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ISILとは?

【ISIL】

対テロ戦争イラク戦争シリア内戦に参加

【活動期間】
2006年10月15日 - 現在
【活動目的】
イスラム帝国主義
サラフィー主義
サラフィー・ジハード主義
ワッハーブ派
反シオニズム
反ユダヤ主義
反キリスト主義
【氏族 / 部族】
スンナ派アラブ人
【指導者】
アブー・アイユーブ・アル=マスリー
アブー・ウマル・アル=バグダーディー
アブー・バクル・アル=バグダーディー
アブイブラヒム・ハシミ
【活動地域】
イラク
シリア
リビア
レバノン
アフガニスタン
パキスタン
【兵力】
1,000人未満(2017年12月時点)
【前身】
ムジャーヒディーン諮問評議会
【関連勢力】
アンサール・アル・スンナ軍
ヌスラ戦線
ボコ・ハラム
カフカース首長国
東トルキスタンイスラム運動
【敵対勢力】
イラク駐留軍
イラク治安部隊
覚醒評議会
イスラム革命防衛隊
ヒズボラ
シリア軍
インドネシア国軍
自由シリア軍
アメリカ軍
トルコ軍
ロシア連邦軍
ペシュメルガ
シリア民主軍
アルカーイダ
ターリバーン
ハマース
フーシ
ISIL




標語: باقية وتتمدد
Bāqiyah wa-Tatamaddad
抵抗と拡大
ISIL(IS)の勢力範囲(2020年2月19日時点)
事実上支配下にある地域

首都 | ラッカ(2017年10月17日にシリア民主軍により制圧)
マヤディーン(ラッカから逃れた後の首都だったが、2017年10月にシリア民主軍により制圧)
アル・カーイム(2017年11月イラク軍により制圧)
アブ・カマル(2017年11月にシリア軍により制圧)
ハジン(2017年11月 - 2018年12月)
アル・スサ(2018年12月 – 2019年1月)
アル・マラシダ(2019年1月 - 2月)
アル・バグズ(2019年2月 - 3月)
不明(2019年3月 - )
公用語
アラビア語
外国人戦闘員が多数いるため、英語も用いられる
【政府】

- カリフ アブイブラヒム・ハシミ
- 戦争大臣 グルムロド・ハリモフ
【独立】
イラクシリアより
- 独立宣言 2014年1月3日
- カリフ宣言 2014年6月29日
【面積】

- 総計 300,000 km
115,831 sq mi
【人口】

- 2014年推計 約8,000,000
【時間帯】
(UTC+3)
現在、独立を承認した国家はない。
人口値は2014年6月12日時点の見積もりで、面積値は推定である。
シリアイラクレバノンにおける
勢力状況
(2019年5月11日時点・随時更新)
シリア政府(アサド政権)
イラク政府
レバノン政府
ISIL
その他のシリア反政府勢力
シリアにおけるクルド人勢力
イラクにおけるクルド人勢力
係争地域
※シリア国内の情勢について「シリア内戦」も参照

ISIL(アイシル、: Islamic State in Iraq and the Levant)は、イラクシリアにまたがる地域で活動するイスラーム過激派組織である。イスラム国(: Islamic State)と自称している。

2019年3月時点の支配地域は非常に小さなものになったが、本項は過去に大きな勢力を保っていた時点の記述を含んでいる。

概説

ISILはイスラム国家樹立運動を行う、元々はアルカーイダ系(現在は絶縁状態)のイスラム過激派組織である。イラク、シリア両国の国境付近を中心として一時は両国の相当部分を武力制圧して「国家」樹立を宣言し、シリア領内のラッカを「首都」と宣言している。後述するように、外交関係の相手として国家の承認を行った国家は無い。

報道により伝えられる知見によれば、活動家たちは、ISILが大規模で組織的に活動していることに感嘆していると言い、さらに、ISILに批判的な活動家までが、ISILがわずか1年足らずで近代国家のような構造を作り上げて来たことに言及する。ISILは「カリフ国家」(カリフの指導下で運営される国家)が中東から東は中国、西は欧州まで広がり、究極的には世界イスラム帝国を望んでいるとされるが、彼らが言うカリフ国家がどのようなものなのか、ラッカなどで実証しようとしているようだという(→#政治#理念・目標・政治的主張#経済、財政を参照)。現地の住民らは、ISILの勢力拡大の大きな要因は、効率的で極めて現実的な統治能力にこそあると語ったとも報じられる。

ロイターの記者が取材によって2014年9月に明らかにしたことによると、ISILは次世代を見据えて国家モデルを構築している。例えばシリア北東部の砂の平原にある町々においては、電気の供給、の供給、銀行(イスラム銀行)・学校・裁判所などだけでなく礼拝所、パン屋にいたるまでがISILによって運営された。

ISILの特徴に、インターネットなどによるプロパガンダ戦略が挙げられる。ワールド・ワイド・ウェブSNS動画共有サイト)などを利用し、イラクやシリア周辺の中近東だけでなく、はるか離れた世界各国からでも若者を多数兵士として募っている。

一方、住民らは恐怖政治に不満を募らせているとの報道もなされた。また、資金繰りが悪化し、戦費の調達にも影響が出ている。

有志国による激しい空爆にも関わらず、勢力の拡大を続け、2015年5月までにシリア領の過半を制圧。ISILによる統治地域の面積は2015年6月時点で、日本の国土面積より一回り小さい程度である約30万平方キロメートルにも上った。IHSジェーンズ(ジェーンズ・インフォメーション・グループ)によると、同年12月14日には、1月時点より支配地を約14パーセント縮小し、支配面積は北海道とほぼ同じ約7万8000平方キロメートルになるなど、勢いにかげりも見えた。2017年10月には首都ラッカがシリアの反体制派シリア民主軍によって完全制圧され、退潮が明らかとなった。同年11月17日にはイラク軍が西部アンバル州の町ラワを制圧したことによりイラク国内からほぼ一掃された。

2019年2月4日、米国防総省は、シリアに駐留する米軍が撤退した後、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国」は同国内で支配地を奪還し、勝利を宣言する可能性があるとの報告書を発表した。国防総省の監察総監がまとめた報告書は、中東などを管轄する米中央軍からの情報として、米軍撤退の影響を予測し撤退に便乗して米兵らを攻撃する可能性も指摘している。トランプ米大統領が2018年12月に勝利宣言し、シリアからの撤退を表明してから、この種の報告書が発表されるのは初めてでイラク、シリア両国で活動を続け、特にイラクでは速いペースで戦力を復活させている。シリアでも対テロ圧力がなくなれば、6~12カ月以内に一定の支配地を奪還する恐れがあると報告されている。

2019年2月6日、トランプ米大統領は、ワシントンで開かれたイスラム教スンナ派過激組織「イスラム国」(IS)の打倒を目指す有志連合の閣僚級外相会合に出席し、米軍や民兵組織などがシリアのIS支配地域を「おそらく来週」にも完全制圧できるとの見通しを明らかにした。ただし、完全な掃討にはなお時間がかかることを示唆した。ポンペオ米国務長官は「シリアからの米軍撤退は米国の戦いの終わりを意味しない。本質的には戦術上の変更だ」と改めて米国の立場について各国に理解を求めた。

2019年3月22日、サンダースホワイトハウス報道官シリア民主軍が、シリアにおけるISILの支配領域を完全に奪還したと発表した。

支配地域の大半を失ったISILは、2019年4月29日に最高指導者アブー・バクル・アル=バグダーディーのメッセージを動画で公開し、2019年5月10日にはインドに「ヒンド州」設立を主張した。また5月16日にはパキスタンに「パキスタン州」設立を主張している。

2019年10月26日、最高指導者のアブー・バクル・アル=バグダーディーがアメリカ軍の特殊作戦により殺害された。後継の指導者はアブイブラヒム・ハシミ

名称・表記

名称の翻訳と略語

2013年4月、「イラクのイスラム国」(ISI)はシリア過激派組織「アル=ヌスラ戦線」と合併し、組織名をアラビア語でالدولة الاسلامية في العراق والشامとした。شام (シャーム)の指す範囲や訳語には様々なものがあり、以下のように訳し方によって異なる表記がメディアによって用いられた。

الدولة الإسلامية في العراق والشام の英訳表記と英字略称
【英語訳表記】
【ラテン文字略称】
日本語訳
Islamic State in Iraq and the Levant | ISIL(アイエスアイエル、アイシル) | イラクとレバントのイスラム国
Islamic State of Iraq and the Levant
Islamic State of Iraq and Syria | ISIS(アイエスアイエス、アイシス、イシス) | イラクとシリアのイスラム国
the Islamic State in Iraq and al-Sham | イラクとシャームのイスラム国

アラビア語圏では、ISILに敵対する立場から、الدولة الإسلامية في العراق والشام の頭字語をとった داعش (翻字:Dā'ish)という略語が使われる。この語は دائس(翻字:Dāis、カタカナ転写:ダーイス、意:踏みにじる者)や داحس (翻字:Dāḥis、カタカナ転写:ダーヒス、意:裏切り者)などといった語に近い発音や綴りを有し、否定的なニュアンスを有する。ラテン文字表記としては「DAISH」のほか、アラビア語翻字を省略した DAIISH 、発音から英語的な綴りに直した DAESH という表記も用いられ、西側メディアが用いる際は DAESH と綴られることが多い。日本語では「ダーイシュ」と片仮名表記される。

この他、 دواعش (翻字:dawā'ish、カタカナ転写:ダワーイシュ)という語が用いられることもあり、こちらは「ダーイシュ」が持つ否定的なニュアンスで、必要以上に ISIL を刺激すべきでないとする立場に基づいて使われる。

2014年6月29日、カリフイスラム国家の樹立を宣言し、名称を الدولة الاسلامية في العراق والشام から الدولة الإسلامية (Islamic State、略称:IS)に変更すると宣言した。日本語では単にイスラム国と翻訳される。

表記の混在と呼び名変更に対する動き

ISILが現れた当初から表記は一定していなかったが、ISILが樹立宣言で自称「イスラム国」を名乗るようになると、「その変更に従うメディア」と「従わず従来の表記を使い続けるメディア」が混在するようになった。

国際連合日本国政府アメリカ合衆国連邦政府は「過激派組織には、国家としての独立宣言を認めない」(国家として承認しない)立場から、名称の変更を認めず ISIL を使用している。2014年9月21日、イスラム教スンナ派最高教育機関として知られるアル=アズハル大学イスラム法学者団体が、このテロ組織を「イスラム国」と呼ぶことは「イスラム教およびイスラム教徒に対する侮辱である」と強く批判し、アラブ諸国のメディアでは「イスラム国」または「国家」と受け取れるような文言を使わないよう求めた。

ところが、ISILによる日本人拘束事件で2015年1月24日に、ISILが湯川遥菜を殺害したとするメッセージをウェブサイトで表明して騒がれた翌25日、略称にすることもなく「イスラム国」という言葉を連呼しているメディアに対して、危機感を募らせたイスラム教団体名古屋モスクが、アル=アズハル大学の声明を元に「イスラム国という名称の変更を希望する」旨を題した文書を発表した。

後藤健二を殺害する動画が配信された2015年2月1日以後は、日本国内にある複数のモスクに対し、電話や電子メールで嫌がらせが相次いだ。このため2015年2月9日、およそ30のモスクの代表者やイスラム団体などとの連名で、併せて21のメディアに対して、同じ文書を送付し「イスラム国」表記を止める様、要望書を提出した。

2015年2月4日には、駐日本国トルコ共和国大使館も以下のような声明を出し、日本のメディアに協力を求めている。

今回の事件でもイスラム諸国とその国民が、様々な形でこの卑劣な蛮行を強く非難しました。しかし、日本のマスメディアが最近の報道のなかで、この蛮行に及んだテロ集団を「イスラム国」と表現していることが非常に残念であり、誤解を招きかねない表現であると強く認識しています。テロ集団の名称として使われるこの表現によって、イスラム教、イスラム教徒そして世界のイスラム諸国について偏見が生じ、日本滞在のイスラム教徒がそれに悩まされています。いわば、これも一種の風評被害ではないかと思われます。 平和を重んじるイスラム教の宗教名を汚す、この「イスラム国」という表記を、卑劣なテロ行為を繰り返す一集団の組織名として、どうか使用されないよう切に願います。世界の他の国々において「イスラム国」ではなく、DAESH、ISIL等の表現を用いる例があるように、このテロ組織に関する報道で、誤解が生じない表現の仕方について是非検討いただき、イスラム教徒=悪人を連想させるようなことがないよう配慮いただきたいところです。 — 駐日本国トルコ共和国大使館、2015年2月4日

これらの要請に対し、日本放送協会(NHK)では2015年2月13日夜から「イスラム国」という呼称の使用を取りやめ、『過激派組織IS=イスラミック・ステート』という表現に変更した。

『朝日新聞』『東京新聞』『毎日新聞』では、記事中の初出では『『イスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)』として残し、2回目以降は「IS」と略した。毎日新聞は「この変更が最善の表記という確信はないものの、「イスラム教の国」のように、単純な誤解をされないよう工夫していきたい」としている。

民間放送局では、TBSラジオの朝のニュース系情報番組『森本毅郎・スタンバイ!』で、2015年2月3日の放送分までは「イスラム国」と呼んでいたが、2015年2月4日の放送分から「『イスラム国』を名乗る過激派組織=ISIL(アイシル)」と変更している。

大阪市のフジテレビ系列局・関西テレビ放送の自己批評番組『カンテレ通信』は2015年2月15日放送で「外国のメディアは「イスラム国」とは呼んでいないのに、なぜ日本のメディアは「イスラム国」と表記するのか」という視聴者の意見に対し、同局報道番組部は「国と名乗っているが国際社会は国家と認めていないため、フジテレビ系列では「イスラム過激派組織・イスラム国」と紹介している」と回答。これに対し、番組コメンテーターの若一光司わかぎゑふは番組内で、前述のイスラム教団体が名称変更を要望していることなどに触れ、イスラム教と混同する人が多いため「イスラム国」表記はやめるべきだ、と述べた。

なお、『南ドイツ新聞』『ル・モンド』『エル・パイス』など欧州大陸諸国の主要紙では「イスラム国」に当たる表現を略称と併用つつも用いている。したがって上記の「外国のメディアは「イスラム国」とは呼んでいない」という指摘は誤りであるという点は注意が必要である。

世界気象機関では2015年4月17日、太平洋北東部に発生するハリケーンの命名リストからIsis(イシス)を外し、2016年のリストからは代わりに「Ivette(イヴェッテ)」を使うと発表した。

非イスラム圏のムスリムを中心に、世界各国のイスラム教団体が「あれはイスラム教を詐称した、ただの犯罪集団だ。断じてイスラム教ではない」と主張している。エジプト政府が最高位の法学者と認定したシャウキー・アッラームアル=アズハル大学総長アフマド・タイイブなど、イスラム圏のイスラム法学者には、ISILはイスラムではないとは言い切れないとしている者もいる。

政治

全盛期には、アブー・バクル・アル=バグダーディーを最高指導者とし、「財務担当」「国防担当」「広報担当」という役割を持つ行政機関の「評議会」が存在した。さらにその下にはシリア担当とイラク担当の副官が半数ずつおり、副官に任命された24人の県知事がその下におり、彼らが支配地に配属され治安や徴税などを行っている。「評議会」の構成員にいるのは旧イラク軍元将校や政治・行政経験のあるバアス党員などイラク人である。サッダーム・フセイン政権時代の元将校や元政治家が現指導体制の中核を担っており、バグダーディーの下の最高指導部に「シリア担当」のアブー・アリー・アンバーリー(旧イラク軍少将、2015年12月12日シリアでイラク軍の空爆で殺害)と「イラク担当」のアブー・ムスリム・トゥルクマーニー(旧イラク軍中佐、2015年8月18日モスルで殺害)がおり、どちらも旧イラク軍将校である。

ISILの広報担当が主張するには、「これはムスリムの国だ。抑圧されたムスリム、孤児、夫と死別した女性、そして貧困にあえぐ人たちのための国だ」「イスラム国の人々は生命と財産の安全を保障され、(従来の国境を越えてビザなしで)自由に移動できる」と主張している。この言葉はシリア内戦で疲れ果てた人たちの心をつかみ、ISILに支配された当初、これを歓迎した住民もいる。ラッカが支配下に置かれた時、住民たちはお祭り騒ぎになったという。

ISILには、これらの体制がイスラム法と合致しているか審査する宗教機関が存在する。仮に現体制がシャリーア(イスラム法)に背いた場合、退陣を迫る権利を有しているという。シャリーアの厳格な運用で戒律が極端に厳しく、酒、タバコが厳禁、女性には全身を隠し目だけを出す黒い服装の着用を義務付け、一人での外出も禁止、さらに夜7時以降は男女を問わず全員外出禁止令を発令。「ヒスバ」と呼ばれる宗教警察が市民を監視し、検問所を各所に設け、住民の出入りは厳格に管理される。警察官らは自動車で巡回し、警戒する。肌を露出している女性を見かけるとその場で鞭打ち100回の刑を課し、飲酒や喫煙が発覚すると刑務所へ入れられたり、指を切り落とされたりする。こうした厳罰により住民に恐怖心を植え付けることで支配していると『週刊新潮』は分析している。

イラクイランシリア弱体化を狙うサウジアラビア王族バンダル・ビン・スルターン(又はその背後のサウジアラビア総合情報庁)が陰から資金提供をしていたとも言われ、イランや駐シリアヨルダン大使、一部のジャーナリスト、(2013年10月時点では)学者は、バンダルこそがアルカイダやISILなどの過激派の真の指導者だと主張していた。ただし、バンダルが解任された2014年頃からそれまでISILを静観してきたサウジアラビアもISILを非難するようになった(#対外関係)。

行政
役所、裁判所、警察署などの行政機関は従来からの建物を使用しているが、職員の多くはISIL側の人間に代わっている。ただし発電所、浄水場など専門知識を要する施設では、元の職員がそのまま勤務している。ジャラーブルスやマンビジュといった町はユーフラテス川という水源から近いため水道は常時使えるが、電気の使用は1日3~4時間に制限されている。また、ラッカでは電気、水道ともに1日3時間程度しか使えない状況である。
2014年11月の『朝日新聞』記事によると、ISILは支配地域の住民のために 独自のパスポートも発行しているという。しかし、外交相手として承認した国家は存在しないので、そのパスポートが使える国は無い。
教育は様変わりし、英国ロンドンに拠点を置くシリア人権監視団体の職員の証言では、哲学や現代政治の授業は廃止され、『コーラン』を読み込む授業が増え、語学はアラビア語だけで歴史はイスラム史のみとなっている。自然科学分野では、現実に役立つエネルギー、資源に関する授業だけである。
イラク・バアス党との関係
イラクでは宗派対立の解消・旧バアス党系勢力等との融合に向けた取り組みが本格化し、2007年8月26日、マリキ首相は政権と対立関係にあるスンナ派を含む主要宗派・民族指導者と協議が行われ、宗教対立を起因とするテロ事件の発生が減少していた。
イスラム国は6月下旬に新国家建設を一方的に宣言した後、モスルでバアス党の元党員や旧政府軍幹部を次々と拉致していた。2014に行われたISILによる大規模なイラク侵攻時にはバアス党勢力との交戦も確認されている。フセイン処刑後にバアス党指導者(地域指導部書記長)の地位を継承したイッザト・イブラーヒームは、当初ISILを称賛しイラク制圧に協力していたものの後に離反し、2015年にはイランとISIL双方をイラクの敵と糾弾しており、同年にイラク軍に殺害されたとされる。
住民
ISILは、シリアとイラクの支配地域で一時期、少なくとも800万人を武力的支配下に置いていたという。

理念・目標・政治的主張

日本エネルギー経済研究所中東研究センター副センター長の保坂修司は「イスラーム国の思想を理解するには、イスラームの基本的な思想、基本的な法学理論・政治理論を知らなければならない」と指摘した。ISILの者たちは、自分たちの存立の根拠を古い古典的な議論の中に見出そうとする傾向があり、例えばサラフィー主義カリフ制についてある程度理解する必要があると指摘されているのである。

サラフィー主義

サラフィー主義》というのは、サウジアラビアなどのワッハーブ派とほぼ同一視できる、「ムハンマドの没後3世代(あるいは300年間)に見られた世の状態が理想的であった」とする復古主義的な思想である。《反シーア派》、すなわち「シーア派が悪い」と考え、サウジアラビアなどを攻撃する時も、シーア派に対する攻撃を優先すべきだと考え、サウード家ではなく同国のシーア派民衆を攻撃するという選択をした。

サラフィー主義の他の特徴としては、「アッラーのみを信じなければならない」と厳格に考え、イスラムの他派が作った 聖者廟(聖者を記念する墓)や崇拝対象となった樹木などを、偶像として破壊する行為がある。イスラム的な「勧善懲悪」を重視し、サウジアラビアのように宗教警察を置き、1日5回の祈りをしなければならないとして、それを守らない人を逮捕して祈りをさせたり、クルアーン(コーラン)やハディースに内容の書かれている刑罰、「ハッド刑」をサウジアラビア同様に導入し、「窃盗をしたら左手首を切り落とす」「姦通をすれば石打ち刑に処す」などといった刑罰を実際に行っている。こうしたことが、他国においては人権を侵害しているように扱われるという結果を生んでいる(→#人権侵害と事件を参照)。

カリフ制

詳細は「カリフ」および「歴代カリフ一覧」を参照

カリフというのは、預言者ムハンマドが没したのちの632年にアブー・バクルが「カリフ(預言者の代理人)」に就任して以降続くイスラムにおける政治制度のことである。アブー・バクル、ウマル、ウスマーン、アリーのムハンマドの一族の互選による正統カリフ時代と、ムアーウィアを初代とする世襲カリフ王朝ウマイヤ朝、そしてそれを打倒したアル・アッバースを初代とするアッバース朝が成立した。しかし、アッバース朝がモンゴル軍に滅ぼされた1258年の「バグダードの戦い」以降「カリフ」はエジプトのマムルーク朝の庇護を受けていたが、オスマン帝国がマムルーク朝を滅ぼした時に「カリフ」の権威を継承したとされる。このオスマン帝国の「スルタン=カリフ制」は1923年にトルコ共和国が廃止を宣言するまで継続した。「スルタン=カリフ制度」はオスマン帝国の君主がスンナ派の権威を帯びただけの虚構的なもので、ISILはオスマン帝国のそれは無視している。《カリフ制》というのは、多くのイスラム諸国、多くのイスラム教徒から「理想の国家」「理想の政治体制」と認識されている。初期のイスラム運動の指導者ラシード・リダームスリム同胞団などでも、《カリフ制》を理想の国家として、カリフ制度の復活を目指しており、アルカイダにとっても《カリフ制》が理想的国家である。

ただし、カリフ制廃止(1923年)からずいぶん長い年月が経っているため、ほとんどのムスリムにとって、その役割などに関して具体的なイメージが湧かず、漠然としていて、曖昧な考えしか持っていない。そういう状況の中、ムスリム同胞団から分岐した解放党などは、《カリフ制度》を明確に理論化し、イスラムの国家制度の中に組み込もうとしている。このことについて「イスラーム国がカリフ制度が実現したかのようにみせたということに大きな意義がある」と保坂修司・日本エネルギー経済研究所中東研究副センター長は語っている。

2014年時点で、ISIL側が支配すべきと主張している地域(オレンジ色の場所)。

主張する領土

第一次世界大戦中の1916年に、イギリスはフランスやロシア帝国とともにオスマン帝国領を、アラブ人やクルド人などの現地住民の意向を軽視して、自分たちの勢力圏を決める秘密協定「サイクス・ピコ協定」を締結し、戦後その協定に修正を加えて国境線を引いた。オスマン帝国領から西欧列強の植民地となった地域はその後独立したが、シリアレバノンイラクヨルダンといった国々に分割されたという歴史がある。西欧列強は中東の古い秩序を根こそぎひっくり返してしまった。西欧列強が秘密協定によって引いた国境線によって作られた国々の枠組みは「サイクス・ピコ体制」と呼ばれる。ISILは、目標の一つとしてサイクス・ピコ体制の打破を掲げている。「押しつけられた国境」を消し去ろうとしているかのようである。

ISILは、イラクやシリアなどの中東諸国を、サイクス・ピコ協定に代表されるヨーロッパの線引きにより作られた「サイクス・ピコ体制」だとしてこれを否定し、武力によるイスラム世界の統一を目指している。

2014年、ISILは、「5年後に占拠する領土のプラン」を発表したと報道された(異論もある)。彼らが発表したとされる「領土」はスペインからアフリカ北部、中近東を経てパキスタン中央アジア中国西部にまで及んでおり、歴代のイスラム王朝の領土と重なっている(オーストリアの大部分のようにイスラム教徒支配を受けたことのない領域も含まれている)。そしてその区割りは現在の国境とは異なっている。

2014年7月に行われた最高指導者バグダーディーの演説では、ISILは将来的にはローマへ侵攻するとした。

彼らが発表したとされる「領土」には、イラクを除いて古称によると思われる独自の名称が付されている。

出典:wikipedia
2020/07/02 20:16

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