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食の安全とは?

食の安全(しょくのあんぜん)とは、食品安全性、あるいは食事文化や食べ物の食し方も含めた安全性の意味で用いられる言葉である。食の安全性食の安全問題食の安全確保といった表現、あるいは食の安全と安心食品の安全・安心といった表現も用いられる。

目次

  • 1 概要
  • 2 食品による危害と健康被害事故
    • 2.1 食品事故・食中毒
  • 3 食環境
  • 4 安全と安心
    • 4.1 食の安心
    • 4.2 品質保証
  • 5 歴史
    • 5.1 古代〜中世〜産業革命期
    • 5.2 19世紀
  • 6 米国における問題と対応
  • 7 EUの対応
  • 8 中国における問題と対応
  • 9 日本における問題と対応
    • 9.1 歴史
      • 9.1.1 公害・不良配給品
      • 9.1.2 産業優先から消費者優先へ
      • 9.1.3 O157食中毒事件 〜 雪印集団食中毒事件
      • 9.1.4 JAS法改正
      • 9.1.5 BSE(狂牛病)事件
      • 9.1.6 牛肉偽装事件
      • 9.1.7 食品安全基本法の制定
      • 9.1.8 食品安全基本法制定後
    • 9.2 企業側の対応
    • 9.3 飲食店の対応
    • 9.4 行政の対応
    • 9.5 消費者側の対応
      • 9.5.1 消費者の権利
    • 9.6 日本国内産食品
    • 9.7 日本国外産食品
  • 10 各国における輸入国別の食品違反件数
  • 11 放射能と食の安全
    • 11.1 ベラルーシ
    • 11.2 ウクライナ
    • 11.3 日本
      • 11.3.1 チェルノブイリ原子力発電所事故後
      • 11.3.2 福島第一原子力発電所事故後
    • 11.4 米国
    • 11.5 EU
  • 12 脚注
    • 12.1 注釈
    • 12.2 出典
  • 13 参考文献
  • 14 関連書籍
  • 15 関連項目
  • 16 外部リンク

概要

人は健康に生きるために、呼吸し、食べて、生活を営む。食をめぐる問題は、生存にとってもっとも基本的な問題であり、「食は命である」とも表現される。安全でない食料が流通する社会は人間存在を根底から危うくする。1年365日、毎日とる食事に、安全なものを望むのは当然である。ところが、食の安全に関係する大事件は、過去から現在まで洋の東西を問わず頻繁に発生しており、後を絶たない。

食の安全を考える上で欠かすことができないのは、食品公害を振り返り、その被害と犠牲に思いを馳せ学ぶことである、ともされる。食の安全に関しては、生産流通消費のどの一つがつまづいても深刻な事態となりうるのであり、生産者、流通業者、生活者のすべてを巻き込んだ問題となっている。

現代では食生活の環境文化が、かつての様式から変化し、生鮮野菜を買ってきて調理するだけでなく、加工食品が一般家庭に普及し、また惣菜や調理済みの食材も利用されており、食品が人の口に入る経路・経緯が多様化しているので、食品の安全性を確保することは以前に比べると複雑で難しい問題となってきている。

食の安全の確保のために必要な仕組み・取り組み方としては、事故後の後処理を行うだけではなく、有毒物質評価・管理等といった、食の安全に影響を与える要因について事前にリスク管理を行うことが重要だということが、国際的な共通認識となっている、ともされる。しかし、食品中に含有(残留)する規制値は各国の都合に合わせた値が採用され、リスクゼロが目的ではなく「リスクを抑え基準以上の含有で廃棄される穀物を抑制し飢餓を発生させないための値」として認識されている。

食品による危害と健康被害事故

食品に危険なものが入っていれば健康に重大な危害が出る。我々は毎日食べる食事(食品)に関心を持ち、十分に注意をはらわなければならない。

食品によって起こる危害を以下のように区分することが可能である。

  1. 急性的危害:薬物化学物質による急性食中毒などの健康被害
  2. 短期的危害:微生物細菌が増えることによる食中毒などの健康被害
  3. 中期的危害:生活習慣病などの栄養素の偏りによる健康被害
  4. 長期的危害:環境ホルモンなどの影響による健康被害

食品事故・食中毒

食品は口から入り、消化器官で消化吸収されるので、毒物や微生物など危険なものが入っていると、人体にその影響は直接に出てくる。急性のものであれば、一部は、口に入れた時に即時吐き出したり、嘔吐下痢となって吐き出されることもある。細菌性の食中毒では潜伏期間があり、数時間から数日後に発症する。だが、慢性のものでは徐々に身体に影響(健康被害)が出てくることがある。また、食品事故で命を落とすこともある。

米虫節夫は食品事故のタイプとしては以下のような分類を挙げた。

  1. 公害に含まれる化学物質による食中毒事故 (日本では水俣病第二水俣病などがこれに当たる)
  2. 食品メーカーの製造工程上で混入した化学物質による食中毒事故 (中国製冷凍食品による農薬中毒事件など。日本の食品メーカーの事故では森永ヒ素ミルク事件カネミ油症事件がこれに該当)
  3. 最近の細菌性食中毒菌による食中毒事故 (日本では1996年に岡山や堺で起きたO157事件雪印乳業の集団食中毒事件が該当)
  4. 故意などの犯罪的要素の食中毒事故 (和歌山毒物カレー事件アクリフーズ農薬混入事件などが該当)

食中毒の原因・要因は以下の3種類に分けられることがある。

食中毒」を参照
  1. 病原体などの、いわゆる「ばい菌」(微生物)によるもの
  2. 化学物質によるもの(薬品など)
  3. 自然の毒によるもの(毒きのこふぐ毒など)
年次別食中毒発生状況
(出典:『食品衛生責任者ハンドブック』第6版p.63)
【年次】
【事件数】
【患者数】
死者数
1995 699 | 26,325 | 5
1996 1,217 | 46,327 | 15
1997 1,960 | 39,989 | 8
1998 3,010 | 46,179 | 9
1999 2,697 | 35,214 | 7
2000 2,247 | 43,307 | 4
2001 1,928 | 25,862 | 4
2002 1,850 | 27,629 | 18
2003 1,585 | 29,355 | 6
2004 1,666 | 28,175 | 5
2005 1,545 | 27,019 | 7
2006 1,491 | 39,026 | 6
2007 1,289 | 33,477 | 7
2008 1,369 | 24,303 | 4
2009 1,048 | 20,249 | 0
2010 1,254 | 25,972 | 0

食環境

健康的で安全な食生活を送るためには、健全な食をめぐる環境(食環境)が欠かせない。食の安全にかかわる環境は自然環境だけではない。作物や家畜や魚が栽培・採取・飼育・捕獲され、加工・運搬・調理されて、食卓に上がるまでのプロセスが食環境と定義されるべきである。また、行政組織や規格や国際関係なども食環境とされている。

食の安全を左右する食環境(出典:『食環境科学入門』p.1)
【食環境の要因】
内容
自然環境 土壌大気環境汚染物質微生物
食料供給システム 栽培飼育製造加工流通供給
政策行政、法体系 法律規格基準、監視、検査、リスク評価
情報 リスクコミュニケーション情報公開表示食教育
食文化、食のライフスタイル 食べ物の選択、食べ方
国際関係 輸出輸入WTO協定多国籍企業
倫理 環境企業生命倫理
食に関する情報
情報も食の安全を実現するために欠かせない要因である。消費者が食材を手にしつつ直接確認できる唯一の情報は食品の表示(食品表示)である。また、食教育がなければ、消費者の食の安全に対する関心が薄れ、適切な情報も耳に入らない。
食品業者の倫理・モラル
食環境の重要な要因に倫理がある。例えば、食品企業が食品を製造するにあたって法令を遵守しようとしているのか、社会的使命をどう考えているのか、ということは食の安全と直結する。
技術の悪影響
科学技術の「発展」も食環境に変化・影響をもたらしている。より安価な食料供給を可能にしている一方で、遺伝子組み換え食品などの新奇な食品を作り出したり、重金属PCBダイオキシン環境ホルモンなどの環境汚染を作り出し、食品汚染をもたらしている。
食生活の質
食生活のライフスタイルの変化も食の安全に影響を与えている。
理想的なPFCエネルギー比、食の欧米化によるPFCバランスの悪化と生活習慣病
人に必要なエネルギーは食品中の蛋白質(Protein)、脂肪(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の3大栄養素によって供給されている。3大栄養素の頭文字P、F、Cをとり、各エネルギーの比をPFCエネルギー比と言い、適正比率はP:12〜13%、F:20〜30%、C:57〜68%といわれているが、日本人の食生活は現在のところ、ほぼこの適正比率の範囲に入っており、世界一長寿の秘訣なのかも知れないと考えられている。ただし、日本でも最近欧米型の食生活に近づいており、肉食が増えているのは問題だと石田は指摘している。
欧米では肉食中心で、脂肪(Fat)比率が非常に高く、PFCエネルギーバランスが悪く、肥満心臓病が多いのである。また、動脈硬化の増加につながっているとも考えられている。
石田英雄は、これ以上洋食に傾かないように気をつけたいものだ、と述べた。
塩分の摂りすぎや肉の摂りすぎによる癌
各国の肉の消費量と大腸がんの相関関係のグラフ
生活習慣病の中で最も恐ろしいのはであるが、医学的な疫学調査によると、食事の影響が35%、タバコの影響が30%、職業の影響が4%、飲酒の影響が3%などとなっており、食事の影響が一番大きい。例えば塩分の摂り過ぎは胃癌の原因ともなっており、かつて日本人に胃癌が多かったのはそのためであった。近年になって日本人に大腸癌乳癌が増えてきた原因のひとつには、食生活の欧米化による動物性脂肪の摂取の増加と食物繊維の摂取不足が指摘されている。大腸での便の停滞時間が長くなって発癌物質が大腸粘膜と長時間接するため大腸癌が多くなったと考えられているのである。
ファーストフードジャンクフードに問題があることは各国で指摘されている。また、コレステロールの過剰摂取、トランス脂肪酸の問題、また加工食品における食品添加物の問題についてもこれまでに様々な指摘や研究があり、報道もなされている。

安全と安心

食の安心

「食の安全」という表現とともに、日本国内では「食の安心」という言葉も用いられている。《安全》と《安心》の違いが学術的に明確に定義されているわけではないが、およそ以下のように言える、ともされる。

安全:具体的な危険が物理的に排除されている状態
安心:心配・不安がない主体的・主観的な心の状態

このように定義されると、自然科学系の人間などは、つい《安心》を軽視してしまう傾向があるが、そのような態度・判断は間違っている。《安心》の問題が重要視されるのは、個々の人々は社会サービスに依存して暮らさざるをえない状態にあり、状態を自分でコントロールすることができず、全体状況を知ることも困難なためである。一連の不祥事によって不安が発生している。人々の安心を得るためには、システムが安全でなければならないことは言うまでもないが、それだけでは十分ではなく、関係者からシステムが安全である、との信頼が得られていなければならない。《安心》とは安全についての信頼感である。

品質保証

安全と安心の関係については、ISO(国際標準化機構)における定義・考え方が参考になる。ISO8402(1984年)においては「品質保証」の定義は以下のように与えられた。

品質保証とは、品質が確保されているという信頼感を購入者に与えるための計画的・体系的な活動である。

品質保証とは、evidence(証拠)にもとづいて品質規格に適合していることを示して、購入者の信頼を獲得するための活動である。

ISO9000(1987年〜)においては、《安心》とは、安全の保証である。「安全保証」とは、関係者にそれが安全であることについて十分な信頼感を与えるための計画的・体系的な活動、と言える。

歴史

古代〜中世〜産業革命期

食の安全に関する古い記述としては古代ローマ時代のものがある。それによると、古代ローマにおいて、「ワインの味がおかしい」と苦情を述べる市民たちの人数が増えた時に、調査官にその問題を調べさせた。するとワイン製造者らがワインを(正規の原料だけでなく)アロエや他の薬を使って人工的に熟成させていたことが明るみに出た。また、(古代)ローマのパン屋が、パンに「白い土」と当時呼ばれた炭酸塩酸化マグネシウムを混ぜたことが発覚し告発された、という記録も残っている。

イギリスにおいては中世の時代まで、社会が農業を中心として成り立っており、人々のほとんどが小さな村で暮らしていたので互いに知り合いであり、食物に混ぜ物をされる危険はほとんどなく、食品は、まずまず健康的で安全だった。ところが産業革命が始まって、人々が農村から街に移り住むようになるとともに、インチキな食品が横行するようになった。ひとたび大きな街ができると、金儲けの為なら道徳倫理のことを何とも思わないような食品製造業者や商人が集まってきたのである。

19世紀

1819年には100人以上の醸造業者やその関係者が、黒ビールの材料として、正規の麦芽やホップでなく、様々な代用物を混入した罪で有罪の判決を受けた。

1820年にはイギリスのフレデリック・アークム en:Friedrich Accumが、インチキ食品および料理に入れる毒についての科学的な論文を発表した。タイトルは There is death in the pot 『鍋の中に死がある』である。アークムは、当時のイギリスとしては基本的な食べ物であるパンビール紅茶ワイン、砂糖菓子、香辛料の多くに混ぜ物があることを科学的に証明した。この論文で最多とされているのはパンへの不正な混ぜ物であり、ロンドンのパン屋はパンにみょうばんを混ぜるという不正を行っていた。そうすれば安い材料でも白くて高級そうに見えるのである。だが、このみょうばんは(毒とまでは言えないにしても)消化不良などを伴った。

食品への不正な物質の混入はありとあらゆる種類の食品で行われていた。例えば砂糖には、炭酸鉛を混ぜるなどということも行われていた。こうした不正があまりに広範囲に行われたので、都市部の住民は健康や生命に深刻な打撃を受けていた。子供たちは混ぜ物を入れたパンや、水で薄めたミルクを口にしていたので、感染症や胃の病気にかかりやすくなってしまった。幼児(子供よりも抵抗力の弱い存在)にいたっては、死亡率は驚くほど高かった。唐辛子などに不正に鉛が混ぜられたために、大人ですら体が麻痺した。影響は短期間では済まず身体に蓄積した。水銀ヒ素などの元素が、微量ずつではあっても長期間にわたって人々の体内に蓄積してゆき、多くの人が慢性胃炎になり(慢性胃炎は当時のイギリスの都市住民に蔓延した病気となっていた)、また死にかけたり、実際にんだりした。

1850年ころ、イギリスの医師で、医学専門誌の編集者でもあり、検死官でもあるトーマス・ワクリー(en:Thomas Wakley)は、その仕事柄、数多くの人々が粗悪食品製造業者のせいで死んだり苦しんだりするのを目の当たりにしていた。ワクリーはこの問題に関して徹底的な調査を行うことを要求した。すると、アーサー・ハスル博士 (Arthur Hill Hassall)(ロンドンのロイヤル・フリー・ホスピタルの内科医兼講師)がその調査を担当することになった。この調査のために2400件の試験が行われた。これほどまで多品種の食品について、かつ厳密なやり方で系統だった試験が行われたのはおそらく世界で初である。その試験の結果明らかになったのは、当時のイギリスでは「基本食品を正常な状態で買うことは、ほぼ不可能」という結論だった。そして、その調査によって明らかになった粗悪品の製造や取引にかかわった製造業者や商人たちの名は公表されることになった。(アーサー・ハスルは調査結果を本にまとめ、FOOD AND ITS ADULTERATIONS 『食品とその混ぜもの処理』というタイトルで1855年に刊行した。)

次第にイギリス議会もこの問題(食の安全問題)に注目しはじめ、議会内に複数の委員会が発足した。185556年ごろに、医師、化学者、製造業者、商人などが、(議会で)議員らの前で証言を行った。もっとも、当時のイギリスの政治も(他国、他の時代同様に)腐敗しており、議員らは後援者から献金を受け取ると、後援者にとって都合の悪い法案はことごとく廃案にしつづけていたものだった。だが、食品関連の問題に関してはブラッドフォード毒入り菓子中毒事件で児童など200人が死亡する事件が起きるなどしたことから(幸いにして)そうはならずに済み、1860年に「食物及び薬剤粗悪化防止法」が成立した。それ以後、悪質な製造業者や商人から大衆(消費者)を守る法律がいくつも制定されてゆくことになった。大衆が初めて「鍋の中の死」から法律によって守られるようになったのである。そしてその後、今にいたるまで悪徳業者との闘いは続いている。

19世紀なかごろのアメリカ合衆国においては、牛乳に不正な物質が混入されることが頻発し、1853年1月22日、ニューヨーク・タイムズは DEATH IN THE JUG.ジャグの中に死がある」 という記事を掲載。ニューヨーク市内に供給された牛乳の本当の生産量が約680万ガロンであったのに対し、同年の同地域の実消費量は約750万ガロンと推計されるので、結局、差し引き約70万ガロンにもおよぶ、牛乳以外の何らかのインチキの液体が混入している、と指摘された(swill milk scandal 残滓牛乳事件)。この問題はいくつもの新聞で指摘されたにもかかわらず、すぐに解決することができず、解決したのは結局19世紀末期になってからのことであり、乳業における低温加熱殺菌法の導入、牛乳の小口梱包技術(牛乳瓶など)の発明、しっかりした規制方法の確立を待たねばならなかった。

米国における問題と対応

食品の工業製品化により、加工業者の安全意識の欠如といった問題が発生している。

他には、病原細菌汚染の摘発が多く、次いで重金属汚染が多い。これは、家畜等の屎尿の未処理や工業による土壌汚染によるもので、環境汚染と食の安全は密接に繋がっていることを示している。

米国の輸出入食品に対する対応等
2007年には中国から輸入する食品の安全性が新聞で取り上げられたが、そもそも輸入食品が増加する中で、検査機関の人数が少なく、体制の不備が指摘されている。食品医薬品局(FDA)の検査員は、全米で700人しかおらず、以前と比べて人数が減少している。輸入食品全体に対する検査数の割合は、10年前の8.0%→0.6%まで低下している。
輸出食品については、残留農薬の問題が指摘されている(ポストハーベスト農薬も参照)。
米国での事件

EUの対応

2000年代に入り、EUは生産現場から食卓に到るまで、一貫した食品安全システムの構築を目指している。生産・流通業者に対しては安全性に関する規制を設け、規制を守ることを義務づけるとともに、EUも監視する体制を取っている。

域内の安全性については、病原細菌汚染の摘発が多く、次いで重金属汚染が多い。米国同様、環境汚染による影響である。

EUの輸出入食品に対する対応
EU領域外から輸入される食品に対しても、EU内と同様の体制を求めているが、EU勧告を満たしている国は無い。
2013年には、牛肉を使用したとされる食品に、馬肉が混入していることが発覚した馬肉混入問題が発生した。

中国における問題と対応

中国産食品の安全性を参照のこと。

日本における問題と対応

歴史

公害・不良配給品

戦後になって、公害に対する認識が高まり、富山県神通川流域で1910年代から発生していたイタイイタイ病が問題視された。原因は上流にある三井金属神岡工業所が川に流した金属廃液にカドミウムが含まれており、下流域の田畑を汚染、そこで収穫されたコメなどの作物や飲み水を利用した人々の骨がゆがんだり、ひびが入ったりした(神通川流域では1998年にもカドミウム腎症が多発した、という)。その後、水俣病などとともに四大公害病に数えられるようになった。

戦後の配給体制に対して、1948年には奥むめおらによる主婦連合会が発足し、消費者運動が始まり、不良品の配給などに対して抗議運動が起こるようになる。1951年(昭和26年)、配給米ビルマ産米の3分の1がカビに汚染された黄変米だったことが発覚する黄変米事件が発生。

1955年6月(昭和30年)森永ヒ素ミルク事件が発生。森永乳業で製造された粉ミルクに多量のヒ素が含まれていた。死者131名。患者数12,159名(昭和31年2月時点)。

1956年5月(昭和31年)熊本県水俣病が発生。チッソ水俣工場の排水により汚染された水俣湾の魚介類を食べた住民に食中毒被害が生じた。死者157名、患者968名(昭和51年4月時点)。

1965年6月(昭和40年)、新潟県第二水俣病(新潟水俣病)が発生。昭和電工鹿瀬工場の排水に、アセトアルデヒド合成を行う際の有機水銀が含まれており、それによって汚染された川魚を食べた人々に被害が生じた。死者33名、患者数625名(昭和51年3月時点)。

1968年3月(昭和43年)カネミ油症事件が発生。死者28名、患者数1,283名。

産業優先から消費者優先へ

高度経済成長の時期になると、様々な消費者問題が起きる。1960年には牛肉大和煮缶詰の中身が当時安価だった鯨肉馬肉であったことが発覚した「うそつき缶詰事件(にせ牛缶事件)」が発生、主婦連合会が問題視し、1962年には不当景品類及び不当表示防止法立法の契機となった。

1968年に消費者保護基本法が制定され、ようやく産業優先の考え方から消費者優先の原則へと移行し、消費者保護の基本的方向が示されることとなった。また、1970年には消費生活センターが開設された。当時、消費者の最大の関心事は食品の安全性であった。当時、牛乳のBHC汚染、発がん性が問題となったフリルフラマイド(AF2)やチクロなどの食品添加物、魚の水銀汚染などの問題が発生していた。 1970年〜79年までに寄せられた相談の件数でも食料品の相談が1位を占めている。食品添加物健康食品などに関する相談が多かった。

昭和60年代(1985年〜)になると、消費生活が多様化・複雑化し、消費生活センターへの相談としては、住居品、教養娯楽品、保健衛生品などの相談件数が増加し、食料品の問い合わせ件数は3位になった。ただし、食料品の相談件数はほぼ横ばいで、減ったわけではなく、他の問い合わせが増えた。

O157食中毒事件 〜 雪印集団食中毒事件

1990年、埼玉県浦和市の幼稚園でO157食中毒事件が発生。死者2名、患者268名。

1996年5月(平成8年)、岡山県岡山県邑久郡邑久町の学校給食でO157食中毒事件が発生。死者2名、患者数468名。

1996年7月、大阪府堺市の学校給食でO157食中毒事件が発生。死者2名、患者数6,309名。

1998年7月(平成10年)和歌山県のある地区での夏祭りに出されたカレーに毒物が混入され死者が出る事件(和歌山毒物カレー事件)が発生。死者4名、患者67名。

1998年8月(平成10年)長野県須坂市でウーロン茶に毒物が混入され死者が出る事件(長野青酸ウーロン茶殺人事件)が発生。死者1名、患者1名。

2000年7月、雪印乳業の大阪工場で生産された低脂肪乳によって食中毒(雪印集団食中毒事件)が発生。死者1名、患者数14,849名。

JAS法改正

2000年7月、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律」(通称、改正JAS法)が成立(2001年4月1日施行)。内容としては食品の表示について次の改良点を含んでいた。

  1. 全ての飲食料品に品質表示を義務化。全ての生鮮食品に原産地表示を義務化。
  2. 有機食品の第三者認証制度の導入(第三者が認証したものしか「有機」と表示してはならないことになった)。
  3. 遺伝子組み換え食品の表示の義務化。2001年4月1日、改正JAS法施行。

JAS法改正されによって、すべての生鮮食品に原産地表示が義務づけられた後も偽装表示が後を絶たず、輸入肉を「鹿児島産」と表示するものや、輸入肉を8割も混入しているロースハムやベーコンを「国産」と表示するもの等々が後を絶たなかった。そのため、消費者は食品表示を信頼することができなくなったともいわれる。

BSE(狂牛病)事件

詳細は「BSE問題」を参照

2001年(平成14年)9月、日本でもBSE(牛海綿状脳症狂牛病)が確認された。10月、肉骨粉の製造・出荷・輸入が停止され、在庫分は焼却処分する方針が日本政府によって打ち出された。政府はまた屠殺牛の全頭検査の対策をとった。消費者の多くは狂牛病はヨーロッパでの出来事で、日本では発生するとは思われていなかったので、非常なショックを憶えた。

牛肉偽装事件

2002年、日本政府の牛海綿状脳症対策の「国産牛肉買い上げ制度」を悪用し、輸入肉を国産と偽装し助成金を詐取する詐欺事件が相次いで発覚した(牛肉偽装事件)。1月、雪印食品関西ミートセンターで偽装牛肉事件が発覚、その後の調査で関東ミートセンターや雪印食品本社のミート営業調達部でも同様の偽装が見つかった。詐欺容疑で一斉捜索を受け、その後は雪印食品は解散に追い込まれることになった(偽装と判明した量は約30トン)。6月、福岡市に本社を置く食肉加工会社が、輸入スジ肉を国産肉に偽装し、制度を悪用して不正な利益を得ようとしていたことが発覚した(偽装と判明した量は120トン余り)。8月、日本ハム(株)の牛肉偽装が内部告発によって発覚した。同社は、売上高が75%減少した。

同2002年、BSE問題に関する調査検討委員会が報告書を提出。

食品安全基本法の制定

2003年5月、食品安全基本法が制定された。

2003年7月1日、内閣直属の食品安全委員会が発足。

食品安全基本法制定後

牛の生レバー問題
2007年 生レバーによる食中毒発生。2011年、焼き肉チェーン店で生牛肉料理「ユッケ」による食中毒で5人が死亡。翌2012年、牛の生レバーの提供は禁止された。ところが2013年に京都府八幡の焼肉店が隠れて客に生レバーを提供していたことで経営者が逮捕された。2014年にも、京都の焼肉店が裏メニューまで用意して当局から隠れて客に生レバーを提供していたことで店長が逮捕された。

企業側の対応

企業が食品の安全に関してどのような問題を引き起こしてきたかについては、上記の歴史を参照のこと。

企業側は、様々な身勝手な理由で、表示偽造(偽装表示)を行うことがある。

2009年から企業関係者が委員となっている運営されている民間団体の食品表示検定協会によって食品表示検定が行われている。

飲食店の対応

飲食店など外食産業では、多くの店でコスト削減のために安い輸入食材が使われている。その中で、比較的安全な国産の食材を使う動きがある。国産の食材を使うとコストが上がるが、「安全のための必要なコスト」だとしている。

なお、外食産業における商品の原産地表示については、表示を求めるガイドラインはあるが、義務とはなっていない。

行政の対応

「BSE問題に関する調査検討委員会報告」(2002)においては以下が「行政対応の問題点」として指摘された。

現在の所管省庁は、農林水産省と、厚生労働省。また、全体のリスク管理を行う組織として、食品安全委員会(内閣府に設置)が置かれている。また、2002年6月11日より食品安全を担当する国務大臣が置かれている。詳細は内閣府特命担当大臣(食品安全担当)内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全担当)を参照。

施策としては、農薬対策として残留農薬等に関するポジティブリスト制度、消費者の食品への信頼を増すための対策としてトレーサビリティの導入や、原料原産地表示の推進などを行っている。しかし、この原産地表示が「日本」とされていても実際は「中国産」等の産地偽装や、原産地表示を拒む企業の問題もある。

2008年8月10日、太田誠一 農林水産大臣は、「日本国内は心配ないと思っているが、消費者がやかましいから、さらに徹底していく。」と消費者を軽視するような問題発言を行った。

消費者側の対応

消費者は国民経済における最大の集団であるにもかかわらず、組織化されていなかったため、事業者に対して発言する力を持たず、意見も聞いてもらえず無視されるというような弱い立場に長らく立たされていた。企業が製造した商品の欠陥により消費者に被害が発生しても、消費者側から損害賠償を申し立てることは実際上非常に困難であった。しかし、1960年代に公害問題などを背景に食品の安全性への意識が高まり、政府も産業優先から消費者優先へと政策の基本方針を変更していくようになった(#歴史参照)。

消費者の健康に対する関心は高く、消費生活センターに寄せられる食品成分の問い合わせとしては、味噌汁の塩分や清涼飲料水の糖分やカルシウム、ビタミン、食物繊維、オリゴ糖、DHAなどについてのものが多い。

2007年に偽装表示の問題が相次いだ結果、価格よりも原材料等の表示を注視するようになったとも報道されている。

消費者の権利

消費者には、国や自治体が消費者の権利を擁護するための法的、行政的なシステムを完備することを要求する権利があり、また消費者は日本政府に対して ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

出典:wikipedia
2018/12/14 07:19

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