このキーワード
友達に教える
URLをコピー

馬の毛色とは?

この記事はその主題が日本に置かれた記述になっており、世界的観点から説明されていない可能性があります。ノートでの議論と記事の発展への協力をお願いします。(2019年2月)

馬の毛色(うまのけいろ)とはの個体識別要素の一つで、体毛や肌の色、模様のことを指す。

概要

馬の毛色は複雑に見えるが、何れもエウメラニン(真正メラニン)とフェオメラニンの量と微細構造、メラノサイト自体の数や分布によって表現される肌や毛の色にすぎない。は太古からこれらの中にいくつかのパターンを見出し、鹿毛、栗毛などと呼んできた。馬の個体識別に非常に有用であり、多くの場合血統登録時に記載が義務付けられる。

主な毛色に、鹿毛黒鹿毛青鹿毛青毛栗毛栃栗毛芦毛佐目毛河原毛月毛(パロミノ)、白毛粕毛薄墨毛駁毛の14種がある。駁毛との複合型や、未定義の毛色などを細かく分類すると100種類以上になる。どの毛色になるかは多くの場合遺伝子によって決定されている。いくつかの主要な毛色については発現機構が解明されつつあるが、なお細かなところでは不明な点が多数ある。例えば黒鹿毛や青鹿毛の遺伝型は不明である。

多くの場合、毛色は直接的には馬の運動能力、性格その他に何の影響も及ぼさない。ただし、野生状態では天敵から、戦場では敵軍から見つけられる確率は毛色によって変化すると言われてきた。毛色に関連する疾病も存在する。馬によっては交配相手に特定の毛色を好む場合もある。

化学的性質

体毛の色はメラニンによるものである。メラニンには、黒色から茶褐色のエウメラニン(真性メラニン)と、赤褐色から黄色のフェオメラニンの2種類がある。色の濃淡はエウメラニンにより決定され、黄色み・赤みはフェオメラニンに左右される。つまりエウメラニンが多ければ毛色は黒色に近付き、フェオメラニンが多ければ暖色に近付く。フェオメラニンは赤褐色の色素であるが、濃度が低いと黄色や象牙色を呈する。つまり、体毛の黄色み・赤みは同一の色素によるものである。ほとんどの馬はこれらの2種類の色素を混合して持っている。

フェオメラニンはエウメラニンよりも化学的に安定しており、体毛が酸化された場合にはエウメラニンから先に破壊されていく。長毛の先の色が薄いのはこのためで、季節による体毛の僅かな変化もエウメラニンの分解による。

各毛色の特徴

鹿毛
最も一般的な毛色の1つ。鹿の毛のように茶褐色で、長毛と四肢は黒色を帯びる。
黒鹿毛
黒みがかった鹿毛。四肢や長毛の黒さに対して胴体がやや褐色を帯びている。個体によっては青鹿毛と区別しづらく、多くの言語で青鹿毛と区別しない。
青鹿毛
黒鹿毛より黒く全身ほとんど黒色、鼻先や目元、臀部など部分的にわずかに褐色が見られる。
青毛
全身真っ黒の最も黒い毛色。季節により毛先が褐色を帯び青鹿毛に近くなることがある。
なお、「あおうま」と言った場合は青毛ではなく芦毛や白毛などの色の白い馬を指すので注意が必要である。
栗毛
全身が黄褐色の毛で覆われる毛色。鹿毛のように四肢の黒さはない。
尾花栗毛
栗毛馬(栃栗毛などでもよい)のうち、タテガミ、尻尾が金色のものをこう呼ぶ。

栃栗毛
栗毛よりもやや暗く、暗い黄褐色から茶色の毛色。鹿毛と異なり四肢は黒味を帯びない。
芦毛
灰色の毛色。生まれたときは灰色や黒、もしくは母親と同じ毛色であったりするが、年を重ねるにつれ白くなっていく。
上の写真は芦毛が徐々に白くなっていく各段階を示したもの。
佐目毛
全身が真っ白か象牙色。肌の色はピンク。目は青。原毛色によりCremello(栗毛)、Perlino(鹿毛)、Smoky Cream(青毛)の3種類に分けられる。Perlinoは紅梅月毛ともいう。
河原毛
淡い黄褐色か亜麻色で、四肢の下部と長毛が黒い。原毛色が青毛のものを別にSmoky Blackという。
月毛
クリーム色から淡い黄褐色。目は茶色。色は個体によって差異が大きく、白毛や佐目毛に近くなることもある。
白毛
知られている中では最も白い毛色。全身の白い毛と肌が特徴。佐目毛と異なり目は黒や茶色のことが多く、青い目は稀。
粕毛
原毛色の地に肩や頸、四肢等に白い刺毛が混生する。原毛色によって栗粕毛、鹿粕毛、青粕毛と表記することもある。加齢によって刺毛は増加するが、芦毛と違い完全には白くならない。
薄墨毛
河原毛よりも少し薄暗い毛色である。モウコノウマの毛色として知られるが、イエウマのクリオージョ種などにみられる。
駁毛
体に大きな白斑のあるもの。原毛色によって栗駁毛、鹿駁毛、青駁毛などと表記し、白斑が体の多くを占めるとき駁栗毛、駁鹿毛、駁青毛などという。日本では駁毛に一括するが、細かく分けると様々なパターンがある。
白斑にまで至らないものを刺毛(さしげ)という。馬のマーキング参照。

その他希釈遺伝子による効果

以下の遺伝子による効果は、日本馬事協会の定める毛色に含まれない。南北アメリカ大陸や、イベリア半島の馬に稀に見られる毛色である。

シャンパン(Champagne)
シャンパン様希釈遺伝子を参照。
シルバーダップル(Silver dapple)
シルバー様希釈遺伝子を参照。
パール(Pearl)
パール様希釈遺伝子を参照。

体色決定メカニズム

メラニン細胞中の各メラニン合成量の模式図(上から鹿毛、栗毛、青毛)

メラニン合成の基本

メラニンを合成する細胞メラノサイトと呼ばれる。メラノサイトは、アミノ酸の一つチロシンを出発物質とし、いくつかの段階を経てメラニンを合成している。メラニン合成の詳細は以下のとおりである。

まず、チロシンがチロシナーゼによって酸化され、ドーパ、ついでドーパにもチロシナーゼが作用しドーパキノンへと変化する。ドーパキノンは不安定な物質であり、自発的にドーパクロムインドールキノンへと変化し、最終的にこれらが酸化重合しエウメラニンとなる。また、ドーパキノンはシステインと重合することで、システイニルドーパを経てフェオメラニンの合成にも使用される。

このメラニン合成の最終段階であるドーパキノンから2つのメラニンの合成量は、細胞内のcAMP(サイクリックAMP)濃度が深く関与する。途中の制御機構はかなり複雑だが、省略して簡単に説明すると、cAMP濃度が高いときエウメラニンの合成が増加し、フェオメラニンの合成は抑制される。逆にcAMP濃度が低下すればフェオメラニンの合成量が増加する。

毛色の決定

少なくとも数十の遺伝子が馬の毛色の決定に関わっている。このうちアグーチシグナリングタンパク(ASIP:agouti-signalingprotein)遺伝子、メラノサイト刺激ホルモンレセプター(MC1R:melanocortin-1-receptor)遺伝子の2つについてはよく研究されている。

MC1Rは細胞内のcAMP濃度を調整することで間接的にメラニン合成に関与する。MC1Rにメラノサイト刺激ホルモン(MSH:melanocyte-stimulating hormone)が結合することによってGタンパク質を経てアデニル酸シクラーゼが活性化、ATPからcAMPが合成され、最終的にエウメラニンの合成が促進される。

対して、ASIP濃度が高いとMSHとMC1Rの結合が阻害され、cAMPが合成量が低下する。よってフェオメラニンの合成へと傾く。なお、ここまでの過程は多くの動物で共通している。

馬の毛色のうち少なくとも鹿毛、青毛、栗毛を上記メカニズムで説明できる。野生型、つまりMC1R、MSH、ASIP何れもバランスが取れている場合、エウメラニンとフェオメラニンが適度に合成され茶色っぽくなる。さらに馬のアグーチ遺伝子は四肢・長毛では転写量が低く制御されているため、これらの部位ではASIPが合成されずエウメラニン優位の黒色になる。この状態は鹿毛と呼ばれる。

また、仮にASIPの活性を欠く場合、MSHによりMC1Rが過剰に活性化され、全身エウメラニンによる真っ黒になる。これは青毛と呼ばれる。一方、MC1Rが変異するなどして活性を失った場合、エウメラニンよりもフェオメラニンの合成に傾き、のような色になる。同時に、MC1Rを欠くとASIPによる模様もつかないため、全身が一様に着色する。つまり栗毛となる。

毛色に関連する主な遺伝子

【KIT】
【MATP】
【STX17】
【DUN】
【MC1R】
【ASIP】

W / - ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 白毛
SB1 / SB1 ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | 白毛
【w / w】
C / C ・ | ・ | ・ | ・ | 佐目毛
【w / w】
【C / -】
G / - ・ | ・ | ・ | 芦毛
【Rn/Rn, Rn/w】
【C / -】
g / g ・ | ・ | ・ | (粕毛の要素を追加)
【w / w】
【C / C】
g / g ・ E / - ・ | 河原毛
【w / w】
【C / C】
g / g ・ e / e ・ | 月毛
【w / w】
【C / C】
【g / g】
D / - ・ | ・ | 薄墨毛
【w / w】
【C / C】
【g / g】
【d / d】
【E / -】
A / - 鹿毛または黒鹿毛
【w / w】
【C / C】
【g / g】
【d / d】
【E / -】
At/At, At/a 青鹿毛
【w / w】
【C / C】
【g / g】
【d / d】
【E / -】
a / a 青毛
【w / w】
【C / C】
【g / g】
【d / d】
e / e ・ | 栗毛または栃栗毛

毛色に関連のある遺伝子をリストする。右図にぶち毛を除く主要な13の毛色と、その遺伝子型の関係を示す(何れも一部異説あり)。

表の見方

優性・劣性どちらの遺伝子が入っても、発現する毛色に影響を与えない場合は"-"で表している。"・"は、この遺伝子の働きが他の遺伝子によって抑えられる、あるいは隠されることを示す。

参考文献

 | 
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2019年2月)

脚注

  1. ^ 原毛色とは、全ての毛色のうち、基本となる3つの毛色、鹿毛、栗毛、青毛のこと。この3つの毛色に様々な遺伝子が作用し、実際の毛色となる。ただし、駁毛や白毛、芦毛、佐目毛の毛色を持つ馬においては、それぞれ駁毛・白毛・芦毛・佐目毛遺伝子を持たなかった場合に表現されたはずの毛色のことであり、黒鹿毛や河原毛なども原毛色と扱われる。
  2. ^ 遺伝子の実体は不明。

関連項目

外部リンク

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出典:wikipedia
2020/04/02 12:16

HAPPY Wikipedia

あなたの考える「馬の毛色」の意味を投稿しよう
「馬の毛色」のコンテンツはまだ投稿されていません。
全部読む・投稿 

馬の毛色スレッド一覧

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「馬の毛色」のスレッドを作成する
馬の毛色の」
友達を探す
掲示板を探す
このページ
友達に教える
URLをコピー

注目のキーワード

錦織圭/北島康介/2014_FIFAワールドカップ・アジア予選/サッカー日本女子代表/消費税/東京スカイツリー/ダルビッシュ有/イチロー/香川真司/野田内閣/復興庁/石川遼/HKT48/AKB48/ワールド・ベースボール・クラシック日本代表/黒田博樹/尖閣諸島/バレンタインデー/ONE_PIECE

キーワードで探す

 
友達を探す
掲示板を探す
ハッピーWiki
ハッピーメール
ハッピーランド
HAPPY NEWS
2010Happy Mail