに1960年から1970年代にかけて欧米では次々と離婚法改正が図られ、夫婦間の共同生活関係が客観的に破綻している場合には離婚を認める破綻主義(客観主義・目的主義)への流れを生じるに至ったとされる。

イスラム世界の離婚史

詳細は「en:Divorce in Islam」を参照
エジプト

多くのイスラム諸国同様、夫が宣言するだけで成立する「口頭離婚」という慣習が古くから存在する。世俗主義的なシーシー政権は2017年に認めない方針を示したが、イスラム教指導者が容認している。逆に妻が離婚を望んで夫が拒否した場合は、妻が裁判所で正当な理由を証明する必要がある。このため夫婦喧嘩で夫を怒らせて離婚を口にさせ、離婚に持ち込む女性もいる。

インド
詳細は「en:Triple Talaq in India」を参照

インドのイスラム教徒には、古来からTalaq(タラーク、離別の意)を3回唱える。もしくはタラークを3回書いた手紙などで伝えると離婚できるとしている。この3回意志表明することをトリプルタラークと呼ぶが、一方的で女性の人権を脅かしてると考えた人権家達によって、インド最高裁判所に「時代遅れ」だと公益訴訟(Public interest litigation)が起こされた。2017年5月13日に、法律で「最悪の離婚形態」であると規定された。

また、この慣習はサウジアラビアモロッコアフガニスタンパキスタンなどのムスリムが多数を占める国々でも禁止されている。

日本における離婚史

古代

「離婚」という言葉自体は、中国の歴史書『晋書』刑法志に「毌丘倹之誅、其子甸妻、(中略)詔聴離婚」とあり、これが言葉としての最初とされる。離婚に関する規定としては、日本養老令戸令七出条に「皆夫手書棄之」があり、「七出」、「三不去」などが定められた。「七出」とは、もともと律令に定められた「夫の一方的な意思により離婚できる7つの事由」の戸令のことで、舅姑に従わない、子ができない、姦通、言い争いが多い、盗み、嫉妬深い、たちの悪い病気の7つであり、また、「三不去」は(七出に該当しても)「離婚できない3つの事由」のことで、舅姑の喪に3年間服した、貧しい時に嫁いでのちに豊かになった、帰る所がないの3つである。「皆夫手書棄之」では、離婚する場合は夫側が「手書」と呼ばれる書状を作成しなくてはならないとされているが、実際の離婚状は日本では見つかっていない。日本古代の場合、女性の離婚に対する自主性(主導権)は高かったとされるが、「男女双方に離婚権はあったが男性側の主体性が高かった」とする研究者もいる。

令集解』「戸令結婚条」の記述として、「同里(隣り合った2、3里の集落範囲)内で、男女が3ヵ月以上行き来しなければ、離婚とみなす」とあり、これは経済関係を夫婦関係とは別の所にもっていたことに加え、親族による育児など相互協力の機能していたからとみられる(吉江明子 『古代女性史への招待 <妹の力>を超えて』 吉川弘文館 2004年 p.64)

前近代

日本では夫婦のまま長生きする「共白髪」を理想とはしながらも夫婦が分かれることも当然にあり得ることと考えられ、また、西欧のように教会法における婚姻非解消主義の影響を受けることがなかったため、法制上における離婚の肯否そのものが議論となったことはないとされる。

ただし、日本では離婚そのものは認められてきたものの、律令制のもとで定められた七出や三不去、また、後には三行半の交付による追い出し離婚など、いずれも男子専権離婚の法制であったとされる。だが実際には、江戸時代の離婚は、現在と同様に協議離婚が殆どであり、離婚するにあたっては夫が妻に三行半を差出すことが義務付けられ、三行半がない離婚は処罰の対象とされた。

離婚権のなかった女性にとって江戸時代までは尼寺が縁切寺としての役割を果たし、一定期間その寺法に従えば寺の権威によって夫側に離縁状を出させる仕組みとなっていた。北条時宗夫人である覚山尼は鎌倉に東慶寺を創建して縁切寺法を定め、三年間寺へ召し抱えて寺勤めをすることで縁切りが認められるとしていた。また、寺院の縁切寺と同様に神社にも縁切り稲荷と呼ばれる神社が存在した。榎木稲荷(東京)、伏見稲荷(京都)、門田稲荷(栃木)が日本三大縁切稲荷とされている。

江戸時代には女性が現金収入を得る手段である養蚕地帯において離縁状が数多く残されている。

妻側からの離婚請求が認められるようになったのは明治6年の太政官布告からである。ただし、前近代の全ての時代で、男性優位の離婚だったわけではなく、ルイス・フロイス日本史によれば、戦国時代の日本の女性は自由に離婚が可能であり、また何回離婚しても、何回妊娠して堕胎しても、社会的に問題はなかったとされる。

近代以降

明治民法の起草時においても離婚制度を設けることそのものについて異論は出ず、また、離婚の形態についても法典調査会で検討されたものの日本人は裁判を望まない気風であり協議の形で婚姻を解消できる制度の必要性が挙げられ、協議離婚を裁判離婚と並置する法制がとられるに至ったとされる。1898年(明治31年)7月16日に施行された明治民法第813条では十の具体的離婚原因を列挙されたが、それらの有責行為を犯した配偶者に対しては一方の配偶者は離婚を提訴できるが、それ以外の裁判離縁は認めないとした。これらには立法としては旧来の追い出し離婚を排斥するという意味があるが、社会的な事実においても当事者の自由意思による離婚が行われていたか否かという点については別に問題となる。

日本の近代離婚法は、また旧法時から公的審査を要件とせず、夫婦関係が破綻して離婚の合意さえあれば、離婚届の提出で離婚しうるとしていたことから、既に破綻主義的な要素を含んでいたとされ、この点は、1970年代になって破綻主義が一般化した欧米諸国と比較すると、驚くべき特徴とされる。

大正時代に世間を騒がせた離婚として、1915年に愛人との同棲のために妻に別居と離婚を求めた作家の岩野泡鳴に対し、妻の清子が同居請求と妻子の扶養料要求訴訟を行い、妻が勝訴し、夫の離婚請求が敗訴となった一件があった。清子は判決において民法第789条の「夫婦同居の規定」が「強制規定と解す可く」とあったことに満足し、「夫婦同居の権利義務は夫権の行使を妨げざる範囲内に於て全く平等にして差等あるものに非ず」という判断が下されたことを評価し「法律の認めたる妻の権利」という一文を発表した。

日本法における離婚

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この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

日本法では、離婚について民法(明治29年法律第89号)第763条から第771条に規定があり、その他、戸籍法(昭和22年法律第224号)、家事事件手続法(昭和22年法律第152号)、人事訴訟法(平成15年法律第109号)及びこれらの附属法規において定められている。

離婚の形態

現行法は、離婚の形態として、協議離婚(協議上の離婚)、調停離婚審判離婚裁判離婚(裁判上の離婚)を規定している。

協議離婚

協議離婚の意義

夫婦は、その協議で、離婚をすることができる(763条)。これを協議離婚(協議上の離婚)という。協議離婚という制度そのものは1804年のフランス民法典のほか現在では中国、台湾、韓国などでも採用されているが、日本法における協議離婚は多くの国でとられるような公権による当事者意思の確認手続を有しておらず、離婚手続としては当事者の合意と届出のみで成立する点で世界的にみても最も簡単なもので特異な法制であるとされる。日本では離婚のほぼ90%が協議離婚である。さらに、協議離婚では、離婚届に理由を書く必要が無いため、日本では離婚原因の全体的な把握が難しくなっている。

協議離婚の成立

協議離婚は戸籍法の定めるところにより届け出ることを要する(764条739条1項)。この届出は当事者双方及び成年の証人2人以上が署名した書面で又はこれらの者から口頭でしなければならない(764条739条2項)。

離婚の届出は、その要式性に関する規定(739条2項)及び親権者の決定の規定(819条1項)その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない(765条1項)。ただし、離婚の届出がこの規定に違反して誤って受理されたときであっても離婚の効力は失われない(765条2項)。

届出がない場合には法律上の離婚の効果は生じないが(協議離婚における届出は創設的届出である)、事実上の離婚としてその法律関係の扱いについては問題となる。

離婚は当事者が離婚意思をもって合意すること要する(通説・判例)。戸籍実務では夫婦の一方が他方に離婚意思がない(翻意した場合を含む)にもかかわらず離婚の届出が行われるのを防ぐため、当事者の一方が離婚の届出について不受理とするよう申し出る制度として離婚届不受理申出制度が設けられている(昭51・1・23民事2第900号民事局長通達)。

協議離婚の無効・取消し
協議離婚には離婚意思が必要とされ、この離婚意思の内容については実質的意思説(当事者間において真に離婚をするという実質的意思を要するとする説。実体的意思説。通説)と形式的意思説(離婚の届出をするという形式的意思で足りるとする説。判例として大判昭16・2・3民集20巻70頁、最判昭38・11・28民集17巻11号1469頁)が対立する。ただし、無効な協議離婚も慎重な判断の下に追認しうる。
詐欺又は強迫によって離婚をした者は、その婚姻の取消しを家庭裁判所に請求することができる(764条747条1項)。ただし、この取消権は当事者が詐欺を発見し若しくは強迫を免れた後3ヶ月を経過し、又は追認をしたときは消滅するとされる(764条747条2項)。なお、離婚の取消しは婚姻の取消しとは異なり遡及効があり、離婚は取消しによって遡及的に無効となり婚姻が継続していたこととなる。

調停離婚

家庭裁判所調停において、夫婦間に離婚の合意が成立し、これを調書に記載したときは、離婚の判決と同一の効力(ここでは、いわゆる広義の執行力)を有する(家事事件手続法268条)。離婚の訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に調停の申立てをしなければならない(同法244、257条)。これを調停前置主義という。

離婚調停成立後、調停申立人は10日以内に離婚の届出をしなければならない(戸籍法77条。協議離婚の届出とは異なり報告的届出となる)。

審判離婚

調停が成立しない場合においても、家庭裁判所が相当と認めるときは、職権で離婚の審判をすることができ(家事事件手続法284条)、2週間以内に家庭裁判所に対する異議の申立てがなければ、その審判は、離婚の判決と同一の効力(「調停離婚」の項を参照)を有する(同法287条)。

2週間以内に異議申立てがあれば審判は効力を失うため実際あまり利用されていない。

裁判離婚

裁判離婚の意義

協議離婚、調停離婚が成立せず、審判離婚が成されない時に、判決によって離婚すること。裁判離婚の成立は離婚総数の1%程度である。

離婚の訴えは、家庭裁判所の管轄専属する(人事訴訟法4条1項、2条1号)。つまり、家庭裁判所に訴えを提起する必要があり、地方裁判所での審理を希望することは不可能である。

離婚の訴えに係る訴訟において、離婚をなす旨の和解が成立し、又は請求の認諾がなされ、これを調書に記載したときは、離婚の判決と同一の効力(「調停離婚」の項を参照)を有する(同法37条、民事訴訟法267条)。

離婚原因

裁判上の離婚には民法第770条に定められている離婚原因が存在しなければならず、夫婦の一方は、以下の場合に限り、離婚の訴えを提起することができる(民法第770条1項)。もっとも、離婚事由に該当するときであっても、裁判所は、一切の事情を考慮して婚姻の継続が相当であると認めるときには、離婚の請求を棄却することができる(770条2項)。

判例は民法第770条1項1号の不貞行為の意味について「配偶者ある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいうのであつて、この場合、相手方の自由な意思にもとづくものであるか否かは問わないものと解するのが相当である」とする(最判昭48・11・15民集27巻10号1323頁)。
具体的には同居・協力・扶助義務(民法第752条)の不履行をいい、婚姻関係の放棄ないし廃絶を企図あるいは認容するものとみられるような程度のものでなければならないとされる。別居が合意によるものである場合や正当な理由があるとき(病気療養、出稼ぎ、配偶者からの暴力など相手方配偶者に責任を帰すべき事由がある場合)は「悪意」とはいえず「遺棄」にもあたらない(通説・判例、判例として最判昭39・9・17民集18巻7号1461頁)。
生死不明の原因は問わないが、生死不明は現在も継続している場合でなければならない(通説)。3年の期間は最後の消息すなわち音信不通となった時から起算する。
770条1項4号にいう「精神病」はあくまでも法的概念とされ、医学的判断を基礎とするものの最終的には裁判官の判断によるとされる(通説)。判例によれば「民法は単に夫婦の一方が不治の精神病にかかつた一事をもつて直ちに離婚の訴訟を理由ありとするものと解すべきでなく、たとえかかる場合においても、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的方途を講じ、ある程度において、前途に、その方途の見込のついた上でなければ、ただちに婚姻関係を廃絶することは不相当と認めて、離婚の請求は許さない法意であると解すべき」とする(最判昭33・7・25民集12巻12号1823頁)。
770条1項1号から4号までの離婚原因が具体的離婚原因と呼ばれるのに対し、この5号の離婚原因は抽象的離婚原因と呼ばれる。
具体例としては虐待・侮辱、犯罪による受刑、性格の不一致などがある。
本号による離婚ついては相手方の有責性を問わない(通説・判例。判例として最判昭27・2・19民集6巻2号110頁)。また、離婚原因相互の関係(1号から4号と5号との関係)については、民事訴訟法学上の旧訴訟物理論の立場からとられる離婚原因特定必要説(通説・判例。最判昭36・4・25民集15巻4号891頁)と、新訴訟物理論の立場からとられる離婚原因特定不要説が対立する。
有責配偶者からの離婚請求についても問題となる。判例は有責配偶者からの離婚請求について「有責配偶者からされた離婚請求であつても、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもつて許されないとすることはできないものと解するのが相当である」とする(最大判昭62・9・2民集41巻6号1423頁)。
離婚請求の棄却

裁判所は、民法第770条1項の第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる(民法第770条2項)。

離婚の効果

婚姻に基づいて発生した権利義務は消滅し、また、それによって発生していた身分関係は離婚によって解消される。これにより当事者は再婚することが可能となる(ただし、733条に注意)。また、姻族関係は離婚によって終了する(民法第728条1項)。
婚姻によって氏を改めた夫又は妻は離婚によって婚姻前の氏に復することを原則とする(協議離婚につき民法第767条1項、裁判離婚につき771条により準用)。しかし、復氏は社会活動上の不利益につながることもありうることから、民法は婚姻前の氏に復する夫又は妻は離婚の日から3ヶ月以内に戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができるとする(協議離婚につき民法第767条2項、裁判離婚につき771条により準用)。この2項の規定は昭和51年に追加された規定である。
婚姻によって氏を改めた夫又は妻が祭祀に関する権利(897条1項)を承継した後に離婚したときは、当事者その他の関係人の協議でその権利を承継すべき者を定めなければならない(協議離婚につき民法第769条1項、裁判離婚につき771条により準用)。協議が調わないとき又は協議をすることができないときは家庭裁判所がこれを定める(協議離婚につき民法第769条2項、裁判離婚につき771条により準用)。
未成年者の子がある場合は親権者を決める必要がある。協議離婚の場合には父母の協議で、その一方を親権者と定めなければならない(819条第1項)。協議で定まらなければ家庭裁判所の審判による(819条第3項)。裁判離婚の場合には裁判所が父母の一方を親権者と定める(819条第2項)。
子の監護に関する事項(子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項)について、協議離婚の場合には父母の協議によって定め(766条第1項)、協議不調あるいは協議不能の場合には家庭裁判所がこれを定める(766条第2項)。平成23年6月3日法律第61号により子の監護に関する事項の決定に際して「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」との文言が追加されている。監護権について裁判離婚における準用規定はないが協議離婚と同様とされる。
離婚をした者の一方は、相手方に対して財産分与を請求することができる(協議離婚につき768条、裁判離婚につき771条により準用)。この財産分与請求権は必ずしも相手方に離婚につき有責不法の行為のあることを要件とするものではない(最判昭31・2・21民集10巻2号124頁)。その一方で離婚に至ったことが夫婦の一方の有責不法な行為による場合には、その相手方に対して損害賠償(慰謝料)を請求することもできる(最判昭31・2・21民集10巻2号124頁)。財産分与として損害賠償の要素をも含めて給付がなされた場合には、原則としてもはや重ねて慰謝料の請求をすることはできないが財産分与がなされても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解せられないか、その額および方法において、請求者の精神的苦痛を慰謝するには足りないと認められるものであるときには、別個に不法行為を理由として離婚による慰謝料を請求することを妨げられない(最判昭46・7・23民集25巻5号805頁)。

日本の明治民法下での離婚

離婚の形態としては協議離婚と裁判離婚があった。

協議離婚

旧民法では夫婦は何時でも協議上の離婚をすることができる(旧808条)。ただし、満25年に達しない者が協議離婚をするには婚姻についての同意権者の同意を得ることを要する(旧809条)。戸籍吏は法律上の要件を満たさない届出を受理することはできないが、これに違反して届け出を受理したときといえども離婚の効力は妨げられない(旧811条)。

子の監護権については協議で定めのない限り原則として父に属すが、父が離婚によって婚家を去った場合には母に属す(旧812条)。

裁判離婚

裁判上の離婚は、民法上の離婚原因がある場合に限って提起しうる(旧813条)。ただし、民法上の一定の離婚原因については、夫婦の一方が他の一方の行為に同意したとき、宥恕したときには離婚を提起することができなくなる(旧814条)。また、離婚原因の発生から一定の期間が経過すると訴えを提起する権利が時効消滅するものも含まれていた(旧816条)。

なお、協議離婚における子の監護権の規定(旧812条)については、裁判離婚にも準用されるが、裁判所は子の利益のため監護権について異なる処分を命じることができる(旧819条)。

国際私法における離婚(渉外離婚)

国際私法上、本国人と外国人との間の離婚、本国に常居する外国人の離婚等の渉外離婚(国際離婚)については、どこの国の法を適用すべきかという準拠法の問題を生じる。

日本の法の適用に関する通則法は、離婚について、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地法が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法によるとした上で(法の適用に関する通則法27条本文・25条準用)、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は日本法によると定める(法の適用に関する通則法27条但書)。

日本では協議離婚の制度が認められているが、離婚するか否かを当事者の完全な意思に委ねる制度を採用する国は比較的少数であり、離婚そのものを認めない国、一定の別居期間を経ないと離婚が認められない国、行政機関裁判所による関与を要求する国などがある。

このように国によって離婚の要件や手続(特に手続に国家が関与する方法・程度)が異なるため、ある国での離婚の効力が、別の国では認められないこともありうる。例えば、裁判による離婚制度しか存在しない国では、当事者の意思に基づく協議離婚はありえないから、日本で成立した協議離婚の効力が認められるとは限らないし、裁判所が関与する調停離婚についてもその効力が認められる保障がない。

このような事情があるため、裁判離婚しか認めていない国の国籍を有する者が日本で離婚する場合は、離婚の準拠法の問題もあり、当事者による離婚の合意ができている場合でも、前述の審判離婚や裁判離婚をする例が少なくない。

国際結婚の増加と共に、国際離婚も増加傾向にある。日本における届け出によれば、平成18年の離婚件数25万7475件のうち、夫妻の片方が外国人であったのは1万7102件(6.6%)であった。

千葉前法務大臣は、アメリカ合衆国などの要請を受けて、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)の批准を前向きに検討していると述べた。日本政府は2010年(平成22年)8月14日、ハーグ条約を翌年に批准する方針を固めた。その後、第180回国会において批准承認案が提出され(2012年(平成24年)3月9日)たが、第181回国会まで継続審議になったものの衆議院解散で一旦廃案となった。ついで第183回国会に再度、批准承認案が提出(2013年(平成25年)3月15日)され、2013年(平成25年)5月22日に国会の承認がされた。

離婚制度が無い国家

法律上の離婚制度そのものが無い国家として、世界では2国あり、バチカン市国フィリピン共和国である。この様な場合『婚姻の無効』を裁判所に申し立て、認められなければならない。2011年までは、マルタ共和国も離婚制度が法制化されなかった。

日本における離婚の状況

「離婚」に対する考え方

内閣府の平成19年度(2007年)「男女共同参画社会に関する世論調査」によれば、「相手に満足できないときは離婚すればよいか」との質問に対して、賛成派(「賛成」と「どちらかと言えば賛成」の合計)が46.5%にとどまったのに対して、反対派(「反対」「どちらかといえば反対」の合計)が47.5%となり、23年ぶりに反対派が賛成派を上回るという結果が出た。賛成派は1997年の54.2%をピークに毎回減り続けており、一昔前に比べると、離婚に対して寛容ではなくなってきていることが窺える。

スピード離婚

結婚した者同士が数か月間などの短期間で離婚することである。

成田空港から海外へ新婚旅行に出発し、旅行中に価値観の相違などで対立し、帰ってからすぐに離婚することを「成田離婚」と言う。

家庭内離婚

法的な婚姻関係と同居を継続していながら、実生活上での夫婦関係が失われている状態を言う。

熟年離婚

中高年の夫婦の離婚のこと。

1969年(昭和44年)には新聞記事で、夫の退職を機に、それまで経済的な理由で離婚を控えていた妻が「いただくものはいただいてさっぱりし、老後を一人で送る」形で高年齢層の離婚が「じりじりと増えつつある」と報じられており、この時代から中高年夫婦の離婚増加が話題になっていたことが窺える。

2007年(平成19年)4月の年金制度の変更で、夫の厚生年金を離婚時に分割できるようになった(それまでは、離婚したら妻はもらえなかった)ときには、中高年夫婦が高い関心を寄せたという。実際に、法律事務所司法書士事務所などへの相談件数は急増し、離婚を考えている者は多いという。

事実婚のための離婚

夫婦共働きや、妻の家名の維持等、さまざまな理由で、夫婦のいずれもが旧姓を使い続けたいような夫婦において、事実婚へ移行するために離婚をする例が近年増えている。こういった離婚をペーパー離婚とも言う。なお、事実婚はさまざまな法律上の不利が存在するため、選択的夫婦別姓制度の導入を望むカップルもペーパー離婚予備軍として多く存在するといわれる。

離婚件数・率

「人口千人あたりの、一年間の離婚件数」(「人口千人あたりの、生涯のどこかで離婚する人数」とは異なる)のことを普通離婚率というが、これは人口の年齢構成の影響を強く受ける。これ以外の離婚率を特殊離婚率という。特殊離婚率には、例えば男女別年齢別有配偶離婚率や、結婚経過年数別離婚率などがある。日本では、普通離婚率は1883年(明治16年)には3.38であったが、大正・昭和期にかけて低下し、1935年には0.70となった。その後1950年前後(約1)および1984年(1.51)に二度の山を形成したが、1990年代から再び上昇し、2002年には2.30を記録した。

日本では平成元年から平成15年にかけて離婚件数が増加し、その後減少している。厚生労働省「人口動態統計」によると、平成14年の離婚件数は約29万件、平成18年は約25万件となっている(離婚率でいえば、平成17年で人口1000人あたり2.08である)。平成14年を境に減少傾向となっており、離婚率が3.39であった明治時代に比べれば少ない(これは、明治時代の女性は処女性よりも労働力として評価されており、再婚についての違和感がほとんどなく、嫁の追い出し・逃げ出し離婚も多かったこと、離婚することを恥とも残念とも思わない人が多かったことが理由とされている)。現代の離婚の原因の主なものは「性格の不一致」である。また、熟年結婚が熟年夫婦による離婚の数値を押し上げている。

厚生労働省が定義する「離婚率」とは異なるが、マスコミなどで言われる「3組に1組が離婚」などの表現は、全国の「その年の離婚件数」を全国の「その年の新規婚姻件数」で割った数字である。若者の少ない現代の人口ピラミッドでは高い数字となり正確ではないという意見もあるが、その年1年間の離婚率しか表さない普通離婚率とは違い「生涯のどこかで離婚する割合」を示唆する上では一つの目安になっている。なお、厚生労働省「平成21年 人口動態統計」をみると過去40年間の婚姻数が3202万人、同じく30年間の離婚数が748万人となっており離婚率は23%ともっとも婚姻数が多い1970年代を含めたデータであるにもかかわらず「4組に1組が離婚」と比較的高い数字が出ている。

社会的背景と社会的影響

離婚の原因

ワシントン大学教授のジョン・ゴットマンは、新婚のカップルにインタビューを行って、5年後に離婚しているかどうかを、90%の精度で予測した。

日本の司法統計によれば、離婚の申し立てにおいて、夫からの申し立て理由は「性格が合わない」、「異性関係」、「異常性格」の順で多い。また妻からの申し立て理由は、「性格が合わない」、「暴力をふるう」、「異性関係」の順で多

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出典:wikipedia
2020/05/20 19:34

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