このキーワード
友達に教える
URLをコピー

高等専門学校とは?

高等専門学校(こうとうせんもんがっこう)は、後期中等教育段階を包含する5年制(商船に関する学科は5年6か月)の高等教育機関と位置付けられている日本の学校 。一般には高専(こうせん)と略される。 学校教育法を根拠とし「深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成する」ことを目的とする一条校である。

主に中学校卒業程度を入学資格とし、修業年限5年(商船学科のみ5年6か月)間の課程のもと、主に工学技術・商船系の専門教育を施すことによって、実践的技術者を養成することを目的にした教育機関である。

「完成教育」を標榜する教育機関であることから、5年制の課程を終えた卒業生の過半は就職を選択してきた。就職希望者に対する求人倍率は常に高校卒・大学卒を大きく上回り就職率はほぼ100%となっている。一方で学生の進学意欲に応えるため、主に高専卒業生を受け入れ対象にする2年制の専攻科が各校に設置されている。本科卒業後は大学編入学(主に3年次編入学)、専攻科修了後は大学院進学の道もある。

本科(5年課程)の卒業生は準学士と称することができる。本科卒業後に専攻科(2年課程)を修了した者は、大学評価・学位授与機構の審査に合格することにより学士(主に工学)の学位を取得できる。高専内部では便宜的に、5年制の課程を本科もしくは準学士課程、専攻科を学士課程と称している。

長岡工業高等専門学校
大島商船高等専門学校

目次

  • 1 概要
  • 2 学校一覧
    • 2.1 日本の高等専門学校
      • 2.1.1 学生数
    • 2.2 海外の高等専門学校及び高専型教育導入校
      • 2.2.1 モンゴル
      • 2.2.2 タイ
  • 3 歴史
    • 3.1 創設までの経緯
    • 3.2 創設後の沿革
    • 3.3 現況
  • 4 高専の入学試験
    • 4.1 入学
    • 4.2 編入学
  • 5 高専教育
    • 5.1 教育課程
      • 5.1.1 テキスト
      • 5.1.2 資格取得
    • 5.2 教員
    • 5.3 学生寮
  • 6 卒業後の進路
    • 6.1 就職
    • 6.2 進学
      • 6.2.1 大学編入学、または高専専攻科への進学
      • 6.2.2 大学等1年次への入学
  • 7 国公立高専の独立行政法人化
  • 8 外部評価
  • 9 学生生活
    • 9.1 クラブ活動
      • 9.1.1 運動部
      • 9.1.2 吹奏楽部
    • 9.2 ロボコン
    • 9.3 プロコン
    • 9.4 デザコン
  • 10 高等専門学校を題材とした作品
  • 11 脚注
  • 12 出典
  • 13 参考文献
  • 14 関連項目
  • 15 外部リンク

概要

高等専門学校は、学年制を基本に、一般科目と専門科目をくさび形に配置し、1年次より徐々に専門教育が増えていく教育課程に特徴があり、旧文部省・旧国立高等専門学校協会は、都合7年間を要する高校段階から大学工学部レベルの教育を、重複なく5年間で完成する一貫教育を行うと標榜してきた。 UNESCOの国際標準教育分類(ISCED)によれば、高等専門学校1,2,3学年はLevel-3B、高等専門学校4,5学年および専攻科はLevel-5Bに分類されているが、前期課程/後期課程等と内部で分かたれることなく、後期中等教育機関である高校の生徒と同年代の学生(1-3年次)も含めて、高等教育を受けているものと法的にはみなされている。

高専における標準的な総授業時間数は、高校短大を併せた時間数を大幅に上回り、かつ四年制大学工学部において履修する専門科目の総時間数を若干上回っている。その一方で、一般教育・教養教育にかかわる科目の授業時間数は、高校と短大を併せた時間数を若干下回る。高専の教育課程は、他の教育機関と比して、専門科目に厚く、一般科目に薄いのが特徴である。しかし、大学が教養部を廃止してからはその差は小さくなっているため、一般科目が薄いとは一概に言えなくなっている。

学校教育法上の一条校として制度が誕生したのは1961年(昭和36年)と、50年以上の歴史がある。「5年一貫の技術教育を行う実践的技術者養成機関として発展し、その教育成果は産業界等から高い評価」を得る一方で、「高等教育機関の中では小規模な学校種となっており、社会的認識の面で様々な問題が指摘されている」との評価もある。高専創設後、学校教育法上の新たな教育制度として中等教育学校専門学校が誕生しているが、それらがより一般に認知されているのとは対照的である。

近年ではアジアに高専の教育システムを輸出し、人材を日本に呼び寄せる取り組みも始まっている。

学校一覧

日本の高等専門学校

詳細は「日本の高等専門学校一覧」を参照
商船高等専門学校」および「電波工業高等専門学校」も参照

2014年(平成26年)4月1日現在、高等専門学校は57校あり、設置者別の内訳は、国立51校、公立3校、私立3校である。

高専全57校のうち、51校は独立行政法人国立高等専門学校機構の設置する国立学校である。公立・私立を含め、各47都道府県には、最低でも1校ないし複数の高専が設置されている。未設置あるいは既存校の4年制大学への転換により、高専が設置されていないのは埼玉県神奈川県山梨県滋賀県佐賀県の5県である。

校名を英語表記する場合、単科大学や短期大学に相当する「College」を使用するのが一般的である。国立高等専門学校機構が設置運営する工業高専は、全校ともNational Institute of Technology, ○○ College(◯◯:地名)と称している。

学科制をとる。かつては、全ての国立高専は1学科1学級(クラス)であったが、現在では、低学年次において、学科をまたいだ混合クラスを編成している学校もある。そして全学生共通のカリキュラムで授業を行っているところがある。高学年になると学生の希望と成績により各専攻へ分属する。また、公立・私立高専には、複数の学級で構成する学科もある。高等専門学校設置基準では、学級定員は40人を標準としている。

学生数

平成26年度(2014年度)の文部科学省学校基本調査」によると、国公私立全高専の在学生は2014年(平成26年)5月1日現在、本科、専攻科、及び聴講生・研究生等をあわせて5万7,677人(男子4万7,905人、女子9,772人)、本科のみでは5万4,354人(男子4万4,970人、女子4,384人)、専攻科のみでは3,262人(男子2,884人、女子378人)であった。また、2014年(平成26年)3月の本科の卒業者数は1万307人(男子8,598人、女子1,709人)、うち大学編入等(専攻科を含む)の進学者は4,047人、就職者は5,945(正規5,934人、非正規7名、臨時4名)、専修学校・海外の学校等の入学者は122人、その他193名となった。

文科省高等教育局専門教育課の調査によると、2014年度(平成26年度)の全高専の本科の入学定員は、1万580人(国立9,400人、公立720人、私立460人)、 また、学校基本調査によると、2014年度(平成26年度)の本科の志願者数と入学者数は、それぞれ1万9,197人(男子1万5,870人、女子3,327人)、1万969人(男子8,973人、女子1,993人)だった。

海外の高等専門学校及び高専型教育導入校

モンゴル

2014年開学。

タイ

2018年にタイ高専コースを開講。

歴史

創設までの経緯

日本は、第二次世界大戦敗戦後、「教育の民主化」などを求めたアメリカ教育使節団の勧告により、学校体系を「6・3・3・4制」(小学校6年間・中学校3年間・高等学校3年間・大学4年間)に一本化する単線型教育制度を導入するなどの学制改革を行った。これにより、旧制専門学校と、旧制高等学校を経て入学する旧制大学とに分化・階層化され、互いに交わることのなかった複線型教育制度が廃止された。

だが、1950年代(昭和25年-昭和34年)に入ると、吉田茂首相の私的諮問機関・政令改正諮問委員会は、教育体系の例外として高校3年と大学の2年または3年をあわせた5年制または6年制の農・工・商・教育等の職業教育に重点を置く「専修大学」(学校法人専修大学の設置する大学を指すものではない)制度の創設を答申。旧・中央教育審議会は、これに追随する答申をまとめた。日経連経団連などの財界・産業界も、敗戦後の急激な工業化に即応するため、戦前型の旧制工業専門学校に見合う中級技術者養成を目的にした教育機関の新設を要求する「科学技術教育振興に関する意見」(日経連、1957年(昭和32年)12月)、「専科大学制度創設に対する要望意見」(日経連、1960年(昭和35年)12月)などの文書を次々と発し、制度の具現化を求めた。

政府は、これらの動きに対応して、専科大学制度を創設するため、学校教育法等の一部を改正する法律案を1958年(昭和33年)の第28回国会に上程。だが、日本短期大学協会は、暫定的な制度とされるも大学の一類型と見なされていた短期大学制度が専科大学に「格下げ」になるのではないかと反発。野党も「戦前の差別的な複線型教育制度を復活させるものだ」として反対したことから、第30回国会、第31回国会と3度法案を上程し、第30回国会、第31国会では衆議院は通過するも審議未了廃案となった。

そのため、政府は、専科大学に代えて高等専門学校制度の創設を策定。専科大学は「深く専門の学芸を教授研究」を目的としていたものを、高等専門学校は「大学」の呼称を外したうえで「研究」目的を除外。さらに、工業分野に限定するなどの手直しを行い、大学・短期大学とは異なる教育制度であることを明確にしたうえで、第38回国会に学校教育法の一部を改正する法律案として上程。その結果、与党の賛成多数により、成立し1961年(昭和36年)6月17日に昭和36年法律第166号として公布された。

創設後の沿革

高専法の成立を受け、全国各地の自治体は高等専門学校の誘致合戦を展開、設置初年度の1962年(昭和37年)には、国立12校(1期校と呼称)が開校した。以後毎年10校前後が開校し、数年のうちにほぼ現在の学校数となった。全体で1,500人ほどの募集だった国立高専1期校は、平均17倍の志願倍率となり、これに刺激を受けた他の都道府県もいっそう強力に高専誘致を推し進めた結果、短期間のうちにほぼ全国に設置されるに至ったものである。また、国立高専1期校の開校と同時に、公立は東京都立の2校(工業高専航空高専)、私立は金沢高専(現国際高専)、熊野高専(現 近畿大学高専)など5校が開校した。

さらに、1967年(昭和42年)には国立商船高等学校5校が、1971年(昭和46年)には国立電波高等学校3校が高専に昇格。1974年(昭和49年)には複合学科を特色とする徳山高専八代高専が開校して、国立高専の新設は一応の区切りを迎えた。その後、2002年(平成14年)に沖縄高専が設置され、2004年(平成16年)から学生の受け入れを開始した。

なお、商船、電波以外のほとんどの国立高専は新設校であったが、長岡高専宇部高専久留米高専の各校は、高専制度の創設に先行して設けられた国立工業短期大学が前身である。高知高専は暫定的に私立校として設置され、開校翌年、国立に移管された。このほか、都立2高専や神戸市立六甲高専(現 神戸市立高専)、聖橋高専(現 埼玉工業大学)は工業高校から昇格し、大阪高専(現 摂南大学)は大阪工業大学に併設された各種学校(専科大学コース)が前身となり、大阪府立高専は大阪府立大学工業短期大学部第一部の廃止に前後して同一の敷地に新設されるなど、公立・私立にも既存の学校・短大を改組したところがある。なお、各校の設置・廃止の年度については、下記の一覧を参照のこと。

国立高専1期校は1967年(昭和42年)3月に初の卒業生を送り出し、高度経済成長とも相まって、「全員が殆ど大企業に就職が内定」し、その後も、高専の設置数の拡大や景気の動向にもさほど左右されることなく、大企業を中心にほぼ10数倍の求人倍率を維持し、就職希望者の就職率もほぼ100%の実績を残した。

その一方で、旧・国立高等専門学校協会(国専協)を中心にして、高専卒業生の進学意欲に応えるため、専攻科の設置、大学院への進学ルートの新設、あるいは大学への編入学枠を拡大しようとする動きが浮上。専攻科の設置はいったん断念し、高専卒を受け入れる工業技術大学(院)・科学技術大学院構想を策定して方向転換したものの、実現には至らなかった。その後、国専協による旧文部省などへの働きかけにより、主に3年編入を受け入れ、修士課程に連なる4年間の課程を前提にした技術科学大学の創設が決まり、1976年(昭和51年)に長岡技術科学大学豊橋技術科学大学のふたつの大学が開学した。ただし、一部の国立大学では、すでに第1期生が卒業するのと同時に、3年ないしは2年編入の受け入れを開始していた。

1991年(平成3年)には、法改正により、高専卒者に対して準学士学術称号を授与することになり、設置できる学科の分野としても工業・商船分野への限定を解除。これにより、福島高専富山商船高専宇部高専の各校には文系・学際系の学科が誕生。芸術・デザイン分野の学科を設置する札幌市立高専も新設された。さらに、専攻科の設置が認められ、修了生は学位授与機構の審査を経て学士号を取得できることになった。専攻科は、系列に大学のある私立金沢高専1校を除き、国公私立全校に設置され、ストレートに大学院に進学することも可能になった。

その後、2006年(平成18年)4月には、15歳人口の減少等に対応するため、東京都立の2高専(都立工業、都立航空)が、総定員を減らした上で2キャンパス制の都立産技高専として再編統合された。同様に2009年(平成21年)10月には、宮城・富山・香川・熊本の各県に設置されていた国立8高専(「宮城・仙台電波」、「富山・富山商船」、「高松・詫間電波」、「八代・熊本電波」)が、やはり学科数・定員を減らした上で1県1校2キャンパスの4高専(仙台富山香川熊本)に再編統合された。統合後の各高専は、それぞれ東北地区、東海北陸地区、四国地区、九州・沖縄地区の拠点校と位置づけられた。さらに2011年(平成23年)4月には、大阪府立高専でも大阪府立大学への運営移管に併せて総定員が削減されるなど、少子化による若年人口の減少傾向に合わせたスリム化の動きがみられる。

高等専門学校の設置・廃止年度一覧
【年度】
【設置(国立)】
【設置(公立)】
【設置(私立)】
廃止
1962
(S37) 函館、旭川、福島(平)、群馬、長岡、沼津、鈴鹿、明石、宇部、高松、新居浜、佐世保(以上1期校と呼称) | 都立航空、都立工業 | 聖橋、金沢、大阪、近畿大学(熊野)、高知 | 高知(私立): 国立に移管
1963
(S38) 八戸、宮城、鶴岡、長野、岐阜、豊田、津山、阿南、高知、有明、大分、鹿児島(以上2期校と呼称) | 大阪府立大学(大阪府立)、神戸市立(神戸市立六甲) | サレジオ(育英)、幾徳 | 
1964
(S39) 苫小牧、一関、秋田、茨城、富山、奈良、和歌山、米子、松江、呉、久留米、都城(以上3期校と呼称) |  |  | 
1965
(S40) 釧路、小山、東京、石川、福井、舞鶴、北九州(以上4期校と呼称) |  | 桐蔭学園 | 
1967
(S42) 木更津、富山商船、鳥羽商船、広島商船、大島商船、弓削商船 |  |  | 
1971
(S46) 仙台電波、詫間電波、熊本電波 |  |  | 
1974
(S49) 徳山、八代 |  |  | 
1977
(S52)  |  |  | 幾徳
1978
(S53)  |  |  | 聖橋大阪
1991
(H03)  | 札幌市立 |  | 桐蔭学園
2002
(H14) 沖縄(開校は2004(平成16)年度) |  |  | 
2006
(H18)  | 都立産業技術 |  | 
2008
(H20)  |  |  | 札幌市立(本科)
2009
(H21) 仙台、富山、香川、熊本(学生受け入れは2010年度) |  |  | 宮城、仙台電波、富山、富山商船、高松、詫間電波、八代、熊本電波、都立工業、都立航空
2010
(H22)  |  |  | 札幌市立(専攻科)
2018
(H30)  |  | 国際(金沢)
※校名変更 | 
注: 括弧内の校名は旧称。

現況

15歳人口の減少、理科離れの進行、4年制大学をはじめとした高等教育機関への進学者の増加などの影響により、高等専門学校をめぐる環境は大きく変化している。受験時の志願倍率は、創設直後の高倍率を経て1970年代(昭和45年-昭和54年)以降漸減を続け、21世紀に入ってからは2005年度(平成17年度)に初めて全高専の平均で2倍を切り(1.9倍)、2008年度(平成20年度)には1.78倍と過去最低(ただし2009(平成21)年度のデータは不詳)となった。学校によっては、定員割れによって2次募集を行うところも現れている。中央教育審議会の答申「高等専門学校教育の充実について」(2008(平成20)年12月24日)では、志願倍率の低下によって「(入学生の)学力の幅にも広がりが出てきつつある」と指摘した。

一方、国立高等専門学校機構・今後の高専の在り方検討小委員会「今後の国立高専の整備について(中間まとめ)」(2006(平成18)年6月29日)によると、2005年(平成17年)春の工学系新規採用技術者約7万名に占める高専出身者の割合は、約12%(専攻科修了生約700名と編入後大学・大学院を卒業・修了した者約3000名を含む)と推計され、前述の中教審答申においても「卒業生の高い就職率・求人倍率に見られるように、社会から高く評価」されていると記されている。公教育全体から見ればマイナーな教育機関であるため、社会一般の認知度は低いものの、大学などの工学系の専門教育の場や卒業生を受け入れている産業界では、現状においても一定の評価を受けているものと見られる。

高専の入学試験

入学

編入学

後期中等教育を修了した者または修了見込みの者(高等学校(主に工業や理数・情報に関する学科)・中等教育学校を卒業または卒業見込みの者など)や留学生を対象に、4年次または3年次への編入学制度が設けられている。編入学定員は各高専の裁量に委ねられているが、若干名とする場合がある。編入学試験は各高専の独自作成問題による。

高専教育

教育課程

修業年限(卒業までに教育を受ける期間)は5年(商船に関する学科は5年6か月)とされ、高等学校の3年間と大学(短期大学)の2年間を合わせた5年間に相当する。卒業すると準学士と称することができる。

一般教育とともに、学科ごとに専門教育が行われている。学校教育法では、大学が「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させること」を目的とする一方、高専は「深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成すること」が目的とされ、「研究」等は含まれていない。高専は、職業教育に特化している点が大学と最も異なるところである。

専門科目は、学年が上がるにつれて時間数が増える「くさび形」に傾斜配分され、大学工学部に相当ないしは準じた教育内容であると国立高等専門学校協会などは標榜してきた。さらに、実験・実習やゼミ輪講・卒業研究など、実践的な教育の重視にも大きな特徴がある。

高等専門学校設置基準では、卒業認定に要する単位数は、商船学科を除き167単位以上(一般科目75単位以上、専門科目82単位以上)、商船学科は練習船実習を除き147単位以上(一般科目75単位以上、専門科目62単位以上)となっている。単位の計算方法は、30単位時間(1単位時間は標準50分)の履修をもって1単位とする(高校と同様の)従来の方式のほか、1991年(平成3年)からは大学に準じる45時間の学修(授業時間は15~45時間)を1単位とする方式を60単位を上限として導入できることになり、実験系科目の充実や新たな科目の開設等、高専各校の裁量にもとづくカリキュラム編成の幅が広がった。一般科目の総時間数は、高校+短大の教育課程と比して若干少ない。規定の単位の積み上げによって修了を認められる大学や単位制高校とは異なり、学年制をとっていることから、原級留置となれば、取得した単位であっても再履修を課される場合がある。

なお、高専制度が創設された当時の設置基準(1961(昭和36)年8月30日文部省令第23号)では、(卒業要件にかかわる規定の記載はなく)総授業時間数187単位(一般科目83単位、専門科目104単位)を最低基準とし、事実上190単位以上の履修を課しており、高校・大学と比して過密なカリキュラムであった。以後、卒業要件となる単位数は徐々に減らされ、さらに、インターンシップ(工場実習など)の単位化、英検や各種資格に応じた単位認定、学修単位の導入などにより、実質的な授業時間数は創設時よりも2割ほど減少した。卒業要件となる単位数が現行の167単位以上(工業系学科)となったのは、国立高専協会が1987年(昭和62年)6月、文部省(現:文部科学省)などに「学生にゆとりを持たせ、個性を伸ばせる教育(ゆとり教育)が行えるようにする」よう、事実上、単位数の削減を求める要望書を提出したことなどにより、設置基準の改訂がなされたという経緯によるものである。

また、商船学科では、5学年の10月より、日本丸海王丸等の独立行政法人航海訓練所の練習船による1年間の航海実習が必修になっている。

中央教育審議会の大学分科会・高等専門学校特別委員会で配布された「工業高等専門学校の現状と課題」(2007(平成19)年4月13日)では、在籍学生1000人当たり、毎年の原級留置(留年)は35~47人、休学は4~8人、中退学(進路変更)は9~13人、入学生の5年卒業率は82%としている[2]

テキスト

低学年次の文科系一般科目では、高等学校用の検定教科書が使用されることもある。他の一般科目や専門科目では、専門書や大学生向けのテキスト、教員作成の資料等により、おおむね大学の学部レベルの講義が行われているとされる。

また、数学・物理・化学などの理科系一般科目においては、高等学校+大学一般教養に相当する内容を、おおむね3年次(一部は4年次)までに履修することから、高専用に特化したテキスト(教科書)も使われている。同様に、低学年用の専門科目にも、高専向けのテキスト(教科書)があり、これを使用する教員もいる。

なお、高等専門学校は高等教育機関に位置付けられているため、高校生と同じ学齢の1~3年次の学生であっても文部科学省検定済教科書の使用は義務づけられず、学習指導要領にも拘束されない。

資格取得

学校によっては、公的資格の取得を奨励し、資格によっては単位認定しているところもある。また、公的資格を所管する官庁から認定を受けている学科では、所定科目の単位を取得することにより、資格を取得することができる(試験の科目免除や実務年数要件の緩和も含む)。

在籍学科に応じて取得可能な資格には、危険物取扱者情報処理技術者無線従事者電気主任技術者電気工事士などがある。なお、高専卒業を資格要件とする教員免許はない。

教員

学校長以下、学生を教授するための教授准教授助教教員を置かなければならず、講師・技術職員を置くことができる。また、他大学の教員や企業出身の技術者ほかが非常勤講師として講義を担当することもある。高専の教員が、他大学ほかで非常勤講師として講義を行っている場合もある。

専門学科の教員は、自ら教育研究活動を行うとともに、5年次の卒業研究および専攻科の学生に対して研究指導を行う。高等専門学校設置基準等により、博士修士の学位、ないしはこれに相当する教育・研究・技術に関する実績などが教員の資格となっている。

草創期の高専教員は、大学教員出身、企業出身、高校教員出身がおおむね3分の1ずつを占めていた。とりわけ企業出身の技術者や研究者を教員として迎え入れたのが、高専ならではの特徴となった。その後、徐々に高専が正規職の最初の任用先となる教員が増え、その教員が准教授、教授などに昇任するにつれて、外部出身の教員の割合は減少している。

高等専門学校の教員は、大学等の他の高等教育機関と同様に教員免許を必要としない。 一方、近年の各高等専門学校の教員募集要項によれば、専門学科の教員については、多くの場合、大学と同様に博士学位の取得(見込含む)が要件とされている。

学生寮

国立高専・私立高専全校には、教育寮として学生寮(設置基準では「寄宿舎」と呼称)が設置されている。かつては低学年次の学生を対象に全寮制をとる国立高専もあったが、1990年代(平成2年-平成11年)以降、これらの高専でも自宅通学を認める方向となっている。女子寮は1984年(昭和59年)時点で、国立高専では8校のみに設置されていたが、1991年(平成3年)には17校に増加している。その後、他の高専でも、女子学生の増加に対応して女子寮の新設が続いた。公立高専では、いずれの学校も学生寮を設置していない。

卒業後の進路

就職

求人倍率就職(内定)率の高さが特徴である。各高専によって若干異なるが、基本的に理工系大学生と同じように、学校が学生と話し合って受験企業を一社に絞って受けさせる「一人一社制」によって就職活動を行う場合が多いが、文科系大学生と同じように、企業が高専卒採用枠を設けてインターネットなどで採用情報を公開し、全国の高専生を対象とした選考をすることもある。また大学卒と同一の採用枠・試験枠となる場合や、企業によっては現役生として考えると同じ年齢である、短大・専門学校卒業対象となることもある。

なお大学進学率が急増する中で、技術者供給源としての高専の価値は相対的に低下しているが、そのことで就職試験を受ける機会が減っているということはない。

工業高専卒業者は、基礎学力から大学工学部レベルの工業技術を学び、若年次から実践的な専門教育を受けているため、産業界からは即戦力として高い評価をうけている。また大学工学部卒業者よりも2歳若い。このことは、採用する側・される側の双方にとって大きな利点とされている。

2013年度(平成25年度)の本科の全卒業者:10,307名の内、就職した者は5,934名(57.6%)で、有効求人倍率は、本科:16.9倍、専攻科:39.1倍となっている。

就職先は、上場クラスの企業である場合も多いが、地方の高専では地場志向も見られる。また、有名大学卒業者の確保が難しい中小企業やベンチャー企業からも、高専卒業者に対する引き合いは強い。配属先は、メーカーであれば製造技術や生産技術、試作や評価検証、量産設計など、特に実践的な技術者を必要とする職場が多い。商社に就職して技術営業やFAEとして働く人もおり、進路の多様性は大学工学部等と変わるところはない。

なお、最近の上場クラスのメーカーではものづくりに関する機能を分社化している場合も多く、そのような企業に就職する場合はその分社(子会社)側の採用となる場合が多いようである。

進学

大学編入学、または高専専攻科への進学

就職のほか、高専を卒業(5年間の課程を修了)すると技術科学大学をはじめとする大学(学部)の3年次に編入学することができ、高専に設けられた専攻科への進学と合わせて進学の幅も増えている。

さらに、学部や専攻科を卒業後、大学院修士課程(または博士前期課程)へ進学する者も多い。なお文系学部へのセンター入試は高専のシステムの関係上難しいという見方も少なからずあり、大学に進学する場合でもほとんどの場合編入学で進学する。

この影響で、学校によっては本科の卒業生に占める就職者の比率が20%を割り込む例も見られる。この現状については、高専の設置目的と照らし合わせて揶揄される場合もある。しかし研究機関や企業の研究職・開発設計職を目指す場合は、大学院修了が要件とされている場合も多く、そのような職に就きたいと考える学生が大学に編入学し、大学院を目指すのは必然であるともいえる。

2013年度(平成25年度)の本科の全卒業者:10,307名の内、進学した者は4,044名(39.2%)であり、その内訳は、大学へ編入学した者:2,436名(23.6%)、専攻科に進んだ者:1,603名(15.6%)、大学に入学した者:5名(0.0%)となっている。

理工系の学部を有するほとんどの国公立大学で、定員を設けて高専からの編入学を実施しており、高専卒業生の受け入れを目的の一つとして創設された国立大学(国立大学法人)である豊橋技術科学大学長岡技術科学大学をはじめ、その他の国公立大学工学部に編入学する場合が多い。また近年、少子化などによる学生不足から、理工系に限らず編入学定員を設ける私立大学も増えており、短大卒者と同様に文系の学部へ編入学するケースも見られる。また、医学部への編入学は学士編入学に限られていたが、東海大学医学部では2005年度(平成17年度)から一般編入学(2年次)に転換され、高専からの医学部編入学に道が開かれることになった。また薬学部北海道医療大学(2008(平成20)年度)などで編入学を実施するなど、工学系の高等専門学校生にも門戸が開かれるようになってきた。

工学系の学部で高専に同様の専攻がある場合は、高専卒業見込者を対象に推薦編入学制度を持つ大学も多く(最大のケースで編入学定員の50%)、一説に、通常の高校 → 大学(一般受験)コースよりも高専 → 編入学コースの方が国公立大学に入りやすいと言われる所以にもなっている。

推薦編入学の場合は、成績が上位であって(概ね1クラス上位の10〜20%)学校長推薦を受けられる事が必要条件で、調査書及び志望論文の選考と面接試験(口頭試問)によって合否判定される(不合格の場合は筆記による編入学試験も受験可能である)。学校長推薦を受けるためには、特に3・4学年の成績が重要である。なお長岡技術科学大学豊橋技術科学大学は、書類審査のみで推薦編入学の合否判定を行う。

また筆記による編入学試験では、選考日程さえ重ならなければ、同年度中に複数の国公立大学を受験することができる。

大学等1年次への入学

以上のほか、高専の第3学年を修了または修了見込みの者には高校卒相当の資格が生じ、大学(短期大学を含む)や専門学校(専修学校専門課程)(以下総称して「大学等」)を受験することができる。文系や芸術系へ進路変更する場合など、第3~4学年を修了したあとに退学して大学等1年次から学ぶ者、または卒業後に1年次から学ぶ者もいる。ただし高専の設置目的やカリキュラムの関係上、大学受験などは全く考慮されないため、高専在学者としての受験は高等学校在学者よりも困難を要する。特に普通科文系に比して、高専では第3学年までの人文社会系科目の受講単位数が少ないため、文転する場合のハードルは高い。また、卒業を迎えずに退学した場合は学歴上「中退」となり、大学等への入学は進学ではなく「転学」となることに注意を要する(卒業後に入学した場合は「進学」となる)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

出典:wikipedia
2018/07/13 17:31

HAPPY Wikipedia

あなたの考える「高等専門学校」の意味を投稿しよう
「高等専門学校」のコンテンツはまだ投稿されていません。
全部読む・投稿 

高等専門学校スレッド一覧

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「高等専門学校」のスレッドを作成する
高等専門学校の」
友達を探す
掲示板を探す
このページ
友達に教える
URLをコピー

注目のキーワード

錦織圭/北島康介/2014_FIFAワールドカップ・アジア予選/サッカー日本女子代表/消費税/東京スカイツリー/ダルビッシュ有/イチロー/香川真司/野田内閣/復興庁/石川遼/HKT48/AKB48/ワールド・ベースボール・クラシック日本代表/黒田博樹/尖閣諸島/バレンタインデー/ONE_PIECE

キーワードで探す

 
友達を探す
掲示板を探す
無料コミックを探す
占い・診断
着メロを探す
GAMEを探す
デコメを探す
きせかえツールを探す
FLASH待ち受けを探す
ハッピーWiki
ハッピーメール
ハッピーランド
HAPPY NEWS
2010Happy Mail